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音楽で拡がる輪

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2018年6月 8日 (金)

興奮間違いなしっ!  『e.s.t. live in london』

Est_live_in_london


スウェーデンのピアニスト、エスビョルン・スヴェンソンが、不慮の事故で鬼籍に入ったのは2008年の6月だった。
ジャズを根っこに、ロック、エレクトロなどを融合させたクリエイティヴでヒップなサウンドが、若者を惹きつけていた人気絶頂時の出来事。当初、私にはこのバンドの良さがストレートに伝わって来てなくて、ある日彼らの楽曲の良さに気が付いたのがウルフ・ワケニウスの『Love Is Real』を聴いてからなんです。その後、すぐにダイヴィング中の事故で帰らぬ人となってしまったわけです。まぁ、私のお耳は先見の明がなかったのですね…。
この音源は、その3年前の2005年『Viaticum』リリース直後のツアー中のロンドンのライブを収録した2枚組。『Viaticum』の曲を中心に、CD1に6曲、CD2に4曲。全曲3人のオリジナル。

まずは、一つ目の赤い玉手箱を…。
オープナーは、「Tide of Trepidation」。拍手と歓声で一緒にライブ会場に。
柔らかなメロディを奏でるピアノ、情感ある演奏から躍動感あふれる演奏まで緊密なトリオ演奏。駄目押しのような美しいピアノ・ソロが心を鷲掴み。
「Eighty-eight Days in My Veins」、美しさをキープ、次第に増して行く高揚感はロックのファンににも届くはず! この躍動感で、一気に、e.s.t.ワールドに引きずり込む。
シームレスにはじまる「Viaticum」は、一転してしめやかに。ボーイングも入って深く心に響く、クラシカルな演奏。
来た〜、強力なビートにのってキャッチーなメロディを繰り返す「Mingle In The Mincing-Machine」。電気処理をした?ベース、金属音で煽るドラム、超疾走感あふれるピアノ、彼らの真骨頂か、大歓声。
一転、静かなバラッド「In The Tail of Her Eye」。美しく、繊細な演奏に徹する3人。最後の効果音をひきづりながら、シームレスに始まる「The Unstable Table & The Infamous Fable」。ノイジーなエレキサウンドのような響きで会場内を満たす。刺激的、交戦的なサウンドのあとは、リリカルなピアノのアコースティックな音が響く。終演は、プログレシッヴな3人の演奏で…。拍手!

次の紫の玉手箱へ。
冒頭からアップテンポで三位一体の「When God Created The Coffeebreak」、石飛礫のように音が飛んでくる緊張感あふれる演奏。拍手!!
ベースソロから始まる「Behind The Yashmak」、ゆったりと、見知らぬ街が浮かび上がるようなエキゾチックな雰囲気。からの、ピアノが入ってのドラマチックな展開、ドラムの素晴らしいサポート、17分超えでライブの佳境か。
ゆったりと情感たっぷりな美しいピアノ・トリオが存分に聴ける美メロ「Believe, Beleft, Below」。
拍手から始まる「Spunky Sprawl」、終始アップテンポで踊りだしたくなるような楽しい明るい演奏!要所要所で拍手が湧いて、終演の喝采は鳴り止みません…。

ソールドアウトになった圧巻のライブ・パフォーマンスは、彼らの楽曲の良さと、演奏の完成度の高さがよくわかる。強力なビートでプログレッシブに疾走する演奏から、しっとりと情感たっぷりな演奏まで、振り幅広く楽しませてくれる!
ピアノトリオに徹した時の、リリカルで欧州ピアノトリオの持つ哀愁、哀感は心に染みる。ロックのビートで、超絶演奏をやり遂げるバンドの一体感は半端ない。全編、高揚感たっぷりだ。

二つの玉手箱を開けると、当時、斬新や難解ともいわれキワモノ扱いもあったサウンドが、すんなり耳に入ってくる。10年以上の時の流れの中で、彼らの音楽が多くのアーティストに影響を与え、現代音楽シーンにその意志が脈々と生き続けているのだ、とわかる瞬間。
まさに、大河の流れも一雫から…良い音楽は永遠ですね♪

CD 1
1. Tide of Trepidation
2. Eighty-eight Days In My Veins
3. Viaticum
4. Mingle In The Mincing-Machine
5. In The Tail of Her Eye
6. The Unstable Table & The Infamous Fable

CD 2
1. When God Created The Coffeebreak
2. Behind The Yashmak
3. Believe, Beleft, Below
4. Spunky Sprawl

Esbjörn Svensson (p)
Dan Berglund (b)
Magnus Öström (ds)

今日のおまけは、「Mingle In The Mincing-Machine」から。

2枚組です。
時間があるときに、観客になりきって、、ゆっくり玉手箱を開けるのがいいかな。

んじゃ、退散♪

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コメント

Suzuckさん おはようございます。
早速ですが、当アルバムそろそろ届くかな?って感じです。
2CDとのこともありちょっと様子見してたのですが、ジャズ友の記事見て入手決めました。
Suzuckさんの「興奮間違いなしっ!」読ませていただいて、まずまず届くのが楽しみとなりました。

baikinnmannさま、コメントをありがとうございます!

これは、買いで、正解だとおもいます。
さすが、お目が高い!!
二枚組と聴くとアレなんですが、、あっというまに終わってしまう感じですね。
観客と一緒に、興奮いたしましょう♪

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