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音楽で拡がる輪

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2013年6月22日 (土)

La notte / Ketil Bjornstad


知ってました?
夏至がすぎちゃったんですよ。
一年で1番日の長い日をすぎると、次第に夜が長くなっていくわけです。
七夕も夏祭りもこれからだけど。。

Ketil Bjornstadは、ノルウェーはオスロ出身のピアニスト&コンポーザーです。
たっくさん、ECMからアルバムだしてるのですが、、
わたしが彼にタイトルをつけるならば、、「わたしと夜と静寂と」。。。って、ベタベタなものになります。(笑)
結構、エモーショナルな演奏もありますが、スィングするジャズの熱さとは違います。。

幕開け、深淵なる世界、意識の奥の奥の方からきこえてくるチェロとパーカッション、ピアノが加わるとともに、奏でられるメロディの重厚さと美しさにノックアウトです。深く、こころの溝をなぞるような弦の響き。。そこに重なる音の全てがぴたりとはまり、すとーんと、自分の心の中に落ちてしまいます。
2曲目はかなりポップでキャッチーなメロディで、厚みのあるバックに押されてAndy Sheppardが感情豊に吹き上げて、ギターが歪んだサウンドで力強さを加えます。シェパードの痛快アクションに思わず、のけぞったりしてね。マズールのおドラム、パーカッションがこれまた、のけぞります。はい。最後まで、ダイナミックな演奏。

と、チェロを中心に進んで行く3曲目はソプラノの響きが哀愁を帯びる。遠くに旅立ちたい異国情緒をかき立てられます。。
ピアノの音とマズールのパーカッションが静かで優しい4曲目、チェロの美しさ、優しさも加わって穏やかなひととき。ゆっくり、ゆっくり、、綺麗な音を集めたような5曲目。

全編穏やかなチェロの音色で始まる6曲目は後半最後の方で、アンデルセンのベースのピチカートと絡んで混沌とし始め、その余韻を持ったまま、アグレッシブなすげぇかっこいいアンデルセンのベースソロからはじまる7曲目へ続く、再び、沢山の音が重なってエキサイティングな演奏。ぐんぐんと引っ張って行くベースが印象的でかっこええのですが、ギターもかなり歪んで吠えます。しかも、かなり個性的なフレーシング。どうなんだろう?ジャズフェスの会場なんで、盛り上がったと思うんだけど、夜の音楽ファン的には「これじゃ寝られないだろう!」って、文句がつきそうです。(笑)

そんなわけで、終演はチェロとピアノがこころの静けさを求めて、遙かな旅立ち、、。。。

静と動がはっきりしてるのですが、真ん中を貫く美意識はまったくぶれないので、1間を聴き終えた時には、やはり、美しさと静けさに沈む1枚だと思います。。
やっぱり、お家で独りでゆっくり聴くのが1番なんだけど、、そういう環境ってなかなか、、難しいのかもしれませんね。。

タイトルが数字になっていて、なんとなく、恐ろしげな(笑)予感がしてしまったりするのですが、基本、いつもこんな感じです。
それに恐れることなく(笑)、チャレンジすると、風そよぐ白夜の風景につれてってもらえるかもしれません。

1.I
2.II
3.III
4.IV
5.V
6.VI
7.VII
8.VIII

Andy Sheppard (ts, ss)
Anja Lechner (cello)
Eivind Aarset (g, electronics)
Arild Andersen (b)
Marilyn Mazur (per, ds)
Ketil Bjornstad (p)

素敵な休日をお過ごしくださいね。

んじゃ、退散♪

La_notte


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JAZZ(Far North )」カテゴリの記事

コメント

ケティル・ビヨルンスタの演奏は、今までは、ひたすら美しいピアノ、という感じだったんだけれども、今回はメンバーがメンバーなので一筋縄ではいかない感じが、また良かったりして。でも、ジャケットにはマンフレート・アイヒャーのプロデュースとは書かれてなくて「An ECM Production」と書かれているんですよね。まあ、こういう制作(持ち込みなのかな?)もアリということで、演奏には満足しています。

TBさせていただきます。

suzuckさん、こんにちはmonakaです。
このアルバムコンサートだからききごたえももりこまれていますが、彼の世界が連なって近年では一番好きなアルバムになりました。

910さま、、

>ケティル・ビヨルンスタの演奏は、今までは、ひたすら美しいピアノ、という感じだったんだけれども、今回はメンバーがメンバーなので一筋縄ではいかない感じが、また良かったりして。

はいはい。
そこが、今までの信者にどう受け取られるか。。


>でも、ジャケットにはマンフレート・アイヒャーのプロデュースとは書かれてなくて「An ECM Production」と書かれているんですよね。

どうなんでしょう。
でも、アイヒャーの美学からも外れてないと思うんですけど。。

>まあ、こういう制作(持ち込みなのかな?)もアリということで、演奏には満足しています。

そうなんですかねぇ。。
このアルバムは、わたしはなかなか気に入ってます。

>TBさせていただきます。

ありがとうございます。
お返事遅くなってすみません。。

最中さま、、

>suzuckさん、こんにちはmonakaです。

はいはい。

>このアルバムコンサートだからききごたえももりこまれています が、彼の世界が連なって近年では一番好きなアルバムになりました。

そう、ジャズフェスのライブ盤なんですよねぇ。
それも、びっくりなくらい、いい作品ですよねぇ。
かなり、エモーショナルな部分も含めて、気に入ってます。

なんだか、一段落ついたことがあって、、前に進むとはなんだろう、、と、思っております。
最中さまのタイトルは、実に意味深でありました。。

Suzuckさん,こんばんは。

これ,凄くいいですねぇ。Ketil Bjornstadのアルバムでも相当好きな部類に入れたくなります。まさしく「静と動がはっきりしてるのですが、真ん中を貫く美意識はまったくぶれない」と言い切ってよいアルバムでした。

このメンツで日本に来ること自体ありえないでしょうが,どういうステージングなのか凄く興味が湧いてしまいました。やはりいいメンツを揃えて,リーダーの哲学にぶれがなければいい演奏になるってことでしょうね。

ということで,TBさせて頂きます。

閣下、、

>Suzuckさん,こんばんは。

はいはい。

>これ,凄くいいですねぇ。Ketil Bjornstadのアルバムでも相当好きな部類に入れたくなります。まさしく「静と動がはっきりしてるのですが、真ん中を貫く美意識はまったくぶれない」と言い切ってよいアルバムでした。

そうなんですよね。
静寂な空間ばかりではないのですが、美意識がはっきりしているので、やはり、ひんやり美しいイメージだけが残りますよね。

>このメンツで日本に来ること自体ありえないでしょうが,どういうステージングなのか凄く興味が湧いてしまいました。やはりいいメンツを揃えて,リーダーの哲学にぶれがなければいい演奏になるってことでしょうね。

わぁ、、このメンバーで、って、難しいでしょうねぇ。。
お隣の国には何時か、、来るかもねぇ。
ラーシュダニエルソンも来てるものなぁ。。。。

しかし、連日の猛暑、、大変ですねぇ。
お見舞い申し上げます。
新潟も暑いのですが、そちらに比べると、、がまんできそうな、、気がしますです。。
って、がまんできないけど。(笑)


>ということで,TBさせて頂きます。

わたしも、トラバしました。m(_ _)m

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