透明感と翳り 「Essence / Tom Hewson」
CAM JAZZの10月の新譜の1枚は、イギリス人ピアニスト、トム・ヒューソン。
今は亡き名ピアニスト、ジョン・テイラーのお弟子さんだそうです。
リーダー作は2枚目。前回は持っていないのですが、ヴィブラフォン、ベースとのトリオだったようです。って、これ、欲しい。。
今回は、ソロ演奏なのですが、やっぱり透明感と師匠の遺伝子感じる時折見せるアブストラクトな演奏が、「美しい、甘い」だけでない好み全開の素敵な空間になってました。
8曲のオリジナル、ジョン・テイラー、ケニー・ホイーラー、ミンガスの曲を1曲づつで全11曲。
オープナーの「Constellations」、透徹な響き、暗くマイナーなメロディにすっとひきこまれる。力強さと躍動感「Major Malfunction」。
ホイーラーの「Consolation」は、クラシカルなタッチでエレガント。転調を繰り返しながらスムースに連続していく「A False Step」。
原曲の良さを残しながらも、アブストラクトで幻想的ななミンガスの「Goodbye Pork Pie Hat 」、個人的な白眉。
タイトル曲「Essence」、リリカルで豊かな色彩を感じる。静かな夜明けのような「Processional」。少し先を予測できない音の選択。流麗、果敢に鍵盤を動く指「Dare I 」。
「Koyasan」は、高野山だろうか?厳粛で神秘的なイメージが湧き上がってくる。感情の流れに身をまかせて「Where A Stream Leads」。
終演は、お師匠さんに敬意を評して、お師匠さんのソロアルバムでも素晴らしい演奏の聴ける「Summer」。透明感溢れビターテイストな叙情的なメロディをイマジネーション豊かに。
透明感あふれるリリカルな演奏、少し翳りのあるハーモニー。
躍動感ある演奏も多く、あというまの50分弱。
1. Constellations
2. Major Malfunction
3. Consolation (Kenny Wheeler)
4. A False Step
5. Goodbye Pork Pie Hat (Charles Mingus)
6. Essence
7. Processional
8. Dare I
9. Koyasan
10. Where A Stream Leads
11. Summer (John Taylor)
Tom Hewson (p)
今日のおまけは、ご本人が新譜のリリースであげていたもの。
ソロ・ピアノって、頭の中に様々な光景が広がっていいですよね。
そして、CAM JAZZは録音も素晴らしいとおもいます。
んじゃ、退散♪
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