ピアノトリオの真髄、三位一体のインタープレイ 『Makoto Nakamura Trio』
四月に「中村 真トリオCD発売記念ツアー」で、新潟のジャズフラッシュでライブを聴いた。
去年の10月のライブの時と同様に3人のインタープレイに圧倒された。
そして、ライブ会場で先行販売されたこのアルバムを購入したのです。
選曲はドラマー大村亘の「Slow highway」以外は、スタンダード。でも、スタンダードは時には演奏する人たちを丸裸にしますよね。
オープナーは、シンプルに歌う「Triste」。美しく、優しく、、少しだけ甘く。3人の息のあった演奏は気持ちよい。
意識の暗闇から浮かび上がってくるような「In a sentimental mood」。余分な音を排除して、小さな音で心を震わす。小さな音で最小の音数で感情を表現できるピアノの素晴らしさ。もちろん、ベースもドラムも繊細な空気をうまく表現。
一転、アップテンポで躍動感ある「Stablemates」。
「Isn't it romantIc」は、思いっきりロマンチックに。忘れていた「恋心」という言葉を思い出すはず。
大村亘作「Slow highway」は、ピアノとドラムのデュオ。ちょっとアブストラクト。互いにインスパイアされながら繋がり、離れ離れにならずにね。
全曲の緊張感を解きほぐすような、、ほのぼのと柔らかな「I get along without you」。
疾走感ある「All of you」は、アグレッシブに互いに鼓舞しあう。炸裂するドラムソロ、かっこいい♪
魅惑的なジョビンのメロディをゆったりと、、情感たっぷりと。ドラマチックに進む中、ベースのアルコが効果的。
繊細なスティック音とベースで始まる「Smile」のスリリングなこと。二人からインスパアされて抽象的に広がっていく心の目でみたスマイル。
終演は「Stella by starlight」。星影のステラは、3人の見えざるものに思いをはせる思索の深度が深まり、、高く遠くに飛翔。
リリカルで正統派のピアノトリオがお好きな方にオススメです。
自由な発想は、彼らの演奏を通して人の心の深い部分に訴え、その想像力でどこか別な場所に誘ってくれる音楽です。
1. Triste
2. In a sentimental mood
3. Stablemates
4. Isn't it romantIc
5. Slow highway
6. I get along without you
7. All of you
8. Ohla maria
9. Smile
10. Stella by starlight
中村 真 (p)
中村新太郎 (b)
大村 亘 (ds)
今日のおまけは、ツアー中の演奏で「Smile」。
当然ですが、アルバムと違う演奏に変化してますよね。
んじゃ、退散♪
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コメント
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Suzuckさんこんにちは
中村真さんは、東京出張の際によく通っていた大塚ドンファンで何度か聴いたことがあります。
たいへん繊細でナイーブな感じの演奏をされる方とのイメージがありました。
もう10年以上前のことですが...懐かしく思います。
投稿: bikinnmann | 2017年5月20日 (土) 18時00分
bikinnmannさま、私は名前だけは存じ上げていたのですが、、
去年、はじめて新潟で聴いて、仰るように「繊細でナイーブな演奏」に、とても惹かれました。
世の中には、巧いピアニストがたくさんいらっしゃるのですが、、
出会いがなければ、なかなか、、応援できませんよね。
bikinnmannさまは、ピアノアルバムを中心に幅広く聴かれてますよね!
投稿: Suzuck | 2017年5月22日 (月) 12時22分