より詩情豊かな世界へ 『Floatin’ In / Roberto Olzer Quartet』
澤野工房から『Dreamsville』が昨年の年末にリリースされ、ジャズオーディオ・ディスク大賞の金賞を受賞したロベルト・オルサー トリオ。透明感ある美しさには定評がある。
新譜は『Through the Journey』で、クラウディオ・フィリッピーニ(p)と秋の宵にぴったりな詩情豊かなデュオを演じたイタリアのトランペッター、フラビオ・シグルタをフィーチャーしたカルティット編成。オルサー4曲、ユーリ・ゴルベフ3曲、「Stella By Starlight 」と「Elm」で全9曲。
オープナーはユーリ曲「Skyscapes」。美しいピアノトリオの演奏に誘われて、伸びやかで美しい音色のトランペットが響き渡る。柔らかなペットの演奏を聴くとなぜ彼なのかすぐにわかる気がする。繊細なやり取りが信条のパーマネントなトリオに、なんら遜色なく溶け込み、、より詩情豊かな世界を描き出す。
「Stella By Starlight 」では、ユーリの超絶ベースソロが光る。ミュートしたペットがアクセント。リッチー・バイラークの「Elm」。ダークな曲調をフリューゲル?で陰影ある空間。抑制を効かせつつ盛り上がる4人。
物凄く音楽的に相性の良い4人だと思います!
オルサーとシグルタのデュオ、オルサー曲「Still To Bill 」。心の内が分かり合える相手に出会えた喜びに満ちた演奏。
ドラムのソロから始まる、疾走感に溢れた「Maybe Next Time」は、爽やかに。ロマンチックなバラード、オルサー曲「Aphrodite」。
ユーリ曲が2曲続きます。「Stee-Vee」、変化あるやり取りを楽しめ、「Vocalise」、ビターテイスト哀愁ある歌心。シグルタ、テクニック全開。
終演はオルサー曲「Forward」。冒頭シグルタの独奏はモノトーンの世界、ピアノトリオがフィルインして一気に色彩に溢れる感じが好き。美しく叙情的なピアノトリオに、同じ感情をを持つトランペットが加わって、より奥深い詩情豊かな世界を描く。
同じ美意識を持つもの同士は相性いいですよね。
おすすめで〜す♪
1. Skyscapes
2. Stella By Starlight
3. Elm
4. Still To Bill
5. Maybe Next Time
6. Aphrodite
7. Stee-Vee
8. Vocalise
9. Forward
Fulvio Sigurta (tp, flh)
Roberto Olzer (p)
Yuri Goloubev (b) exc #4
Mauro Beggio (ds) exc #4
今日のおまけは、「Skyscapes」
新潟は暑かったり寒かったり、、朝から雷が鳴ったりと、、なんだか、変な気候です。
皆さまも体調にお気をつけてください。
んじゃ、退散♪
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