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音楽で拡がる輪

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2015年7月12日 (日)

Lujon / Atzko Kohashi Frans van der Hoeven Sebastiaan Kaptein

Lujon

心が折れそうになる、気持ちが沈み込んでしまって浮かんできそうもない、、
そんな時は、音楽を聴いてもダメって 読んだことがありますが、、私は音楽で旅にでる。

世界には、本当にたくさんの素晴らしい演奏家がいるわけなのですが、、
小橋さまは、オランダ在住のピアニストです。ニューヨークであのスティーブ・キューン氏に師事した最小の音で広がりのある世界を感じさせてくださる演奏家です。
デュオの素晴らしいアルバムを何作かリリースしていて、『dualton』という、沖縄在住のオランダ出身のドラマーSebastiaan KapteinとのCDで知りました。今回はそのSebastiaan Kapteinと、やはりデュオのアルバムをだしているベースのFrans van der Hoevenとのピアノトリオです。

ちょっと見にも、なかなかナイスな選曲のカバー曲と3人名義の4曲で14トラックです。

オープナー「 Icebreaker」は、ご本人がライナーに記されているようにライブでは必ず最初に演奏する曲だそうです。私たちの耳も心もこの耽美的なトリオの美しい音に集中。
「Smile」は単に哀愁だけではなく人生の光と影を感じる深さ。ショーターの「Footprints」もミステリアスで緊張感にあふれている!マイルスの「Fran-Dance」、面白いアレンジだとおもうのですが、時々すっごく普通にスイングする瞬間が才気に溢れていると思うのです。
タイトル曲は「Lujon」は、私の好きな「Slow Hot Wind」が歌詞がなかった時のタイトルだと思うのですが、気だるさと甘さ、そしてどこか投げやりな気持ちの混じり合った艶かしい演奏。すごく、理知的な音遣いの方なのにちょっと怪しげな感じがたまりません。
ちょっと互いに距離を置く感じの中で清さを感じる「Magnolia」。
ケニー・ホイラーの「Gentle Piece」の墨絵のような潔さ、美しさ。ショーター曲「E.S.P.」、不思議な香りのするピアノとベースの濃密な会話、ドラムの繊細なスティックワーク。美しくも儚い想いの交錯する「Sweet Lies」。
バーデン・パウエルの「Berimbau」は、ベースとドラムの渋い粋なデュオ。
デニー・ザイトリンの「Quiet Now」の比類なき美しさ。少ない美しい音の間から浮かび上がってくる感情に哀しみをみる。
今の気持ちをそのまま演奏しちゃった「Last Train」にはスリルとサスペンス?が??
このアルバム唯一の?ストレートに弾んだ曲「Embraceable You」。楽しいやりとりが続きます。終演はタイトル曲「Lujon」の別ヴァージョン。艶っぽさは少し身を潜め、ミステリアスな夜霧の演奏。美しく洒脱。最後の1音までミステリアス。

互いの演奏にじっと耳を澄まし、全体に音数を最小限に抑え、静かな感情表現の中に凛とした背筋の伸びた理知的な感じがたまりません。情感を抑えた表現の分、想いがいっそう心に沁みる気がします。
そして、異国に連れ立ってくれる。観たことのある様々な風景も、観方や観る角度で随分違いますよね。
意図があって切り取られたフィルムの中の風景に紛れ込んだような感じかなぁ。


1. Icebreaker
2. Smile
3. Footprints
4. Fran-Dance
5. Lujon
6. Magnolia
7. Gentle Piece
8. E.S.P.
9. Sweet Lies
10. Berimbau
11. Quiet Now
12. Last Train
13. Embraceable You
14. Lujon-alternate take

Atzko Kohashi 小橋敦子 (p)
Frans van der Hoeven (b)
Sebastiaan Kaptein (ds)


小橋敦子HP

13年には来日ライブをしておりますね。次回に来日した時にチャンスがあるといいのですけど。。

んじゃ、退散♪

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コメント

Suzuckさん このアルバム良いですよね。
落ち込んだとき、家族とケンカしてぎくしゃくしたときなどにあえて家でCD流したりします。
このCDそんなときにもかけています。
ところでGary Peacock注文しました。

baikinnmannさま、さすがです!
カヴァー曲のアレンジが みんな秀逸で、、そういうところも楽しめるアルバムでした。

そう、ひんやりして落ち着いたかんじなので、独りでの集中もできていいですよね。
ピーコックのアルバムもお楽しみいただけるとおもいます!

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