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音楽で拡がる輪

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2018年2月 1日 (木)

マレーシアより愛をこめて♪ 『Bearing Witness / New Sound』

Bearing_witness


マレーシア在住の八木ブラザーズのひろちゃんこと八木敬之氏からの贈り物です。
立派なサラリーマンながら(それも偉い人らしい。。)サックス奏者でジャズ馬鹿なひろちゃんは、赴任先のマレーシアでもその陣地をひろげ、、ついに地元のジャズミュージシャンのアルバムの録音に参加しました!
それが、これです!!
全曲参加者のオリジナルで、現代ジャズのガツンとしたものを中心に、浮遊感あるヴォイスの入ったオアシス的なものまで、なかなか色彩豊かに仕上がりました。
New Soundは、キーボード奏者John Dip Silasを中心に、サックス2本、ギター、ベース、ドラムのセクステット。サックスは、テナーとソプラノです。演奏者の人たちの国籍は不明ですがw、全員マレーシア在住。2月4日には、マレーシアのNo Black Tieでリリースライブをおこないます。料金内で、このCDが付いてくるすっごく お得なライブらしいっす。

オープナーは、ピアニストJohn Dip Silas の「Bearing Witness」。Scott Murphyのモダンなテナー、Hor Chee Sengのギターのソロからの、後半シンセを投入しての盛りあがりかっこいい。って、なかなか、メンバーの演奏レベルが高いですぞ!
ジャカルタのヴォーカリストAmelia Ong参加で彼女の曲「In My Eyes」。私のお気に入りのヴォーカリスト、ユン・サン・ナみたいに、伸びやかな声で的確に音をコントロールしながら、バンドサウンド絡んでいくお姿が素敵。彼女のバックでテナーとソプラノが頑張っている、白眉な1曲。曲も良いのだと思うのですが、硬質で美メロの好きそうなピアノにはまった感じもありますよね。歌やバンドサウンドに浮遊感と哀愁をプラスするRodrigo Parejoのフルートも効果的。
ひろちゃんが、ソプラノをテナーに持ち替えているので、テナーバトルが聴ける「Stickit Nick」。元々のテナー、スコットランドから来たScott Murphyの曲。アップテンポで、冒頭でブレッカー・ブラザーズを彷彿させる高速リフがあって一気にテンション上がる。癖の強いロック調のギタリストMuhammad Nezrinの参加とドラムの煽りで、ハードドライビングな仕上がり。流暢でスマートなScott Murphy、同じく流暢でもちょっと太めで怪腕な八木敬之、久しぶりにテナーを聴きました♪ 同じく、Scott Murphyの曲「Wind and Waves」、冒頭のどしゃめしゃから一転浮かび上がってくるテーマはちょっとメロウで都会的。高速で疾走感あるソプラノソロからの挑戦的なピアノソロも含めて、最後まで聴きごたえある演奏。
ピア二ストの曲「For Brad」、Amelia Ongのヴォイスをグレッチェン・パーラト風にフィーチャーして、Leon Yuenの味わい深いハーモニカと絡めた浮遊感あるアレンジ、演奏は、今どきでいけてますね♪
Scott Murphy の曲「The Host」、ビターテイスト、途中テナーとソプラノのヒートアップしていく様子、John Dip SilasのピアノとHor Chee Sengのギターの美しいやりとりと高揚感ある場面が続く。その後ろをしっかり支えるベースとドラム。バンドサウンドかっこいい。終演もScott Murphy の曲「The Spread」、ちょっとコズミックな雰囲気がただよう。音風景がしだいに大きく広がって行く雄大な感じが気持ちいい。

去年、「タレンタイム〜優しい歌」という、今は亡きヤスミン・アフマド監督のマレーシアの映画を観ました。
マレーシアは多民族、多宗教の国で、多様性を受け入れつつ繋がることが難しいけれど重要だと映画は教えてくれた気がします。この音の背景にも似た様なものを感じました。
ジャズという音楽にアンテナを立てるときに、ついつい、、アメリカ方面、欧州方面にアンテナを向けてしまうのですが、同じアジアの国にだって優秀なミュージシャンはいらっしゃるのですよね。
ちょっと、びっくりするくらいレベルの高い内容でしたよ!

1.Bearing Witness
2.In My Eyes
3.Stickit Nick
4.Wind and Waves
5.For Brad
6.The Host
7.The Spread

John Dip Silas (key)
Scott Murphy (ts)
Hiroyuki Yagi (ss, ts #3)
Hor Chee Seng (g)
Icco Elnoel (b)
Terrennce Ling (ds)

Amelia Ong (vo #2, 5)
Rodrigo Parejo (fl #2)
Leon Yuen (Harmonica #5)
Muhammad Nezrin (g #3)

今日のおまけは、オープナー曲で、タイトル曲の「Bearing Witness」

んじゃ、退散♪

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コメント

マレーシアの今のジャズが聴けちゃうのもスゴいことですが、八木さんの参加作というのもスゴいですねえ。実は、お知り合いになる前に、やはり参加作の2枚持っていまして。

このアルバム、日本でも取り扱ってくれるところができればいいな、と思います。それだけインパクトありました。

TBさせていただきます。

910さま、トラバをありがとうございます。

世界中で現代ジャズを演奏している人たちがいるにだとはおもうのですが、、
なかなか、既成概念から離れられなくて、、アジアには目がむきにくいですよね。
最近になって、日本のジャズも追いかけ始めた私です。

参加作品ってなんでしょね。
TVジャズ??伊佐津和朗氏の作品かな、、。

Suzuckさん,おはようございます。TBありがとうございます。

彼らの演奏は他のミュージシャンからの影響も感じさせつつ,レベルは高いですよね。マレーシアの音楽事情は八木くんみたいな人がいないと触れる機会はなかなかないわけですが,こうしてあちらの状況を垣間見ることができるのはいいことですね。

ということで,こちらからもTBさせて頂きます。

閣下は、集中先でライブも聴いているのですよね。
それは、応援せねば。

マレーシアやその周辺の音楽事情みたいなのも少しわかって興味深かったです。
実際にアジア出身やルーツに持つ演奏者たちもいらっしゃるわけですものね。
しかし、いろいろ考えると、日本てなんてジャズな国なのでしょう!
日本のミュージシャンのレベルの高さも、層の厚さもあらためて感じました。

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