春雨のような 『Potsdamer Platz / Jan Lundgren』
元祖ピアノの貴公子ヤン・ラングレンも50歳を超え、ベテランです。
最近は、母国スウェーデンのトラッドに根ざした洗練されたジャズの世界。
今回のリーダー作は、フィンランドを代表するサックス奏者ユッカ・ペルコの入ったカルティット。e.s.t.のベーシストだったダン・バーグランド、デンマークの音色の美しいドラマーモーテン・ルンドとくれば欧州ジャズファンは聴いてみたくなるのでは?
同国のギターリストの曲「Tväredet」以外は、ラングレンのオリジナル。
オープナーでタイトル曲「Potsdamer Platz」で、陽気に始まります。グルヴィでご機嫌!
一転、しっとりと美しいバラード「No. 9」、叙情的なメロディと演奏に胸がキュンとする。
スウェーデンのトラッドとジャズを邂逅させた夭折のピアニスト、ヤン・ヨハンセンへのリスペクトを強く感じる「Lycklig Resa」。三拍子でスィング、郷愁ある優雅なメロディにペルコのサックスが見事にマッチ。
4人で鋭く切り込む「Bullet Train」、トリオの息もぴったり。ダイナミックに盛り上がる「The Poet 」。
ロマンチックでリリシズム溢れる「Never Too Late」。転調とテンポチェンジを繰り返しスリリングな「Twelve Tone Rag」。柔らかでエレガントな「Song For Jörgen」。
エキゾチックなメロディとブギウギ風のピアノラインでがノリノリな「Dance Of Masja」。
ベースソロが沁みる美しく儚い「On The Banks Of The Seine」。
終演は、同国のギターリストの曲で「Tväredet」。哀愁ある素朴なメロディを奏でるソプラノが美しい。
ここまで、ラングレンの曲もとても素晴らしく捨て曲なし無しなのですが、そのラングレンが終演に持ってくるだけあって、とても美しい曲です。
ラングレンの故郷スウェーデンの風土に基づいた伝統の音とジャズの融合という感じ。
改めて、ラングレンのジェントルで柔らか、雑味のないセンスの良いピアノに北欧のピアノの貴公子たる所以を。
スウェーデンのジャズはどこか人肌の暖かさ柔らかさがあって、、今の季節に降る春雨のよう…。
1.Potsdamer Platz
2.No. 9
3.Lycklig Resa
4.Bullet Train
5.The Poet
6.Never Too Late
7.Twelve Tone Rag
8.Song For Jörgen
9.Dance Of Masja
10.On The Banks Of The Seine
11.Tväredet
Jan Lundgren (p)
Jukka Perko (as, ss)
Dan Berglund (b)
Morten Lund (ds)
今日のおまけは「Tväredet」。
雪国の春は、梅や桜、、水仙などの春の花が一気に咲きますよ。
春雨も匂い立ちますね。
んじゃ、退散♪
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