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音楽で拡がる輪

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2016年10月

2016年10月31日 (月)

大西順子 Plays Tea Times @ ブルーノート東京(10/29 1st)

大西順子 Plays Tea Times @ ブルーノート東京(10/29 1st)
大西順子 (p)  Yunior Terry (b)   Terreon Gully (ds)

Plays_tea__imes1

いろんな意味で炎のようなピアニスト大西順子。新譜の主要メンバーを抑えたライブです。
突然、この日に東京でライブが聴けることになり、ずいぶん遅い予約だったので指定席は右側しか空いてませんでした。
で、、時間ギリギリに到着すると、既に満席以上熱気ムンムン。私は、右のエリアの一番右側の一番後ろです。普段、ピアノトリオを聴きに行く時なら嘆きの席ですよ。
ところが、、ステージをよ〜く見ると、なんとピアノが大移送していて、ステージ右端の前面に観客に背を向ける形で設置されてます。その少し奥に観客と向かい合わせの形でベースとドラム。そして、左手はホーンセクションのエリアとなってました。何気に、ずいぶん良い席な気がする。。対角線上にピアノトリオが観えてラッキー!

6年ぶりの新譜『Tea Times』は、プロデューサーに菊地成孔を迎え、今までの王道路線とは大きくかけ離れた多彩な路線。本番のMCで本人も言っていたのですが、多重録音などもあり、現実にこのアルバムのリリースツアーができるか、、非常に微妙だったそうです。綿密で複雑な演奏を強いられたホーンセクションは、サックス4本、トロンボーン3本、ペット3本。彼ら自身も強度な緊張感を持って演奏に望んでいるよう。素晴らしい迫力でした。演奏曲はすべて新譜から!

低音のゴリゴリの押し出しから始まった菊地曲「GL/JM」。コンダクターは狭間美帆で、ホーン・アレンジも担当。強力なリズム陣、それに負けない強打と高速フレージング。いきなり場内唖然。ドラムのスリリングで迫力ある演奏に耳が釘付け。
MC挟んで(ホーンセクション含むメンバー紹介)、ピアノトリオで菊池曲「Tea Time 2」。もう、早い早い、スリリングに駆け抜ける。互いに互いを煽りあう感じ。
ジョージ・ラッセルの難曲「Chromatic Universe」では、菊地成孔が指揮に登場、再びホーンセクションの素晴らしい演奏と渡り合う女帝の迫力満点。聴いているほうはひたすらそのかっこいいサウンドに身をまかせるだけ!

余談、、初めて観る菊地成孔は普段から喋りも動きもラップな感じだった。。

賛否両論別れた日本語ラップとコラボした「Malcolm Vibraphone X」。急遽、レコーディングメンバーが参加できずにピンチヒッターで登場のラッパーと菊池の二人のラップとのコラボ。高速で盛り上がるラップ陣の言葉の渦と高速で呼応するトリオの緊張感もすごいもんだった。。
しっとりとピアノトリオでバラード「Caroline Champtier」を叙情的に1曲。一転、高速で強面で強打する菊池曲「Tea Time 1」。
終焉曲は、再び狭間美帆が指揮で狭間曲「The Intersection」。終焉にふさわしくスケール大きく、いろいろなものが交差する難曲。美しくもあるけど、かなり骨太ながっちりした感じもして 最後まで心惹きつけられた!

いやいや、すごかったなぁ。アンコールなんて、まったく無視。笑
自らが大西ファンであるという菊池が、大西の本質はそのままに斬新で新鮮な面を見せてくれる仕上がり。それも、かなり高度な技を多くの人間に必要とする高難易度で。
そういった緊張感のなかで水を得た魚のようにスリリングに駆け抜けていく大西順子がかっこよすぎる。幸せな女帝だ。。
そして、時代の寵児といっても良い狭間美帆のアレンジが心を掻き立て高揚させる。
いつかグラミー賞とるだろうな、って、大西順子がいってたけど、共感。

急遽行けることになったライブだったけど、超興奮で大満足でした!!

んじゃ、退散♪

2016年10月29日 (土)

冬の準備のブラジル盤 『MehmariLoureiro duo』

MehmariLoureiro duo / Andre Mehmari , Antonio Loureiro

Mehmariloureiro_duo


先週は裏磐梯の紅葉を観に行ってきました。
高さによっては、すでに葉っぱの先が茶色になっていて冬の訪れを感じぜずにはいられません。。
朝晩は暖房も必要になってきて、心も体も縮こまりますよね。
そんな気持ちを開放してくれる音楽がやってきました♪

ブラジルのピアニスト、アンドレ・メマーリ。同じくブラジルのシンガーソングライターのアントニオ・ロウレイロ。二人ともマルチな才能を持ち、日本のミュージシャンとも繋がりの深い人たち。

そんな二人のデュオは、アコースティックな響きに満ちていて、自然や宇宙と同化していくスケールの大きな音風景。
ブラジルの伝統的な音楽を背景に、二人の素晴らしいセンスでどこにもない新しい音風景に。アンビエントな音遣いではじまるオープナーから一気に引き込まれます。
全編オリジナルで、オリジナリティに溢れた演奏が満載。ヴォイスがふんわりと暖かなベールをかけているとともに、雄大な空間を感じさせます。
終焉の大地と呼応するようなパーカッションとピアノの掛け合いまで一つとして同じ風景がないのが凄い!
以心伝心、阿吽の呼吸は最高です!

お家かふぇでかけてもいいし、風を感じるドライブのお供にも最高。
ぜひ、冬の準備に一枚どうぞ。


1. A BRISA (André Mehmari)
2. LAGINHA (Antonio Loureiro)
3. CIRANDA DA SERRA (Antonio Loureiro)
4. BAIAO DE MIGUILIM (André Mehmari)
5. UM MAPA DE TRES PONTAS (André Mehmari)
6. NÁ! (André Mehmari)
7. LAMENTO (Antonio Loureiro)
8. VALSA NOSTÁLGICA (André Mehmari)
9. NINGUÉM COMPREENDE (André Mehmari / Simone Guimarães)
10. FESTA JUNINA (André Mehmari)
11. PARA ABRIR O APETITE (André Mehmari / Antonio Loureiro)
12. EPISÓDIO VALSEADO (André Mehmari / Antonio Loureiro)
13. EPISÓDIO INQUIETO (André Mehmari / Antonio Loureiro)
14. EPISÓDIO DA SURPRESA (André Mehmari / Antonio Loureiro)
15. EPISÓDIO DAS QUARTAS (André Mehmari / Antonio Loureiro)
16. EPISÓDIO DAS SOMBRAS (André Mehmari / Antonio Loureiro)
17. EPISÓDIO EM DO MAIOR (André Mehmari / Antonio Loureiro)

André Mehmari ( p,synth, el-p, bfl, g, charango, bandolim, acc and voice.)
Antonio Loureiro (ds,vib, voice)

今日のおまけ。
「メマーリロウレイロ・デュオ」視聴
二曲聴けますよ。

んじゃ、退散♪

2016年10月27日 (木)

Nakama @ Jazz FLASH (10/26)

Nakama @ Jazz FLASH (10/26)

Adrian Løseth Waade (vln) Ayumi Tanaka (p)
Andreas Wildhagen (ds) Christian Meaas Svendsen (b, compositions)

Nakama1


和歌山出身オスロ在住の田中鮎美ピアニストの参加するNakama(仲間)というユニットを聴いてきました。
ベーシストの「もっと実験的な音楽のアイデアを使えるアンサンブルを持ちたい」という気持ちから生まれたユニットなだけに、全編、斬新で実験的なサウンドに溢れていました。
即興的な要素の強い綿密に計算された非常に意識の高い挑戦的なサウンド。

各自もそれぞれの楽器で、様々な方法で「音を出す」とうことに挑戦しており、非常に小さな音から、呼応しあう大きな音まで、ベーシストが中心となって自分たちの意識を表現していました。
印象的だったのがベーシストがウッドベースの竿の部分をパーカッシヴに鳴らす演奏法方で、、かなりアグレッシブで迫力満点。
あと、かなり実験的?で面白かったのが、彼らがフォームと呼んでいた流れ図みたなものと記号で表されたフレーズを組み合わせた演奏。決められた流れに乗りながらもその都度選択も可能で選択によって何種類もの音の風景が現れるわけです。面白いことを思いつくものだし、それを実行できるのは1人1人の高い技術で成り立つ音楽だとおもいました。

「静けさと音の関係」というタイトルのついた演奏があったのですが、ものすごく小さな音でも非常に静かな場面では大きなアッタクとなるし、逆に全員で大きな音で呼応しあってる場面では、大きな音が大きな印象を与えるとは限らず、場面場面でその関係の変化が面白いと思いました。
音楽が譜面になるよりも、、もっともっと前のプリミティブな刺激をもらいました。
ライブの90分間は、自分も素になって彼らの発する音の感触そのものを楽しみました!

ライブが終わって頭に浮かんだのは、ゴーギャンの『我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか』というタイトル。なんででしょうね。。。

Nakama2

で、、なぜか、いつもよりかなりハイテンションになってしまって、、たくさんCDを買ってしまった!!
ベースのChristianは、「栗ちゃん」ってニックネームだそうです。。
自分で、日本語で「栗ちゃん」って、書いていましたし、、かなり、日本語が上手でした。
二回ノルウェーに行ったことがあって、とても親切にしてもらった話を、、日本語でお話した。笑

ツアーはまだ続きます。

10/27 横浜 Airegin
10/28 柏 Nardis
10/29 代官山 晴れたら空に豆まいて

知らない扉を開けてみましょ!
んじゃ、退散♪

2016年10月25日 (火)

ジャズ批評 194号がでました〜♪

Jmc194

今回の特集は

★「ジャズ・ピアノの名盤 」★

です。

ラグタイムから現代までのジャズ・ピアノのアルバムを一挙にご紹介!

数多の名ピアニストが並ぶリストから7人のピアニストの紹介をお手伝いいたしました♪

Heart Songs / Fred Hersch

Art Of Trio Vol.3 / Brad Mehldau

Encounters / Danny Grissett

Invisible Cinama / Aaron Parks

Mutations / Vijay Iyer

Hope / Lars Jansson

Humanity / Dado Moroni


それから、「New Disc Pick Up」に1枚紹介しています。

『Nextrio / Giovanni Sanguineti』 

を推薦してます♪

それから、季節ですので(笑)クリスマスの特集です。

「Merry Jazzmas ! 聖夜に歌う?トランペッター♪」

「Merry Jazzmas !」の6年目はトランペットを中心としたクリマスアルバムを2000年代中心で10枚拾い上げました。


そして、「夜光雲」は30回目の今回で最終回です!
次回からは、新譜の紹介コーナーで新譜紹介をいたします。
って、ずっと、、夜光雲でも毎回3枚の新譜を選んでましたけど。。。笑
因みに、、夜光雲の意味は、、

遥か彼方…宇宙と地球の渚に現れる美しい雲

Eros / Paolo Fresu & Omar Sosa

Streams / Jakob Bro

Nearness / Joshua Redman & Brad Mehldau

めっきりと寒くなりましたね。
そろそろ、クリスマスアルバムの準備期間ですかしら。。
どうか、皆さま、、風邪などひきませんように!

んじゃ、退散♪

2016年10月22日 (土)

長い長い夜の必聴盤 『Cuchichiandos: Leguizamon X Sinesi Vol.II / Quique Sinesi 』

Cuchichiandos: Leguizamon X Sinesi Vol.II / Quique Sinesi

Cuchichiandos

夜の長い季節になりましたね。
我が家は住宅地の中にありますが、夏の喧騒は何処へやら。。
黄昏刻以降の静かなこと。静けさと一緒に空気も澄んでる気持ちに。
静かな一人の時間にぴったりなアルゼンチンのキケ・シネシの新譜。と、言ってもリリースは真夏だったけど。。

オープナーは、7弦ギターとピッコロギターの重ね録り「Bajo el azote del sol 」。
すぐに深遠な世界に引き込まれる。
ケーナ奏者・岩川 光参加の「Maiz de Viracocha 」。様々な民族楽器で参加の岩川光の楽器と一体となった演奏に胸打たれる。
「Cartas de amor que se queman」は、グアダルペ・ゴメスがシネシの世界観を歌で表現。チェロの響きも効果的。モノ・フォンタナがシンセで参加する「Cuchicheo #1」は10弦ギターで語りも入って神秘的。
カルロス・アギーレのピアノと7弦ギターが優美な世界を創り上げる「Coplas del regreso」。マリーナ・サンティジャンのスキャットが効いている「El Aveloriao 」。弦楽器の音色にうっとりする「Si llega a ser tucumana」。モノ・フォンタナとの不思議なシリーズ「Cuchicheo #2 」。
7弦ギターと岩川 光のケーナの一体感に聴き惚れる「 Balderrama 」。テンポよく疾走する「Corazon que te sucede」。静かに華を添えるシルビア・イリオンドの歌がピュアで優しい「Elogio del viento 」、ヴァイオリンの音色も素敵。定期的にはるモノ・フォンタナとのシリーズ「Cuchicheo #3」。
待ってました、7弦ソロでの心落ち着く「Cantora de Yala」。
マリーナ・サンティジャンの説得力のある歌が魅力的に響く「Me voy quedando」。
終演は10弦ギターとモノ・フォンタナのピアノ。最後も時が止まったような不思議な空間。

1. Bajo el azote del sol
2. Maiz de Viracocha
3. Cartas de amor que se queman
4. Cuchicheo #1
5. Coplas del regreso
6. El Aveloriao
7. Si llega a ser tucumana
8. Cuchicheo #2
9. Balderrama
10. Corazon que te sucede
11. Elogio del viento
12. Cuchicheo #3
13. Cantora de Yala
14. Me voy quedando
15. Cuchicheo #4

洗練された音がたくさん詰まった宝箱。
美しく奏でられる音楽たちは、静かなパッションを秘めていて、、
秋の長い長い夜に静かに溶け込みます。

今日のおまけは、カルロス・アギーレと一緒の「Coplas del regreso」

2年前、「Quique Sinesi & Hikaru Iwakawa 「deseo」ツアー」を聴いたんだな。。
懐かしいなぁ。。すごかったなぁ。。。


んじゃ、退散♪

2016年10月18日 (火)

『Day Breaks / Norah Jones』で、たそがれの国へ。

Day Breaks / Norah Jones

Day_breaks


遅い遅いと言われながらも、少しづつ秋は深まってまいりました。
先週、ライブ帰りにみあげた夜空には吸い込まれそうな大きなお月さま。。。
10月といえば「たそがれの国」、知らない国への扉が開くころ…。


オープナーは、呟くような内省的なはじまりの「Burn」。
ノラ・ジョーンズの背後が凄い、ショーターのバンドからご本人、ベース、ドラム。ショーターのソプラノが何かを暗示するよう。そして、凛と落ち着いた雰囲気の彼女のピアノも素敵。
ポップでカントリー、フォーク調の調べがアメリカの哀愁を感じる「Tragedy 」。

アップテンポでノリの良い「Flipside」はハモンドオルガンが活躍。バックのコーラスとともに力強く盛り上がる!
シンプルな編成で歌う愛の歌「It's A Wonderful Time For Love 」。艶かしくダークな雰囲気。ゆったりした時の流れと弦楽器のハーモニーが美しい「And Then There Was You」。

ニール・ヤングの「Don't Be Denied」。改めて ニール・ヤングって良い曲かくなぁ。というわけで、バックコーラスもついて彼女もギターも弾いてるそうな♪
タイトル曲「 Day Breaks 」は、弦楽奏も入った曲。スティールギターなども入って 何層もの音のハーモニーが美しい。ショーターもソプラノで参加している豪華ヴァージョン。
ちょっとキュートな歌声でほんのり爽やかさが。

ホレス・シルバーの「Peace 」。美しいメロディを弾き語りで優しく歌い上げるノラ・ジョーンズ。バックは再びショーターバンドの3人。ショーターのソプラノソロが枯淡の境地。エレガントでジャジーなピアノのソロも聴きどころ。

テナーとトロンボーンをフィーチャーした古き良き時代のサウンド「Once I Had A Laugh 」。再び、弦楽奏が加わった「Sleeping Wild」。ダークでアンニュイな雰囲気は、彼女の熟成した声に合う。

思いっきりブルージーに「Carry On 」。ハモンドオルガンが郷愁を誘う。
終演はデューク・エリントンの「African Flower」。(いろいろなヴァージョンがあって入ってる曲数が違うので購入時には要注意)
ハミング。これが、とても雰囲気がある!最後を飾るように、ショーターバンドの3人。ソプラノが沈んだ色調にに踊る。静謐で幻想的な雰囲気で終演。。

曲ごとに編成を変えていますが、彼女はヴォーカルとピアノで必ず参加しています。
ドラムは、ほぼブライアン・ブレイドなので、全ての曲でサウンドが美しく彩られていて素敵です。ショーターのソプラノは、 エキサイティングな演奏ではないのですが、幻想的で印象的。あの音数であの存在感あるのは 凄いです。
全体に 落ち着いたトーンでまとめ上げられていて、ジャジーなノラ・ジョーンズをピアノと歌で堪能できます。

まさに、1曲ごとに違う国への扉が開かれる感じ。
深まる秋とともにどうぞ♪

1. Burn
2. Tragedy
3. Flipside
4. It's A Wonderful Time For Love
5. And Then There Was You
6. Don't Be Denied
7. Day Breaks
8. Peace
9. Once I Had A Laugh
10. Sleeping Wild
11. Carry On
12. African Flower “Fleurette Africaine"

Norah Jones (vo,p)

Wayne Shorter (ss)
John Patitucci (b)
Brian Blade (ds)
etc.

今日のおまけは「Carry On」。一緒に歌ってみてね。笑

来週、誕生日なんですね。
私と母はお誕生日が一緒。願わくば、母が元気になりますように。。

んじゃ、退散♪

2016年10月13日 (木)

Joshua Redman & Brad Mehldau @ ブルーノート東京(10/12 1st & 2nd)

Joshua Redman & Brad Mehldau @ ブルーノート東京(10/12 1st & 2nd)
Joshua (ts, ss)      Brad Mehldau (p)

Joshua16001thumb510x28717239

(ブルーノート東京のHPより)

「Nearness」が好評だったJoshua RedmanとBrad Mehldauのデュオを聴きにいってきました。
えいやぁ、って2セットとってしまいました。汗
ちょっとごちゃごちゃで曖昧な部分もあるんだけど、すっごく感動したんでブログアップ。

1st

切ないピアノの語り口からはじまった「Always August 」。ソプラノさっくすが叙情あるメロディを奏でると、それに応えるメルドーのピアノ。柔らかな響き。果てしなく続く2人の会話。
テナーに持ち替えたジョシュアのソロからはじまった「Mehlsancholy Mode」。持ち味のビターな感覚のフレーズを交えながら主従をスムーズにかえながらデュオを楽しむ2人。ソロになって饒舌に左右で語りはじめるメルドーの演奏をじっと聴き 嬉しそうな笑顔を時折みせるジョシュア。長尺なフレーズに後半鼻が動いて悶絶死寸前な感じだけど 実にクール。
互いの音に耳を集中させ 言いたいこと察知する。お互い相手を見ることは殆んどなく、メルドーはほぼ目を閉じた状態。全身で音と感じ五感をフル回転、たぶん第六感も使って音楽を全身全霊で楽しむ。

流暢でユーモアあるピアノから始まった3曲目はモンク曲、ジョシュアはテナーでフラジオ領域まで駆け上がり楽しそう。
ジョシュアのソプラノが踊る4曲め。ミニマルで切れ味よいパーカッシブな味付けで互いを鼓舞する。ソプラノの使い切るジョシュアの動作全てに釘付けに。顔の筋肉動きまくり。ソプラノカッコいい。。。自分で自分を煽るメルドーのソロも凄い。鍵盤全てを使い切る勢いのある演奏は白眉。拍手喝采!
一転、静かにはじまったリリカルでクラシカルなピアノソロ。テナーで、スタンダードの「My Ideal」テーマでた瞬間「おぉ」って、場内にため息!
最後は高速パッセージを楽しむようにマイルスの「The Serpent's Tooth」。2人の追いかけっこ面白かった!

アンコールを求める拍手がなりやまなかったけど 1曲1曲がかなり長くて 演奏時間もおしてたんだとおもいます。残念ながら 1stセットはこれで終わり!

セットの間に、某音楽に造詣の深いお姉さまにご挨拶。また、ライブ会場でお会いしましょう。


2nd

やはりジョシュアはソプラのをセットのオープナーに選択。メルドーの左手の低音と右手の高音が一緒になって不安を巻き起こす微妙な感覚。どんどん深みにはまっていく感覚。静かに着地。
テナーに持ち替えて「High Court Jig」、ダークなやりとりが続く。その迫力にドキドキ。時々、ジョシュアがだす掛け声?に場が高揚♪ いきなりすごいもの聴いてしまった感じ。精神力も肉体も鍛え抜かれてる2人。観客も一音も聴き逃さないとする緊張感。おきまりの順番のソロパフォーマンスではなく、デュオであり、ソロでもあるライブ!迫力満点。
スタンダード「I Remember You」。テナーがテーマを奏でメルドーのソロが始まるとどんどん広がっていく。激しく鍵盤上を動く両手。ジョシュアのテナーも負けてない。
ソプラノ持ち替えて「The Distance」。やっぱり、音のダイナミクスを制するものは最強です。ピアニシモからフォルテシモもまで一音一音を制御できるメルドー。音の強弱を巧みに使い分けながら流麗なソロが続く。彼の柔らかなピアニシモの音は心の中では大きく響く。ジョシュアのソプラと共に堪能。会場から歓声と拍手!
ピアノの優しく深淵な音風景から始まった「The Nearness of You」。胸に染み入るようにテナーが奏でるテーマ。思いだすと亡くなった父の想い出が重なって涙目になる。この演奏を聴けてよかった。宝物にします。印象的だったのがメルドーのソロ。甘くなりすぎないように左手の低音や不思議な和音をいれてコントロールしてた気がする。
ラスト曲は、高度の音遊び「Ornithology」。いや〜お2人に脱帽!当然、アンコールの拍手♪
今度は、アンコールに応えてくれてメルドーの「Old West」。どこか哀愁のあるメロディにソプラノがはまる。メルドーのソロと一緒に異国に津れて行かれる私たち。
終演!

素晴らしい演奏だった!!
全身が耳となって一音も逃さず、瞬時に反応する。相手の言いたいことを察知する。
基本なのだろうけど 高い次元での出来事は凄いとしかいえない。
そこから生まれる2人の会話は凄まじく研ぎ澄まされていて2人にしかできない世界!
そして、相性のよい相棒に恵まれるということは、まさに神の思し召しでしょうか。。
この日は、1stと2ndで同じ演目はなかったとおもいます。
心から堪能しました。東京に住んでいたら、、今日も明日も聴きに行きたい。。
あ、、メルドーさまは、修行僧度がますますとアップしておりました。

んじゃ。退散♪

2016年10月11日 (火)

中村 真トリオツアー@ジャズフラッシュ(10/10)

中村 真トリオツアー@ジャズフラッシュ(10/10)
中村 真 (p)  中村 新太郎 (b)  大村 亘 (ds)

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Bungalowの大村ドラマーが、ピアノトリオでやってくる。
って、ことでジャズフラッシュに。
3連休の最後の夜にもかかわらず、満席近い観客で始まる前からなんだか緊張感の漂うムード。。

簡単なメンバー紹介とともにすぐに始まったピアノソロ。極力無駄な音を省いた真摯な音選び。硬質でビターな「My Funny Valentine」。ドラムとベースが入って3つの独立した音が効果的に呼応しあいながら静かに進む。次第に音の数が多くなりテーマは真ん中にありながらも聴こえて来る音風景は、、今日の中村真の心の音風景。決して無駄な音をいれないことで生じる緊張感は素晴らしい。
シームレスに始まった「On Green Dolphin Street」。モダンでスタイリィッシュ。
Scott LaFaroがベースをリズムキープだけの道具から解放したと、世間はいうけど、生まれる順番が逆だったら中村新太郎がベースをリズムキープだけの道具から解放したと言える。スムースな指の移動にクールな表情で、減り張りあるソロを歌いまくる。
あらゆるタイミングを逃さないドラムの大胆で奔放なドラミング。知的なのにソロに感じる野性味、スケールの大きさ。どんどん違う次元に連れて行かれる。
おきまりのフォーバースがこんなにワクワクするのも珍しい。テーマに戻っても最後の最後まで聴きどろこ満載。
この後も知ってるスタンダードを次々と演奏していくのだけど、中村真の心の中の世界を真摯に追求していき、3人で一緒に表現していく過程に馴れ合いや妥協を感じない。

漆黒の闇に宝石をばら撒いたような繊細で耽美的な空間から、3人のインプロヴィゼーションがぶつかり合って火龍のように昇りつめるさままで、全てに緊張感がありスリリングな演奏でした。フリーの世界もあって想像以上に妥協のない真摯な音世界。無駄な音を出さないってことの勇気。素晴らしい時間を過ごせました。
超人たち3人のおかげで自分の想像力まで広がった気持ちになりました。
頭にも心にもとてもいい刺激となり気持ちの解放になりましたが、ライブ中の緊張感は半端なかったです。

そう、大村ドラマー、、Bungalowはもっとアンサンブル重視で観客に観せたい世界が決まっているとおもうのです。このトリオはもっと個人の自由度が高いので大村ドラマーのドラマーとしてのストレートな魅力を体感できて嬉しかった♪

と、打ち上げに参加して、珍しく呑み過ぎたのです。
なので、、2セット目の後半がごちゃぎちゃになってますですので、、今日はこんな感じのご報告です。m(_ _)m

んじゃ、退散♪

2016年10月 5日 (水)

秋の夜長の北欧盤 『The Rose Window / Arild Andersen 』

Rose_window


70歳になるノルウェーの巨匠ベーシストArild Andersen。(アリルド・アンデルセン、アーリル・アンダーシェン)
新譜はヘルゲ・リエンとガール・ニールセンという新進気鋭の若いミュージシャンとのトリオ。
どんな響きが出てくるか楽しみだった一枚です。北欧盤だけど、海を越えてアメリカから送られてきましたぁ。

オープナーは、幽玄な響きから始まる「Rose Window」。朴訥なベースソロが素晴らしい。
ピアノのフレーズが哀愁あって美しい。いきなり気持ちを引きずり込まれる。素晴らしい。
シームレスに始まる「Science」、ちょっとダークで尖った演奏。緊張感が増し3者のスリリングでアクティヴな演奏。インプロヴィゼーションの応酬!聴き応えずっしり!!
拍手でライブ盤だと気がつく間抜けぶり。笑
しっとりと優しいピアノで始まる「The Day」。リエンの優しい顔全面アップ。心の深い部分で鳴り響いているようなベースソロ。繊細なドラム。何もかもにうっとり心をあずける。
ちょっとMCを挟んでリズミカルでプログレッシヴ、ドラムが大活躍の「Outhouse」。リエンの疾走するピアノが凄い!シリアスで躍動感あって3者の密な関係も凄い。
高揚した観客の鳴り止まぬ拍手の後はボーイングから始まるアンビエントな面持ち、鎮静作用たっぷりの「Hyperborean」。大きな波が何度か押し寄せる長編作。
ライブではこれがラスト曲だったようで、アンコールを求める拍手と歓声。
朴訥なベースソロから始まった「Dreamhorse」。素朴なメロディの可愛い曲。静かな中にもピアノとベースの密な反応。心あたたまるフレンドリーな演奏です♪

と、、このCDは、ドイツのジャズ誌『Jazzthing』が創刊100号を記念して立ち上げた企画 で、、「European Jazz Legends」と「Intuitionレーベル」のコラボ企画なんだそうです。
この後、アンダーシェンへのインタビューが入ります。

アーリル・アンダーシェンの二つの顔が交互にでてくるライブ盤。
ヘルゲ・リエンの嗜好は彼とぴったりだと思いました。


1. Rose Window
2. Science
3. The Day
4. Outhouse
5. Hyperborean
6. Dreamhorse
7. Interview by Götz Bühler

Arild Andersen (b)
Helge Lien (p)
Gard Nilssen (ds)

ちょうど良い動画が探せませんでした。。m(_ _)m

んじゃ、退散♪

2016年10月 2日 (日)

休日かふぇは『Tillery』で決まりっ♪

『Tillery』

Img_1786

天高くなり澄み切った秋晴れも期待できる季節。
天使の羽衣ような美しいハーモニーで心を満たしませんか?

ティエリーは、「ベッカ・スティーヴンス、レベッカ・マーティン、グレッチェン・パーラト」という現在のニューヨークの音楽シーンの銘花が揃ったユニット。
ソロ活動の実績も著しいそれぞれなのですが、たまたま居合わせた3人で歌ったらとても良い感じだったので、その後も機会をつくって活動してるという自然発生ユニットなんだそうです。
誰かがギターを弾きながら歌い、そこにハーモニーをつける…笑顔あふれる楽しい時間。。
そんな 音楽好きな人たちの原点みたいな内容。
選曲も、3人のオリジナルの他に、それぞれが思い入れのあるカバー曲。

オープナーの「Take Me With U」から美しいハーモニーにビックリ!
3人の歌の巧さは半端なく、そのハーモニーの美しさはまるで天女の羽衣のよう。
ギター歌声というシンプルな空間。3人の音楽は空気のように軽さで、心をリフレッシュしてくれます♪
オリジナルもカバーもどのトラックも非の打ち所がない! ひたすら美しい、楽しい!
気がつけばあっというまに、終演の「Tillery」になってます。

ゲストで、家族や仲間が参加しているのもティエリーらしくていいなぁ。
ただただ、歌を楽しんでいる3人を聴いていると 一緒に初心?、自分もただただ音楽好きだった原点にもどれますよ。
CDが出ているのは日本だけなので、ボーナストラックがあるのですが、、
Gretchen Parlatoの囁きで始まる「Corcovado」、、これまた絶品ですよ!

幅広く活躍する彼女たちの原点は「音楽大好き!』、、
、、今も変わらねその想いを強く感じた1枚でした。
だから、音楽好きの皆さまにもオススメでっす♪
愛に満ちた音楽で 幸せな気分になることうけあいです!

1.Take Me With U
2.O I Long to Feel Your Arms Around Me
3.No More
4.Magnus
5.God Is in the Details (feat. Pete Rende)
6.I Wanna Fly so Free
7.Sweetheart (feat. Larry Grenadier, Mark Guiliana & Pete Rende)
8.I Asked (feat. Mark Guiliana)
9.To up and Go
10.Push Me Away
11.Tillery
日本盤 ボーナストラック
12.Corcovado

Becca Stevens ( vo,g,ukulele,charango,hand perc. )
Rebecca Martin ( vo,g,hand perc.)
Gretchen Parlato ( vo,hand perc. ,charango)

Pete Rende (key) #5 #7
Larry Grenadier (b) #7
Mark Guiliana (ds) #7 #8

今日のおまけは、「O I Long to Feel Your Arms Around Me」。
これを聴いたら ノックダウンだわ。。

音楽をとても軽くて美しいのですが、渡辺 亨氏のライナーノーツはかなり濃密です!

んじゃ、退散♪

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