In Maggiore / Paolo Fresu / Daniele Di
イタリアの哀愁請負人パオロ・フレス。かなり、多才というか多産系のミュージシャンです。笑
その活動は30年以上メンバーの替わらないレギュラークインティットを中心?に様々なミュージシャンとアルバムを出してきました。そして、その都度、、翻弄されるわたし。。
今回はECMからで、バンドネオンとのデュオということで心中的にはかなり安全パイと思ってましたが。。
しかもダニエーレとはECMの『Mistico Mediterraneo』からの発展系で、去年の終わりにはクリスマスアルバムにゲスト?出演もしておりましたし。
ふたりのオリジナルや即興に、オペラ、宗教音楽、国的にもチリ、イタリア、ブラジルなど幅広い選択です。
オープナーはダニエーレの「Da Capo Cadenza」ぴーんと張り詰めた空気に朗々と響くフレスので撃沈です。ふたりのゆったりした阿吽も素晴らしく、大きな空間。
表情を変えるフレスの曲「 Ton Kozh」。
Chico Buarqueの「O Que Sera」とチリ国民の愛歌「El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido」はメドレーで。カンツォーネ「Non Ti Scordar Di Me」での歌心。
ふたりの連名「Sketches」は互いにインスパイアされた即興的な部分を大切に。
比較的ロングトーンを重ねメランコリックなフレスの曲「Apnea」、チリのシンガーソングライターVictor jaraの「Te Recuerdo Amanda」の美しさ穏やかさ。
ダニエーレの曲が2曲続きます。「La Mia Terra」軽やかで情景がうかぶよう。哀愁と切なさ教会音楽のように静粛な「Kyrie Eleison 」はバンドネオンソロで。切ないけど良いメロディ。
プッチーニの「Quando Me’n Vo」での鮮やかさと躍動感。
ウルグアイのJaime Roosの「Se Va La Murga」はパーカッシブな音も効果的に淡々と。
メロディを吹き上げるフレスのかっこよさとダニエーレのセンスの良さ。
終演にむけて2曲フレスの曲が続きます。ゆったりとふたりで重なる「Calmo」。
そして、終演は「In Maggiore」、最後の最後まで穏やかで静謐で内省的な音創り。
静かに優しくおとぎ話でも語られるように、時間が過ぎていきます。
フレスもダニエーレもこの度は超絶技巧的な場面は控えめで、あくまで情感に訴える丁寧な演奏。でも、めちゃ巧いだなぁ。。互いの距離感とか。。鎮静効果は抜群です。観衆の居ないホールでの録音のようで、良い感じに響きます。それにしても フレスの艶っぽさには脱帽。
1. Da Capo Cadenza
2. Ton Kozh
3. O Que Sera / El Pueblo Unido Jamas Sera Vencido
4. Non Ti Scordar Di Me
5. Sketches
6. Apnea
7. Te Recuerdo Amanda
8. La Mia Terra
9. Kyrie Eleison
10. Quando Me’n Vo
11. Se Va La Murga
12. Calmo
13. In Maggiore
Paolo Fresu(tp,flh)
Daniele di Bonaventura (bandoneon)
少し前の演奏ですが、ふたりのデュオです。
ここに来て聴いてきたECM盤はどれも秀逸。
しかも穏やかでメロディアスで難しい感じが一切ない。。
あのニューヨークな空に戻れるだろうか。。
んじゃ、退散♪
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パオロ・フレスは多作だし、出すアルバムのアプローチが多彩だから結構翻弄されます。
ECMをいつもリサーチしていないから、お友達のblogでみつけてこれは即決めました。
相手はバンドネオンのダニエーレで、結構アルバムだしているけれど、あまり相性が良くない。感...... [続きを読む]
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このアルバムもそうですが、今回入荷したECM作品はどれもメロディがいいですねえ。トランペット(フリューゲルホーン)とバンドネオンとのデュオというのも渋い!と思いますが、出てくる音は優しい感じだし。今月はNew Series含めてあと6枚ぐらいECMが出るようなので、ECMラッシュに今から備えてます。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2015年4月 8日 (水) 17時18分
910さま、メロディアスが続きましたが、、個人的にはこれが大好き♪
うっとりなわたしです。
>今月はNew Series含めてあと6枚
ひぇ〜〜。
中途半端なわたしには、、それって 絶対無理な時間です・・。。
とらばありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2015年4月 8日 (水) 18時28分