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音楽で拡がる輪

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2018年1月

2018年1月28日 (日)

心豊かなドルチェの時間… 『Nella Memoria / Rie Losacco Trio』

Nella_memoria

零下の厳しい寒さが続く新潟、いえいえ、日本。
新潟市も軽い雪と、強い風でホワイトアウトの出現率も高い今日この頃。。
寒さの為に、ぎゅっと硬くなった身体と心をほぐすのにぴったりなアルバムがやってきました。
ピアノが大好きなブラザー最中さまが教えてくれた、このアルバム。
主人公は、写真家でもある(アルバム写真はご本人)仙台出身でイタリア在住の女性。
イタリアのプログレバンド「AREA」のベーシストだった、現在のイタリアジャズ界の重鎮ベーシスト、アレス・タヴォラッツィをベースに迎え、ドラムもアレス・タヴォラッツィに馴染み深いピエロ・ボッリのイタリア人2人とトリオです。

オープナーは、ゆったり、しっとりスローなバラッド「Nostalgia」。甘い香りの哀愁が漂います。波打ち際で打ち寄せる波を眺めるような「Il Male 」、ロマンティックな味付け。どっしりしたタレスのベースが素敵。
優雅で美旋律「Melodia Del Vento」。心に響く温かなベースの音色、歌心豊かなベースソロ「Montmartre」。
どこまでも柔らかで優美な「Foglie Cadenti」。柔らかで凛とした「La Preghiera」。詩情豊かでストーリーを感じる「Autumn In Poland」。温和で優しさあふれる「Nocturne」。
終演は、即興。最後まで、優雅で落ち着きある演奏、私は、このトラックが1番日本的な情緒を感じました…。

透明感あって優雅で穏やか、甘美な雰囲気です。
曲も親しみやすい優しがあって、、とても良い感じ。。
心にしっとり寄り添う感じがとても好き。心にも甘いご褒美を♪


1. Nostalgia 「ノスタルジア、望郷、郷愁」
2. Il Male 「海」
3. Melodia Del Vento 「風の調べ」
4. Montmartre 「モンマルトルの丘」
5. Foglie Cadenti 「落ちゆく葉」
6. La Preghiera 「祈り」
7. Autumn In Poland 「ポーランドの秋」
8. Nocturne 「夜想曲」
9. Improvisation (即興)

Rie Losacco (p)
Ares Tavolazzi (b)
Piero Borri (ds)

今日のおまけは、アルバムのオープナー「Nostalgia」より。

イタリアのフィレンツェでの録音だそうです。
どんなところかしら? なんて、想いを馳せながら。。

んじゃ、退散♪

2018年1月27日 (土)

刺激的なインタープレイの連続 「Jormin,Mori,Kaptein trio @ Jazz FLASH (1/26)」

Jormin,Mori,Kaptein trio @ Jazz FLASH (1/26)

Christian Jormin (p) 森 泰人 (b) Sebastiaan Kaptein (ds)
ゲスト Fabio Bottazzo (g) 土屋 由紀 (vo) 長谷川 拓斗 (p)

Christian_jormin


森さまの主宰するスカンジナビアン・コネクションツアーの第42回目。
私の欧州ジャズ好きは、森さまのスカンジナビアン・コネクションのおかげと言っても過言ではありません。m(_ _)m
今回は、スウェーデンのピアニストでドラマーのクリスティアン・ヨルミーン。そうそう、森さまも一目置く、ボボ・ステンソントリオのベーシストのアンダーシュ・ヤーミンの弟さまですね♪

背が高く、手足の長いクリスティアンがピアノに座ると、ちょっと窮屈そう。
でも、演奏がはじまると大きな手、長い指が、鍵盤を所狭しと動き回ります。
迷いのない力強いタッチ、よどみない高速フレージング、ドラマチックな展開。
その動きをじっと見極めるように、太いたくましいベースが踊る、踊る。
そして、終始、素早い反応でで空間に綺麗な音を敷き詰めるドラマー。
その華麗でいて 豪放なドラミングで大きく場面を動かしていたとおもいます。

いや〜〜三位一体、 高揚感のある演奏!
ピアノはドラマーでもあるせいか、 内部演奏もかなりパーカッシヴ。
長い手を奥までのばして様々な音で状況を変えていきます。
森さまが、
「うかうかしていると、遠くにとばされちゃいそうになる」
と、仰っていたのですが、ちょっとした変化で自在に場面を展開していきます。
緊張感ある刺激的なインタープレイの連続が、奏者を互いにハイにしていると思うし、観客もその熱演に手に汗握って引き込まれていました。

スウェーデンの民謡やイタリアの佳曲などにインスパイアされたオリジナルを中心に躍動感ある演奏が多く、ポルスカという3拍子のスウェーデンの民謡の話などとても興味深かったです。そういえば、スウェーデンの民謡をジャズにアレンジしたヤン・ヨハンソンって夭折したピアニストがいましたよね。

って、、もう、素晴らしすぎて、涙がでそうでした…。

そして、新潟のジャズフラッシュでは、スペシャルゲストでギターのファビオ・ボッタッツォさまが参加! 残念ながら彼のオリジナルはリハの時間がとれなくて演奏できませんでしたが、スタンダードを2曲。嬉々として長尺フレージングを繰り出すファビオのめっちゃ嬉しそうな顔が、また 嬉しい!
ヴォーカルの土屋由紀さまの歌も華を添え、小さなジャズファン拓斗くんのピアノも真心を添えてくださいました。

躍動感いっぱいでドラマチックなピアニストを中心に、嵐のようなインタープレイの連続、三位一体、 高揚感のあるトリオでした。
まぢ、かっこよかったです。

当然、サインを頂いて、打ち上げに参加して、午前様。。去年の反省はどこへやら。。

ここで、、疑問。
私の持っているCDを、「どこで買ったんだ?」って2度も聞かれたのですが、、
スウェーデンはネットショップで買わないのか??

んじゃ、退散♪

2018年1月20日 (土)

まさに美サイレンス 『Contra La Indecision / Bobo Stenson Trio』

Contra_la_indecision

スウェーデンの至宝、ボボ・ステンソンのトリオが新譜をだしました!
2015年にはソロで来日し、内省的で集中力のある孤高のピアニストぶりを拝聴させていただいたのですが、翌年にはこのトリオで来日し、仲間と演奏を心から楽しんでいる外向きな様子が忘れられません。
2012年に『Indicum / Bobo Stenson Trio』も衝撃的な美しさでしたが、今回も期待に違わず素晴らしい!
メンバーのオリジナル7曲とシルヴィオ・ロドリゲスのタイトル曲、クラシック曲など、全11曲。

オープナーでタイトル曲のキューバのシンガーソングライター、シルヴィオ・ロドリゲスの「Canción Contra La Indecisión」。ロドリゲスの曲ってこんなに可愛らしかったっけ。。m(_ _)m リリシズムに溢れ透明感ある柔らかな演奏。
ベースのアンダーシュ・ヤーミンの「Doubt Thou The Stars」。音の少ないピアノの向こうで響くボーイング、ヨン・フェルトの金属系の繊細な音が美しく響く、少しアブストラクト場面が、一転、動き出しスィングする哀愁のピアノトリオへ。聴き惚れるベースソロ。。
哀愁溢れるバルトークのスロヴァキアの民謡「Wedding Song From Poniky」、クリスタルのようなピアノ響き、その向こうに踊るベース。
暗闇に浮かび上がるようなベースソロで始まるヤーミン曲「Three Shades of A House 」。少しづつ3人の音が寄り添いはじまり美しいメロディを奏で始める。静かなる心象風景。
エリック・サティの「Élégie 」。流麗なピアノとベース、ドラムとの絡み。特にピアノとベースは一心同体ですよね。フェデリコ・モンポウの「Canción Y Danza VI 」、哀愁の権化。
今回唯一のステンソンの曲「Alice」。冒頭から幻想的な風景がひろがり、3人の創り出す抽象的な空間が美しすぎて白眉。ヤーミンの曲「Oktoberhavet 」、冒頭の大海をうねるようなボーイングが心を乱す。叙情豊かなピアノに心を任せる。秘めた情熱。
3人名義の即興曲「Kalimba Impressions」、あのカリンバにインスパイアされたってことよね?
ヤーミンの曲が2曲続きます。まずは、グルーヴィーで躍動感ある「Stilla 」。
終演は、メロディアスで音を最小限に絞った「Hemingway Intonations」。3つの世界が自然と重なっている。思索的で美しい演奏でした…。

前作に引き続いて美サイレンスとしか言いようのない美しさ。
3人の個性がうまく重なり合った空間での、、絶妙な感覚の共有が素晴らしい。
誰1人ぬけても成り立ちませんよね♪


1.Canción Contra La Indecisión
2.Doubt Thou The Stars
3.Wedding Song From Poniky
4.Three Shades of A House
5.Élégie
6.Canción Y Danza VI
7.Alice
8.Oktoberhavet
9.Kalimba Impressions
10.Stilla
11.Hemingway Intonations

Bobo Stenson (p)
Anders Jormin (double bass)
Jon Fält (drums)

ライブの時にとても印象的だったのは、重鎮2人のヨン・フェルトへの眼差し。
若い素晴らしい才能をこころから認めめて、仲間として一緒に楽しんでいました。

今日のおまけは2017年のジャズフェスの映像。

んじゃ、退散♪

2018年1月16日 (火)

優しさ溢れる詩情豊かな音風景 『Calma / Carlos Aguirre Trio』

Calma


アルゼンチンのピアニスト、コンポーザー、シンガーのカルロス・アギーレ。6年ぶりのピアノ・トリオ作は、2013年から一緒に演奏しているピアノ・トリオでの作品。タイトル「Calma」は、スペイン語で「平穏」だそうです。
全作、オリジナルで、70分超え。ご本人のとった写真とそこに添えた言葉、そして、日本語のライナーとダブル・ブックレットでした。

オープナー「De tu lado del mar」の単音の連打が心の扉を開く。
ポルトガルのピアニスト、マリオ・ラジーニャへ捧げされた曲だそうで、とても穏やかなメロディで柔らかな演奏。始まって1分もしないうちに心のさざ波が静かに消えて行く。
どこか甘い香りのする「 Las flores de Rosalia」、少ない音で会話する3人の息はぴったり。
日本の友人たちへの想い「Hiroshi」。繊細で温かな演奏に心うたれる。様々なドラマを感じるのはタイトルのせいだろうか。。?
少しアップテンポでスリリングな展開で始まる「Kalimba」。カリンバは、アフリカの「親指ピアノ」と呼ばれる民族楽器。その楽器の音色や感触にインスパイアされた心持ち?が躍動感ある演奏になったのかなぁ。14分超えの大作なので、どんどん変化して行く光景をただただうけとめる。
「Dentro mio」、しっとり優しいメロディ、ロマンチックな想い。流麗でリリシズムたっぷりな「Palabras para nombrarte」。迸る情熱。
そして、終演はゲストも加わって壮大にひろがる「 Voces de otra vida y otro lugar」。カマシ・ワシントンの終演曲でもヴォイスがとても素晴らしい効果だったんだけど、この曲でも人生のはるかな旅路を感じる素晴らしい演奏。途中クレジットにないトロンボーンの熱演が、、また、胸に刺さるんですよねぇ。白眉でした。

やはり、曲が素晴らしい♪
そして、流麗で耽美的、詩情豊かでで繊細で思索的な感情表現のピアノ。
仲間とのインタプレーも素晴らしい、穏やかでいて確固たる信念を感じるアルバムです。
タイトル通りのないようでしたね!

解説にある「CDパッケージは重要なもの、ジャケット・デザインはアートであり音の住む家」とう言葉通り、素敵なアートワークが音楽を優しく包んでいます。

1. De tu lado del mar / 海にいる君のそばから
2. Las flores de Rosalia / ロサリアの花たち
3. Hiroshi / ヒロシ
4. Kalimba / カリンバ
5. Dentro mio / 私の心の中
6. Palabras para nombrarte / 君に名をつけるための言葉
7. Voces de otra vida y otro lugar / 別の人生と別の場所の声たち

Carlos Aguirre (p)
Fernando Silva (b , cell)
Luciano Cuviello (ds , perc)
ゲスト
Mono Fontana (synth #7)
Claudio Bolzani (vo #7)
Marcelo Petteta (vo #7)

今日のおまけは、「De tu lado del mar」。

今、来日ツアー中ですね。今回も聴きにいけなかったです。。
しかたないけど、生で聴いた人たちが羨ましいなぁ。

カルロス・アギーレ ジャパン·ツアー 2018 「ラ・ムジカ・デル・アグア(水辺の音楽)」
彼の故郷リトラル地方はパラナ川とウルグアイ川に面した水辺の地域のようで、その故郷にちなんだ曲を演奏するようですね。
すでに、チケットが完売のところもありますが、若干お席が用意できるとこともあるようです。タイミングが合え方は、ぜひぜひ!!!

余談ですが、新潟市も「水の都」です。
とくに、古くからの中心街古町は、新潟島といって海、川、分水に囲まれています。
美しい水辺の風景に癒されること多いですよ。

んじゃ、退散♪

2018年1月13日 (土)

暖かな部屋で穏やかな音楽を 『Hummingbird / Helge Lien | Knut Hem』

Hummingbird

新潟市は、基本的に雪は多くないのですが、、
この2日ほど、、大雪となってしまいました。
降りしきる雪、、それは観ているだけならば、、とても綺麗です。
でも、現実は、渋滞になったり、事故ったり、雪かきしたり、と、余分なお仕事ばかりです。疲れてぼ〜っとした頭に、やんわりと温かな音楽。

大好きなヘルゲ・リエンのデュオです。
お相手は同国のノルウェーのドブロとワイゼンボー奏者、Knut Hem。(読み方がわかりません。m(_ _)m)
リエンは、ピアノ、お相手は、ドブロとワイゼンボーと記されています。
互いのオリジナル曲を演奏しています。リエンが2曲、お相手が5曲、カントリー曲1曲。そして、ダウンロードのボーナストラックが付いています。

オープナーは、スティールギターのように空気を震わせる弦楽器の音に透徹なピアノが重なる穏やかな曲「Dis」。心に染み渡るメロディ。
エキゾチックなメロディに心奪われる「Take Another Five」。ちょっとアップテンポな曲を流麗に弾きこなす2人。互いの掛け合いもいい感じ。
厳しい冬への温かな想いがこめられた「Winterland 」。私の心はラップランドの大自然へ。ドラマチックな演奏。
穏やかなピアノで始まるリエンのオリジナル「Moster」、柔らかな音で穏やかな2人の会話。
ゆっったりと楽しい会話が続く「Music Box」。少しだけ哀愁を帯びたメロディと演奏にうっとり「Rafferty」。各所で聴かれるリエンのソロは素晴らしい。カントリーのジェリー・ダグラスの名曲「We Hide and Seek 」は、丁々発止で!やっぱり、二人とも超うまい♪
アルバムの終演はタイトル曲リエンの「Hummingbird 」。この穏やかな世界にいつまでも浸っていたい。。

とても穏やかなアコースティックな世界。どの曲も優しく、美しく、ほっとしますね。
外は寒いけれど、、暖かな部屋で温かで穏やかな音楽を。

1. Dis
2. Take Another Five
3. Winterland
4. Moster
5. Music Box
6. Rafferty
7. We Hide and Seek
8. Hummingbird

Knut Hem (dobro / weissenborn)
Helge Lien (p)


今日のおまけは、「Moster 」。一週間のお疲れを癒してくださいな。


Moster (promo video) from Helge Lien on Vimeo.

新潟市内は晴れてます!
どうか、そのまま。。

んじゃ、退散♪


2018年1月 8日 (月)

モノクロームの心象スケッチ 『Heal The World / Open Trio』

Heal_the_world


スウェーデンのピアノトリオ。
10年くらい前に、『Goodbye Everything』という、3人の顔のジャケットのアルバムでデビュー。今回も同じメンバーです。
リーダーでピアニストのヨアキム・シモンソンがオーナーのFound You Recordingsからの4作目?ですかね。「Very Early」を除き、ピアニストのオリジナル。

オープナーは、ラーシュ・ヤンソンの歌心に通じるあたたかなメロディ「You Human」。ゆったりと心に染み込んでくる。3人の息もぴったり。
静かに心象風景を映し出すような「Like A Rainbow」。少ない音でのやりとりは、夢の中の会話。
エキゾチックで哀愁を帯びた「Malala」。ビターテイストで緊張感ある演奏、インタープレイ。
端麗でリリシズム溢れる「Very Early」は、趣深い。
ダークで張り詰めた雰囲気の「Bass」。常にスリルを感じる。表情豊かに歌い上げる、ロマンティックな「To The Moon And Back」。ダイナミックでシリアスな「Drums」。
終演は穏やかに、音の一つ一つを吟味した「Serenity」。心に余韻を残して。。

内省的で、ダークで陰影ある演奏。寡黙だけれど表情豊かな演奏。
肩の凝らない、力の入らない抽象具合が素敵です♪

1. You Human
2. Like A Rainbow
3. Malala
4. Very Early
5. Bass
6. To The Moon And Back
7. Drums
8. Serenity

Joakim Simonsson (p)
Pär-Ola Landin (b)
Daniel Olsson (ds)

今日のおまけは、このアルバムのトレーラー。

連休ですが、お正月明けの休みは忙しいですよね。
んじゃ、退散♪

2018年1月 6日 (土)

魂の鼓動 『ICTUS / Tamaya Honda ICTUS Trio』

Ictus


日本、海外で評価の高いドラマー、本田珠也。私的には野生と理性の同居する情熱的なドラマー♪
コードレスの『Second Country』の次の作品は、ポール・ブレイの命日(1月3日)に発売になった形式的にはピアノ・トリオのアルバム。新譜の案内からずっと楽しみにしてました。
そして、カーラ・ブレイの曲が並んだ選曲は、元妻カーラ・ブレイの曲を愛奏していたポール・ブレイへのオマージュに思える。
メンバーは、幾つかのユニットで一緒、絶対的な信頼を寄せるベーシスト須川 崇志、彼のユニットには初参加、現在引く手数多のピアニスト佐藤 浩一 、2人の気鋭の奏者と創り出す本田珠也の語る愛の世界。
10曲中6曲がカーラ・ブレイの曲、スタンダード2曲、佐藤の曲2曲。

オープナーは静かに、でも、何故か嵐を予感する「And Now The Queen」。
繊細さと力強さ!ベースソロ、ピアノソロで一気に引き込まれる「Vashkar」。
「Batterie」乱れの全くないアヴァンギャルドでフリーな演奏♪
バラッド「It Never Entered My Mind 」、美しいメロディを奏でる透徹なピアノ、ドラムの深い感情表現、愛の深さ。
火花の主人公の先輩神谷への共感からできた佐藤の「Kamiya」。神谷の心の葛藤と重なるようなストイックなドラムソロが圧巻。はやく、生で聴きたいですっ!
もう1曲佐藤曲で「Heaven」、ソロで聴いた時も荘厳な雰囲気だったのですが、須川のアルコでより曲に厚みをまし不思議な世界へ。
「Sad Song」タイトルそのまま深淵の世界へ誘うドラムが素敵。ベースソロも聴きごたえあり。静かに弾けるフリーの世界「Violin」。
タイトル曲、「Ictus」、ラテン語で「打楽器」らしい。激しく、壮絶に弾けるフリーの世界。
そして、終演はバラッド「I Should Care」。心象風景を投影するピアノで、美しいメロディがより美しく。音数の少なめなピチカートのソロが泣ける。

メンバーのつくりだす緊張感と高揚感が絶妙で、本田の描き出すダークで混沌した色合いに心奪われる。
男性的な強さと繊細で知的な感覚が組み合わさった、、なんていうのか、、ヒリヒリするような感覚も嬉しい。。

新年、、すっごく、好きな1枚がいきなりあらわれましたね!!


1. And Now The Queen (Carla Bley)
2. Vashkar (Carla Bley)
3. Batterie (Carla Bley)
4. It Never Entered My Mind
5. Kamiya (Koichi Sato)
6. Heaven (Koichi Sato)
7. Sad Song (Carla Bley)
8. Violin (Carla Bley)
9. Ictus (Carla Bley)
10. I Should Care

Tamaya Honda (ds)
Takashi Sugawa (b, cello)
Koichi Sato (p)

今日のおまけは、レーベルのトレーラー。
「Vashkar」ですね。

新年あけてから、いろいろなピアノトリオが入って来ました。
みんな良いので困ってしまう。。

んじゃ、退散♪

2018年1月 3日 (水)

穏やかに 『Very Special / 大西順子』で、願う 「☆ 2018年 みっつの願い (*^_^*) ☆」

2018年もよろしくお願いしまあす。


★今年は戌年でーーす★

Very_special


『Very Special / 大西順子』

毎年、冒頭を飾るアルバムは、女性ミュージシャンの本人がジャケットになっているアルバムを選んできました。ことしは、これしかないでしょう、って、アルバムです。
大西順子が去年、同時期に2枚だしたアルバムは、あちこちで話題になりました。
過去のスタイルから、どちらかというとピアノトリオの『Glamorous Life』の方が話題に上がることが多かったと思うのですが、、私はこのアルバムの方が好き。気に入ってます。


『Very Special』は、烈火の炎のごとく音楽シーンを駆け抜けてきた大西順子、本人が構想を重ねていたバラッド集。「メロディを歌う」が信条です。最初と最後はオリジナル、同じ曲で編成の違う演奏。他は、カバー曲です。

オープナーは、繊細なシンバルの音が降りしきる粉雪を思わせる哀愁のある「Very Special~Intro」。抑制の効いたピアノにうっとり。
ギタリスト馬場孝喜とデュオの「 I Cover The Water Front」、ギターがよく歌い、寄り添うピアノも大らか。
「Lush Life」は、留まることを知らぬ気鋭のヴォーカリスト、ホセ・ジェイムズが、ジャズへの邂逅を深めていた頃の録音だそうで、ストレートに想いを込めて歌う演奏が新鮮。ギターとのデュオで「 Easy To Love」、互いに寄り添う愛しい演奏。
グランド・ピアノとフェンダー・ローズの多重録音の「舟歌」。クラシックの曲だけども、切ないメロディと淡々とした演奏がアルバムにぴったり。ローズの音が可愛いですね。
もう1曲クラシックの曲で、「柳の歌」、バスクラとクラリネットとのアンサンブル。アレンジと指揮は狭間美帆。まるで柳にそよ吹く風、揺れ動く恋心。
ギターとデュオでイヴァン・リンスの「Comecar De Novo」、互いへの慈しみを感じます。再び、ホセ・ジェイムズの「A Flower Is A Lovesome Thing」、その美声でエモーショナルな演奏。ギターとローズでルグラン曲「 How Do You Keep The Music Playing」。2つの音が溶け合う瞬間が何度かあって胸がキュンとする。EW&Fのポップなヒット曲「After The Love Has Gone」、アルバム唯一の明るい曲ですよね。
終演は、ベースとデュオの「 Very Special~Outro」。同じ曲でもベースの音に温もりを感じる穏やかなクロージング。シンプルだけど胸にしみる素敵な曲だな。。

バラッドをシンプルな編成で、歌い上げるピアノ。ずっと、音楽に前向きだったからこそ分かる歌の心。まさに、「ヴェリー・スペシャル」なアルバムです♪
ライナーを読むを大西順子の歌への想いの強さがよくわかります。

2. I Cover The Water Front
3. Lush Life
4. Easy To Love
5. 舟歌 (ピアノ曲集『四季』第6曲より)
6. 柳の歌 (オペラ『柳の歌』第4幕より)
7. Comecar De Novo (The Island)
8. A Flower Is A Lovesome Thing
9. How Do You Keep The Music Playing
10. After The Love Has Gone
11. Very Special~Outro

大西順子( p, fender rhodes#5,9)
馬場孝喜( g #2,4,7,9,10)
ホセ・ジェイムズ(vo #3,9)
挟間美帆(arrange, conduct #6)
森卓也 ( cl #6)
佐藤芳恵( b-cl #6)
高橋信之介(symbal #1)
井上陽介(b #11)

では、懲りずに今年も。。。


すずっく的ジャズの2018年みっつの願いでっす。

1.今年こそクリス・ポッターに自分のバンド来日してもらい、かぶり付きで参戦!

2.アレッサンドロ・ガラテのソロピアノを目の前で聴きたい。

3.ヘルゲ・リエンのトリオを地元で歓迎したい!

去年のみっつの願いはあまり当たらなかったのです。。
特に、クリポタさまが来日すると思っていたので、、去年は寂しかったですよ。。
今年こそは!!

最後に、、

皆さまにとって「ワン」ダフルな年であることを祈ってます。そして「自由に駆け回るわんちゃんたちのように健康で勢いのある1年」になることも願ってます!

今年もよろしくお願いいたします!m(_ _)m

んじゃ、退散♪

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