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音楽で拡がる輪

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2016年3月

2016年3月30日 (水)

Sea / Slawek Jaskulke

See

オラシオさまが大絶賛、巷でも話題のポーランドのピアニスト、スワヴェク・ヤスクウケの新譜です。新譜といっても2013年の録音で、日本盤リリースが今年ということです。
ポーランドの最北部でバルト海の見える街で育ったヤスクウケにとって、海は特別な存在。
その特別な存在をテーマにした大切な作品。当然、全曲ヤスクウケのオリジナル。

オープナー「Sea I」は、ミニマルに押し寄せるフレーズが波を連想。
落ち着いた音色なので、、繰り出す音数が多くとも静かな雰囲気。
少しテンポがあがった「Sea II」は、ちょっとエレクトロニカを感じる響き。ますます、海が近づく感じ。
「Sea III」同じ口調なれど高音が奏でる神秘的な世界は美しく清らか。
時おり入る左手の低音に不安と不穏を覚える「Sea IV」。潜水したように海に包み込まれる感覚。
終演「Sea V」は身も心も海と同化したような気持ちで、私の心の奥深くにある海を眺める。

全編静謐で幻想的、メロディにあふれている。
きっと、胎児だったころに羊水に守れられていた自分はこんな安心感だったんだろうな。。
と、妄想が膨らむ一枚♪

1.Sea I
2.Sea II
3.Sea III
4.Sea IV
5.Sea V

Sławek Jaskułke (p)

今日のおまけは「Sea I」

オラシオさまの書いたライナーによると、、古いピアノと2本のマイク、ポータブルレコーダーで録音したそうです。すっごく、個人的な想いが込められるように。
ライナーも短い詩を読むような部分があって、、より、私たちの空想の世界を押し広げてくれます。

桜の季節ですね。出会いと別れの季節です。我が家は、今年は再び集う明るい年になりましたが、喪失感を抱えている人たちに必須アイテムになりそうですね。
んじゃ、退散♪

2016年3月28日 (月)

Pauper & The Magician / Ari Hoenig

Pauper_the_magician

アリ・ホーニグは1月に来日していて、コットンクラブで演奏を聴いてきました。
その時はこの新譜のツアーだったとおもうのですが、ギターのギラッド・へクセルマンとピアノのシャイ・マエストロが居ないというメンバーだったのですが、演奏が始まってしまえば会場をわかせ結局は新譜を購入してサインを頂いてきました。笑  今思えば、選曲もここからだったのですよね。
終演の「You Are My Sunshine」以外はアリ・ホーニグのオリジナル。
どうやら、昔話になっているようなのですが。。

オープニング「The Pauper and the Magician」はイスラエル情緒たっぷりの曲。
何処かに怪しさを漂わせながら、途中からスリリングで昂揚感ある演奏に。1曲めから飛ばします。「 I'll Think About It」複雑な曲構成の中を軽快に飛ばす各自。ギター、ピアノ、サックスの3人の進行を変幻自在なホーニグのドラムで埋め尽くす!
再びイスラエル調の曲で、シェイの美しいピアノ、へクセルマンの躍動感あるギター、情感あるサックスと次々と見せ場を作っていく「The Other」。一糸乱れぬ進行に耳を奪われる。
叙情豊かでメロディアスな「Lyric」。感性豊かな全員で築く世界は静かな世界でも丁々発止に。「Alana」ゆったりした曲調の中を全員が寄り添うように。時折エモーショナルにに盛り上がる時の密度の高さ。
終演は「You Are My Sunshine」。ホーニグのお得意のメロディ奏法が聴けます。
ティヴォン・ペニコットの暖かで明るい音が印象的。ホーニグのメロディ奏法はどんどん進化していて、メロディを奏でるにとどまらないのでした。

「Pauper & The Magician 」というお話仕立てになっていて、ストーリー性を感じる内容です。でも、そんなことを考えなくても、変幻自在で抜群のリズムコントロールでこのツワモノ達を束ね上げているホーニグの個性的なドラムが堪能できる今時コンテポラリージャズファン必聴の凄腕盤で〜す♪

1. The Pauper and the Magician
2. I'll Think About It
3. The Other
4. Lyric
5. Alana
6. You Are My Sunshine

Ari Hoenig (ds)
Tivon Pennicott (ts)
Gilad Hekselman (g)
Shai Maestro (p)
Orlando le Fleming (b)

今日のおまけはこのCDのトレーラー。

みんなで、、演技も頑張ってますです。。
んじゃ、退散♪

2016年3月25日 (金)

Claudio Filippini Trio @ イタリア文化会館(3/24)

Claudio Filippini Trio @ イタリア文化会館(3/24)
Claudio Filippini (p)  Luca Bulgarelli (b)  Marcello Di Leonardo (ds)

Filippini

イタリアのピアニスト、クラウディオ・フィリッピーニには、全員イタリア人のトリオとリズム陣が北欧のトリオがあります。今回は、前者のトリオ。
『The Enchanted Garden』『Squaring the Circle』の2枚のアルバムが出ています。
このイタリア文化会館のアニェッリホールは響きも素晴らしく、コンサートの内容もとてもレベルも高いものが多いです。席をきめて見渡すとお知り合いと目があいまして、、おひさしぶりのご挨拶です。
事前の予告では新譜『Squaring the Circle』からの選曲予定だったのですが、蓋をあけたら『The Enchanted Garden』の曲の方が多く、これが春の宵にはぴったりな感じになりました。

初めてクラウディオ・フィリッピーニをCDで聴いたときにも、その瑞々しいタッチにうっとりしたのですが、生で聴く彼も1音1音をがしっとり濡れているような感じ。甘美な香りが心に優しくあたたかく伝わる感じで、静と動を行き交うもほどよい感じ。キャッチーなメロディーをゆったりと弾く面持ちもさることながら、長年一緒の息のあったトリオで場面展開を重ねながらグルービィで熱く昇りつめるさまはスリリング。
ドラムもベースもお見事なのですが、特にベースのルカ・ブルガレッリはピチカート、ボーイングとソロの場面でエモーショナルな演奏が続き、とても気持ち良かったです。惚れっぽいので、大ファンになってしまった。
ご本人フィリッピーニは、早いパッセージになったときにも音がジャジーで(機械的でない)、バラード等でのピアニシモがとても美しかったです。で、一転アクティブな曲での躍動感は情熱に溢れていました!

とても、ハイレベルなトリオなのですが、親しみやすさと分かりやすさも兼ね備えており、満席の会場を何度も沸かせていました。イタリアの伊達男はやっぱり叙情豊かで情熱的ね。
すっかり、口説かれてしまった私です。笑
桜の咲きかけた春の宵を象徴するような素敵なライブでした♪

終演後は、サインが欲しくてロビーでうろうろしていたら、、サインの列に並び損なって、、一番最後になってしまいました。。。

Filippini2

素顔のフィリッピーニは、お疲れなのに嫌な顔せずにサインや撮影に応じ、しかも、ドラマーのマルチェッロ・ディ・レオナルドにサインをもらってきてくれる、、とてもいい人でした。ごめんなさいね。m(_ _)m
演奏者の皆さま、関係者の皆さま、、そして、お知り合いの方々、、ありがとうございました。

んじゃ、退散♪

2016年3月21日 (月)

Jazz at Berlin Philharmonic V : Lost Hero - Tears for Esbjörn

Lost_hero

ACTのライブ盤。
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団で有名なドイツ・ベルリンのフィルハーモニーでのコンサート。
2008年にダイビング中の事故で亡くなったスウェーデンのピアニストEsbjörn Svenssonを追悼する内容。そのスベンソンのバンドE.S.T.の曲(明記が無い曲)やスベンソン関係の曲を中心に北欧の雄が集結。北欧の冷ややかさを一新する、かなりエキサイティングな演奏。

拍手とともに始まる「Tears For Esbjörn 」は、悲しみをたたえた美しいメロディを持つイーロ・ランタラのオリジナル。静かな中にメンバーの熱い想いと一体感を感じる。
ウルフ・ワケニウスはこの曲をタイトル曲にしたアルバムを出している「Love Is Real」。ナイロン弦のあの甘い音でのエモーショナルな演奏、ヴィクトリア・トルストイの歌声が切なく響く…。スベンソンとリーナ・ニーベのデュオ盤『Close』に収められていた「Waltz For The Lonely Ones」は、もちろんヴィクトリア・トルストイ参加。
E.S.T.の代表曲の一つ「Seven Days Of Falling 」。単調なリズムパターンの中からギターの甘い音色でキャッチーなメロディがクッキリ浮かび上がって来る、各サウンドがうまく解けあって素敵。
「Elevation Of Love 」も単純な繰り返しだけど一度聴いたら忘れられない曲。バンドの疾走感、昂揚感!
トルストイが開放感ある歌で熱唱、バンドと一体となって盛り上がる「Shining On You 」。大声援の拍手!
ドラムのプッシュも激しく高速でつっぱしる「Dodge The Dodo 」。狭い意味の「ジャズ」に捕われないロックな音作りがめちゃかっこいい。ラーシュ・ダニエルソンもノコギリ奏法で迫力満点。全員で力のこもった演奏。
美しいメロディとどこか不穏を秘めた演奏「From Gargarin s Point of View」。シームレスにジョン・レノンの「Imagine 」をトルストイが歌い始める…。今の世界の状況に抗議しているかのように。。次第に全員の「声」が大きく叫び声に。終演。

脳内プレイが印象的な曲が並びましたね。
メンバーのスベンソンを慈しむ気持ちも伝わってきます。
天国のスベンソンも佇んで聴いているのかしら。。いえ…きっとピアノのふたを開けた思います…。

1. Tears For Esbjörn (Iiro Rantala)
2. Love Is Real (Esbjörn Svensson / Josh Haden)
3. Waltz For The Lonely Ones (Esbjörn Svensson / Lina Nyberg)
4. Seven Days Of Falling
5. Elevation Of Love
6. Shining On You (Esbjörn Svensson / Emrik Larsson)
7. Dodge The Dodo
8. From Gargarin s Point of View
9. Imagine (John Lennon)

Iiro Rantala (p)
Victoria Tolstoy (vo)
Ulf Wakenius (g)
Lars Danielsson (b)
Morten Lund (ds)

今日のおまけは見つけられなかった。。
なので、ピアノソロでお贈りする「Tears For Esbjörn」。

お彼岸ですね。
父のお墓詣りに行ってきました。群馬はすでに春。
「暑さ寒さも彼岸まで」って、本当ですね。

んじゃ、退散♪

2016年3月18日 (金)

Arclight / Julian Lage Trio

Arclight

天才ジュリアン・レイジは昔は嫌いだったのです。理由は自分でもよくわからないのですが。笑
しかし、ハーシュとのデュオ作でいっぺんに考えがかわり大好きになりました。爆
この後も、ニルス・クラインとのデュオやソロがでてて購入してます。
今回は、ギタートリオ。しかも、ベースはスコット・コリーとのことで期待。
ジュリアン・レイジは全編テレキャスターを使いビバップが花開く以前の古い曲にスポットを当てて、、今までのイメージとちょっと違った古き良き時代を感じるギター小僧仕様。オリジナル7曲を含む全11曲。

オープナーはテッレキャスターの音色と響きを堪能できる「Fortune Teller」。ドラムのプッシュも気持ち良く、もうクイクイ鳴らします。カントリーソング「Persian Rug」を軽快に。
Spike Hughesの「Nocturne」をノスタルジックに。このおおらかさは郷愁を誘います。
パット・メセニー曲のようなポップで明るく広あがりのある「Supera」、ヴィヴラフォンがカラフルで効果的。(多重録音?)
ちょっと実験的抽象的な「Stop Go Start 」、アップテンポで一体感ある「Activate」は高速フレーズ満載。ベースがメロディをとる「Presley」の硬軟の混在感。怒涛のドラムが鮮烈「Prospero」。
ビリー・ホリデイやフランク・シナトラも歌った「I'll Be Seeing 」は、哀愁を込めて。
一転「Harlem Blues」は、イケイケにダイナミックに。
終演は、西部の夕陽が浮かび上がるような「Ryland」…。

雑多感満載なのですが、ジャズというカテゴリーから手足を伸ばして古きアメリカの郷愁を探す旅。


1.Fortune Teller
2.Persian Rug
3.Nocturne
4.Supera
5.Stop Go Start
6.Activate
7.Presley
8.Prospero
9.I'll Be Seeing
10.Harlem Blues
11.Ryland

Julian Lage (el-g)
Scott Colley (b)
Kenny Wollesen (ds,per,vib)

今日のおまけは「Nocturne」

ジュリアン・レイジ…素人の私が聴いてもすんごくギター上手いんです。
普通にジャズ・ギターのアルバムを録音するのは嫌なんだろうか。。
って、くらいテレキャスターしてます。笑

んじゃ、退散♪

2016年3月12日 (土)

春かふぇは『RIO,TEMPO / naomi & goro』で決まり♪

RIO,TEMPO / naomi & goro

Rio_tempo

今度こそ、今度こそ、、って、雪がチラつく新潟です。。
でも、進んでいく方向は春しかありません。笑
お休みの日には、カラフルでスタイリッシュなボサノヴァ・デュオを!!

軽やかなギターの音色で始まる「BRIGAS NUNCA MAIS」。尚美さまの砂糖菓子のようなふんわり甘い声にと柔らかなゴローさまのギター。春の光に包まれているよう。
ゴロー作曲パウラ・モレレンバウムが作詞した「RIO DE JANEIRO」には、ピアノトリオが加わってとってもお洒落なサウンド。春風に乗って大空に舞い上がった気分。
小粋なゴロー曲「DELTA」で響くバイオリンの効果的なこと。ゾクゾクする〜♪
カエターノ曲「MINHA VOZ, MINHA VIDA」は美しいピアノとともに心がじわじわと暖まる。
「OBLIVION」もゴロー作曲パウラ・モレレンバウムが作詞。哀愁を纏った望郷を感じる。
短いインスト曲「LAND'S END」で思うは街中の孤独。
ピアノトリオとの美しい関係「RIO」。ローズの音で都会的な「SAMBA DE VERAO」。
終演は新曲「RIO DE JANEIRO」の夏感倍増アレンジ。最後までお洒落な空間。

春の光の中で地球の裏側に想いを馳せる…。

1. BRIGAS NUNCA MAIS
2. RIO DE JANEIRO [MARESIA]
3. DELTA
4. MINHA VOZ, MINHA VIDA
5. OBLIVION [ESQUECIMENTO]
6. LAND'S END(インスト曲)
7. RIO
8. SAMBA DE VERAO [SUMMER SAMBA]
9. RIO DE JANEIRO [SUMMER PLACE MIX]

布施尚美 (vo)
伊藤ゴロー (g)
伊藤彩(vin) #3
坪口昌恭(rhodes) #8, 9
Fernando Merlino (p) #2,4,5,7
Jorge Helder (b) #2,3,4,5,7
Rafael Barata (ds) #2,3,4,5,7

今日のおまけは「BRIGAS NUNCA MAIS」


ぼさぼさと雪降る新潟でお洒落なボサノバ。笑
今日は、レストランバスの試乗会?に行ってきます!

んじゃ、退散♪

2016年3月10日 (木)

Leszek Możdżer @ 丸の内コットンクラブ(3/9)

Leszek Możdżer (p)@丸の内コットンクラブ(3/9)

Leszek1

「中央ヨーロッパ現在進行形ミュージックシーン・ディスクガイド」のポーランド専科オラシオさまをして「現代ポーランド最高のピアニスト」の1人と言わしめたLeszek Możdżer(レシェック・モジュジェル)のソロライブに行きました。
名前の発音はなかなか難しくてモジジェルとモジュジェルの間くらいだそうです。
ご本人も日本人にとって難しい発音なのは熟知しているようで、MCで「すっごく有名なピアニストです。モジュルジュルジュルジュル〜」って感じでユーモアたっぷりに最後まできちんと名前を言いませんでした。笑

ライブは2部構成になっており、40分、40分で休憩は20分弱くらいでしょうか。。

まず、着席する前に片手で弾き始めて、、そこから一気に始まってしまいました。
細長い指が、まさに鍵盤上を踊るように蠢き、そして、かなり高い位置からも音を決めていきます。ものすごく速くなっても決めた音をはずことなどなく、小さな音から大きな音までとても綺麗なタッチです。すぐ傍で聴いていたのですが、大袈裟でなくて手の動きが見えないことがありました。
1曲めで呆然としていると片手でピアノを弾きながらマイク持ってMC。
で、たぶん、、ショパン?のマズルカ。独特のリズムと圧倒的な演奏力。
でで、、この次くらいからピアノの内部にいろいろなもの(布、数珠??、ネックレス??)など入れて音色を変えるプリペアドピアノを始める。本当のピアノを熟知していて、、完璧にコントロールしていた支配者の風格。
ものすごく残念だったのが、手元はよく見えてもピアノの中が反射板に映ったのも観えなくて、、どんな風に置いているのかよくわからなかったこと。。
その頭の中も独特で、ショパンのプレリュードの中にスタンダードの「My Secret Love」が組み込まれた?曲とか、、いとも簡単に成し遂げてしまい、、なんつか、、途中であまりに凄すぎて知らぬ間に笑がでてしまいました。。
兎に角、1セット目のアヴァンギャルドな即興演奏が終わった後は放心状態。

会場で一緒になったK子さまと「なんだぁ、、あれはぁ。。」って、興奮状態。
20分後に、って、言ったと思うのですが、、もっと早くに戻ってきた気がします。

2セット目も基本は同じように呆れっぱなしなのですが、、お国のクシシュトフ・コメダの「Svantetic」とかは、やっぱりすごっく印象に残りました。あ、「Sleep safe and warm」も綺麗だった。。メロディをとても大事に思っていることも伝わってくる。
う〜ん後は、ロシアの作曲家セルゲイ・プロコフィエフのソナタ(K子さまに教えて貰った)も圧巻。ちょう快活!!瞬きも無理!!息を止めて聴き入る!!!
1セット目みたいにショパンのエチュードそのままで右手でチャーリー・パーカーみたいな感じで弾ききる。。で、終演。
当然のアンコールがなんと、ラーシュ・ダニエルソンの「Suffering」!
一人なのに左手がまるでダニエルソンのベースのように動きます。素敵。。すぎる。。

今回は「Chopin - Classic go Jazz」とあり、クラシックに疎い私はちょっと悩んだのですが、やっぱり行ってよかった。繊細で饒舌、そして、芸術性溢れる演奏に聴き惚れた2セット。選曲も演奏も「ザ・ポーランド!」って 感じでした。

私が聴いたことのあるピアニストの中で、ピアノ演奏の技術に関しては最高レベルだと思いました。
後は、この恐ろしいまでに完璧なスタイルをどう感じるか?って、ことかと。総じてかなり饒舌、ドラマチックで躍動感満載。

終演後は列に並んで、、会計、サイン&お写真をお願いしました♪
次回は、ダニエルソンさまとご一緒に来日してくださいませ。m(_ _)m

Leszek2

雨の中をK子さまの傘に入れてもらって東京駅に。。m(_ _)m
そこから、3時間以上かかって帰宅となりました。でも、なんて贅沢な時間だったんでしょう。。
残念だったのは、オラシオさまにお会いできなかったことです。サインもらおうと本を持っていたのにな。

んじゃ、退散♪

2016年3月 8日 (火)

Rhapsody / Nikolaj Hess

Rhapsody  〜 Impressions of Vilhelm Hammershøi

Rhapsody

新潟市内は昨夜から早朝にかけて霧が立ち込めました。
視界が遮られたモノトーンの風景はいつもと違う風景。
そんなフォーキーな音楽…

デンマークのベテランピアニスト、ニコラス・ヘイは美しいピアノタッチと叙情豊かな演奏が人気。このアルバムは彼の好きな母国の画家ヴィルヘルム・ハンマースホイの絵画の印象からインスパイアされて作った3曲を中心に全体に詩情豊かな感じにヴィルヘルム・ハンマースホイに捧げられている。
メンバーは、ベース大国デンマークでも多忙なベーシストのアンダース・クリステンセン、実弟のドラマーミケル・ヘスのトリオに、音の魔術師パーカッショニスト&ドラマーのマリリン・マズール。

思索的に始まるボブ・ディランの「Lay Lady Lay」。シンプルなピアノの音と音の間に静かな輝きを持つ音が散りばめられながら進む。演奏の向こうにディランの面影が静かによぎる。
様々な表情をみせながら高揚していくオリジナル「Orken」の熱情。
哀愁たっぷり、ベースの音に胸が締め付けられそうなスタンダード「I Hear A Rhapsody」のバラード演奏。エリントンの「African Flower」の内省的な中の優雅さ。

ここから3曲ヴィルヘルム・ハンマースホイにインスパイアされた書き下ろし曲が続きます。
1曲めはドラムの存在感の高い「Meadow(草地)』は、さわさわと揺れるような不思議なメロディ。続く「Marsh (湿地)」はそれぞれの楽器が追いかけっこやかくれんぼをしているよう…やがてエキサイティングな演奏に。穏やかで優しい響き、悠々と大空を流れていく「Clouds(雲)」はバラードで。
ご本人はもちろん、、有名なデンマークの画家ということで、メンバーもニコラス・ヘスとイメージを共有している感じ。

音の階段を登りながら一変するオリジナル「Griegs Birds」はミステリアスで抽象的。モーダルで力強い「Swing」もオリジナル。
どこかほのぼのとした感情の揺らぎを感じるビル・フリゼールの「Throughout」、ベースソロも素晴らしい。終演はチャップリンの「Smile」をロマンティシズム溢れるピアノソロで。その美しさ、優雅さに言葉を失いそう。。

時に熱く饒舌になっても常に叙情豊かで詩的なフレージング。
静寂の中に上品な煌めきを感じ、情熱に湧き上がる感情の熱さを見出すアルバムでした♪

ニコライ・ヘスのお好きなヴィルヘルム・ハンマースホイの「背を向けた若い女性のいる室内」が見開きにジャケットと同じ色調でコラージュされているのですが、内省的な中に言葉にならない言葉が隠されているような画風は彼にぴったりかもしれません。


1. Lay Lady Lay
2. Orken
3. I Hear A Rhapsody
4. African Flower
5. Meadow
6. Marsh
7. Clouds
8. Griegs Birds
9. Swing
10. Throughout
11. Smile

Nikolaj Hess (p)
Anders Christensen (b)
Mikkel Hess (ds)
Marilyn Mazur (per.,ds)

今日のおまけは「I Hear A Rhapsody」


新潟は、、夏のような陽気になったり、雪がちらついたり。。
雪国が春になるまでは長いなぁ。。
んじゃ、退散♪

2016年3月 5日 (土)

春かふぇは『Traces / Camila Meza 』で決まり♪

Traces

三月になりました。弥生三月、お雛祭り!って、遅いか。。
ええと、、大人すぎる女子だってなんだかウキウキしちゃう季節。

チリ出身、NY在住のギターリスト&ヴォーカルでコンポーザーのカミラ・ミザ。前作『Prisma』もアーロン・ゴールドバーグ、クラリス・ペンと豪華な布陣で新風でしたが、
新譜は、シャイ・マストロ、マット・ペンマン、ケンドリック・スコットという豪華豪華なメンバーでSunnysideからのメジャーデビューで〜す。
ナチュラルで爽やかな歌声、自在で高度なテクニックをもったギタープレイ、カルフルでストーリーを感じる曲、、いろんなジャンルを超えた才女。歌も英語と母国のスペイン語で感情を込めます。動画でギターを弾いているところを観ると多くの男性の心を奪う容姿からは考えられない?バカテクですって。すげーのであります。
10曲中6曲が自作曲。

オープナーの「Para Volar」が始まったとたん一気に心の解放。
上空から眼下に広がる光景。カラフルで音楽の美味しいところがいっぱい詰まった曲想はPMGのよう。スペイン語での爽やかに歌、バックの演奏のかっこよさ1曲目でノックダウン。
チェロが入ってSachal Vasandaniとのデュオ「Away」は爽やかな甘さ、タイトル曲「Traces」のギターソロの素晴らしさ。
ブラジルのジャバンをカバーした「Amazon Farewell」のエモーショナルな歌、ドラマチックなピアノソロ。
再びスペイン語でしっとりと、、でも力強く歌う「Mar Elástico」。後半のスキャットとギターも素晴らしい。母国チリのフォークシンガーのビクトル・ハラをカバーした「Luchín」はアコースティックギターでスペイン語で素朴に弾き語り。スィニートッドから「Greenfinch and Linnet Bird 」でのバンドの一体感。ポップな「Emerald 」の疾走感、チェロ参加でスペイン語の「Mangata」はミステリアス。
終演はドラムが抜けてしっとりとジョン・ブライアンのバラード「Little Person」。じわ〜っときます。

全編、ケンドリック・スコットのタイトなドラムが決まり、曲想によって様々なキーボードを使い分けたシャイ・マエストロ、プロデューサーでもあるマット・ペンマンがカミラ・ミザの才能を支えます。
春の陽射しのようにきらきらの一枚♪

1.Para Volar
2.Away
3.Traces
4.Amazon Farewell
5.Mar Elástico
6.Luchín
7.Greenfinch and Linnet Bird
8.Mangata (録音はEmerald )
9.Emerald  (録音はMangata )
10.Little Person

Camila Meza (vo, el-g,ac-g)
Shai Maestro (p, rhodes, wurlitzer, mellotron, pump organ, ampli-celeste)
Matt Penman (b)
Kendrick Scott (ds)
Bashiri Johnson (per.)
Jody Redhage (cello) #2,4,8
Sachal Vasandani (vo) #2

今日のおまけはアルバムの雰囲気をちょっとだけ♪

んじゃ、退散♪

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