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音楽で拡がる輪

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2018年4月14日 (土)

不思議の国を泳ぐ 『OUTER GOLD, INNER LORD. / Alessandro Galati Trio』

Outer_gold_inner_lord


ジャズオーディオ大賞の常連でもあるアレッサンドロ・ガラティ。
前作『Cold Sand』は、澤野工房からでした。これは、私の去年のベスト1なんですよね。
今回も同じ澤野工房さんからです。でも、今度は、全曲スタンダード、、オリジナルに拘って入るガラティには珍しいことですよね。澤野工房さん曰く…

「〜今まで徹底的にオリジナルであることに徹してきたGalatiに、敢えて全曲スタンダード・ナンバーという「枷」をはめる。枠組みは動かせないが、その内側は全て彼次第。結果、生み出されたものは今まで耳にしたことのないようなスタンダード・ソング・ブックだった。〜」

ほぉ。。って、思いますよね。買ってしまいました。笑

オープナーは、「Alone Together」。孤独を2人で乗り切ろうって、暗いラブソング。時に訥々としたタッチになり、深い闇に希望の小さな光が見える演奏。マレットの音が心音みたいに聞こえてくる。セロニアス・モンクの「Blue Monk」。モンクの足取りのような3人のフリーに少し突っ込んだやりとりが面白い。
ガラティの上記の内容への気概のみえる「Caravan」。スローテンポで、砂漠で遭難寸前って感じのマイナーでダークな色彩。高速だったりパワフルだったりのキャラバンはよく聴くけど、このキャラバンは面白い発想。
一転、「Falling in Love with Love」は、軽快で誰もが親しみを持つ様な明るい演奏に。
ジョン・ルイスがジャンゴ・ハインラルトに捧げた鎮魂歌「Django」。冒頭から深い悲しみをたたえた重厚な演奏に。ピアノの悲哀を後押しするベース。
イタリアの哀愁と甘さを全部背負ったような「Sunny」。名曲のおしゃれなメロディをガラティが情感込めて。ベースソロも◎!
バラード仕立ての「Garota de Ipanema」。宵闇、涼しい風の吹き抜けるイパネマ海岸。海岸に打ち寄せる波、夜空の星まで感じるロマンチックな演奏ですね…。
終演は、冒頭のクリスタルなピアノソロで、深い海に引き込まれていく錯覚に。美しいメロディの向こうに隠されたネガティヴなエネルギー…うねって、押し寄せてくる。感情の波は静かにひいてお終い。。

やっぱり、リリシズム満載。アリスの不思議の国に迷い込んだみたいなスタンダード集でした。
スタンダードを携えて不思議な国へ冒険の旅にでたガラティさまでした♪

1.Alone Together
2.Blue Monk
3.Caravan
4.Falling in Love with Love
5.Django
6.Sunny
7.Garota de Ipanema
8.How Deep Is the Ocean

Alessandro Galati (p)
Gabriele Evangelista (b)
Stefano Tamborrino (ds)

今日のおまけは、摩訶不思議な「Caravan」。

んじゃ、退散♪

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コメント

 Suzuckさんのコメント楽しみにしていました。
 私もあの"Caravan"の演奏が、このアルバムの意志を全て物語っていると思います。やはりAlessandro Galati にとっては、スタンダードも自分の世界の為の一つなんですね。このスタンダード集も、ガラティ世界でした。お見事。

風呂井戸さま!

今回は、ぴったり 意見が一致しましたね。
ガラティさまの、「そういうことなら、これはどうだ!」ってしたり顔が目に浮かびます。
本当に、スタンダードもオリジナルのようでした。
くせになりますね。笑

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