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音楽で拡がる輪

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2014年2月

2014年2月28日 (金)

マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2013 と 夜光雲(ソロピアノ三枚)

178

ジャズ批評178号がでました。恒例のマイベストの特集ですね。
わたしは★ すずっく2013 ★のインストとの順位と一緒。
「今、何を聴く?」をモットーに等身大でジャズを追いかけてまーす。
トップ5枚を選ばせていただ行きました。

毎回、他の方々どんなものに興味があって、聴いているのか、、
各自、千差万別の選択を面白く拝見させてもらいます。
お知り合いでは、わかる範囲で、、

いっきさまオラシオさま高野 雲さま船田 敏さま
suejazzさまoza。さまのマイベストが載っていました。

また、山谷耕平さまが「Nobody Goes Away / 外山安樹子」を マイベストのトップに選出しておりとても嬉しかったです♪ メロディ大賞にも選出されていました!

ええと、ジャズオーディオ・ディスク大賞の選考委員でもあります。

「わたしが感じる気持ちのよい音楽と音が詰まったCDを選びました。演奏者たちの渾身の演奏が、彼らのおもいになるべく近い形で聴けるものが良い録音だと思っています。」
推薦順位は★ すずっく2013 ★のインスト、ヴォーカルと一緒です。
その他の賞では、

ジャケット
A Little Simple Magic / Don Thompson Pat La Barbera

優しい笑顔と何気ない距離感、素敵な写真のジャケットからの想像通りの音に溢れてました。

メロディ
Visible / Invisible 橋爪亮督グループ Journey

天に広がる感じの幻想的な心情風景、少ない音から日本的情緒、侘び寂びに通じるひんやりした 緊張感と響きを感じ印象的な曲でした。

特別賞 
(ALBORE JAZZ 豊田氏)

Strange Days / Luigi Martinale Trio feat. Reuben Rogersに代表されるように血湧き肉踊るジャズの醍醐味の部分を大切にした演奏内容と臨場感溢れる録音で、伊太利を中心に素晴らしい演奏者のアルバムをリリース&紹介、そして日本に招聘という行動力に敬意をはらっております。

を、推薦いたしました。

そして、毎回連載をさせていただいている夜光雲。。。

夜光雲「ピアノソロ・Solo・Solista…」

もともと、ソロピアノのアルバムは好きなのですが、、去年は秀逸なアルバムがとても多かったです。それは、現在進行形。。お気に入りの三枚を選んでみました。

Crossing / Hitomi Nishiyama

Crossing

Vaguement Godard / Stephan Oliva

Vaguement

Portraits / Dario Carnovale

Portraits


できるだけブログにアップしたいとおもってます。汗
クリポタ三本勝負、ってのも、、あげたいんですけど。。汗
あ、嬉しい事があると、、リアルな方のお仕事もしなくなってこまります。
1年で最初の大事な季節なんだけど。。

んじゃ、退散♪

2014年2月25日 (火)

Reverie at Schloss Elmau / Gwilym Simcock & Yuri Goloubev

Reverie_se_2


ちょっと前のおでかけ、、街の中、建物の北側、しかもいろんな要因で陽のあたらない場所にだけ雪がのこってました。
建物を挟んで反対側は春のような陽射しなのに。。少しの違いで随分かわってしまう事ってありますよね。

ロシア出身で伊太利在住のベーシストYuri Goloubevは、クラシックからジャズに転向したベーシストでその技量に定評があるので「名盤請負人?」なんだそうです。イギリス出身のGwilym Simcock は、ACTレーベルが認めた新世代ジャズピアニストの1人、めきめきと頭角を現しているピアニストの1人です。以前から共演していますけど、今回は初のデュオ。シムコック自身がソロアルバムを作成した古城での録音です。(Schloss Elmauで検索すると素敵な写真が沢山でてきますよ♪)
2人のオリジナルが古城の厳格で優雅な空間に響きます。1,3,4,5,7がシムコック、2,6,8がゴロウベフ。

オープナーのPastoral、静寂な空間に美しいピアノの音色が煌めきます。ベースが入って目覚めを促します。穏やかな曲調はやがてやがてスリリングな呼応になり、躍動感豊かな演奏に。ボーイングもとても美しくとけ込みます。
憂いを含んだメロディLost Romance。2人で重ね重ね物語を語るような演奏は心に沁み込みます。
Shades Of Pleasure、互いの気持ちの高まりを押さえられないように前々と進みます。
流麗華麗な指の動きに、もう、ひたすら聴き入ってしまうほど素晴らしい2人。心の高まりを後おしするように、効果的に弓が響きます。
アップテンポで互いの反応を楽しむようなAntics。息つく暇もないって、こういう事ね。笑
消え入るような繊細なタッチから強気の決め技まで自在。

弓弾きの美しい調べではじまるA Joy Forever 。ピチカートにかわってからも幽玄な世界が広がっています。本当に美しい弓の演奏でした。
知性的で繊細、品格のあるやりとりが続くNon-Schumann Lied。
ほんのりとした幸せ感、ふんわりと光が差し込むようなピアノとベースのやり取り。。Flow。
互いに歩み行く Vain Song。ベースもピアノもメロディアスに歌う、歌う。。歌う。
終演は、「コントラバスのパガニーニ」のReverie。夢の世界に誘うピアノ調べも美しく、Yuri Goloubevのクラシック奏者として過ごした月日回想するような弓、そして、現在を饒舌に語る指。。未来を夢見るように至福の時間が幕を閉じます。

古城の空間を生かした自然な響き、そこに相応しい格調ある演奏。
超絶スリリングな展開でも、なぜかゆとりを感じる優雅さ美しさ。
2人の感情の発露に心に沁みわたる物語を感じます。
まさに、古城の幻想…期待を上回る美しい世界でした。。。

1. Pastoral
2. Lost Romance
3. Shades Of Pleasure
4. Antics
5. A Joy Forever
6. Non-Schumann Lied
7. Flow
8. Vain Song
9. Reverie

Gwilym Simcock (p)
Yuri Goloubev (b)

春の兆しがみえて来ましたね。
二月は逃げる、って、本当ですね。
疲れたときには、ゆったりと、こういうアルバムもいいですよね。

んじゃ、退散♪

2014年2月20日 (木)

and we met / 山口泰一郎  森泰人

And_we_met

年末の早朝の散歩の時に懐かしい匂いがした。
なんだと思う? それは、「薪ストーブ」の煙の匂い。
何処から流れてくるのか、辺りを見渡したのだけど。。それらしき場所がみあたらない。。
実家も建て替えてからは、薪ストーブの出番はなくなった。。
子どもの頃の想い出にしっかり染み付いてる薪が燃えるときの懐かしい匂い。

しばらくしてこの記憶も薄れそうなときに、散歩中に「ガタン」と大きな音がして、目がいった先。。 なんと、お家の横に薪が積み上げられている!そして、見上げたら、そこには懐かしいブリキの煙突が!思わずその場に佇んでしまいました。

懐くしさと誠実さを感じるアルバムをかけます。
長野に在住のピアニスト山口泰一郎氏とスウェーデン在住のベースの森泰人氏のデュオです。
ご縁があった2人が、還暦の記念に一緒に創り上げた「過去と現在と未来」を結ぶアルバム。
わたしも大好きな曲が並んでいます。

冒頭から清らかな調べでビルエヴァンスへの敬愛が伺えます。
硬質な音。リリカルで内省的なアプローチ。。心の中にemilyのメロディがなり始め、、消えそうになったときに、優しい王子様がベースで登場。音楽を通して心通う2人の会話がはじまります。少しづつお互いの心を覗き込むように。。
ベースからはじまるsweet and lovelyには、ジャズの懐かしい響きを強くかんじます。
ベースの王子様のエスコートによるエレガントなsomeday my prince will come。ピアノもきっと自分らしさを発揮なのじゃないかしら。丁寧で誠実な響きがほっとするsomeone loves me in somewhereはとってもジャジー。

ピアニストのオリジナル and we met。寡黙で屋台骨を支えるイメージのベースの饒舌なプレイ。呼応するピアノも快活。今、このときの悦びに満ちています。意気投合した2人で奏でられるin your own sweet way。デュオの最後は光と陰のstella by starlight。出会いと別れ。。ドラマチック。

終演はソロで奏でられるwhat a wonderful world。
誠実に丁寧に生きて行く…出会いと人々の優しさ・幸せをかみしめるように。

この大雪で軽井沢の周辺も大変だったのでしょうね。一緒に春を待ちたくなるアルバムでした。
ビル・エヴァンスも「You Must Believe in Spring」を残しましたよね。
わたしたちも、もうすぐ、やって来る春を待ちましょう。。

1. emily
2. sweet and lovely
3. someday my prince will come
4. someone loves me in somewhere
5. and we met
6. in your own sweet way
7. stella by starlight
8. what a wonderful world

山口泰一郎 (p)
森泰人 (b)

今も、このアルバムが録音されたときも、雪深い静けさは同じなのでしょうね。。
インターネットで出会いというと、あまり良い捉えられ方はしないのですが、、それは、一部の特殊な例なのかもしれませんよね。このアルバムもわたしとアルバムの出会いもインターネットなくして成り立ちませんでした。出会いはいつだって素晴らしいものなのだとおもいます。。

2人の知人のお父様の形見のベースで録音されたエピソードもこのアルバムならではとおもいました。ベースの森さまは、もうすぐ来日します。今回は、3月3日からはじまるTRIO’(トリオッ)の10周年ツアーでの来日です。
メンバーの福田重男氏のスケジュールにありました。詳しい事は、また、違う日に。

んじゃ、退散♪

2014年2月16日 (日)

Extended Circle / Tord Gustavsen Quartet

Extended_circle


子どもの頃、山の中に住んでいて夜が静かで怖かったです。
特に雪が降った夜は澄んだ静けさとでもいうのか。。本当に静かだった。
東京の雪、横浜の雪、、夜はいかがでしたか?

ECMにはいろいろな素晴らしいミュージシャンがいますけど、現在進行形で大好きな人の1人です。ECMデビューの「Changing Places」より、静寂と美しさといつもわたしの気持ちにぴったり来るアルバムをだし続けてくれています。

全員ノルウェー出身というまさに北欧カルティットです。
厳しい気候、大自然とともに生きて行くノルウェーの人たちの独特な時間の流れ方がここにもあります。

オープナーのRight There、冒頭のグスタフセンの柔らかな音を聴き、ほっとする。
透明感ある音でも、どこか暖かな感触で濡れたような輝きがあると思う。。
静かに静かに進行するピアノトリオ仕様。ドラムもベースもゆったりと落ち着いて時を刻む。
ノルウェーのトラディショナルEg Veit I Himmerik Ei Borg。もの悲しい哀愁と少しの不安。
敬虔な盛り上がりで、トーレのサックスもエモーショナルで訴えかけるものがあります。
Entranceはフリー・インプロヴィゼーション。温度感はかなり低め。
下の方からそっとささやくように聴こえてくるようなThe Gift。美しいタッチ。透明感ある音。

ピアノが鳴ると静かに波紋が広がって行くのわかる感じ。その広がりをベースもドラムも止める事なく進む。これもトリオ仕様。
トーレのサックスが北欧の空気をざっくり含んで少し温度のあがるStaying There。
Silent Spacesはソロ。タイトルそのまま。透徹な響き。心の中に湧く清水。
Entrance, var.は、冒頭雅楽のような雰囲気をもつフリー・インプロヴィゼーション。
ピアノとサックスのゆっくりしたユニゾンが胸にしみるDevotion。メロディックで陽射しが差し込むThe Embrace。
冒頭でベースフィーチャー、ベースのアイレットセンの曲Bass Transition。漂うような美しさとサックスで魅了するGlow。
そして、、終演は氷の世界にはいってしまったようなThe Prodigal Song。。

静寂な世界を堪能したい方へ。
雪景色が似合いすぎるアルバムでした。

1. Right There
2. Eg Veit I Himmerik Ei Borg
3. Entrance
4. The Gift
5. Staying There
6. Silent Spaces
7. Entrance, var.
8. Devotion
9. The Embrace
10. Bass Transition
11. Glow
12. The Prodigal Song

Tord Gustavsen (p)
Tore Brunborg (ts)
Mats Eilertsen (b)
Jarle Vespestad (ds)

雪の被害はいかがでしたか?
新潟市内は、なんだか、申し訳ない感じの今日この頃です。。
雪害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
これ以上被害がありませんように。。

んじゃ、退散♪

2014年2月14日 (金)

Kin (←→) / Pat Metheny Unity Group

Kin

先週の吹雪のお出かけと入れ違いで届いてた…。
濃密すぎる時間を過ごした後の整理整頓と、、あまりにすごいサウンドで何を書いていいのか。。
そんなこんなで今日まできちゃいました。。

ええと、このユニットの前身Unity Band / Pat Methenyは2012年のベスト1だった、、わたし。待ちに待った一枚なのですが、第一印象はその壮大な音空間にびっくり。色彩や風景が溢れ出してるPMGの世界。地球を感じるあの世界。
マルチプレイヤーとはいえ、Giulio Carmassi1人加入してこんなにかわっちゃうのか?うむ。。本当に、1人の加入って、感じではないし、スパイスみたいな安易なものでもないのです。このバンドのキーマンだとおもいます。
メンバー全員が渾身の力で創り上げたパッとメセニーが考えた音空間はスリリングで超絶な演奏が繰り広げられていて、完璧に作り込まれた感じ。そして、その中でメンバーがめちゃくちゃすごいソロを繰り広げてる。すごいぞー。大好きなクリポタは痺れるくらい強烈なソロをとりまくってる。
でも、パットメセニーの演奏はその上を行くかんじだよね。。流石としか言いようがない。彼の世界だ。

ちなみに、レーベルの解説に「タイトル:KIN(キン)について 血縁、親族という意味。現在のパット・メセニーの音楽はメセニー以前の偉大なミュージシャンから以後のミュージシャンと音楽的につながっている(血縁)ことを表している。(←→)の記号もメセニー以前、以後を表している。」とありました。。ほ。。

オープナーから15分超えの大作On Day One。冒頭から期待感満載。転調しながら気流にのるパットの得意技。オーケストリオンもまるでバンドメンバーのよう。エレベかっこいい。でも、クリポタはもっとかっこいい!ドラマチッックがとまらない。ヴォイスが入って感極まります。たぶん、この1曲で、ほとんどの人が大感激となります。なんか、小さい事はどうでもよくなるのでした。笑
Rise Upも10分超え。これがまた軽快。サンチェスの千手観音的な姿が浮かびどんどん気持ちがアップします。パットの早弾き恍惚状態、クリポタの熱いブロウもファン必聴。これでもか、これでもですって。

一転、叙情的な調べに身を任せるAdagia。つかの間の休憩。。

Sign of the Season、静かに美しい曲調もパットメセニーの真骨頂。全員でその美しさを際立たせます。美しさにかなり貢献してサウンドを引き締めてるいるのが、サンチェスとカルマッシ。ほんと、美しいだけでじゃないんです。。
タイトル曲、Kin (←→)。もう、みんな素晴らしいのですが、どうなの?あえていうとサンチェスかな。。すげーな、サンチェス。。パッとメセニーは、ギターシンセも登場です。もう、誰がどこでどんな風につかわれてるとか、、かなり無意味なのですが。でも、パットメセニーファンには、ギターシンセということば特別です。やっぱ、あの恍惚の表情でしょう。笑

故郷ミズリー州が浮かんでは消えるBorn。素朴なメロディに一緒に自分の過去を重ねちゃいます。
ちょう短いけど大好きなオーネットで遊んでみましたみたいなGenealogy♪
続くキャッチーなメロディWe Go On。夏の夕暮れのような爽やかさでメロウな時間。甦る青春時代。クリポタの情感溢れるソロ。あなたもわたしも泣けるぞっ。

終演は静かに優しいKqu。パッとメセニーとクリポタの仲のよい事よい事。。
クリポタって、パットメセニーに本当に好かれちゃったんだな。。って、ちょっと、寂しいわたし。笑
そして、充実感たっぷりの静かな終わり……。。


ま、メンバーその他にこだわると異論もあるでしょうが、新生PMGの誕生と言っても良いほどの色彩と地球を渡る風を感じるスケールの大きな音楽空間です。
個々のハイレベルな能力をつかってパットメセニーの描いた世界を創りあげる。
もちろん、彼のギタープレイも改めてすごいギターリストだと感じます。
各自のためにめちゃ素晴らしいソロの空間も世界を築き上げるためのパーツの一つのようにちゃんと用意されてて、それぞれは想像を絶するほど素晴らしいです。誰がいなくても不可能な世界。
これが、輸入版だと1500円以下なんですが、LPとかハイレゾとか。。悩ましい音源が用意されてます。笑

バレンタインデーにあなたに送る(笑)珠玉の一枚♪ なんちゃって。

1. On Day One
2. Rise Up
3. Adagia
4. Sign of the Season
5. Kin (←→)
6. Born
7. Genealogy
8. We Go On
9. Kqu


Pat Metheny(el-g, ac-g, guitar synth, electronics, syn, orchestrionics)
Chris Potter(ts, bass-cl, ss, cl, alto-fl, bass-fl)
Antonio Sanchez(ds, cajon)
Ben Williams(as-b, el-b)
Giulio Carmassi(p, tp, tb, french horn, cello, vibes, cl, fl, recorder, as, wurlizer, whistling, vo)

大方の予想では、Pat Metheny Unity Groupはこの秋に来日なのではないかと。。
生で聴いてみたいとおもいます。。。目のまで観てみたい。。。。

また、関東方面は雪とか。。
週末だし、バレンタインデーだし、、いろいろとご用事あるでしょう。。
どうか、皆様、、大事に至りませんように。
んじゃ、退散♪

2014年2月10日 (月)

創造の森をさまよう Aaron Parks …

Aaron Parks Piano Solo @ 丸の内コットンクラブ(2/6)
Aaron Parks (p)

Photo13

アーロンパークスは、阿部大輔氏のアルバムではじめて聴いたのだとおもうんですが、その後すぐにGretchen Parlatoのデビューアルバムでも聴いてるんですが、、頭の悪いわたしは、「うまいな」って、感じしか覚えてなくて、そのうち、あちらこちらで名前があがるようになって、デビュー盤「Invisible Cinema」でギターのMike Morenoと作り上げた世界がツボだったので、この辺りから完璧に目が離せない人となっておりました。
それからの彼は、本当にあちこちのプロジェクトの最前線で演奏に顔をだしており、そのどの世界でも独特の感性をだしながら、その世界にはまってしまう、わたしにとっては不思議ちゃんだった。。
動と静というような二面性で語られるような感じでなくて、彼自身が宇宙の創造主みたいな存在に感じられるくらい。
人気のJames Farmのライブに行ったときの彼のつくり出す力強いグルーブっていうのは驚異的だったし、話題のThomas Morganが入ったピットインでのピアノトリオでも、オリジナルでもスタンダードでもその反応力に目を見張った。。去年カートと「スター・オブ・ジュピター」のメンツで来たときも良い席を確保した。。(行けなかったけど)
今回もピアノトリオで来日。。でも、わたし的にはダメ。(笑)そこに、突然、発表されたソロ公演。

早めにでかけたので、、最前列目の前。二セット目は観客が少なかったそうですが、1セット目は結構埋まっていたとおもうのだけど。。
手元がみえて、アーロンは弾きながら斜めに振り向く癖があるから顔もみえるだろう。。的なミーハー選択で席決定。(笑) 昨日からの疲れが倍増してるご老体なので、半分眠りながら拍手で定刻を迎える。。

まじめな文学青年の面持ち。。で、ピアノの前にすわると両手を顔の前にあわせて集中。。創造の世界に入って行く。。ここからがすごい。
最初は風に翻弄される蝶蝶のように震えながら演奏がはじまる。。
わたしの大好きな「Arborescence」にも入っていたElsewhereからはじまったと思う。。
この日、アーロンは、自分の頭に浮かんでいる様々な景色を私たちに見せてくれたのだと思う。。
だから、曲目とか本当はあまり関係ない即興の世界なのだと思う。。
現実にはない世界、でも、それは決して無機的なものではなく、いろいろな事に触発されながら?彼の世界を綴っていったアーロンの詩的世界。
彼は、演奏中は、ずっと歌っていた。うなるのではなく、歌っていた。
キースは唸るけど、アーロンはハミングするように歌っていた。
彼が観せてくれた世界は、仄暗く淡々としたつかみどころのない世界。
抽象的というより、幻想的な魔法の世界。
ちょっと、ティム・バートンが創りだす世界に似てると思った。。

柔らかなタッチだけれど、弱いわけではなく、時折、左手がぐっとのびて、低音を力強く入れる。
彼も、音のコントロールがめちゃくちゃうまい。そして、演奏は変幻自在。
瞬時に自然に次の姿を得ている。
そして「I'm Getting Sentimental Over You」のようなスタンダードも彼の世界観で語られる。
徒然なるままに進行し、気がつけば、アンコールの「In Your Own Sweet Way」。
これも美しかったのですが、どことなく人肌。これで、、少し現実世界に戻れたきがしました。。

この独特なアーロンワールドを一緒に浮遊する事ができてとても嬉しかった。
彼は、繊細だし、リリカルだし、表現力も想像力も豊かなのですが、その瞬間瞬間の変貌ぶりが本当に凄まじいな、と、思いました。頭に浮かんだものを音楽でわたし達に伝えてくれる。
そして、やはり、なんども言っちゃうけど、音の大きさのコントロールがすごいな。
繊細な印象は、フレージグそのもと、音のコントロールの巧みさからもくるかな。
本人はキースが好きなのだろうけど、もっと軽やかで柔らかな感触。。かな。
あ、演奏中の歌の違いに似ているかな。

で、、かなり集中しているのがわかるので、曲が終わっても拍手することがためらわれました。。
最後の音が消えるまで本人がじっと音の世界にいるのです。
近くで観ていると、、観客の拍手で我に帰る、、って、感じだった。
その度に、本人は客席に向かって感謝してくれるのですが、また、集中し直す姿をみていると、、ただ、ひたすら聴いててもいいのかもしれないな。。とも思ったりした。でも、こういうのはその場にいても難しいですね。
しかし、アクシデントにも心折れずに1時間以上の独り舞台。。本当にお疲れさまでした。。

と、結構はやい新幹線にのれるぞ!と、急いで帰りしたく。。
と、これからアーロンさまのサイン会があるとアナウンスが。。
念のために持って行った「Arborescence」のジャケットを持って並んじゃった。
握手、サイン、写真、、みんなおっけー。いい人です。
でも、やはり、、すごく、疲れていた感じがしました。
至近距離でみても、まじめな文学青年の印象はかわりませんでした。。。

Photo12_2

んじゃ、退散♪

2014年2月 8日 (土)

Thierry LangTrioは想像を遥かに超した超絶なライブだった。。

Thierry Lang, Heiri Känzig, Andi Pupato Trio @ 横浜エアジン(2/5)
Thierry Lang ℗ Heiri Känzig (b) Andi Pupato (per.)

Photo15

真っ白な世界をひたすら走り続けていました…。
ホワイトアウトと白い悪魔に飲み込まれていたのです。
怖くて感覚が麻痺しているのですが、停まったら絶対動けなくなる、と、心に念じながら運転してます。時間の感覚もなくなっていて、心の中で泣きながら運転を続けてました。
明けない夜はないといいますが、死んだら朝はきませんものね。
普段ならば、40分前後で駆け抜けるエリアを三時間以上かかりました。。
関越トンネルはいつも時間稼ぎでちょう高速で通り過ぎるのですが、アクセルが踏めなくて呆然と運転してた。景色がかわってやっと凍り付いた脳が少しづつ溶け出して、動き始め、、ライブに間に合わないかもしれない、と、アクセル踏みました。。。

高崎から新幹線に飛びのり予定を変えて横浜に直行する事にした。荷物くらいどうにでもなる。六時前に到着したお店の扉の向こうでは、叙情的で哀愁のあるメロディが聴こえて来る。タイトルがすぐに浮かばなかったけどライブで「Wounds」だったなと。
ご好意でお店の中で整理券をつくるまで待たせてもらいましたが、今日のライブは心に残るものになる事を確信。ま、いろいろあって(笑)ピアノの斜め後ろベースとパーカッションにも人がかぶらないところに席をきめて開始は八時過ぎくらいとなりました。。

待ちに待ったライブはチャーリーヘイデンのEllen Davidではじまった…。メロディ部分になるとまるでティエリーのオリジナル曲であるように彼自身の色を滲ませる、そして、ベースとパーカッションもそれぞれかなり自由度高くハイレベル、特にベーシストのソロはエキサイティングで驚愕。そして、バンドサウンドの一体感はまさに三位一体。神様ありがと、って、心奪われる。。と、いうか、身体ごと異次元にもってかれるような熱い演奏がこの後ずっと続くのです。

ゆっくりと心に沁み込む音そのものに悦びをかんじたり、美しいメロディの思わず微笑んだり、テクニックに感嘆の声をあげたり…考えられるありとあらゆる素晴らしい刺激を身体全身であびて完全に頭がとんでしまってる状態です。まさにティエリーアウト。(笑)

ティエリー・ラングも多くの素晴らしいピアニスト同様クラシックを基調に自己表現豊かにこれぞジャズの演奏する。本当に音のコントロールが素晴らしくて、同じフレーズでも微妙に音をコントロールさせて、周りとのタイミングも瞬時にはかり、何に対しても素晴らしい集中力。そして、歌心が満点。。って、彼のことは、、多くの人がご存知ですよね。m(_ _)m

ベースのハイリ・ケンツィヒがまた素晴らしい。左ききらしいのですが、両手きき?って、思えるほど、上から下からアグレッシブで、しかも、歌心満点。高速のパッセージでも軽い音にならずに、ウッドの素晴らしい音色で歌心たっぷりのソロを聴かせる。
ピアノとベースだけでも、どの曲も完結してしまえるほど濃密な関係。
このところ、ティエリーがずっと演奏をともにしているのがよくわかります。ベースだけでも、必見。必聴。

ここに彩りを加えて行くのはパーカッションのアンディ・プパート。カホンを中心に金属系の砦に囲まれている。大胆な彼らの演奏に繊細に様々な音をちりばめて行きます。これが、また、すごい。あり得ないような濃密な音の世界に彼が音を入れることで、安らぎ感が生まれる。一歩間違うとすべてが台無しになるような場面でいろいろな音を的確に入れこんでいく。。すごい緊張感と凄まじい集中力が顔に。。ドラムソロならぬ、カホンソロをしたのですが、これが聴けただけでも横浜まできた価値があったと。。

Photo12

と、本当に、ひとりひとりがすごすぎる!!しかし、、いかん、、時間が。。

で、、山のように素晴らしいオリジナルを持つティエリーラング、10分間の休憩で進む2セット目がまた、圧巻でした。1セット目でも心にひたひたくる新曲「Novenber」で、これも名曲だな、、って、うっとりしたのですが、ななんと!!2セット目は「Angels Fly」「Wounds」「Nunzi」とティエリーの名場面が立て続け。。終演にはピアニストとしての存在感がたっぷりの演奏で「Private Garden」まで演奏してくれた。昔からのファンもこの日はじめて聴く人も悶絶死寸前ですよ。
アンコールも新曲だったと思うのですが、この春に新譜がでるそうなので、そこに入る予定なのでしょうか。。
とにかく、想像を遥かに超した超絶なライブだった。。情緒や叙情とか、、美メロやロマンティシズムとか、そういう単純なことだけでくくることができない、、すごいライブ体験でした。きゃーー!

えっとね、東京は、今日のピットイン、そして、関西で二公演。
東京は、、雪なんだけど、、行ける人は行ったら絶対損しないです。。
やっぱり、空いてた日は大使館関係のライブだったようです。
でも、「すぐに帰って来る」って、言ってたとおもうので、新譜も最来日もとても楽しみです。
次回もいけるといいな。。今度は、新潟市にも来てほしいな。。。

ちなみに帰りの高速では、サインいただいた「リフレクションず」の一枚目をかけて爆走しました。雪山の美しい景色とあいまって、、ひとりで感動してました。

んじゃ、退散♪


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