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音楽で拡がる輪

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2017年9月

2017年9月30日 (土)

真っ向勝負! 『The Three of Us / Bill O’Connell』

The_three_of_us


米国のベテラン・ピアニスト、ビル・オコネル、『The Second Apple』で、味のあるベースソロで活躍していたニコ・カタッキオ、情熱あふれる熱血漢ドラマー、アレッサンドロ・ナポリターノとのピアノ・トリオ。
イタリアにコネクションの強いAlbore Jazzさんの新譜に、ビル・オコネルの名前を見つけて、不思議な気持ちになって視聴したのですが。。これが、ストレートで果敢な演奏!

オープナーは、芯のあるクリアな音色のピアノで、明るく歌い上げる「Blue In Green」。流麗・華麗なピアノ、叙情的なベースソロ、アグレッシブなドラムで期待大。ドラムのオリジナル曲「Lost In Taranto」、硬質でハードドライビングに駆け抜けるピアノをベースとドラムが強靭に援護射撃。
エネルギッシュで溌溂とした「Love For Sale」。エンタメ要素たっぷり快活。
再び、ドラムのオリジナル曲「 Piccolo Porticciolo」、3人で力強くグルーヴ。
三位一体で勇猛果敢に攻める「Solar」。
親しみやすさと明るさを持つ「There Is No Greater Love」。
終演は、哀愁とロマンをたっぷり秘めた「Estate」、ドラマチックに幕が降ります。

全編で、ハード・ドライビングな演奏が多く、
ストレートに熱く真っ向勝負の、血湧き肉躍るジャズで真っ向勝負のピアノトリオで〜す。

1. Blue In Green
2. Lost In Taranto (Alessandro Napolitano)
3. Love For Sale
4. Piccolo Porticciolo (Alessandro Napolitano)
5. Solar
6. There Is No Greater Love
7. Estate

Bill O'Connell (p)
Nico Catacchio ( b)
Alessandro Napolitano (ds)

今日のおまけは、「Lost In Taranto」

暑さ寒さも彼岸まで。。
と、言いますが、いきなり涼しいのを通り越して、寒くなりましたよね。
明日からは、神無月ですね。そろそろ、クリスマスの話題も出始めておりまする。。

んじゃ、退散♪

2017年9月28日 (木)

ちょっと意外 『Jersey / Mark Guiliana Jazz Quartet』

Jersey


マーク・ジュリアーナのジャズ寄り路線のユニット、マーク・ジュリアーナ・ジャズ カルテットの新譜です。
ジュリアナは、偏執狂的にビートに拘った路線のユニットも持っているし、奥方のグレッチェン・パーラトのプロジェクトにも参加してたりと、大変お忙しい日々のようです。が、よく、来日されてますよね♪
前回の『Family First』との大きな違いは、ピアニストがシャイ・マエストロからファビアン・アルマザンに変わったことですよね。どーなん?

オープナーは、ご夫婦共作の「inter-are」。バスドラで煽る演奏が印象的で、幕開けにぴったりの曲。新加入のファビアンが刺激的・攻撃的なソロで迫る。いきなり予想外に熱い。サックスとピアノを中心に訥々とした演奏の「Jersey」。どこか懐かしいメロディをサックスがメロディアス&流暢に、、そして結構エモーショナルに吹き上げる。
ベースの曲で「Our Lady」、3拍子のリズムに乗ってポップに踊る。
ペダル・スティール奏者リッチ・ヒンマンの「BP」、躍動感あるドラムでドラマチックに盛り上がる。
ドラムを叩いてる姿が浮かび上がる、短いけど、迫力あるドラムソロの「Rate」。
サックスが壮大に歌い上げる「September」、ピアノ、ベースのアルコなどハーモニーがとてもアンビエント。
「Big Rig Jones」、縦横無尽なドラミングは彼の方へのリスペクトかな。。陰影つけながらスイング
初めは厳粛なムードの「Mayor of Rotterdam」も 鮮烈なソロが続く。
実質的な終演曲は、デビッド・ボウイの「Where Are We Now」。彼は、ボウイのラスト・アルバムのメンバーですものね。想い出を回想するようにスムースに鳴り続けるサックスが良い塩梅。ピアノのバッキングも美しい。最後の方に、エキサイティングになる部分があるんだけど、メンバー(奥方も参加)のコーラスが熱く胸に沁みる。お子さんの声がちょっとだけ入る演出もいい味でてますです。

日本盤ボーナストラック「Lavender Again」、メンバーの才能を再確認して終演。
相変わらず、素晴らしい音のコントロールで、普通のドラミングが超素晴らしい。

私的には「Where Are We Now」で、おしまいでいいなぁ。
以前、メルドウとのライブを人間とは思えないドラミングでびっくりしたジュリアーナなんですが、、そのアンドロイドが人間味のある音楽を創ってた、って、感じで、、ちょっと意外。時代の流れていく方向なのですかね。
時代の最前線にいるドラマーの動向、、って、ことで♪

1. inter-are
2. Jersey
3. Our Lady
4. BP
5. Rate
6. September
7. Big Rig Jones
8. Mayor of Rotterdam
9. Where Are We Now
10.Lavender Again <日本盤ボーナストラック>

Jason Rigby (ts)
Fabian Amazon (p)
Chris Morrissey (b)
Mark Guiliana (ds)

今日のおまけは、「inter-are」。

んじゃ、退散♪

2017年9月24日 (日)

美音の間(はざま)を泳ぐ 「藤井進一ソロギターライブ@ジャズフラッシュ(9/22)」

藤井進一ソロギターライブ&セッション@ジャズフラッシュ(9/22)

藤井進一 (g)

Fugii


東京を中心に活動されている藤井進一 ジャズ・ギタリストが、「魚津ミュージックキャンプ」の猛者たちとのインプロ修行の後に、新潟に足を伸ばしてくれました。
ジャズ フラッシュでのライブは、前半はソロギター、後半はセッション。
後半のセッションも、楽器を演奏しない私も面白かったのですが、ここでは前半のソロギターライブを。

リハで、すでにフルアコから爪弾かれる音の甘く美しい音にうっとり。
いやぁ、ライブに参加できてよかった、と、思ってしまいました。笑


ファーストセットは、心に浮かんだスタンダードを中心に繋いでいくとのことでした。
6、7曲のスタンダード、「How Deep Is The Ocean」、「How Insensitive」、「Come Rain or Come Shine」、「?」、「Stella by Starlight」、「Evidence」、、。
皆んなが良く知っている曲がならびましたが、、
これが、シングルノートを中心にした創造力豊かな演奏で、曲の持つイメージを大事にしながらも、違う世界に連れていってくれる即興を中心にした構成で、約1時間集中の途切れることなく、6弦の魅力を遺憾無く発揮してくれました。
内省的で緊張感ある演奏が続きます。細やかな感情表現とそのミステリアスで美しいアブストラクトな世界を堪能しました。

「不思議の国」に迷い込んだアリスになったような気分で、スタンダードが別な姿に変わっていくところ聴いていました。例えば「Evidence」、このメロディがバッキングみたいな不気味可愛い曲、あの強烈な印象を持つテーマの後、、しっかり自分の世界に持ち込んでいたと思いました。かっこよかったわ。

いやぁ、素晴らしい世界を見せてもらった、その延長で、最後にオリジナルの「One Day in November」
もともと既存のスタンダードにも負けないキャッチーなメロディでとてもいい曲。
暖かで優しいオーディエンスに囲まれて、高速フレージングも美しい飛翔感ある演奏で幕!

内省的で、緊張感のある、創造力の翼を大きく広げた聞き応えのあるライブでした。
まさに、美しい音の間(はざま)を泳ぐかんじで、久しぶりに脳みそがとろけた。。


で、セカンドは、彼のYouTubeの演奏を聴いて、集まってくれた方々とのセッション。
様々な構成での楽しいひととき。ラストは 希望者全員で フリーインプロのセッション。圧巻の音世界。
ファーストの内省的な感じとは一転、皆さんとアグレッシブな演奏となりました。

でで、みんなで、古町の老舗の居酒屋さん五郎で打ち上がりました。
また、新潟にきてくださいね!

ということで、今日のおまけはソロの音源♪

んじゃ、退散♪

2017年9月18日 (月)

この秋の宝物 『Serpentina / André Mehmari, Juan Quintero, Carlos Aguirre』

Serpentina


ブラジルのピアニストで作曲家 アンドレ・メマーリ、アルゼンチンのギタリストで作曲家フアン・キンテーロ、同じくアルゼンチンのピアニスト で作曲家カルロス・アギーレの3人の夢の共演。。綺麗なジャケットの3匹の蛇は彼らですよね。
3人の経歴を並べ見るだけでも、圧倒されちゃうわけです。予約して届くまで、、その大きな期待は膨らむ一方でした。
1曲めから柔と軟、静と動、光と影、、相反する事象が音楽で多角的に広がる美しい音楽の連続。
それぞれがマルチ奏者でもある3人が、メマーリのスタジオで様々な楽器で表現する今、、それは天国でした。
それぞれのオリジナルに加え、ミルトンの曲、シルビオ・ロドリゲスの曲も。
ジャンルを超えいろいろな音楽が見え隠れする。繊細でいて大きな高揚感をもたらす美しき音の玉手箱。
アコースティック楽器を中心に人の声が重なる素晴らしさ、琴線に触れる1時間超え。
現代フォルクローレの金字塔の予感。

めちゃ、良い休日のおともになりますよ。

以下、NRTのサイトからコピペしました。m(_ _)m

1. El Diminuto Juan (Jorge Fandermole / Carlos Aguirre)
2. Clavelito Blanco (Justiniano Torres Aparicio)
3. Tucumán (Juan Quintero / André Mehmari)
4. Entre Ríos (André Mehmari)
5. Los tres deseos de siempre (Carlos Aguirre)
6. San Vicente (Milton Nascimento / Fernando Brant)
7. Sueño con Serpientes (Silvio Rodríguez / Luís Eduardo Aute)
8. Cruce (André Mehmari)
9. Tata y Meme (Juan Quintero)
10. Beatriz Durante (Carlos Aguirre)
11. Chorinho da Cantareira (Carlos Aguirre)
12. Ida e Volta (André Mehmari)
13. Abraço (André Mehmari)
14. O Mantra de Miguel (André Mehmari)
15. Bandera (Juan Quintero)
16. Coplas al Agua (Juan Quintero)
17. Rezo (Carlos Aguirre)
18. Paseo (Juan Quintero)

André Mehmari: Voice, Piano, Oberheim, Synth, Accordion, Harmonium, Koto, Viola de arco, Bandolim, Acoustic bass, Pandeiro, Pife
Juan Quintero: Voice, Guitar, Charango, Bombo, Percussion
Carlos Aguirre: Voice, Piano, Accordion, Fretless bass, Guitar, Percussion

今日のおまけは、、録音風景?かな。。

メマーリとキンテーロは来日してツアーを敢行してましたよね。
サインの入った蛇のアルバムをみるたびに羨ましかったです。。

んじゃ、退散♪

2017年9月16日 (土)

魂の解放 『Open Book / Fred Hersch』

Open_book


トリオ、デュオ、ソロと別の顔で魅了するフレッド・ハーシュ。
去年はトリオでパーマネントなトリオでライブ盤を出しています。
そのメンバーでのら来日ライブもありました。リーダーはハーシュなのですが、メンバーをとても尊重したハーシュがとても大切にしている世界だと思いました。
今回はソロ。ソロでの彼は、赤裸々な感情の発露が魅力だと思ってます。
ソウルのホールでのレコーディング、「Through The Forest 」だけが、同ホールでのライブ音源だそうです。

オープナーは繊細なタッチと溢れるリリシズム、柔らかで穏やかな気持ちになるオリジナル曲「The Orb」。
ベニー・ゴルソンの有名曲「Whisper Not」は、バラバラに分解され再構築される中に激しい感情の起伏、緊張を感じる。
ジョビンの「Zingaro」、儚く消えてしましそうな美しさにサウタージをみる。
19分越えの即興曲「Through The Forest 」、前衛的で、まさに「心のおもむくまま」の無垢な演奏。その激しさに圧倒される。
クラシカルで癒しのオリジナル曲「Plainsong 」。セロニアス・モンクの「Eronel」は楽しそう。
終演はビリー・ジョエルの「And So It Goes」、ハーシュは歌わないけど、傷ついた恋人たちに寄り添った優しい心の歌声が聴えて来ます。聴いている私たちへの応援歌にも聴こえてくる。

基本的にはとても耽美的な音楽。
時折、心の奥から湧き上がってくるような激しい部分も聴え魂の解放とも言える奥深い一枚。
秋の夕暮れに映える哀愁を感じます。


1.The Orb
2.Whisper Not
3.Zingaro
4.Through The Forest
5.Plainsong
6.Eronel
7. And So It Goes

Fred Hersch (p)

今日のおまけは、「Eronel」

今年は、秋らしい秋を堪能できそうですよね?
でも、台風にはご用心くださいね。

んじゃ、退散♪

2017年9月10日 (日)

広がる夢 『Old Boys' Dreams / 福田重男 & 布川俊樹 』

Old_boys_dreams


2011年にリリースされた『Childhood‘s Dream』の第二弾。
でも、今回は2人を中心に福田重男トリオのリズム陣が5曲に参加しています。
なので、多彩な色合いを感じます。長い年月ジャズ界の一線で現役、未来へチャレンジを続ける2人の夢をご一緒に。

オープナー福田曲「Portrait Of Undercurrent」は、ビル・エヴァンス&ジム・ホールへのオマージュを込めてのジャズワルツ。そういえば、あの名作には素敵なワルツが入ってましたね。ゆったりと、会話する優しいおじさまたち。(って、同年代ですけど)
一転、ベースとドラムが加わってアグレッシブでスリリングな福田曲「One Phrase Blues」。
わっ、と、びっくり。布川曲「Old Boys‘ Dreams」めちゃ、かっこいいフュージョンです。還暦前後の2人が若かりし頃、好きだったというウェザー・リポートのように1曲の中に多彩な場面が登場。
お洒落で涼しげなサウンド布川曲「Swingin’ In Green Heaven」。因みに、この曲は伊達男のピアニストに捧げた曲だそうです。夏の都会のプールサイドで飲むカクテルって、感じ。笑

と、カルテェット演奏がつづいたのですが、福田曲「Spring 17」は、デュオ。
ピアニストのお師匠さん故辛島氏へ捧げたロマンチックな曲。リリカルでよく歌うピアノ。詩情的にに語り、そっと寄り添うギター。
ドラムフィーチャー、軽快にスイングする福田曲「Just Be Happy My Love」。
人は根っこにある部分は、いくつになっても切り離すことはできませんよね、ボブ・ディランを意識した布川曲「Willows Bending In The Wind」。

最後の2曲は、デュオでカバー曲を。
まずは、クリフォード・ブラウンの「Joy Spring」。軽快にスムースに繰り広げられるインタープレイの数々。終演は夭折したブラジルのコンポーザーの曲で「Feitio De Oracao」。哀愁ある美しい調べを丁寧に演奏する2人。うっとりと、聴き惚れるのでした。。

「すこし愛して、なが~く愛して」、このべったりしない距離感、さりげない気遣いが各所に現れるアルバム。
新しいことは、過去を見つめることではじまるんですよね。
親密なデュオに、鉄壁なリズム陣、夢と希望を加えたら、、お洒落でポップなアルバムとなりました♪

1. Portrait Of Undercurrent
2. One Phrase Blues
3. Old Boys‘ Dreams
4. Swingin’ In Green Heaven
5. Spring 17
6. Just Be Happy My Love
7. Willows Bending In The Wind
8. Joy Spring
9. Feitio De Oracao

福田重男(p ,synth)
布川俊樹(g , el-g)
コモブチキイチロウ(b , el-b)
奥平真吾(ds)

今日のおまけは、新譜の動画はみつからなかったので、、
おふたりのデュオで前作のタイトル曲「Childhood's Dream」

健康に気をつけてはいたのですが、、ちょっと、凹むことがありまして、、
また、しばらく単独で上京してライブにいくことができなそうです。
毎日、後ろ髪をひかれながらおとなしくしております。

んじゃ、退散♪

2017年9月 9日 (土)

魂の呼応 『RaknesBrunborg @ 新潟県政記念館 (9/8)』

Raknesbrunborg

Tore Brunborg (ts)、Steinar Raknes (b)

今年の冬に「Slow Snow Quartet」で来日した2人。今回はデュオアルバム「BACKCOUNTRY」のリリースツアーです!

トーレ・ブルンボルグは、私の好きなレーベル「ECM」、「ACT」のレーベルで多くのアルバムに参加しているノルウェーはもちろん北欧のエースです。先日もアダム・バウディフのアルバムでも存在感ありました。音色はブライトですがゆったりとした演奏、空気を多く含んだざっくりした演奏など独特で北欧サウンドだと思います。
スタイナー・ラクネスは、その力強い爆発的な演奏テクニックと心に届く歌で、やはり、独自のスタンスを築きあげてるエースです。
その2人がタッグを組んで、『BACKCOUNTRY』というアルバムをリリース。
このユニットでは、スタイナーは歌っていませんが。
そのツアーで来日、来新潟、もう、随分前から胸がときめいていました。

さて、今回のライブの場所は新潟県政記念館。すでに、100年以上の歴史のある重厚な建物です。そして、その旧議事堂内での完全アコースティックライブです。
早めについて、開場まであたりを見回すと、高い天井とシックな内装が落ち着きます。
ついた時から、遠くに響いていたサックスは控え室に入ってしまいましたが、ベースは独りで演奏をしています。気がつくと弾き語りをしてました。知らない曲なのですがよく通る声と少し哀愁のある旋律でに思わず聴き惚れてしまった。2、3曲歌ったとおもいます。

開場時間になり、最前列の真ん中に陣取った。我ながら、大人気ないつうか、、子どもだとおもいます。。
定刻前に、館長さんから建物の説明、主催者から2人の紹介があって、、いよいよ開幕!

テナーサックスとベースのメロウなサウンド。ブライトなサックスの音、力強いベースの響き。コード楽器が無いわけですが、互いに2人しか居ないことをしっかり意識した演奏で、単にベースとサックスの叙情的な静かな演奏では終わらない工夫と機知に富んだ聴きごたえたっぷりの演奏がつづきました。ベースの爆発力、本当にすごかった!
静(サックス)と動(ベース)的な対比も面白かったのですが、時々、この立ち位置が逆転する場面もあり一筋縄ではいかない演奏に高揚しました。サックス奏者は時折、静かに押し寄せる波のようにエネルギーがぐっと一気に上がる。
また、サックス奏者が会場内での管の方向や立ち位置で得られる響きをかなり体得していて、演奏に活かしていた。さすがトップクラスのミュージシャンだなぁ、と、感嘆。
ベースの歌声もはっきり聴こえて、その躍動感に飲み込まれます。
全体には、2人のゆったりとした(懐の深い)会話に聴こえてくるのですが、それらはノルウェーの厳しい気候、美しい大自然がバックボーンに生まれてくるんだろうな。でも、雪国(日本)の私たちにも通じる情愛や郷愁もたくさん感じました。
歴史ある建物が持っている存在感と結びついてより深みがましたのでは?と思います。

ライブは、新譜を中心に進みました。
終演が近づくにつれて、1曲への拍手が大きくなっていきます。
それを感じ取ってくれた2人が、アンコールを快く受けてくれて感動的にライブが終わりました。
生で聴いた「アルフォンシーナと海」は、、きっと、ずっと忘れないでしょ。
アルバムにも収録されてますので、また、時間ができたらゆっくり聴きたいとおもいます。

ものすご〜〜く、久しぶりのライブでした。
県政記念館の高い天井にこだまする慈愛に満ちた音楽に酔いしれました。
大沢さま、樋口さま、いつも、ありがとうございます。m(_ _)m

ツアーは続きます。ぜひぜひ!!

9/9(土) 上越 ラ・ソネ菓寮春日山店  (17:30 start)
9/10(日)横浜 Airegin (13:00 start)
9/10(日)新宿 Pit Inn  (20:00 start)
9/11(月)柏 Nardis  

今日のおまけは「BACKCOUNTRY」。

んじゃ、退散♪

2017年9月 5日 (火)

この創造力…やっぱり、天才! 『Far From Over / Vijay Iyer Sextet』

Far_from_over


ヴィジェイ・アイヤーの新作は3管セクステット!
インプロヴァイズの神さまたちの集団、、ECMのあのひんやりと静謐といったイメージはほとんどなく、
時折、爆発もする場面の多い熱い演奏がつづきます。全曲、アイヤーのオリジナル。

オープナー「Poles」は静かなピアノではじまり、ほぉほぉ、と思っていたのですが。。
3管がユニゾンで入るあたりから一気にテンションが上がっていきます。スティーブ・リーマンのソロが爆発。タイショーン・ソーリーのドラムが切れ味も凄みもあってすごい。
冒頭から体が動く「Far From Over」、これでもかと重なり合いお互いに刺激し合いスリリング。アイヤーの躍動感あるピアノ!
ファンクビートの「Nope」。暗闇でタイショーンのドラムが鳴り響く「End of The Tunnel」。
スリリングで切れ味鋭いピアノで始まる「Down to The Wire」、力強いピアノトリオの演奏の後にくるテンションの高い管楽器の演奏。ここでも、リーマンがリミッター振れたソロで攻撃的、ドラムソロも圧巻。
鎮静作用?「For Amiri Baraka」の繰り返し、うねりは、ちょっと懐かしい感じ。
「Into Action」管が短いリフを繰り返すユニゾンはこのセクステットに特徴的で、カッコいい。
スペーシーな「Wake」。強力なリズムを真ん中にダイナミックに動き回る「Good on The Ground」も怒涛の攻め。体のど真ん中、記憶のプリミティヴな部分を直撃。
終演は静謐で知的なピアノトリオの演奏からはじまる「Threnody」、途中から加わったリーマンが静かな流れの中から激情アウトする様が強烈。

アイヤーの「ジャズはリズム」の信念は、ずっと私の知的好奇心を刺激してくれてます。
その部分はそのままに、太古の記憶につながる芯の部分を揺り動かすような力強さを秘める演奏が続きます。
個人的には、超お気に入りです。が、アルバムが持っているエネルギーもが半端ないので日常生活に溶け込む音楽とは対極にいます!でも、私たちが望む気持ち良さに迎合しない気持ち良さもあるわけで、、。
正直、彼のやっていることはよくわからんのですが、音楽は最高に痺れる!

この創造力!やっぱり、天才ですよね♪

と、ドラムのタイショーン・ソーリーは、このブログ初登場。
洗練かつアクティヴなドラムワークで、圧倒的な存在感を感じる超神だった。。
マーカス・ギルモアでないのか??って、疑問符は1曲目でふっとびました。

1. Poles
2. Far From Over
3. Nope
4. End of The Tunnel
5. Down to The Wire
6. For Amiri Baraka
7. Into Action
8. Wake
9. Good on The Ground
10. Threnody


Graham Haynes (cor, flh, electronics)
Steve Lehman (as)
Mark Shim (ts)
Vijay Iyer (p, fender rhodes)
Stephan Crump (b)
Tyshawn Sorey (ds)

今日のおまけはECMの動画から

秋の気配は、陽射しの中に。
夕焼けの綺麗な季節ですよね。

んじゃ、退散♪

2017年9月 2日 (土)

北欧的スペイン慕情 『Wolfgang Haffner / Kind of Spain』

Kind_of_spain


ドイツのドラマー、ウォルフガング・ハフナー。
ACTレーベルの常連です。ベーシストのラーシュ・ダニエルソンの追っかけしてて知りました。
欧州のドラマーらしい澄んだ音色、透明な空気感で、曲全体をプロデュースする人、みたいなイメージです。
今回は、ヤン・ラングレンも参加な上に、大好きなベーシスト、ラーシュ・ダニエルソンが参加。テーマは、「スペイン」、、と、来たらポチるしかないでしょう。。

オープナーは、顔合わせの挨拶のような「For Vince & Arif」。
いきなり、きたぁ〜、ダニエルソン曲哀愁の権化のような「Pasodoble」。ラングレンの表情豊かなピアノ、情感豊かなギター、阿吽のベースとドラム。キメのユニゾンが心を掴む。
ハフナー曲「El Faro」、トランペットの息づかいとヴィブラフォンが郷愁を誘う。チャック・マンジョウーネの「Children Of Sanchez」をスローで淡々と吹き上げるトランペット。スパニッシュギターの名手ビセンテ・アミーゴの「Tres notas para decir te quiero 」は、邦題が「愛を奏でる3つの音」、ピアノが美しく甘く囁き、ギターが追い打ちをかけて落としにかかる。

トランペット独奏で始まるアンダルシア民謡「El Vito」、ギター、ヴィブラフォンで比較的ストレートに情熱を奏でる。
メンバーそれぞれのスペインが重ね書きされたような即興曲「El Chaos」。
美しいメロディでジャズでも人気の高い「Concierto de Aranjuez」。哀愁がいっぱいのアランフェスの旋律をギターで奏でる、短いベースのソロも泣ける。
マーチングドラムがベースソロに物語性を醸し出す「Tàpies」。
愛の詩人サリナスのことでしょうか?「Salinas」、淡々とした切ないメロディ。終わった愛が観えてくるのは私だけではないとおもいます。
ピアノで聴く「Recuerdos de la Alhambra」。ここでも、ベースソロが胸に沁みる。ビブラートのないアルハンブラはシンプルで美しいメロディが際立ちます。
トリッキーで瞬発力を競うチック・コリアの「Spain」も思わず耳を疑う?柔らかなタッチで幻想的。改めて素敵なメロディであると再確認。
終演はアルハンブラでお馴染みのタレガ曲「Capricho Arabe」、最後まで、スペイン慕情をたっぷりと。

スペインをテーマにその哀愁と郷愁、そして、情熱をクールに。

選曲がベタな感じなのですが、危惧することはありません。
北欧ならではの透明感と抑えめの感情表現で、洗練された演奏となりました。
そして、ハフナーとダニエルソンのオリジナル曲も、この強力なラインナップの中でも見劣りしない哀愁のメロディ。
夏の疲れが一気に抜けていきます。


1. For Vince & Arif
2. Pasodoble
3. El Faro
4. Children of Sanchez
5. Tres notas para decir te quiero
6. El Vito
7. El Chaos
8. Concierto de Aranjuez
9. Tàpies
10. Salinas
11. Recuerdos de la Alhambra
12. Spain
13. Capricho Arabe

Wolfgang Haffner (ds)
Jan Lundgren (p)
Sebastian Studnitzky (tp) 
Daniel Stelter (g)  
Christopher Dell (vib)
Lars Danielsson (b)

今日のおまけはレーベルのトレラー。
「Pasodoble」の一部ですね。

朝晩、寒くなってきました。
庭の広葉樹の紅葉がはじまってきました。
うっそぉ、って、感じですよね。

んじゃ、退散♪

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