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音楽で拡がる輪

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2017年7月

2017年7月30日 (日)

心に染み渡る音 『Delicia / Aska Kaneko & Masaki Hayashi』

Delicia / Aska Kaneko & Masaki Hayashi
〜喜びの音 一瞬の中に 永遠の向こうに〜

Delicia


友だちが教えてくれて、オススメしてくれたアルバムがやっときた。
ヴァイオリニストで作曲家の金子飛鳥とピアニストで作曲家の林 正樹という黄金コンビが、購入型クラウドファンディング・サービスで支援をつのりリリースした作品。
普通に購入したので、やっと届いた。
タイトルは、ケルトの言葉で「歓び」を意味するそうです。
私は、ライナーの中に書かれてる副題?『喜びの音 一瞬の中に 永遠の向こうに」がとても好き。
カバーアートも最高ですよね。

オープナの「モモノヒト」。Grotrian-Steinweg223という伝説のピアノの美麗な音に胸がときめく。優しいヴァイオリンの響きに世界が変わる。
言葉の響きのままの「うらうら」。秘めたエネルギーを垣間見る「風神雷神」。
天国に通じる扉「Afterglow」。あっちとこっちの渚「うつつか」。
ここちよい明るさ「ひねもす」。
「Torre delle Stelle」、サルディーニャ島の記憶、想い出のようです。私の一番行きたいところなんだけど、こんな素敵なところなんですね。。
穏やかに「まるで僕らの愛のようで」。終演は朝露の一滴のような「永遠の1秒」。

クラシカルでアンビエントな美しい音の集い。
人ととして生まれたのだもの、いつも心にこういう気持ちを持っていたい。
心に染み渡る音。


1. モモノヒト
2. うらうら
3. 風神雷神
4. Afterglow
5. うつつか
6. ひねもす
7. Torre delle Stelle
8. まるで僕らの愛のようで
9. 永遠の1秒

金子飛鳥 Aska Kaneko (vin)
林正樹 Masaki Hayashi (p)

今日のおまけは、オープナーの「モモノヒト」

んじゃ、退散♪

2017年7月29日 (土)

ビターテイストな抽象画  『Initiatives / Jean-Christophe Cholet 』

Initiatives


フランスのベテランピアニスト、ジャン・クリストフ・ショレ。日本でもティエリー・ラングのリズム隊と組んだアルバムが人気の気品ある端正なタッチのピアニスト。今回のフランス人メンバーとの新譜も欧州叙情派らしい味わい。全曲、オリジナル。

オープナーは、端正で翳りのあるピアノが堪能できる「Lili 」。瑞々しい感性と3人の息のあった演奏。誠実、丁寧なベースソロが印象的な「Cahire 」。
暗く硬質な「Le Hauban Part I」、躍動感と切れ味の良い「Le Hauban Part II 」。ドラムのアクションが効果的。抽象的でダークな雰囲気「Nonobstant 」。
柔らかななメロディ、リリカルな演奏、ボーイングも効果的な「Middle Of Nowhere」。
ボーイングが大きな空間をつくりだしている「November Song Part I 」。繊細な感覚、疾走感ある「November Song Part II」。抽象的でビターな感覚の「Xingang Road」。
長閑で優しいメロディ、煌めく演奏「Petihomme」。
ドラムとベースが活躍するスリリングな「Le Coeur Qui Mue」。
3人のゆったりした会話「Ronan 」。
終演は、「Minimal Story」。叙情的で陰影ある演奏でで余韻に浸る…。

ダークでビターテイストな感覚。硬質で透明感あって叙情豊か。
抽象的な光景が多く甘さはあまりないのですが、洒脱で繊細なやりとりは欧州ピアノトリオの王道ね。

1. Lili
2. Cahire
3. Le Hauban Part I
4. Le Hauban Part II
5. Nonobstant
6. Middle Of Nowhere
7. November Song Part I
8. November Song Part II
9. Xingang Road
10. Petihomme
11. Le Coeur Qui Mue
12. Ronan
13. Minimal Story

Jean-Christophe Cholet (p, el-p)
Gildas Boclé (b)
Quentin Cholet (ds)

今日のおまけは、ご本人があげていた新譜のトレーラー。

んじゃ、退散♪

2017年7月26日 (水)

哀愁と洗練  『Brothers / Adam Bałdych & Helge Lien Trio』

Brothers

ポーランドの鬼才ヴォイオリニスト、アダム・バウディフの新作。前作「Bridges」と同じくノルウェーを代表するピアニスト、ヘルゲ・リエンのトリオとの作品。そして、ノルウェーの重鎮サックス奏者トーレ・ブルンボルグが3曲に参加!「Hallelujah」以外は、彼が作曲。亡くなった弟の思い出に捧げられたアルバム。簡潔なタイトルに想いを強く感じます。

オープナー「Prelude」は、まるでレクイエムのような切ないメロディ。ピアノとの短いデュオは、シームレスに2曲目「Elegy」に。ドラムとベースが入って壮大な広がりに。ピアノの音色・フレージングの美しさに動きが止まる。温もりを感じるヴァイオリンの音、ダイナミクスをコントロールし赤裸々に感情を表現していくヴァイオリンと一体化した演奏。
牧歌的な中に光を感じる演奏「Faith」。
ヴァイオリンがメロディをピチカートで奏でる「Love」。優しい可愛いメロディ。
ピアノソロで始まる「One」、やがてトーレが加わりその哀愁ある深い音が別世界へ誘う。
「Brothers 」ドラマチックな展開と様々な技法をつかった演奏は圧巻。
そして、レナルド・コーエンの名曲「Hallelujah」。静粛に深淵に神聖な面持ち。
サックスとヴァイオリンが重なり溶け合う「Shadows」。心に穏やかな風が吹く。トーレはまるで風になったようにメロディアスなソロを。終演はオープナー「Prelude」に対する「Coda 」だろうか。最後の最後まで静かなる心の内に哀愁をもって幕が降ります。

哀愁ある素朴なメロディが心に染みる。
バウディフの楽器のコントロールの秀逸さもちろん、彼の垢抜けたアンサンブル・ハーモニーでメンバー各自の素晴らしい相乗効果が堪能できるはずです。
そして、改めて、ヘルゲ・リエンのピアノの表現力の見事さを感じました。

1. Prelude
2. Elegy
3. Faith
4. Love
5. One
6. Brothers
7. Hallelujah
8. Shadows
9. Coda

Adam Bałdych (vln, renaissance vln)
Helge Lien (p)
Frode Berg (b)
Per Oddvar Johansen (ds)
Tore Brunborg (sax) # 5,6,8

今日のおまけは新譜の音源が見つからなかったので、前作にあった「Polesie」

んじゃ、退散♪

2017年7月21日 (金)

ピアニストに多彩に追随できる 『Reis Demuth Wiltgen @ Cotton Club (7/19)』

Reis Demuth Wiltgen @ Cotton Club (7/19)
Michel Reis (p) Marc Demuth (b) Paul Wiltgen (ds)

Reis1



ルクセンブルグ出身のミュージシャンたちのライブ。
去年、前橋でピアニストと日本の若手ミュージシャンのライブを聴いて打ちのめされたんです。。
なので、行きたいと思っていたのですが、諸事情あって新幹線チケットはとったものの、、予約はギリギリとなりました。

昼ピットでも大騒ぎしてからの、到着だったので、、すでに開場。
でも、真ん中のトリオの見やすいいい席があいてました。ラッキー♪

オープニングは新譜と一緒で「Small Talk」。
いやいや、やはり饒舌。これぞ、息のあった演奏というのでしょ。。
「The Story of You and Me」、「シネマティックな旋律と美しいハーモニー」のキャッチが頭をよぎる。綺麗なメロディにうっとりと身を委ねる。よどみなく溢れ出る透明感あるフレーズ。寄り添うドラムとベース。
反復されるリフと一緒に遠い世界につれていかれる「Joule’s Last Glimpse」。ピアノ主導権を持ちながらも、ベースとドラムがそれに様々に反応して緊張感、高揚感を高めていく。特に、ドラムのアクションはピアノと超呼応していてお見事!怒涛のインタープレイ!!

その後も3人の演奏は呼応しあう。基本ピアノとドラムがガンガン世界を広げる展開が多く、ベースもしっかり力強いプレイで反応。しかも、ベースソロは非常にメロディアスで叙情的、また、ピアノと並行して別な旋律を奏でるなど功労賞!この怒涛の演奏の影の立役者。あ、彼の曲も好きです♪
順番はわからなくなってるのですが、「Me Dire」の曲の初めで、ちょっと長めのピアノソロの部分があったのですが、内部演奏も交えながら、はっきりくっきりと感情が表現された演奏で衝撃的でした。ソロピアノももっと聴いてみたいですね。力強く、美しかった。。
最後は、疾走感溢れる「Cross Country」。最後の最後まで三位一体のハイテンションの演奏。しかも、アンコールにも「すっごく短い曲ね」って、ユーモアたっぷりに応えてくれて本当にありがとうございます!m(_ _)m


ピアニストの持っている多彩な顔をあらゆる角度から追随できるベースとドラム!!
美しい旋律に酔うだけでなく、怒涛のインタープレイも堪能できるハイレベルなトリオ演奏でした。
ファーストセットなのに、すぐにサイン会も開いてくださって、サインと写真がゲットできました。
語学力ゼロな私なので、この感動を伝えることができなかったけど。。m(_ _)m

皆さまへのおっそわけは、新譜のトレラーを。

もともと、夏の暑さに弱いのですが、、この夏はいつも以上に夏バテ。
仕事もブログも、、まったくすすみません。。今日も、午前中に病院の定期検査と診察から帰ってきて、、昼寝してしまった!!
悲しいかな、、大好きなジャズストリートの面影も遠くになってきた。。

んじゃ、退散♪

2017年7月15日 (土)

今日と明日は「第30回新潟ジャズストリート」が開催されます!

第30回新潟ジャズストリート @ 7/15(土)7/16(日)
  ~デューク・エリントン・メモリアル~

Njs30


今日と明日は「第30回新潟ジャズストリート」です。

各日1000円のフリーパスチケットで音楽三昧です!
今年は、土曜日は青、日曜日は赤のチケットです。(紛らわしさを無くすためですって)
中学生以下は無料ですよ♪

「新潟ジャズストリートHP」

7月の9日には無事にプレイベントも終えています♪

無料会場もあり、新潟の街中は音楽があふれます。
ゆったり、のんびり好きなミュージシャンを聴くのも愉しい!
綿密に計画を練って各会場をはしごするのも愉しい!!
普段、敷居が高いとおもっているライブハウスでのジャスライブだってたくさん聴けちゃいます!!!
いろんな聴き方ができます。1000円ですから一ヶ所でも十分満足!
生ジャズ体験のはじめの一歩にもぜひどうぞ♪

「タイムスケジュール」

音楽ファンの方、ジャズが中心ですがジャズだけではありませんよ。
ぜひぜひ、スケジュールをチェックして会場へ!!
会場で、当日もチケットは販売しています。


私は、次第に遠方からの知り合いのミュージシャンのライブが多くなってきまして。。
制限時間内で行きたところを全部回るのは難しい状況となっています。
これを、嬉しい悲鳴というのでありまするね♪
冬は参加できませんでしたので、、大変楽しみです。
今日は昼間だけですが、明日は終日ジャズ三昧??の予定です。
では、会場で!

んじゃ、退散♪

2017年7月13日 (木)

ゆったりと風が吹く 『Gratitude / Dayna Stephens』

Gratitude


2014年のバラード集『Peace 』とメンバーは全く同じ。ブラッド・メルドー、ジュリアン・レイジ、ラリー・グレナディア、エリック・ハーランドという豪華メンバーとの作品。
情報不足で、リリースを見逃し、遠くから飛ばしたんで今頃のアップです。
実際のCDにも録音の日時の情報がほとんどなくて、ちょっと、不思議。。
彼とジュリアンの曲が1曲づつと、ビリー・ストレートホーンをはじめ、アーロン・パークスやパット・メセニー、レベッカ・マーティンなど、幅広い選曲です。

オープナー「Emilie」のメロディアスなソロ。テクニックはもちろんなんだろうけど、歌心があってゆったりした心持ちに。途中、メルドーとダイナのやり取りはなかなか面白い。
アーロン・パークスの「In A Garden」。ちょっと暗めの静かな曲。ギターの響きが綺麗な空間を彩ってます。ベースソロにもうっとり。
ゆったり静かに時が過ぎる前半、中盤からのアグレッシブなソロを支えるハーランドのドラムがカッコい「Amber Is Falling 」。
ジュリアンらしいカントリー風なワルツ「Woodside Waltz」、メルドーはホンキートンクピアノで。
メセニーの「We Had A Sister 」、思いっきり風情のある演奏で。メルドーが美しい。
彼のオリジナル曲「The Timbre Of Gratitude」にみせるジュリアンの叙情。
「 Isfahan」、ジュリアンが軽妙に絡んでいく。
レベッカ・マーティンの曲「Don't Mean A Thing at All」もジュリアンの美しいソロが聴ける。レベッカは、ラリー・グレナディアのパートナーですしね。いや、いい歌ですよね。
終演は、バックに電子音が流れる「Clouds 」。ハーランドのドラムがカッコ良すぎます。。

全体に静かな流れ。際立つのはデイナ・ステファンズの歌心。
ゆっくりと、疲れた心身に沁みていきます。。
ゆったりと風が吹きます。

1. Emilie
2. In A Garden
3. Amber Is Falling
4. Woodside Waltz
5. We Had A Sister
6. The Timbre Of Gratitude
7. Isfahan
8. Don't Mean A Thing at All
9. Clouds

Dayna Stephens (ts,bs,EWI,synth,b#9)
Brad Mehldau (p,tack piano#4)
Julian Lage (g)
Larry Grenadier (b)
Eric Herland (ds,cymbals)

今日は、おまけに丁度いい音源がありませんでした。。

んじゃ、退散♪

2017年7月 9日 (日)

超絶嵐吹き荒れる 『Moments Captured / Alex Sipiagin』

Moments_captured

やっと、来たぁ。
って、遅すぎですよね。。(T_T)
私的トランペッターの王子サーシャさまこと、アレックス・シピアーギンの新譜です。ロシア生まれで、ニューヨクで活躍する超絶凄腕。
しかも、今回はクリポタさま参加の三管!マット・ブルーワー、エリック・ガーランド、、って、これを買わずして何を買う?!
全7曲サーシャさまの曲。

オープナーの「Evija Bridge」から一気にテンションアップ。シピアギンを始め、各自のソロやアンサンブルにドッキドキ。クリポタとジョン・エスクリートの高速ユニゾンは聴きもの!
ロシア生まれの美しい女性ヴォーカルAlina Engibaryanが入った「Moments From The Past」。ご存知の方も多いとおもうのですが、サーシャさまの奥さまは、アメリカの歌姫Monday満ちる。ヴォーカルの使い方が洒脱。浮遊感を活かしながらおしゃれなサウンド。サーシャさまはじめ、ソロもメロディアス。
冒頭の管の重なり方に、戦闘態勢を感じる「Unexpected Reversal」。笑 途中、管の乱れ打ち的高速吹きまくり、エスクリートとハーランドの絡み合いは唖然呆然。いや、凄いっす。
マイケル・ブレッカーに捧げた「Blues For Mike」。王道3管ユニゾンからのソロも難易度たかし!
再びヴォーカルが入って、タイトルそのまま爽やかな風を感じる素敵なアレンジ「Breeze」。ハードな演奏が続くアルバムのオアシス的な感じ。
テクニカル、メカニカルなテーマからのスリリングなソロの連続、そして、最後はエリック・ハーランドの爆発。タイトで躍動感あって心踊る。管とのバース交換?の緊張感に痺れた。
終演は、ゆったりと重なり合う「Dream」。バックにずっと流れる歪んだ電子音が夢の世界へ。

全編、超絶の嵐が吹き荒れています。超絶具合もここまでくると、、神の領域。
暑くてバテそうな時には、熱いジャズで喝ですかしら。
明日からのお仕事に気合い入れ、熱中症にならないように、心して聴くべし。笑

1. Evija Bridge
2. Moments From The Past
3. Unexpected Reversal
4. Blues For Mike
5. Breeze
6. Bergen Road
7. Dream

Alex Sipiagin (tp, flh)
Chris Potter (ts)
Will Vinson (as, ss)
John Escreet (syn, rhodes, p)
Matt Brewer (b, el-b)
Eric Harland (ds)
Alina Engibaryan (vo) #2, #5

今日のおまけは、ご本人があげてた「Unexpected Reversal」

海の日の三連休は新潟ジャズストリート、夏の陣ですね。

んじゃ、退散♪

2017年7月 7日 (金)

深化を楽しもう! Bungalow 『You Already Know 』ツアー @ SPACE1497 (7/6)

Bungalow 『You Already Know 』発売ツアー @ SPACE1497 (7/6)

マイク・リベット (ts,electronics) 佐藤浩一 (p) 池尻洋史 (b,ukulele-bass) 大村 亘 (ds,tabla)

Space1497_1_2


前日の渋谷はソールドアウトで、気流に乗ってるバンガロー。(の、はず)
私といえば、、色々とハプニングはあったものの、3時に家に戻れて無事に予定の新幹線にのれました。
熊谷の「SPACE1497」に開場時間に着くと、最前列でピアノ角席がありましたので、美味しいクリームあんみつを食べながら開演を待つ♪

開演!1セット目は、「TOAD」に始まり「Dancing Elephant」で終了。
新潟と、選曲は一緒でしたが順番が少し入れ替わってました。
1曲目が始まったときに、高い天井にシンバルが響いてちょっと残響音が残るきがしたんですけど、(サックスも)、、途中から気にならなくなった。
むしろ、「Day29」では、タブラとエレクトロニクスがいい感じに響き合ったし、「Dancing Elephant」では、ハンドクラップや木製シェイカーなどがよく聴こえていいアクセントに。

2セット目、これは新潟と選曲も順番も一緒。
でも、「Kamiya」から絶好調なサックスで盛り上がり(新潟より好調!)、ピアノ、ベース、ドラムの三位一体に悶絶。あとで、MCで、「もしも本を読んでない人がいたら、この曲からどんな人間を創造しますか?」って、言ってましたが、、かなり狂人に近いですな。。(私は火花読んでますが。。)
マイクの新曲の「Reflect」の入りの部分かっこよく、透明感のあるいい感じになってた、と。サックスを吹いてないとは、エレクトロニクスも入ってたと思う。。ベースソロがすんごく素敵だったな。
「Abstract Message」も入りのタブラの有機的な音色とエレクトロニクスの無機的な音が溶け合って悠久的な感触が生まれる。そして、感傷的な面持ちに。
この2曲は、進化というより、より深化してたと思う。このバンドで、佐藤さまは、カウンターパンチも辞さないごりっとしたハードな演奏も多いのですが、ここではひたすら透明な綺麗な演奏。
「North Head」も、心の奥底のもやもやしたものを掻き立てられ演奏。人生の喜怒哀楽をすごく感じる。ゆったりしてるけど、ドラムのアクションの一つひとつに胸を突かれる。混沌とした終わりもかっこよかったな。
でた!タブラをフィーチャーした「Bombay Duck」。様々な音、要素が混じり合って静かな高揚感のある演奏。でで、さすが、毎年本場インドに修行にいくだけあって素晴らしいタブラを聴かせてもらいました。たった1人、たった2つの楽器からでてくる音とはまったく思えない。世界には自分の知らない領域が想像をはるかに超えてるんだよな。
今日の「鈴虫の懺悔」は、めっちゃ怖かった!低音不協和音?満載。鈴虫は共食いするんですよね。夜中にメスの鈴虫に追い込まれたオスの鈴虫の気分か。マイクのサックスに哀愁が。。一旦、そう思ってしまった私には、マイクの絶好調高速流暢なフレージングに身の危険のスリルを感じ、ちょっとアナーキーな気分に。。
最後は、途中抜けになった「O.P.P.M.」。なんだろう、いつだってドラマチックな幕開けの向こうに何かが見えそうになる。相反する感情はいつだって誰にだって存在して、その両方を出せるのが人間。。
と、すばらいいベースソロを聴いた後に席を立ちました。あと、15分あればな。。

私は全く演奏しないけど、、演奏って、正確無比なルールがあったとしても、必ず人間的な要素が入り込んでくるはず。良い演奏家の人たちは、相手、自分のゆらぎの部分もきちんと聴き取って、感じ取って、演奏に落とし込んでいくんじゃないだろうか。だから、人間的なゆらぎの部分はマイナスなのでなくて「深化」できる要素なんだと思いました。
そして、メンバーが同じでも、場所や気持ちが変われば違う世界が表現できる。変化、進化ってことばより深化がぴったりな気がする。そして、その能力が高いバンガロー!
バンガローやメンバーの熱心なファンから、お店の常連さんまで、、アットホームな中で常に旬なバンドの深化を楽しんできました。
そうそう、今回のMCを担当した池尻ベースの声はよく通る素敵な声でした。まぁ。。細かいことを覚えてない、って、欠点はありますが。。(何枚目の曲とか、何回目のツアーとか、、その辺の数字に無関心。。)

と、いうことで、、今回も、美味しい美味しい「Bombay Duck」が食べられました!この後の味付けも興味津々ですね!

7月7日は「水戸CORTEZ」、最終日7月9日は「伊豆高原Butter Note」!! 是非是非〜〜♪

と、「SPACE1497」お店の方々には大変お世話になりました。
お迎えのタクシーが来たのはわかっていたんですが、心の中で「まだ、7分大丈夫。。」と、池尻ベースのソロを聴いてました。後から気がつくと、私が帰るのを見送るために外で待っていてくれたのかもしれない。。
きっと、バンガローがお好きでお店でライブを開催されたのだろうに、、大変申し訳ないことをしたと思います。m(_ _)mその場で、謝れなくてゴメンなさい。(こんなマイナーな場所で謝っても届かないけど。。)

Space1497_2_2


いつかまた行きたいところが増えました。
と、いうことで、七夕の願いは、、「いつか、どこかで、バンガロー」、、なんちゃって。
いや、いやいや、、今、、頭の中でクリポタさまが微笑みました。。^^;


んじゃ、退散♪

2017年7月 3日 (月)

常に旬!今絶対聴くべき 「Bungalow 『You Already Know』発売ツアー」@Jazz FLASH (7/2)

Bungalow 『You Already Know』発売ツアー@Jazz FLASH (7/2)
マイク・リベット (ts,electronics) 佐藤浩一 (p) 池尻洋史 (b,ukulele-bass) 大村 亘 (ds,tabla)

Bungalow_1


「バンガロー」の名前が初めてこのブログにでてくるのは2013年の11月8日でした。
念願叶って、2日後にライブを聴けたのですが、アルバムも気に入っていたのですが、生のライブがこれまたど真ん中、どストライク。
それ以来、私にバンガローを教えてくれたありがたい友人と「バンガロー、がんばろう」が合言葉でっす。
そのバンガローが、新譜『You Already Know』のツアーで新潟のジャズフラッシュ!

さて、言い訳にもならないのですが、、
最近、、地元のライブの打ち上げで日本酒を飲んじゃうことが多くて、、
まぁ、、醜態を晒しているわけですが、今回も例外ではありません、、、
で、で、、でで、、、念入りに記憶の湖をさらってみたわけです。。。

まず、1セット目は新譜からの選曲が多くて、オープナーは「TOAD」。
佐藤ピアノの曲なんですが、彼の好ましい変態性がでてる曲。
次は、新譜のオープナー大村曲「Santa Cruz」。力強いベースと、随時状況を把握し直していくドラム、そこにスリリングなピアノとサックスのソロがはいって、めまぐるしく変わる風景と何も変わらない時間とが同居する。
池尻ベースの曲「Sakhalin」は、クールに決まる。サックスのマイク曲「Gravity Snap」は、SF映画にあるような時空の歪みにいるようだった。
で、大村曲29拍子の「Day29」は、ピアノ以外が持ち替えで、タブラ、ウクレレベース、エレクトロニクス、そしてピアノが、互いの以心伝心を確認し合うようなハイライト。タブラとウクレレベースのやりとりが刺激的で、音楽が知性を持つ有機体のように、私に問いかけてくる。
最後は、ワイルドなドラムワークが印象的な「Dancing Elephant」。はるかかなた、広大な大地が視えてくる。


休憩。
この時は、興奮はしてたけど、とても鮮明にいろいろなことが頭にあったんですよねぇ。。(懺悔したい気分)

そして、問題の2セット目。
オープナーは、佐藤曲「KAMIYA」。小説「火花」にでてくる周囲に理解されない天才「神谷先輩」に共感してできた曲、、って、MCを聞くたびに心配になる私です。。
この後は、新譜から離れます。新譜ツアーで、新譜から離れて新曲2曲、って、いうのも頼もしい!
大村曲の新譜はビターな感じで美しかった。好き。2曲はこれからどんどん進化するって、言っていたし、きっとそうなるんだろうな。
「North Head」、「Bombay Duck」、「鈴虫の懺悔」の順番はちょっと?なんだけど、「O.P.P.M.」で終演になったのは間違いないはず。「O.P.P.M.」は1枚目のアルバムに入っていた曲だけど、人と場所が変われば新しい「O.P.P.M.」です。この慌ただしく目紛しい世界で、音楽を通して物事の本質を捉えるのはなかなか面白い。
「North Head」では、マレット、スティック、ブラシ、それぞれで様々な彩りをしていたドラムの演奏に高揚し、「Bombay Duck」の渾身のタブラも頭の奥で鳴り続ける。「鈴虫の懺悔」、ピアノの高音高速トリル?が真夜中にでてきそうな、、ちょっと怖い演奏。。
で、アンコールは、屋台骨池尻ベースの曲で、ジャズサックスが悠々と闊歩する「Test」でした♪

知性に溢れ、時に哲学的でもある「バンガロー」。ライブでみせる彼らの狂気の瞬間がたまりません!!痺れるっ。

「バンガロー」の何が好きなんだろうと、考えてみたのですが、、
一人ひとりのハイレベルな演奏が、有機的に結びついて強い高揚感を体験できる。彼らの想像力を刺激する演奏に、自分の内側にあるのに見えそうで見えなかった光景が想い浮かぶ、閃くからなのではないかと。
それは、彼らが意図したものとは違っても、私には新しい世界への扉になりそうな光景で、平々凡々と生きてる私にとってとてもありがたい。
ようは、人生の細道に雷のごとくの刺激をもらっているんです。笑
音楽に酔い、地酒に酔った夜でした♪

Bungalowツアーの後半は、まだ続きます!!

Bungalow_2


7/5 渋谷JZ Brat
7/6 熊谷スペース1497
7/7 水戸コルテス
7/9 伊豆高原バターノート

今日のおまけは新譜「You Already Know」のトレーラー。

んじゃ、退散♪

2017年7月 1日 (土)

叙情深く、大人の世界を描く 『Minione / Anna Maria Jopek / Gonzalo Rubalcaba』

Minione

ポーランドの実力派歌姫、アナ・マリア・ヨペック。
今回は、キューバのピアニスト、ゴンザロ・ルボルカバのピアノトリオと古いタンゴを中心に選曲した新譜です。

オープナーの「Twe Usta Kłamią」から、その深く叙情豊かなヨペックの歌に惹き寄せられる。そして、ゴンザロのピアノがリリカルでストイック。ベースもドラムもいいお仕事。
リズムにのった曲も五月蝿くならず感情豊か。「Nie Wierzę Ci 」の沈み込むような叙情、内省的なピアノの寄り添いも素晴らしい。
ピアノとのデュオ「Besame Mucho」、全編スキャットでピアノとメロディを合わせていくところはゾクゾクもの。ゴンザロの抑制の効いたピアノがグッとくる。お見事!!
ゴンザロのオリジナル「Co Nam Zostało... Wybrzmienie」は、ピアノトリオで。
この後も、心の奥ふかくからに沁み渡るような演奏がつづきく。
終演は、ピアノとデュオで「Rebeka」。ゴンザロの渾身のピアノソロも、寄り添いも秀逸。2人の気持ちが融合して切なく美しい世界。


もう、絶対深夜のアルバム。大人の世界。
ラテン系のピアニストですが、さすがヘイデンも好んだピアニスト。
饒舌さは控えめ、抑えめ、ぐっと情感豊かに聴かせてくれます。

1. Twe Usta Kłamią
2. Kogo Nasza Miłość Obchodzi
3. Co Nam Zostało Z Tych Lat
4. Nie Wierzę Ci
5. Besame Mucho
6. Co Nam Zostało... Wybrzmienie
7. Pokoik Na Hożej
8. To Ostatnia Niedziela
9. Miasteczko Bełz
10. Nie Wierzę... Detal
11. Rebeka

Anna Maria Jopek (vo)
Gonzalo Rubalcaba (p)
Armando Gola (b)
Ernesto Simpson (ds)

今日のおまけは新譜のトレーラー?

気がつけば、上半期が終わってました。。
新潟も梅雨入りとのことで、、しとしと、むしむし。。

んじゃ、退散♪

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