Three Times Three / Antonio Sanchez
パットメセニーの秘蔵っ子(って、薹がたち過ぎか。。)である、敏腕スーパードラマーアントニオサンチェス。過去にだしたリーダー作3枚がお気に入りではあるわけだが。。
このアルバムはメンバー見た時から、ぶっ飛んでました。そして、早く聴きたいな、、って、一つだったのですが、、リリース時期がいろんなタイミングに重なってしまって、今頃になってしまいました。でも、これは凄すぎるアルバムだったので 遅まきながらブログアップです。
① まずは、稀代の天才ピアニスト ブラッドメルドーでピアノトリオ。
1曲目はどこか遠い目になってしまうNar-this、そう、Nardis。
美しいメロディをなぞるだけではなく、硬質で左右交差するアグレッシブな演奏で独自の世界を組上げていきます。プッシュするサンチェス、力強く支えるブリューワー、フェイドアウトがもったいない。。
サンチェスのオリジナルConstellations。「煽る」という行為を天下のメルドーにぶつけたら。。14分近く緊張感の連続で、低音を響かすベース、一瞬とも気が許せない一本勝負が展開。クールに容赦なく人の懐に切り込んで来るメルドー、3人で容赦ないせめぎ合い。
”超絶”絶後。すっごーい!これもフェイドアウトはなんでやねん!
3曲目Big Dreamは、ダークで思索的な雰囲気。一転して大きな間をつかった暗闇に吸い込まれるような深遠な雰囲気。ビタースイートでインテリジェンスたっぷりなメルドーの魅力満載。ベースが鼓動のように聴こえる。後半の三位一体の高揚感もさすが・・。
ピアニスト ブラッドメルドーの芯の姿を久しぶりに見た気がします。
② 2枚目の最初はジョンスコの登場。名手起用のギタートリオです。
1曲目はショーターのFall を比較的端正に奏で始める。2人に圧されて上り詰めていくギターの疾走感は快感。高速フレージングが効いたベースソロもかっこ良し。
Nooks And Cranniesは、音を歪ませてグイーンとジョンスコ節炸裂。エレベの煽りも迫力ものロックテイスト。途中から拍子を変えて高速武装隊。めちゃ、いけてます。ベースソロの凄まじい早さに おもわず、ぎゃー。
最後は、直球勝負でガンガン飛ばすRooney And Vinski。ウッドに持ちもちかえたマクブライドのベースもサンチェスのソロも聴きものです。
ジョンスコ、いくだったんだろう?そんな、ことさえ思う若々しいジョンスコのギタープレイにほれぼれ。
③ 最後の組になりました。ベテランサックス奏者ロバーノのテナーでサックストリオ。
1曲目Leviathan、パティトゥッチとのデュオが終わるとすぐに炎上。フリーキートーンも入って 鋭く切り込んできます。いきなり、3人のダイナミックな演奏に盛り上がります。
サンチェスのドラムかっこ良すぎるぞ。
Firenzeは、各自のソロにスポットを当てたような感じで、比較的冷静な会話ながら、細部まで隙がありません。テナートリオいいな。
最後は、モンクのI Mean You。冒頭から嵐の予感です。。
フリーもありながら。自在にテンポや拍子をかえてモンクに敬意を。
モンクであって。彼らならではの演奏。
ロバーノのテンションの高いブローイングに男気を感じる秋深し。
と、三組で三曲づつの演奏は、非常にハイレベルな演奏ばかり。
一粒で三度美味しい、ではなくて。。一粒で9度美味しいアルバムでした。
サンチェスが、各ソリストにこうであってほしい?理想の姿を引き出した傑作盤です。
その姿は、我々リスナーが彼らにのぞむ姿とも重なるので、スッカッとしますわよ♪
CD 1
1. Nar-this (Nardis - Miles Davis)
2. Constellations
3. Big Dream
Brad Mehldau (p) Matt Brewer (b) Antonio Sanchez (ds)
CD 2
1. Fall (Wayne Shorter)
2. Nooks And Crannies
3. Rooney And Vinski
John Scofield (g) Christian McBride (b) Antonio Sanchez (ds)
4. Leviathan
5. Firenze
6. I Mean You (Thelonious Monk)
Joe Lovano (ts) John Patitucci (b) Antonio Sanchez (ds)
めちゃくちゃ、興奮したアルバムでした。。
わたし、去年、ブルーノートにパット・メセニー・ユニティ・バンドで来ていたときに入り口で時間待ちしてたんですね。そのとき、なんと、サンチェスさまとクリポタさまがテクテク歩いてきたの。思わず、クリポタさまに寄り添って握手をもとめ、はあと目になってると、、「僕も、一緒に演奏してるんだけど、、」って、ニコニコとわたしに握手を求めてくれたのです。そのとき、まったくサンチェスさまがみえてなかったわたしです。。
技術もさることながら、とっても素敵なお人柄な方ですよね。
だからこそ素晴らしい人脈をお持ちな方なのでしょう。。
寒さを吹き飛ばしてくださいね。
んじゃ、退散♪
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