ビターテイスト、硬派な艶っぽさ 『毒ある寓話 -Poison- / 伊藤 志宏 trio syncretia』
ギタリストの藤本一馬との『Wavenir』ツアーを谷中のホールで聴いたことがあります。
この時も圧倒するピアニズとしかいいようのない素晴らしい演奏。機会があればまた聴きたいと思っているお方です。
その彼の新譜は、レギュラーピアニストであるオバタラのパーカッショニストである大儀見元と、そこからの繋がりのベテランベーシストの坂井紅介のトリオです。
最後のソニー・ロリンズ曲を除いて全てオリジナル。
オープナーは雨音が次第に激しくなっていくような「夜来風雨の声」。「花落知多少」と続きそうなどこか艶のあるピアノ。ダイナミックで三位一体の陶酔感を味わえる「カオスとクロノス 」。
幻想のようなリリカルなピアノソロで始まる「スコプトフィリアの愛 #3」。ベースとパーカッションが眠っている炎を呼び起こす。
力強いパーカッション、ベースが暗黒の世界に誘う「遠雷」。
神秘的で、どこか黒魔術的な美しさ愛と葛藤「吸血鬼の輪舞曲」。鮮烈、狂気の「シンクレティア・サバト」。
地底に引きずり込まれそうなベースソロで始まる「静寂の風 」。艶のあるピアノの音色にうっとり聴き惚れる。
荒ぶれるパーカッションから予感する狂気の宴「アイテールとカオス」。
羊たちの沈黙のクラリスからハンニバル博士へという意味「Dear H From C」。ドラマチックで情熱的、倒錯した感情がメランコリックに鳴り響く、私的白眉。
と、終演はソニー・ロリンズの「Valse Hot」を明るく、軽やかに。
ん?狐に包まれたような終演。
1. 夜来風雨の声
2. カオスとクロノス
3. スコプトフィリアの愛 #3
4. 遠雷
5. 吸血鬼の輪舞曲
6. シンクレティア・サバト
7. 静寂の風
8. アイテールとカオス
9. Dear H From C
10. Valse Hot
伊藤 志宏 トリオ・シンクレティア
伊藤 志宏 (p)
坂井 紅介 (b)
大儀見 元 (perc.)
今日のおまけは、録音風景ですかね?
今日は、冬のように寒かったですよね。
灰色の暗い空と雨の中、、このアルバムを車でかけていました。
ぴったりすぎて、こわかったぁ。。
んじゃ、退散♪
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