過去の遺産を未来へ繋げた軌跡 『Y / Yaron Herman』
イスラエル生まれで、現在はフランスに在住のピアニスト、ヤロン・ヘルマン。
ブルーノートの2作目は、ベースにBastien Burger、ドラムはZiv Ravitzという新しいトリオ。
3人とも、主の楽器の他に、エレクトロニクスやプログラミングも含んだマルチな働きをしています。そこに、3人のヴォーカリストをフィーチャーし「伝統」と「今」を重ね合わせた音楽。「今時」な感じなのですが、やっぱりピアノに聴き惚れちゃいます。
オープナーは、音の歪みに時空を感じ、柔らかなうねりに音の世界に吸い込まれそうになる「First Dance」。くるくる回るリフが印象的な「Legs to run」。
モダンなテーマを盛り上げるドラムのアクセントが素晴らしい「Phoenix」。
フランス人のシンガーソングライター、-M-(マチュー・シェディッド)をフィーチャーして、ポップで独特な世界「 Saisons Contradictoires 」。
荒削りな破壊的なドラムとエレクトロニクスが効果的な「Jacob」。即興的な要素の強い「Silhouettes」。
フランスのソングライター、ドリーム・コアラをフィーチャーした「Solaire」は、宇宙遊泳のよう。一転、躍動感ある「Side Jump」。
UKのブルース・ロック・バンド、ホークスからジャズ歌手に転向したヒュー・コルトマンをフィーチャーした「The Waker」は、叙情的でゾクゾク感満載。
ピアノトリオの本領発揮「Spark」。ジューイッシュのトラディショナルソング「Fun Groys Dasad」は、祈りのような女性の声がはいり敬虔に。
終演はエレクトロも融合された壮大な空間「Dreamson」。
彼の過去の遺産を未来へ繋げた軌跡。
エレクトロやプログラミングなどの手法も使いながらも、彼の持っている民族的な哀愁も感じる独特な世界。
1. First Dance
2. Legs to run
3. Phoenix
4. Saisons Contradictoires featuring -M-
5. Jacob
6. Silhouettes
7. Solaire featuring Dream Koala
8. Side Jump
9. The Waker featuring Hugh Coltman
10. Spark
11. Fun Groys Dasad
12. Dreamson
Yaron Herman (p,key,celesta,prog,vo)
Bastien Burger (b,key,prog,g,vo)
Ziv Ravitz (ds,electronics,prog)
Mathieu Chedid (vo,g) #4
Dream Koala (vo, ) #7
Hugh Coltman (vo) #9
今日のおまけは、ヒュー・コルトマンが歌う「The Waker」。
連休の箸休め?にいかがでしょ?
んじゃ、退散♪
« 『ジャズ批評 197号』がでました〜♪ | トップページ | 粋でいなせ、旨味溢れる 『A Different Truth / T-Riot 』 »
「JAZZ」カテゴリの記事
- ダヴィッド・ヘルボックの新譜はヴォーカルとのデュオ!(2022.05.18)
- 宇宙の彼方へ 『Far Star / Gilad Hekselman』(2022.05.15)
- 抽象的な個性を感じる音風景 『Isabela / Oded Tzur』(2022.05.14)
- 今流、ストレート・アヘッドなオルガン・トリオ 『Counterflow/ Iwao Ochi Organ Trio (越智 巌) 』(2022.05.11)
- ギラッド・ヘクセルマンがEdition Recordsから新作を出す!(2022.05.07)
« 『ジャズ批評 197号』がでました〜♪ | トップページ | 粋でいなせ、旨味溢れる 『A Different Truth / T-Riot 』 »
コメント