Wayne Shorter Quartet(解放と自由への飛翔)
Wayne Shorter Quartet @ Bunkamura オーチャードホール(4月15日)
Wayne Shorter Quartet featuring Danilo Perez,John Patitucci and Brian Blade
今年もありがたくもWayne Shorter Quartetへ行く事ができました。
去年も凄い80歳だな、と、一緒に行った八木三男さまとびっくらしてWayne Shorter Quartetの奇跡なあんて、その驚きをぐだぐだ書きました。
「心の中、精神的な部分、そういった内なる部分に異常な高まりを感じたライブでした。濃厚なアドレナリンの海に浸ってるようでもある。生きててよかった」
絶賛ですね。笑
でも、諸行無常なのが世の中です。あれが、「さなぎ」と言ってもいいほど Brian Bladeの入ったWayne Shorter Quartetは凄味、極みが倍々増しておりました。俄然、進化してましたぜ。
今でも鮮烈な印象は焼き付いてるのだけどれど、何がなんだか、、よくわからない。。
ほぼ定刻、場内が暗くなるとメンバー登場。
メンバーが定位置についてわかった事は、ペレス(HPのカタカナ表記はペレスでした。。)は背中しか見えん、パティトゥウッチはピアノとショーターさまの陰でまったくみえない。
でも、ブレイドはほぼ真正面な感じ。そして、神様ショーターさまは、一挙一動がみえるので、文句ありません。。
いくつかのパートに別れていたのだけど、どのパートもその場のエネルギーの流れで即興が繰り広げられて行きます。最初は、比較的静かな感じでまるで儀式への導入部的な感じに感じた。
ブレイドも極小な音で美しい音色で予定調和の世界とは違うけど、比較的協調性のある世界だとおもってました。。
と、次第に空間の雰囲気がただならぬものに。。
フリーを基調にした即興演奏だと思うのですが、当然緊張感あふれ予定調和とは一切かけ離れたスリルに満ちた瞬間が連続します。
ショーターさま以外のメンバーも彼をバッキングしようとかそういう型にはまったコミュニケーションとは無縁に各自独自の世界を表現して行く。
それでも、ペレスとブレイドとパティトゥウッチは互いに連動した状況判断。
みんながどんどんとエネルギーを吐き出して、ショーターの存在を空中に支える感じ。
ショーターさまの凄いのは、その怒濤の仕掛けの中に居ても誰かにあわせようとか、呼応しようとかではなくて、強烈な自己として独立して存在していること。
ものすごいエネルギーのバランス中でショーターさまは見事にいろいろなものから解放されて私たちの目の前の嵐のような濃い音空間に浮かんでいるようでした。。
そして、ブレイドは時折天に穴があくかと思うほどの大爆音でその場の状況と我々の魂を揺さぶる。場を突き抜ける。鮮烈な演奏。彼の参加なくしてあの空中浮遊は不可能です。ペレスはこのメンバーをしても瞬時の総合的な判断力にたけてる感じでエネルギー放出のズームアップ・ダウンが瞬時。去年より目立たない気分になってたけど、パティトゥウッチがしっかりサウンドを締めるというかんじかな。。
何れにしても、世界遺産に認定したいようなこのカルテットの凄腕たちは、演奏中ずっと楽しそうに笑っていました。。ブレイドは間違いなく、笑いっぱなしです。
全員、赤裸々に自らを解放して、自分のやりたい事を貫く。その共通した精神が自由への飛翔となっていると思ったのでありました。。野生の本能みたいなものを感じたのはわたしだけではないとおもうのですけど。。
観客席は残念ながら満席といえませんでしたが、その演奏に心から感銘した人が多かったようで、とても自然な形でスタンディングオベーションとなり、アンコールと続きました。観客と演奏者たちがいい感じの繋がりだった。。。
終演。。なんだか、魂を持ってかれた感じ。
ニコニコしながら立ち去るショーターさまは、80歳の翁というより、童子のお顔でしたね。
しかもね、めちゃくちゃ演奏中に落ち着きのない感じなのですわ。
あの堂々たる吹きっぷりとは考えられないくらいこちょこちょ何かしてます。何かいじくってる。微笑
つうことで、来年も来たら、また、行きたいな。。♪
今回は、ライブの前後で、いつもSNSでお世話になっている音楽大好きなHirokoさまにお世話になちゃった。また、お久しぶりで閣下ともお話しできちゃって、ライブの後も楽しかったです。
その上、ぎりぎりに来て、すっ飛んで逃げ帰った八木三男さまには、ムーミン原画展の招待券もらちゃって、前売り券買い損なっていたわたしは、ちょうらっきーごさった。ありがと。笑
みなさま、大変お世話になりました。来年もよろしくね!
んじゃ、退散♪
追伸
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» Wayne Shorterライブ:凄いものを見てしまった... [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
私は長年,Wayne Shorterの音楽をきっちり聞いてきたつもりだし,相応にアルバムも保有している。しかも,昨年のジャズの最高作だと思ったアルバムはShorterのWithout a Netなのだ [続きを読む]
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こんにちは~
すごいライブだったようで よかったですね! !
とても 80歳にはみえませんね。 やはり、好きな音楽をしている時は 気持ちも高揚して 生き生きとするのでしょうね♪
閣下や お知りあいのも方々もご一緒で 楽しい一日、よかったね ^ ^ /
投稿: Marlin | 2014年4月18日 (金) 14時11分
Marlinさま、、
あのね、わたし恐ろしい方向音痴なの。で、行きも帰りも助っ人登場。笑
今日ね、「キューティー&ボクサー」って、映画を駆け込んでみて来たの。いや、這ってか。笑
偶然、主人公の芸術家の方が80歳の誕生日を祝うシーンがありました。
お二人とも、わたしの数倍元気ですよ。
わたしも、 Marlinさまも、がんばって いきいきしたおばあちゃんになりましょうね。
閣下は、スマートになられてましたが、、目つきは閣下であった。。
機能もライブでいけいけしてて、、ほんと、元気ですよ。瀑
投稿: Suzuck | 2014年4月18日 (金) 18時27分
Suzuckさん,こんばんは。元気な中年音楽狂です(笑)。TBありがとうございました。
いい加減,目つきにこだわるのはやめましょう(苦笑)。目が悪いんだから仕方ないんです。
それはさておき,Shorterはじめ4人とも強烈でした。私は中でもBladeに瞠目させられました。あれは凄いわ。と言いつつ,昨日のSonny Emoryも...ってやってる音楽は全然違いますけど。
いずれにしても,いいものを見せてもらいました。このテンションの後であったがゆえに,Eric Marienthalのショウは楽しい,楽しい。Shorterの芸術対Marienthalのエンタテインメント。どっちも好きですが(爆)。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年4月18日 (金) 22時38分
閣下。。
>目が悪いんだから仕方ないんです。
あーいろいろ、言いたい事はあるけど、ごめんなさい。
本当は、とってもダンディズムに溢れたナイスミドルです。って、わたしが書くと、嘘っぽいからね。
しかも、わたしは、ラブリーすっずくでしたね。瀑
閣下は、都内にいらっしゃいますから、そういう選択が可能で羨ましい。。
って、都内に住んでても、夜遊びができる日数は同じか。。
あ、昼ピット常連になりそうだな。
いろいろ、ありがとうございました。
きっと、次回お会いできるのは、半年くらい先なのではないでしょうか。。
それまで、お元気で。瀑
投稿: Suzuck | 2014年4月19日 (土) 11時55分