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音楽で拡がる輪

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2018年1月20日 (土)

まさに美サイレンス 『Contra La Indecision / Bobo Stenson Trio』

Contra_la_indecision

スウェーデンの至宝、ボボ・ステンソンのトリオが新譜をだしました!
2015年にはソロで来日し、内省的で集中力のある孤高のピアニストぶりを拝聴させていただいたのですが、翌年にはこのトリオで来日し、仲間と演奏を心から楽しんでいる外向きな様子が忘れられません。
2012年に『Indicum / Bobo Stenson Trio』も衝撃的な美しさでしたが、今回も期待に違わず素晴らしい!
メンバーのオリジナル7曲とシルヴィオ・ロドリゲスのタイトル曲、クラシック曲など、全11曲。

オープナーでタイトル曲のキューバのシンガーソングライター、シルヴィオ・ロドリゲスの「Canción Contra La Indecisión」。ロドリゲスの曲ってこんなに可愛らしかったっけ。。m(_ _)m リリシズムに溢れ透明感ある柔らかな演奏。
ベースのアンダーシュ・ヤーミンの「Doubt Thou The Stars」。音の少ないピアノの向こうで響くボーイング、ヨン・フェルトの金属系の繊細な音が美しく響く、少しアブストラクト場面が、一転、動き出しスィングする哀愁のピアノトリオへ。聴き惚れるベースソロ。。
哀愁溢れるバルトークのスロヴァキアの民謡「Wedding Song From Poniky」、クリスタルのようなピアノ響き、その向こうに踊るベース。
暗闇に浮かび上がるようなベースソロで始まるヤーミン曲「Three Shades of A House 」。少しづつ3人の音が寄り添いはじまり美しいメロディを奏で始める。静かなる心象風景。
エリック・サティの「Élégie 」。流麗なピアノとベース、ドラムとの絡み。特にピアノとベースは一心同体ですよね。フェデリコ・モンポウの「Canción Y Danza VI 」、哀愁の権化。
今回唯一のステンソンの曲「Alice」。冒頭から幻想的な風景がひろがり、3人の創り出す抽象的な空間が美しすぎて白眉。ヤーミンの曲「Oktoberhavet 」、冒頭の大海をうねるようなボーイングが心を乱す。叙情豊かなピアノに心を任せる。秘めた情熱。
3人名義の即興曲「Kalimba Impressions」、あのカリンバにインスパイアされたってことよね?
ヤーミンの曲が2曲続きます。まずは、グルーヴィーで躍動感ある「Stilla 」。
終演は、メロディアスで音を最小限に絞った「Hemingway Intonations」。3つの世界が自然と重なっている。思索的で美しい演奏でした…。

前作に引き続いて美サイレンスとしか言いようのない美しさ。
3人の個性がうまく重なり合った空間での、、絶妙な感覚の共有が素晴らしい。
誰1人ぬけても成り立ちませんよね♪


1.Canción Contra La Indecisión
2.Doubt Thou The Stars
3.Wedding Song From Poniky
4.Three Shades of A House
5.Élégie
6.Canción Y Danza VI
7.Alice
8.Oktoberhavet
9.Kalimba Impressions
10.Stilla
11.Hemingway Intonations

Bobo Stenson (p)
Anders Jormin (double bass)
Jon Fält (drums)

ライブの時にとても印象的だったのは、重鎮2人のヨン・フェルトへの眼差し。
若い素晴らしい才能をこころから認めめて、仲間として一緒に楽しんでいました。

今日のおまけは2017年のジャズフェスの映像。

んじゃ、退散♪

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コメント

この3人ならではの、少し甘いサウンドと、キリッとした部分とが微妙な感触でせまってくるのは、おっしゃる通りこの3人だからこその部分が大きいと思います。こういうアルバムを聴けるのは、けっこう幸せなのでは、と思いました。

TBさせていただきます。

910さま 新潟は 再び 大雪です。
このアルバム 雪景色に似合うのですよ。
雪かきは 疲れましたが、アフターは至福の時間時間を過ごすことができました。

3人のインタープレイを聴いていると、北欧の空気が流れこんでくるようです。
トラバ ありがとうございました。
今回の4枚は興味あるものばかりですね。

Suzuckさん,こんばんは。

このアルバム,完璧ですね。今まで聞いたBobo Stensonのアルバムの中でも一番好きかもしれません。ECMの美学が全編感じられて素晴らしいと思います。なかなか縁がなくてライブを見られていないので,是非また来日して欲しいです。

ということで,TBさせて頂きます。

閣下、ECMも年明けからとばして来ますよね。

ボボ・ステンソンのトリオは。結束が硬いとおもいます。
音楽は柔軟性があって変幻自在だけど。
今年も来日するのかな。ぜひ、馳せ参じたいものですね。

トラバ、ありがとうございました。

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