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音楽で拡がる輪

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2018年2月20日 (火)

郷愁を誘う美音三昧 『For 2 Akis / Shinya Fukumori Trio (福盛進也)』

For_2_akis


独自の美学を貫くECMから日本人のドラマーがリーダー作をだしました。
大阪出身でアメリカへの留学経験を持つ福森進也氏。ECMの大ファンで、それが高じて現在ミュンヘン在住だそうです。
今回は、同じようにECMの大ファンのピアニスト、ウォルター・ラングとサックス奏者、マテュー・ボルデナーヴのトリオです。選曲をみてびっくり!ソングリストをよ〜くみてください。
冒頭から宮沢賢治の「星めぐりの歌」です。「荒城の月」、「愛燦燦」、「満月の夕」と演奏のバージョン違いも含めて5つのトラックでも郷愁漂う日本のメロディが聴けます。

オープナーは賢治の「星めぐりの歌」。夜空によせる郷愁はどこから生まれるのでしょ?
親しみやすさと幻想的な光景を思い起こさせるオープナー。心の奥に旅にでる。
福森オリジナル「Silent Chaos」、サックスとピアノの織りなす抽象画。小椋桂の「愛燦燦」、、と、いうより、、孤高の女王美空ひばりの代表曲ですよね。メロディはひたすらにシンプルに。そして、美しい言葉で詩情豊かに抒情的に語り合う…。
オリジナルでタイトル曲「For 2 Akis」。ひたひたと押し寄せる静かな高揚感。
マレットで始まる「The Light Suite」は、瀧廉太郎の「荒城の月」から始まる小組曲。ノスタルジックな光景が、アップテンポで美しいシンバルワークから色めき立つ。
ウォルター・ラングの「No Goodbye」。切ないメロディとかすれ声のサックスがぴったり。
福森オリジナル「Spectacular」、スリリングで飛翔感ある演奏。
中川敬と山口洋の共作「満月の夕」、あっけらかんとした明るささえ感じる穏やかな演奏がより胸に染みる。マテュー・ボルデナーヴの「Émeraude」、色彩豊かな抽象画を観るよう。
ウォルター・ラングの「When The Day Is Done」、優しいメロディ、綺麗なサックスのライン、癒しの空間。終演は、再び賢治の「星めぐりの歌」。巡り巡って宇宙の彼方へ旅に出る。

「The 日本」って、メロディをシンプルに心に届ける。
リリカルで美麗なピアノ、穏やかにさりげなく自らを主張するサックス、そして、非常に美しいメロディを奏でるドラムワークで、演奏も「The ECM」って、感じの美しい会話。全編、郷愁を誘う美音三昧でした…。

1. Hoshi Meguri No Uta
2. Silent Chaos
3. Ai San San
4. For 2 Akis
5. The Light Suite ~Kojo No Tsuki* / Into The Light / The Light
6. No Goodbye
7. Spectacular
8. Mangetsu No Yube
9. Émeraude
10. When The Day Is Done
11. Hoshi Meguri No Uta (var.)

Matthieu Bordenave (ts)
Walter Lang (p)
Shinya Fukumori (ds)

今日のおまけはECMレーベルのトレーラーから。
「For 2 Akis」が聴けます。

福森氏をインタビューした記事が前編後編で拝読できます。(投げ銭制)

《Jazz The New Chapter for Web》福盛進也 interview 前編(柳樂光隆)
《Jazz The New Chapter for Web》福盛進也 interview 後編(柳樂光隆)


そして、リリースツアーもありますね。

Shinya Fukumori Trio "For 2 Akis" Japan Tour 2018

Shinya Fukumori (ds) Matthieu Bordenave (ts) Walter Lang (p)

2018年3月31日(土) 新宿ピットイン
2018年4月1日 (日) 城下公会堂
2018年4月3日 (火) 阿倍野区民センター・小ホール
2018年4月5日 (木) JAZZ茶房 靑猫
2018年4月6日 (金) 横浜エアジン
2018年4月7日 (土) L'atelier

【公演情報 詳細 】(SONG X LIVE 054)

でも、何処にも行けそうにないなぁ。。
いつか、チャンスが巡ってくるまで、、我慢ですね。
んじゃ、退散♪

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コメント

最近、ECMもストリーミング配信をするようになり、早い段階で他の人の評価を目にするようになりましたが、このアルバム、けっこういいですね。日本のメロディって、ジャズにするとう~んとなることも多いのですが、ここではECMサウンドのマジックというか、優しく包み込んでくれるような感じで、けっこう気に入りました。リーダーの天性の部分で、傾向と対策ではないと思いますけれど...。

TBさせていただきます。

910さま、トラバありがとうございました。
対応が遅くなってすみません。。

仰ることよくわかります。でも、ここでの日本の曲は心に沁みてきますよね。
ライブを聴いてみたいです。インタープレイも凄いのではないかなぁ。。と。
日本人が、日本の音楽を演奏することは、阿るわけではないとおもいます。(きっぱり)

Suzuckさん,こんばんは。

このアルバムの告知が出た時は驚きましたが,アルバムを聞いてまた驚きました。これほどECMと同化する日本人ミュージシャンがいるとは...って感じです。やっている曲を見ると,ちょっとおののいてしまう感じがなかったわけではありませんが,ちゃんとECMのアルバムに仕上がっているのもEicherマジックなのか,リーダーの才覚なのか。

いずれにしても,美的にして静謐たるECMを体現したアルバムだったと思います。

ということで,TBさせて頂きます。

閣下、トラバありがとうござます。
良いアルバムがつづきますよね!今年は、豊作ですよね。

選曲をはじめ見たときは、びっくりしたのですが、、
日本人が日本の曲に想いをこめることは全然悪くわないので、、
むしろ、ここまで「演歌の魂」を断ち切れるって凄いとおもいました!

好評のアルバムで、遅まきながらしっかり聴きました。
 日本の郷愁を誘うかっての名曲を散りばめての静謐な品格あるトリオ演奏には圧倒されました。福盛真也のドラムスのプレイも出過ぎること無く、そうは言ってもしっかりと曲の急所は掴んでいて、しかも録音もよく気持ちの良いアルバムでした。

風呂井戸さま、、トラバをありがとうございます。

私も、こう言う手があったか、、って、思ったのですが、、
考えたら、ECMの作品には、、
その国の音楽をその国の人がECM流に料理するって、ありますものね。

私たちが日本人だから、ちょっとびっくりしただけなんですよね。
素晴らしいドラマーなので、一度は目の前で聴いてみたいです。

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