余白に身を委ねる快感 『incomplete voices / Ryosuke Hashizume Group (橋爪亮督)』
双子のようなアルバム『Visible/Invisib』、『Side Two』は、ピットインのライブ盤でした。あれから3年?このグループの6枚目のアルバムはスタジオ盤です。
なんと、結成17年だそうです。もちろん、全曲橋爪オリジナル。
ピアノに誘われて始まるオープナー「Still」。1聴に美しい橋爪サウンド。17年目の集大成!みたいな気負いはまったく感じられず、いい意味ですんなりと耳に馴染み穏やかに進む。5人の音がゆるく絡み合いながら空間を満たしていく。
クールなサックス、その余韻に絶品のハーモニーが重ねられていく「One Time Dream」。フレットレスベースのソロとギターの音色にうっとり。
空ゆく雲のごとく浮遊するサックスに侘び寂びを感じる「Synesthesia」。ギターの音色の美しさに心奪われ、ピアノ優しさに目を閉じる。静かに、、でも確実に心を深いところで震わせる。
どこまでも穏やかでゆったりしている分、感情移入をしやすい「Song Unknown」。
大きな空間で、メンバー各自が、ゆるく繋がり、、でも決して離れ離れにならない際どさ「Line」。
意識の向こう側の出来事のような繊細な音が奏でられる「初月」。個々の引き算の妙。。
想像を掻き立てるフレットレスベースに始まり、ピアノ、ドラム、ギター、テナーと気がつけば大潮のように満ちている「4-18」。
終演は、揺らぐように、揺らぐように、、ふわり、ふわりと、、すぅ〜と心に忍び寄る繊細で美しいサウンド「July」。
音のない余白に身を委ねることのできる音楽。
各楽器の音色がとても美しく、各自が立体的な音空間のどこに音を置いていけばいいのかをしっかり把握しているので、引き算に引き算を重ねているのに空間が綺麗な音で満たされていて癒されます。
私にとっては、夢と現実を行き来するような想像力を刺激する穏やかなサウンドでした。
連休のお疲れが残っている皆さま、めちゃ気持ちいいですよ。いかがですか♪
1. Still
2. One Time Dream
3. Synesthesia
4. Song Unknown
5. Line
6. 初月
7. 4-18
8. July
橋爪亮督( ts,ss)
市野元彦(g)
佐藤浩一(p)
織原良次(fretless-b)
橋本学(ds, perc)
今日のおまけは、同じメンバーでの「July」。
ピットインでのライブからですね。
ゴールデンウィークの旅行から帰ってきたら届いてました。
毎日リピートしてました。生で聴きたいな。。
んじゃ、退散♪
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