Extended Circle / Tord Gustavsen Quartet
子どもの頃、山の中に住んでいて夜が静かで怖かったです。
特に雪が降った夜は澄んだ静けさとでもいうのか。。本当に静かだった。
東京の雪、横浜の雪、、夜はいかがでしたか?
ECMにはいろいろな素晴らしいミュージシャンがいますけど、現在進行形で大好きな人の1人です。ECMデビューの「Changing Places」より、静寂と美しさといつもわたしの気持ちにぴったり来るアルバムをだし続けてくれています。
全員ノルウェー出身というまさに北欧カルティットです。
厳しい気候、大自然とともに生きて行くノルウェーの人たちの独特な時間の流れ方がここにもあります。
オープナーのRight There、冒頭のグスタフセンの柔らかな音を聴き、ほっとする。
透明感ある音でも、どこか暖かな感触で濡れたような輝きがあると思う。。
静かに静かに進行するピアノトリオ仕様。ドラムもベースもゆったりと落ち着いて時を刻む。
ノルウェーのトラディショナルEg Veit I Himmerik Ei Borg。もの悲しい哀愁と少しの不安。
敬虔な盛り上がりで、トーレのサックスもエモーショナルで訴えかけるものがあります。
Entranceはフリー・インプロヴィゼーション。温度感はかなり低め。
下の方からそっとささやくように聴こえてくるようなThe Gift。美しいタッチ。透明感ある音。
ピアノが鳴ると静かに波紋が広がって行くのわかる感じ。その広がりをベースもドラムも止める事なく進む。これもトリオ仕様。
トーレのサックスが北欧の空気をざっくり含んで少し温度のあがるStaying There。
Silent Spacesはソロ。タイトルそのまま。透徹な響き。心の中に湧く清水。
Entrance, var.は、冒頭雅楽のような雰囲気をもつフリー・インプロヴィゼーション。
ピアノとサックスのゆっくりしたユニゾンが胸にしみるDevotion。メロディックで陽射しが差し込むThe Embrace。
冒頭でベースフィーチャー、ベースのアイレットセンの曲Bass Transition。漂うような美しさとサックスで魅了するGlow。
そして、、終演は氷の世界にはいってしまったようなThe Prodigal Song。。
静寂な世界を堪能したい方へ。
雪景色が似合いすぎるアルバムでした。
1. Right There
2. Eg Veit I Himmerik Ei Borg
3. Entrance
4. The Gift
5. Staying There
6. Silent Spaces
7. Entrance, var.
8. Devotion
9. The Embrace
10. Bass Transition
11. Glow
12. The Prodigal Song
Tord Gustavsen (p)
Tore Brunborg (ts)
Mats Eilertsen (b)
Jarle Vespestad (ds)
雪の被害はいかがでしたか?
新潟市内は、なんだか、申し訳ない感じの今日この頃です。。
雪害にあわれた方々に心からお見舞い申し上げます。
これ以上被害がありませんように。。
んじゃ、退散♪
« Kin (←→) / Pat Metheny Unity Group | トップページ | and we met / 山口泰一郎 森泰人 »
「JAZZ(Far North )」カテゴリの記事
- あくなき探求心 『Sphere / Bobo Stenson Trio』(2023.03.25)
- 5月に「スウェーデン・ジャズ・ウィーク2023」開催される❣️(2023.03.19)
- ボボ・ステンソンが、5年ぶりの新作を出す!(2023.02.25)
- ラーシュ・ダニエルソンの率いるカルテット、リベレットが新譜をだす!(2023.02.19)
- アメリカーナと北欧の出会い 『Villingsberg / Helge Lien Knut Hem』(2023.01.08)
コメント
トラックバック
この記事へのトラックバック一覧です: Extended Circle / Tord Gustavsen Quartet:
» またもや素晴らしい作品を届けたTord Gustavsen [中年音楽狂日記:Toshiya's Music Bar]
Extended Circle Tord Gustavsen Quartet(ECM) ECMにおけるTord Gustavsenの作品もこれで6作目になるはずである。この人については,私はResto [続きを読む]
» 予定調和 Extended Circle / TORD GUSTAVSEN [JAZZ最中]
トルド・グスタフセンっをピットインでみたのは2011年9月4日で、今度のアルバムと同じメンバーだった。その後ベースのマット・アイレットセンは自分のグループで再び来日しているので、そしてトーレともずいぶん古い付き合いなので、なんだか親しみがわくグループという...... [続きを読む]
» Extended Circle/Tord Gustavsen Quartet [ジャズCDの個人ページBlog]
ECMレーベル新譜聴き、ちょっと間を置いて、2日目。トルド・グスタフセンはピアノ [続きを読む]
« Kin (←→) / Pat Metheny Unity Group | トップページ | and we met / 山口泰一郎 森泰人 »
Suzuckさん,こんにちは。TBありがとうございました。
私は金曜日の夜,大雪の中,結構飲んだくれていましたが,さすがに雪が激しくなったこともあり,「いつもよりは」早く,家に帰ってきました。もう少し遅くなると,埋もれていたかもしれません(笑)。
ところで,このアルバムですが,北欧の北欧たる所以を示すと言いますか,ECMの王道と呼ぶべきサウンドには,多くのECMファンが嬉しくなってしまうのではないかと思います。逆に極論すれば,プロデューサーのEicherとしても,こうしたサウンドはTord Gustavsenに担わせればいいと考えているのかもしれませんね。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2014年2月16日 (日) 12時04分
スズックさん、こにんちはmonakaです。
雪のせい帰りが大変だったり、仕事が中止になったり
思わぬことが起こりました。
このアルバム、起こっていることを飲み込んでゆったりと
私たちを包んでくれますね。
投稿: monaka | 2014年2月16日 (日) 20時01分
今日は朝からスタジオ練習で、その後昼間から飲み会で、帰ってすぐ寝てしまい、今起きたところです(笑)。
頭がガンガンしますが、そういう時にはこのクァルテットを静かに聴くのがいいのかもしれません(笑)。今のECMで1枚ってなると、これを選びそうな感じですよね。いいアルバムです。
TBさせていただきます。
投稿: 910 | 2014年2月17日 (月) 01時17分
閣下、、
閣下は、雪の被害が最小限だったようでよかったですね。笑
910さまも仰ってましたが、最近のECMの王道なのでしょうねえ。。「顔」といってもいいくらいですよね。。透明感あっても「きーーん」と冷たいわけではないのですよね。目の前で聴いたらどんな感じなのでしょうねえ。。
ロイハBBもハーシュトリオも行けないとおもうのですね。。フレズも難しい。
そして、、今週は、実家に帰る予定でしたが、大雪で実家の周りの除雪が追いつかないそうです。お家で、「待機」の状況となりました。。。
投稿: Suzuck | 2014年2月17日 (月) 17時45分
ブラザー、、
お江戸方面は、2週にわたって週末がさんざんなかんじですね。お見舞い申し上げます。
グスタフセン、、生で聴いてみたいですよね。
大沢さまにお願い申し上げるしかないんでしょうねえ。。
わたし、、ノルウェーって、大好きな国なんですよ。素晴らしい自然を持っている国なんですが、それって、不毛の大地がかぎりなく広がってるともいえちゃうんですよねえ。。。
人も親切で優しかった。。
そういった風土をしっかり感じるのですけど・・。。
投稿: Suzuck | 2014年2月17日 (月) 17時47分
910さま、、
このアルバムが、、むかい酒かわりですか!
しかし、バンド仲間との呑み会って楽しいだろうな。。
って、確か、、閣下がギターを練習中です。ブロガーバンドつくったら?
って、またまた素晴らしいアルバムにあたりました。。これだから、簡単に今年の一番とかいえないんですよね。。。
ECMに浮かれてると、、ACTに殴打される。。って、感じ。。
投稿: Suzuck | 2014年2月17日 (月) 17時50分
buy hermes vans shoes Extended Circle / Tord Gustavsen Quartet: My Secret Room
投稿: united kingdom hermes | 2014年2月22日 (土) 21時48分