魂の解放 『Open Book / Fred Hersch』
トリオ、デュオ、ソロと別の顔で魅了するフレッド・ハーシュ。
去年はトリオでパーマネントなトリオでライブ盤を出しています。
そのメンバーでのら来日ライブもありました。リーダーはハーシュなのですが、メンバーをとても尊重したハーシュがとても大切にしている世界だと思いました。
今回はソロ。ソロでの彼は、赤裸々な感情の発露が魅力だと思ってます。
ソウルのホールでのレコーディング、「Through The Forest 」だけが、同ホールでのライブ音源だそうです。
オープナーは繊細なタッチと溢れるリリシズム、柔らかで穏やかな気持ちになるオリジナル曲「The Orb」。
ベニー・ゴルソンの有名曲「Whisper Not」は、バラバラに分解され再構築される中に激しい感情の起伏、緊張を感じる。
ジョビンの「Zingaro」、儚く消えてしましそうな美しさにサウタージをみる。
19分越えの即興曲「Through The Forest 」、前衛的で、まさに「心のおもむくまま」の無垢な演奏。その激しさに圧倒される。
クラシカルで癒しのオリジナル曲「Plainsong 」。セロニアス・モンクの「Eronel」は楽しそう。
終演はビリー・ジョエルの「And So It Goes」、ハーシュは歌わないけど、傷ついた恋人たちに寄り添った優しい心の歌声が聴えて来ます。聴いている私たちへの応援歌にも聴こえてくる。
基本的にはとても耽美的な音楽。
時折、心の奥から湧き上がってくるような激しい部分も聴え魂の解放とも言える奥深い一枚。
秋の夕暮れに映える哀愁を感じます。
1.The Orb
2.Whisper Not
3.Zingaro
4.Through The Forest
5.Plainsong
6.Eronel
7. And So It Goes
Fred Hersch (p)
今日のおまけは、「Eronel」
今年は、秋らしい秋を堪能できそうですよね?
でも、台風にはご用心くださいね。
んじゃ、退散♪
« 広がる夢 『Old Boys' Dreams / 福田重男 & 布川俊樹 』 | トップページ | この秋の宝物 『Serpentina / André Mehmari, Juan Quintero, Carlos Aguirre』 »
「JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事
- 極上の音風景で、今を見つめ合う 『Lean In / Gretchen Parlato Lionel Loueke』(2023.05.27)
- ウォルター・スミス3世のブルーノート移籍第1弾 『Return to Casual / Walter Smith III』(2023.04.15)
- パット・メセニーが新アルバムを6月16日にリリース!!(2023.04.12)
- グレッチェン・パーラトが5月に新譜をリリース!(2023.04.05)
- フランスに伝わるメリュジーヌの伝説をアルバムにした 『Mélusine / Cecile McLorin Salvant』(2023.04.02)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: 魂の解放 『Open Book / Fred Hersch』:
» Fred Herschの新譜がこれまた素晴らしい。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Open Book Fred Hersch(Palmetto) ここのところ,毎年のようにアルバムをリリースしているFred Herschであるが,その新譜は前々作に続いてソロ・ピアノである。これがま [続きを読む]
» Open Book/Fred Hersch [ジャズCDの個人ページBlog]
このアルバム、昨年9月に発売されていて、気が付いたのが昨年の12月初めごろ。そこ [続きを読む]
« 広がる夢 『Old Boys' Dreams / 福田重男 & 布川俊樹 』 | トップページ | この秋の宝物 『Serpentina / André Mehmari, Juan Quintero, Carlos Aguirre』 »
Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございました。
このアルバム,冒頭からFred Herschの魅力炸裂という感じですが,"Whisper Not"や"Through the Forest"に感じられるアブストラクトな響きとのバランスに,昨今のFred Herschの方向性を感じます。どっちが好きかと言われれば,美的な方ですが,Herschの表現に対する取り組みはちゃんと評価しなければならないですし,何よりも健康状態を回復させ,創造力に溢れる活動を続けることには敬服せざるをえません。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2017年9月17日 (日) 16時44分
閣下、おはようございます。
生きる喜びに溢れていますよね。
私もハーシュの耽美的な側面がとても好きなのですが、
前衛的な力強い部分もとてもひかれます。
そして、アルバムはそのバランスが絶妙だと思ってます。
投稿: Suzuck | 2017年9月18日 (月) 08時14分
色々あって入手が遅れてしまいました。全曲に渡って素晴らしく、特にその中間点の4曲目が19分にもわたる演奏ということで、静けさが基調の感じもしますけど、聴いていて興奮してしまいます。他のアルバムも少しずつ聴いていこうと思います。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2018年1月27日 (土) 19時58分
910さま、ハーシュ、絶好調ですよね。
耽美的な部分も、前衛的な部分も、とても惹かれます。
二月に来日しますよね。
とっても、聴きにいきたいけど、、ちょっと無理そうです。。
投稿: Suzuck | 2018年1月27日 (土) 21時03分