2025年6月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          

音楽で拡がる輪

« 変幻自在でエレガント… 「Danilo Perez John Patitucci Brian Blade」 @ ブルーノート東京(5/23 1st) | トップページ | 驚愕の世界をお約束 「Davy Mooney & 大村 亘カルテット @ JAZZ Flash (5/29)」 »

2018年5月26日 (土)

さすが、完成度高し! 『Seymour Reads the Constitution! / Brad Mehldau Trio 』

Seymour_reads_the_constitution


ブラッド・メルドーは、今年に入ってバッハをテーマにした『After Bach』というアルバムをリリースしている。賛否もあったが、私は彼が「また新しい扉を開いた」と感じた。
彼のトリオのアルバムは、『Blues And Ballads』以来、2年ぶり。前作は、全てがカバー曲だったが、今回はオリジナルが3曲入ってる。

オープナーは、リリース前から公表されていた「Spiral」、ダークでクールなサウンドがまさに螺旋を思わせるようなメロディ。メルドーの高速で音数の多いフレーズに、ベースもドラムも一緒に失踪する超テクニカルな曲。
ベースソロが、フィーチャーされたタイトル曲「Seymour Reads the Constitution!」、夜の雰囲気がぴったりなちょっとダンディな演奏。不思議なタイトルなんですが、どうも、Seymourは、アメリカの俳優フィリップ・シーモア・ホフマンのことらしい。夢の中の出来事からできたた曲のようなんですよ。メルドーは彼のファン?らしいのだけど、シーモアって、麻薬だかヘロイン中毒だかで亡くなっているので、なんだか、あれですよねぇ。。
ミュージカルに使われ、多くの演奏がある「Almost Like Being in Love」。曲の持ってる陽の部分に光が当てられながらも、メルドートリオらしい軽快で、少しだけひねりの効いた演奏。
個性的なピアニスト、エルモ・ホープの「De-Dah」、意表を突く?選択にみえるのだけど、これが実に楽しそうにスィンギーに演奏している。
なんと、、ビーチ・ボーイズの「Friends」、私的偏見でメルドーとビーチ・ボーイズは結びつかなかったのですが…。軽やかで親しみやすいハネる感じはそのまま残して、メルドー流の歌心が聞こえてくる演奏。
オリジナル「 Ten Tune」。ハイテンションで10分を越す長丁場に。一瞬、聴こえるジングル・ベルのように、時折遊びココロをしかける。クラシカルな雰囲気、左右の手が別人格を競い合い、後半圧倒的なピアニズム。
マッカートニーの「Great Day」、メロディの良さは言わずもがな、ピアノ、ベース、ドラムの3人の息のぴったりあった演奏が楽しい。
終演は、サム・リヴァースの「Beatrice」、比較的ゆったりした演奏が多い気がするのですが、三位一体の疾走感ある演奏。最後の最後まで緊張感のあってクール!

バッハに取り組んだ『After Bach』のような話題性はないのですが、
さすが、長年活動を続けているパーマネントなトリオ…完成度の高いクリエイティヴな世界です。

1. Spiral
2. Seymour Reads the Constitution!
3. Almost Like Being in Love
4. De-Dah
5. Friends
6. Ten Tune
7. Great Day
8. Beatrice

Brad Mehldau (p)
Larry Grenadier (b)
Jeff Ballard (ds)


今日のおまけはオープナーの「Spiral」。

風邪をひいてしまったのですが、今週末もおでかけで、、
来週、早々には待ちに待ったライブが新潟であるので、なんとかしたいこの頃です。。

んじゃ、退散♪

« 変幻自在でエレガント… 「Danilo Perez John Patitucci Brian Blade」 @ ブルーノート東京(5/23 1st) | トップページ | 驚愕の世界をお約束 「Davy Mooney & 大村 亘カルテット @ JAZZ Flash (5/29)」 »

JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事

コメント

Suzuckさん,こんばんは。

このアルバム・タイトルの背景はBrad MehldauがWebサイトで明らかにしている通りですが,夢に出てきたメロディ・ラインってのは結構凄いなぁなんて思ってしまいました。

このアルバムを聞いていると,オリジナルとそれ以外の曲では演奏のアプローチにちょっと違いがあるように感じたのですが,演奏そのものははずしませんね。どっちが好きかによっても印象は変わりそうな気がします。

まぁ,でもやっぱりまた生で見てみたいと思わせるに十分な作品でした。次に来日するならサントリーホールはやめて欲しいなぁ(笑)。

ということで,TBさせて頂きます。

閣下、トラバをありがとうございます。

夢にでてきたメロディ・ラインって、私もすごいとおもいます。
仰るように、オリジナルではかなり技巧的な演奏だとおもいますし、
既存の曲では、原曲を大事にしているとおもいます。

そうですよねぇ。
ライブハウスで聴くチャンスあれば、申し分ないでしょうねぇ。。

けっこうな高みに登ってしまったかなあ、と、リラックスして聴ける曲もある反面、思いました。このトリオはけっこうすごいことをやっているような気がしてます。まだまだ更なる次の展開が楽しみです。

TBさせていただきます。

910さま、トラバをありがとうございます。

メルドーも、次への脱皮を常に期待されるアーティストだし、
実際にそうやってきたと思うので、、
このバンドでも 次なる高みを目指すのでしょうねぇ。。

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

» Brad Mehldauの新譜,"Seymour Reads the Constitution!"を早速聞く。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Seymour Reads the Constitution! Brad Mehldau Trio (Nonesuch) 3月にソロ・アルバム,After BachをリリースしたばかりのBrad Me [続きを読む]

» Seymour Reads The Constitution/Brad Mehldau Trio [ジャズCDの個人ページBlog]
新譜が何枚か届いているので、まずはブラッド・メルドー・トリオから。彼のトリオ演奏 [続きを読む]

« 変幻自在でエレガント… 「Danilo Perez John Patitucci Brian Blade」 @ ブルーノート東京(5/23 1st) | トップページ | 驚愕の世界をお約束 「Davy Mooney & 大村 亘カルテット @ JAZZ Flash (5/29)」 »

無料ブログはココログ