Peace / Dayna Stephens
ジェラルドクレイトン参加で前作『I'll Take My Chances』も話題だったブルックリン生まれのサックス奏者Dayna Stephens。今度のメンバーも凄すぎる。ピアノはメルドー、ギターはジュリアン。そして、ベースはグレナディア、ドラムがハーランド。このメンバーならば高速戦隊でもおっけーなのだろうけど、このアルバムはバラード集です。
ステファンスは曲によってテナー、ソプラノ、バリトンを吹き分け、メンバー配置を微妙にずらします。
オープナーはホレスシルバーのPeaceは、メルドーのピアノトリオとテナーで。メルドーの硬質な音、タイトな演奏、グレナディアのソロ、魅力的で美しい演奏。
トニーベネットで有名なI Left My Heart In San Franciscoは、バリトンでメルドーがバッキングで魅惑的に歌う。高まりとともに、メルドーのソロも白熱。
ジュリアンとメルドー両者を配したジョビンのZingaro。テナーを吹くスレファンスの両横の2人は決してかぶさることなく、効果的で素晴らしい音を配す。ミステリアスな雰囲気と端正な哀愁。相変わらず、青白い燃え上がり方のメルドー節炸裂。
フランクシナトラを意識したThe Good Lifeでは、テナーの美声を。ジュリアン、グレナディアの3人でゆったりと。ベース&ギターの2人のデュオも素敵。
ブルーベックのThe Dukeは、バリトンとギタートリオでグルヴィに。
モリコーネナンバーが2曲。ソプラノで、ピアノ、ベースで情感こめて.Brothers。
テナーに変えてジュリアン、メルドーの両者を配した美しい空間Deborah's Theme。
感動の余韻を引きずりながら、ピアソラのOblivionをソプラノで。ジュリアンの演奏の美しさも哀愁。わたし的白眉。
バリトンで歌うBody and Soulは、グレバディアのサポートが光る。
美メロメーカーマンシーニのTwo for the Roadは、テナーでギタートリオで。ジュリアンの品のよいギタープレイがはまります。
終演は、グレナディアとバリトンでMoonglow。
フェイドアウトの曲もあるのですが、甘さの頼らない素晴らしいバラード集。
秋の夜長にぴったりのサックスの魅力満載の大人のバラード集。
プロデューサーはMatt Piersonということで、こちらも話題です。
マニアックな曲を集めたワケではないのですが、新鮮な感じのする1枚です。
秋の夜長にぜひどうぞ♪
1.Peace
2.I Left My Heart In San Francisco
3.Zingaro
4.The Good Life
5.The Duke
6.Brothers (From The Mission)
7.Deborah's Theme (From Once Upon a Time In America)
8.Oblivion
9.Body and Soul
10.Two for the Road
11.Moonglow
Dayna Stephens ( ts,ss,bs)
Brad Mehldau (p)
Julian Lage (g)
Larry Grenadier (b)
Eric Harland (ds)
新潟はめちゃくちゃ寒くなりました。
サックスの音がとてもいい感じの季節です。
んじゃ、退散♪
« Paolo Fresu と Larry Carlton のクリスマスアルバムがでるそうな。。 | トップページ | Three Times Three / Antonio Sanchez »
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Peace / Dayna Stephens:
» Brad Mehldau入りの豪華メンツによるDayna Stephensのアルバムのダウンロード・ファイルが到着。 [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Peace Dayna Stephens 本作はPledge Musicで告知されていたもので,CDの現物はまだリリースされていないが,Pledge済みのユーザには先日ダウンロード・ファイルが届けられ [続きを読む]
« Paolo Fresu と Larry Carlton のクリスマスアルバムがでるそうな。。 | トップページ | Three Times Three / Antonio Sanchez »
Suzuckさん,続けてこんにちは。このアルバム,もうリリースされていました?それともPledgeされたんでしょうか?
私のところには媒体としても結構前に届きましたが,ダウンロード音源で記事にしたっきりになっていますねぇ。ちゃんと記事にするかどうかわかりませんが,Mehldauの追っかけとしてはこのアルバムはやっている曲が曲だけにある意味貴重ですねぇ。ちなみに,私はサイン入りCDをゲットしたのですが,ケースが割れていると連絡したら,新しいのを送ってくれましたよ。こういう対応でも好感度って上がりますよね。
ってことで,こちらもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年11月 2日 (日) 11時49分
閣下、、
リリースされてましたよ。で、某たわれで。。
閣下はサイン入りのCDをお持ちなのですね。
メルドーもサインくれるの?
わたしは、ジュリアンさまが最近大変お気に入りなので、もうすこし、ジュリアンとメルドーのからみを聴きたかったかな。。。
こっちも、とらばいたします。
投稿: Suzuck | 2014年11月 2日 (日) 15時46分
Suzuckさん、こんばんは。
バラードなアルバムなんですが、ジュリアンレイジの意外なブルースフィーリングが聞けたり、グレナディアもメルドトリオではきけないくらいフィーチャーされてて、まったりつつもノレる不思議な魅力の作品でした。
メルドー節的なところもあるし、ステフェンスの暖かいバリトンもいいし、こうしたバランス感覚はって、やはりプロデューサー力なんでしょうね。
かなり遅ればせですが、、リンクさせて頂きます。
http://musicpromenade.blogspot.com/2014/12/dayna-stephens-peace.html
投稿: とっつぁん | 2014年12月14日 (日) 21時22分
とっつぁんさま、お返事遅くてすみません。
ほんと、「まったりつつもノレる不思議な魅力」な作品ですよね。
やっぱり、ご本人の音のよさが決めてな気がするんですが、、
そこにすっごいメンバーがついて ちょっと 他には真似できない感じとなりましたよね。
曲にあわせて サックスとメンバーが変わる指向も ばっちりはまってました。
やっぱり、Matt Pierson凄しって、ことかしら。
投稿: Suzuck | 2014年12月20日 (土) 11時43分