2081 / John Taylor
今年、そう2015年の7月に鬼籍に入ったジョン・テイラーの新譜です。
9月にリリースされてます。
メンバーにご子息のアレックス・テイラー、レオ・テイラーを迎えたファミリー・プロジェクだそうです。そこに彼らと親しいチューバ奏者オレン・マーシャル。アレックスはシンガーソングライターで、ここでもヴォーカルと歌詞を担当、レオはインディーズ・ロックのドラマーだそうです。
カート・ヴォネガットの小説「ハリスン・バージロン」とその小説を映画化した「2081」にインスパイアされた内容になっているのですが、以前にも『Requiem For A Dreamer 』で、カート・ヴォネガットの世界を描いています。もちろん、曲はすべてジョン・テイラーのオリジナル。
オープナーは思索的な陰影あるピアノから始まります。ベースは居ないけどチューバの低音がいい塩梅。アレックスのヴォーカルがなかなか渋くてナチュラルで良い。チューバとドラムの絡みとかも素晴らしい。曲想の中での流れでエキサイティングというにとはちょっと違うのだけど即興の部分が素敵だ。チューバから始まる「2081」はアレックスのヴォイスと相まってスリリングな展開。
暗く静かなピアノに硬質なリリシズムを感じる「Empress」。チューバがベースのボーイングのように響き、非常に耽美的。透徹なピアノ響きに非情さをかんじる「DMG」。アグレッシブな切れ味のよいピアノにドキドキするくらいの恐怖も感じる。。
繊細で詩的な演奏が続く「Deer On The Moon」も 美しくもダークな世界。
終演は「Doozy 2」。最後まで繊細で静かな演奏で余韻たっぷりに幕を閉じます。
変則な編成なのですが、それぞれの特性をいかした素晴らしい内容だとおもいます。
ジャズってくくりだと難しいかもしれません。
でも、チューバやヴォーカルを巧く融合させて、私からしたらかなりジャズみたいな音楽。しかも、かなりの暗さとミステリアスな味付けで好みです。
この素晴らしい世界を築き上げたジョン・テイラーの冥福を心から祈りたいとおもいます。
1. Doozy 1
2. 2081
3. Empress
4. DMG
5. Deer On The Moon
6. Doozy 2
John Taylor (p)
Alex Taylor (vo)
Oren Marshall (tuba)
Leo Taylor (ds)
ジョン・テイラーはライブで聴いたことがありませんでした。
とても残念です。
去年の11月の録音でした。。
んじゃ、退散♪
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