芳醇な時間 『Ciao...Amore / Fratello Joseph Bassi with Domenico Sannna, Max Ionata』
前作『JUST YOU, JUST ME 』が、好評だったイタリアのベーシスト、フラテッロ・ジョセフ・バッシ。前作と同じ同郷のピアニスト、ドメーニコ・サンナと音色豊かな人気サックス奏者マックス・イオナータのトリオ作。全作、ラブソングというわけではないが、タイトルどおり「愛」をテーマにした感じ。前作にも入っていたサンナの「Ciro Chi?」とバッシの「 I Know You Know」の他は、ミュージシャン曲やスタンダード。
オープナーの「When I Look In Your Eyes」、ベースが太くはっきりとしたピチカートでテーマを寄り添うピアノも切ない。サブトーンが心地よいイオナータのテナー。哀愁たっぷりにブロウ、そして、透明感あるピアノが涙を誘う。イオナータの躍動感あるサックスが楽しい「I Can't Believe That You're In Love With Me」。アグレッシヴなベースを中心に丁々発止のやりとり。
なんと、大好きな「Sno' Peas」が選曲されてる!!うん、エヴァンスの『Affinity』に入って入るアレです。お気に入りは、ルイージ・マルティナーレの『Le Sue Ali』!今回は、エヴァンスのヴァージョンのようにサックス入り。ピアノでリリシズムを誘い、アンニュイな雰囲気のイオナータのサックスが入る。浮遊感ある不思議なワルツなのだけど、ゆったりとベースの低音が心地よい重心低めの演奏。さりげなく、スリリングな展開もあり、「Sno' Peas」のコレクションが増えた感じ。時代もあるんだけど、本家より良いと思う。
ケニー・バロンの「Voyage」。タフガイ、イオナータ登場、流麗なピアノ、バネの強いベース、鬩ぎ合いが続くハードボイルドな1曲。太くたくましいベースソロから始まるバッシの曲「 I Know You Know」はベースとピアノのデュオ。透明なピアノが入って場面が一転、恋人たちの夕闇の影をみるよう、寄り添うような2人…最後まで叙情的に。
イオナータのアルバムにも参加していたヴォーカリスト、ジョージ・テレスファロの曲「Say No」。しっとりと語りかけるイオナータ、しっかり支える2人。優しさと温もりを感じる演奏。サンナの曲「Ciro Chi?」、ウォーキングベースが素敵、3人でスィンギーな快演。おしゃれなガーシュイン曲「Promenade」は、ベースとピアノのデュオ、インティメイトな会話。
終演は、イタリアのトランペット奏者マルコ・タンブリーニのムーディな「Giochi Di Luci」。最後まで、ジェントルな3人でした。
力強く重厚なベースに、硬質でエレガントなピアノ、そして、哀愁たっぷりに歌心をブロウするサックス…。ドラムレスの密度高い演奏は、芳醇な時間!優しさく温もりがあり、和気あいあいとしながらもスリリングな聴かせどころもたっぷり。さりげなくイタリア人的、愛情表現がたっぷりのリラクゼーション盤。
1. When I Look In Your Eyes
2. I Can't Believe That You're In Love With Me
3. Sno' Peas
4. Voyage
5. I Know You Know
6. Say No
7. Ciro Chi?
8. Promenade
9. Giochi Di Luci
Max Ionata (ts) #exc. #5,8
Domenico Sanna (p)
Fratello Joseph Bassi (b)
今日のおまけは。大好きな「Sno' Peas」。
↓では、音源がみんな聴けますね。
猫じゃけですね!
土曜日、日曜日と「ザ・イタリアの哀愁」って感じでした。
んじゃ、退散♪
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