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音楽で拡がる輪

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2017年2月

2017年2月27日 (月)

敬虔な祈りにも似た空間 『My Foolish Heart / Ralph Towner』

My_foolish_heart


美しく穏やかな音楽しか聴きたくなくて、、選んだのはラルフ・タウナーの新譜です。ギターソロアルバム。
このブログでは、パオロ・フレスとのデュオ盤『Chiaroscuro』、3人のギターリストの共演『Travel Guide』が上がってます。

今回は、久しぶりのギターソロアルバム。タイトルトラックの「My Foolish Heart 」以外は、タウナーのオリジナル。

オープナーの「Pilgrim」から、その哀愁に打ちのめされる。心は何処へ。
優しく響く「I'll Sing To You」。ギターに酔いしれる「Saunter」。
タイトル曲「My Foolish Heart」のリリシズム。タウナーは、エヴァンスに心酔していたとのことで、初めてこの曲をエヴァンスのトリオで聴いた時から、こんな風にピアノで演奏できたら良いな。。と、心にあったよう。ギターで念願が叶ったわけですね。切なく、甘い「My Foolish Heart」。
トラッドのような素朴なメロディで始まる「Dolomiti Dance」。
「Clarion Call」は12弦ギターかな。響きが美し過ぎる。「Two Poets」でも不思議な空間。続く、「Shard」も独特な世界。
唯一無二の独特なタッチが続き「Ubi Sunt」、繊細さと大胆さが共存する「Biding Time」。亡きポール・ブレイに捧げられた「Blue As In Bley」は、深い色合い。
終演は、「Rewind」。最後の最後まで粒の揃った美しい音で彩られた空間。。

真摯で敬虔な祈りにも似た空間、沈む心にも心地よく響く音風景。
タウナーの音楽性は、ECMの方向性と、、とてもマッチしていますよね。

1. Pilgrim
2. I'll Sing To You
3. Saunter
4. My Foolish Heart
5. Dolomiti Dance
6. Clarion Call
7. Two Poets
8. Shard
9. Ubi Sunt
10. Biding Time
11. Blue As In Bley
12. Rewind

Ralph Towner (classical and 12-string guitars)

今日のおまけは、ライブでの「My Foolish Heart 」。

私ごとですが、、2月に母を亡くしました。
このアルバムに、とても癒されたことをお伝えしておきたいと思います。

んじゃ、退散♪

2017年2月11日 (土)

芳醇な余韻…『Chris Thile & Brad Mehldau』

Chris_thile_brad_mehldau


メルドーの新作は、再びデュオ作。
前回は、ジョシュア・レッドマンとの『Nearness』でした。
これは、ジャズの範囲にしっかり収まったアルバムでした。
今回のお相手は、ブルーグラスなどの分野でコンテンポラリーな活躍を見せるマンドリン奏者クリス・シーリ。
頭の中で、きっとシーリは歌うよな、でも、それって越境することが日常茶飯事となっているジャズ界では珍しいことではなくなってきてる。。
なんて、思っていたのですが、メルドーも歌っていた!一本取られましたね♪

一枚目のオープナーの冒頭の影のあるピアノを聴いて、うっとり。
マンドリンのカッティングが聴こえることが今までとちょっと違うけど。
シールの歌が入って、一気に高揚感が上がる。超絶のマンドリンがパキパキ鳴らすマンドリンの高音、繊細で力強いヴォーカル、シャープなピアノ。
ピアノとマンドリンの追いかけっこが楽しいメルドー曲「Tallahassee Junction 」。
ジリアン・ウェルチの「Scarlet Town」では、メルドーもバックヴォーカル。スピリチュアルな雰囲気でいい感じ。
レディ・デイの持ち歌「 I Cover The Waterfront」の哀愁たっぷり叙情的な歌、伴奏。すごい!表現力!!
エリオット・スミスの「Independence Day」の楽器同士で会話のインティメイトな感覚。
一枚目の終演はシーリの曲「Noise Machine」。フォークの情感溢れる世界。

2枚目のオープナーはメルドーの「The Watcher」。丁々発止、リリカルで透明感ある世界。
続く「Daughter Of Eve」はシーリ曲。のびのび、和気藹々と続く2人の世界。
ジョニ・ミッチェルの「Marcie」にみるナイーブさ、叙情性。ピアノとの一体感も素晴らしい。
ボブ・ディランの「Don't Think Twice It's Alright」。マンドリン、ヴォーカル、ピアノの三位一体の演奏。
終演は、アイルランドのトラディショナル「Tabhair Dom Do Lamh」。哀愁あるメロディを仲良く紡ぐ2人の繊細で暖かな世界。

これは、、参りました。
一般的には、選曲や雰囲気からもジャズでない部類なのかもしれません。
が、2人のやり取りからは、そういったことを超えた素晴らしい音の世界が広がっています。彼らの心から溢れた気持ちが私たちの心に沁みるアルバムです。
芳醇な余韻をお楽しみくださいね♪

ディスク 1
1. The Old Shade Tree
2. Tallahassee Junction
3. Scarlet Town
4. I Cover The Waterfront
5. Independence Day
6. Noise Machine

ディスク 2
1. The Watcher
2. Daughter Of Eve
3. Marcie
4. Don't Think Twice It's Alright
5. Tabhair Dom Do Lamh

Chris Thile (mandolin, vo)
Brad Mehldau (p, vo)

今日のおまけは、メルドーもバックヴォーカルに入る「Scarlet Town」。

とても寒いし、雪の予報だったりするのですが。。
陽が長くなってるせいでしょうか?
春を感じますよね。

んじゃ、退散♪

2017年2月10日 (金)

高澤 綾 『Crescent City Connection』発売ツアー@ジャズフラッシュ( 2/9)

高澤 綾 『Crescent City Connection』発売ツアー@ジャズフラッシュ( 2/9)
高澤綾 (tp)
萩原 康介 (g) 野沢 美穂 (p) 藤島 博幸 (b) 本間 克範 (ds)

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実力と美貌を兼ね備えた高澤綾トランペッターと新潟のミュージシャンの皆さんとのライブ!
新譜『Crescent City Connection』には、マルサリス兄弟のドラマー、ジェイソン・マルサリスや中村健吾ベーシストもいる腰の強いアルバムなのです!

さて、当日は開場時間の7時に行きました。
とりあえず、一番乗り?と思ったら、二番目だった。笑
色々と、打ち合わせも終わったくらいだったみたいなので、ライブ前にサインを頂いてしまった!
確かに、とっても美人だけど、優しくお話ししてくださいましたよ。

開演までの30分の間に、アレヨアレヨと人が集まって、、開演時にはほぼ満席に。

オープナーは伸びやかなトランペットが美しい「My Poinciana」。新譜にも入っているオリジナル曲から始まりました。ギターのブルージーなソロが美しい。続く、ピアノもとってもお洒落でグルービー。ドラムの繊細な音色的確なサポート。力強く聴衆にアピールするベース。イェーイ。
そのあとも、新譜から「Crescent City Connection」、「Chicken Taile」と続きます。
原盤には、サックスも入っていて2管だったりするのですが、ギターとピアノがその辺をうまくフォローしていて、今回のライブならではのサウンドでしたが、かっこよかったです。

伸びやかで快活、メリハリ時にパンチの効いたトランペットの音に歓声も飛びます。
その空気に酔いしれながら、ジャズの源流と今を感じるライブ。
地元メンバーも、素晴らしい。
洗練され音選びとタイミングが素敵な野澤ピアノ、常に音の収束が美しく感動的なドラムロールの本間ドラム、自由で奔放な藤島ベース、そして、今回のもう一人の主役が多くを語らずして男らしくブルージーに語る萩原ギター。
地元サポート陣も熱く揺さぶる演奏で、ハードボイルドなご機嫌なライブとなりました。

基本的には、新譜の中の曲を演奏していたのですが、2セット目のスタンダード「You Don't Know What Love Is」も、、かなり痺れました。
友人のお話では、彼女はもっと違う顔もあるとのこと。そっちも聴いてみたい実力派のトランペッターでした。

ちょっと、バタバタしていて、、なんだか、いつも以上に中途半端なんですが、、私の日記ってことで。。

んじゃ、退散♪

2017年2月 6日 (月)

リラクゼーションにぴったりな『Meet Me At The Movies / Viktoria Tolstoy』

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スウェーデンのヴォーカリスト、文豪トルストイの血を引くヴィクトリア・トルストイ。新作は、映画音楽集!
彼女のお気にいいりの映画音楽が、今をときめくイーロ・ランタラをはじめニルス・ラングレンやマティアス・スベンソンといった北欧の実力派ミュージシャンで演奏されています。
ややハスキーで温かみのある声で情感込めて歌い上げていきます。

オープナーはバクダット・カフェの「Calling You」。訥々と歌う中ニルス・ラングレンのトロンボーンが響き、北欧ジャズが持つ透明な空気。
カサブランカの「As Time Goes By」はエレベが躍動するポップなアレンジでキュートに。さらば愛しき女よの「En Man [Marlowe´s Theme]」はスウェーデン語でミステリアスに。ランタナのクールなピアノが美しい。
フェームの「Out Here On My Own」もしっとりと、、でも、彼女の世界。
クリント・イーストウッドのトゥルー・クライムの「Why Should I Care」は、メロウなギターが心に響く。
Shall We Dance?の「The Book Of Love」は、明るく優しく。ラングレンがそっとヴォーカルで寄り添いハモります。
ドラキュラの「Love Song For A Vampire」は大胆なアレンジで力強く歌い上げます。
バットマン・フォーエヴァーの「Kiss From A Rose」はドラマチックに色彩色豊かに。
シティ・オブ・エンジェルの「Angel 」は切々と。
Dancer in the Darkのエンディングに使われた「New World」。ビョークの独特の世界が大地の鼓動のように響くトルストイの音楽に。
そして、最後の最後はモダン・タイムスから「Smile」。アコギとのデュオでしっとりと。

映画音楽を通して彼女の心に広がる世界を一緒に堪能できます。
特に映画音楽は、その映画にまつわる想い出を一気に蘇らせてくれるものです。
珠玉の音楽を北欧の洗練された音風景で体感するのも素敵です。一緒に想い出の世界にタイムスリップしませう。

1.Calling You
2.As Time Goes By
3.En Man [Marlowe´s Theme]
4.Out Here On My Own
5.Why Should I Care
6.The Book Of Love
7.Love Song For A Vampire
8.Kiss From A Rose
9.Angel
10.New World
ボーナストラック
11.Smile

Viktoria Tolstoy (vo)
Krister Jonsson (g)
Mattias Svensson (b,el-b)
Rasmus Kihlberg (ds)

Special Guests
Iiro Rantala (p)
Nils Landgren (tb, vo)

今日のおまけは、アルバムのトレラー。

んじゃ、退散♪

2017年2月 4日 (土)

心凪ぎる世界 『夢の中へ / Slawek Jaskulke』

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オラシオさまお薦めのスワヴェク・ヤスクウケ『Sea』は、私たちの空想の世界へ旅立たせてくれました。
今回の作品は、
「彼の4歳の娘に「眠るときの音楽を聴かせて」とせがまれ、それがアイデアとなって制作された作品。」
とのことで、穏やかな音作りに対する拘りは半端ない。

オープナーの「S. I」が始まると、そのまろやかな音に心が解放される。
さらに「S. II」で繰り返されるフレーズで自らの内側の世界を漂う。
より深く彷徨う「S. III」。まどろみに誘い続ける「S. IV」。
癒され続ける「S. V」。終演「S. VI」夢なのでしょうか?


「夢で鳴っていた音楽」というブログとリンクさせていただいているのですが、
まさにそのまんまなイメージの音楽でした。
柔らかで円やかな音は、A=432㎐とうい調律や古いアップライトのピアノ、、
森の中の録音スタジオといった丹念な準備で成し遂げられたものだそうです。

ひたすら美しく、穏やかなアンビエントな音風景。
夢に誘う音楽は心凪ぎる世界でした。

1. S. I
2. S. II 
3. S. III
4. S. IV
5. S. V
6. S. VI

Slawek Jaskulke (p)

今日のおまけは「S. I」

今回もオラシオさまのライナーは、必要な情報を入れながらも、、
言葉に拘った文学的な香りが素敵でした。

立春だそうです。
「まだ暦の上のことよね」って、声は多いのですが、
降り積もった後の雪の溶け具合に春を感じます。

んじゃ、退散♪

2017年2月 2日 (木)

息をするようにギターを弾くジュリアン「Julian Lage Trio @ コットンクラブ (2/1 1st)」

Julian Lage Trio @ 丸の内コットンクラブ (2/1 1st)

Julian Lage (g) Jorge Roeder (b) Eric Doob (ds)

Julian_lage2


現代ジャズギターの神様の一人を目の前1.5メートルで拝んできました♪
神童と言われていて、昔は巧すぎで食わず嫌い?だったんですが、ハーシュとのデュオ作『Free Flying』でいっぺんに考えがかわり(笑)、、今では大大好き!!
今回は、去年出た『Arclight』のツアーのようです。メンバーは違うけどね。

ほぼ定刻に開始。ジュリアンはテレキャスターで(50年代のヴィンテージらしい)すごくシンプルなセッティング。
オープナーは哀愁漂う「Nocturne」、いやいや、最初から観客ハート鷲掴み。すっごく綺麗にテーマ弾いたと思うと、いきなり高速フレージングで変化球とか。。もう、何やってもすごい。
一転、カントリー色の強い「Harlem Blues 」、ノリノリ、しかも遊びココロたっぷり。ほんと、ご本人も楽しそう。
超絶技巧なんだけど、ギターがめちゃくちゃ歌っていて難解さは全くなし。

この後も次から次に、『Arclight』の楽曲を中心に弾きまくり。
ピッキングはもちろん、カッティング、スウィープ、タッピング、ビブラート、ハーモニクス、グリッサンド、トリル、、思いつく限りのギターテクニックを高速でスムースに展開していきます!
特に、凝ったセッティングとかしてないと思うのですが、様々な音色が繰り出されます。
今回は、カントリー&ポップな路線だったこともあって、歪んだ音からの「ギュィーーン」ってグリッサンドを多発していて、アクションも決まってかっこよかったなぁ。
とにかく、凄技連発なので、この路線の好き嫌いを別にしてでも、ギターリストは目の前で聴いて観て打ちのめされてくるといいと思うんですけど。。
何曲めだったかなぁ、、お気に入りの「Supera 」、そして、超絶からのとろけるような「I'll Be Seeing You」も聴けて幸せ♪
結局何曲演奏したのかわからないのですが(恥)、アンコールにも応えてくれて1時間10分くらいだと思うのです、かなり中味の濃いライブで大満足でした。

カントリー、ポップとジャズというカテゴリーから大きく手足を伸ばして古きアメリカの郷愁探す旅、めっちゃ楽しくて ギター愛に満ちたライブでした!
まるで、息をするようにギターを弾くジュリアン・レイジ。ますますファンになってしまった!

で、最後になってしまいましたが、ベースとドラムが知らない人だったんで、、どうなんだろう?って思っていたのですが、
エモーショナルに絡むベース、エキサイティングに煽るドラム、ともにライブをしっかりサポート、盛り上げてました。
まだ、間に合う!!気になっている方は是非とも〜〜!!

今日のおまけは、、メンバーが違いますが「I'll Be Seeing You」。

んじゃ、退散♪

2017年2月 1日 (水)

多彩な新人ピアニスト 『Vitor Goncalves Quartet / Vitor Goncalves』

Vitor_goncalves_quartet


ブラジルのミナス生まれ。18歳で奇才エルメート・パスコアールのグループで演奏を始め、2012年にはNYCに。
この新譜は、名門「Sunnyside Records」からで、若手のヴィトール・ゴンサルベスのデビュー作らしいです。
才能を応援するがごとく、トッド・ニューフェルド、トーマス・モーガンに、ダン・ウェイスとメンバーが豪華絢爛♪
バーデン・パウエルとジョビンの他は彼のオリジナル。

オープナーは、幻想的な雰囲気の漂う「Sem Nome」。冒頭のダークなピアノソロでグッと惹きつけ、他のメンバーがシットインしてからは、ビターな演奏。
一転、ドラムがビートを強く打ち出す「Cortelyou Road」。様々な音に溢れる多才な感じ。ピアノ上手〜い♪
祖国のレジェンド、パウエルの「Samba Do Perdão」。エッセンスを残して彼の曲に。
エキゾチック、ドラマチック「Desleixada」。情感豊かに「Winter Landscapes」。
ジョビンの「Se É Por Falta De Adeus」に見せるうっとりする詩情。
高速でフレヴォ的な「De Cazadero Ao Recife」。スティック音が美しい。
終演は、オリジナルのバラード「The Touch Of Your Hand」をピアノソロで優しく、リリカルに。

躍動感も静寂も表現できる、、多彩な才能を感じます。
やっぱり、ブラジル音楽をあちこちに感じるニューヨークコンテンポラリーって感じ。
共演者のサポートも素敵なので、興味ある方は、、ぜひ!


1. Sem Nome
2. Cortelyou Road
3. Samba Do Perdão(Barden Powell)
4. Desleixada
5. Winter Landscapes
6. Se É Por Falta De Adeus (Antonio Carlos Jobim)
7. De Cazadero Ao Recife
8. The Touch Of Your Hand

Vitor Gonçalves (p)
Todd Neufeld (g)
Thomas Morgan (b)
Dan Weiss (ds)

今日のおまけ、同じメンバーで「Samba Do Perdão」。

しかしですね、、暑かったり、いきなり寒くなったり、、
一体、、日本の冬はどうしちゃったんだ!

んじゃ、退散♪

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