Kubic's Monk / Pierrick Pédron(Pierrick Pedron)
空が高い。
高く、薄く、彼方にある薄い薄い雲を瞼に思い出しながらみる空色。。
パノニカ婦人に「あらぁ。。セロニアス!あなたは既にその願いをみんな持ってるじゃない!!」と三つの願いついて言われたThelonious Sphere Monk。そう、今年はセロニアスモンクさまの没後30年なのだそうです。
そんなこんなにあわせてか、フランスのアルトサックス奏者Pierrick Pedronがコードレスなサックストリオで挑んだ新譜なのですわ。モンク集をピアノレスで、って、いい企画じゃん。しかも、リーダー作が知的でびっくりしたトランペットのAmbrose Akinmusireがギンギンに吹いてる。。
独特な音の階段で、不気味可愛いメロディは、わたし的例えだと。。
ハイヒールで急いで螺旋階段を駆け上り、思わずヒールを踏み外したときのあのスリル!本当に踏み外したら、したまで落ちちゃうんだけど、、そうでなくて、その一瞬。
恐怖と安堵、そんな大きな感情の振り幅を曲の中で楽しめちゃう感じかなぁ。。
あ、すずっく、ぐだぐだ言ってると、時間がなくなるぞ!よし、さっさと行けっ!!
ペドロンのアルトはじまるThink Of One。ドラムのアグレッシヴなプッシュが効果的に響く。
ピアノレスを忘れる楽しいドラムが終始きけるAsk Me Nowは、速いフレーズを時折決めたり、ペドロンはじめメンバー三人でしっかりモンクの音楽を楽しむ。
豪快に走り抜けるペドロンと力強く、多彩な反応で活躍するアギュロン、アギュロンとはツーカーのブラメリのコンビがかっこいいSkippy。暫く、脳内リーピート。
洗練されたUgly Beauty。やっぱ、エスプリ満載♪
Who Know'sは、アキンムシーレとの高速2管ユニゾンからかっこよくはいる。ペドロンもかっこいいけど、アキンムシーレのテンション高い演奏でドッキリ。
渋くドラムとピチカートのベースのソロからはいるLight Blue。遠くからはいってたんたんと吹き続けるペドロン。この三人の関係もモンクぽくて不思議な魅力に満ちている。
可愛いんだか、なんだか。。Trinkle Tinkle。これもモンクらしいメロディだと思うんですが、一気に吹き倒します。
再び、アキンムシーレはいって、Sixteen。モンクのメロディって、なんだか遠くからユーモア感じて、、靴の裏からくすぐられてるような気がするんだけど、ペットのソロを聴きながら再びそんなことを思ったり。ペドロンは正攻法なソロだと思うなぁ。
三人の息の合ったEvidence、Four In Oneもこれでもかとか、いう感じ。緊張感はあるんですけど、遊び心みたいなものがいっぱい。巧さはどんと感じても、堅苦しさはないですわ。
終演は、アキンムシーレが入ってWe See。シリアスなんだけどダンサンブルなソロを展開し聴かせます。うーん、、それって、表現としては変?でも、そんな感じなのですわ。もちろん、ペドロンもここぞと、対抗。トリオの時と違う緊張感が、アルバム的にはスパイスになってるのかもしれません。後半の一瞬の混沌とした感じでの互いの反応さすが、って、感じで、We See♪
ACTのアルバム的には、かなり真っ当にジャズしてる思います。
このレーベルの好きな民族色がない代わり、モンク色と来たかぁ。。って、感じ。(笑)
3人の阿吽も、素晴らしい。でも、堅苦しもなくて楽しいですよ。
いきいきとしたリズムから来る躍動感が、ピアノレスであっても退屈はさせないと思います。モンク集だけどピアノレスにした冒険?が、すでにクラシックになってきてるモンクの音楽集を新鮮できける。。って、感じですかねぇ。
わたし的には、なんの文句もない感じです。はい。
1.Think Of One
2.Ask Me Now
3.Skippy
4.Ugly Beauty
5.Who Know's
6.Light Blue
7.Trinkle Tinkle
8.Sixteen
9.Evidence
10.Four In One
11.We See
Pierrick Pedron (as)
Thomas Bramerie (b)
Franck Agulhon (ds)
Ambrose Akinmusire (tp #5,8,11)
現在、来日中なんです。仙台のジャズフェスとかでるらしい。
で、なんと、東京ジャズの「The Plaza」に出演なんですねぇ。
9月9日(日) 18:30〜19:15だって。
カノンさんは、このことを言ってたんですわ。
「The Plaza」は、東京フォーラム地上広場、、無料ですわ。。。。
さすがに、トランペットはいないのですが、この演奏を間近で聴いてみたい。
なぜか、、発売前なのに?英の密林で中古で送料入れても1000円足らずで手に入れた、、
土下座して、、おわびしたい気分です。。
ライブ先では、すでに販売してるのかな。
今日のおまけは、気が遠くなるほど美しいUgly Beauty。
Paul Motian (ds) Joe Lovano (ts) Bill Frisell (g)
んじゃ、退散♪
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Pierrick Pedron(As)
Thomas Bramerie(B)
Frank Agulhon(Ds)
Ambrose Akinmusire(Tp)5,8,10
Rec. June 2012, Paris
(ACT 9536)
ピエリック・ペドロン(1969年生まれ)を聴くのは「Pierrick Pedron... [続きを読む]
はい、そのことでした。CD、会場でもうってましたよ。
わたくし的には今年の東京ジャズのメインですから、たのしみたのしみ。
投稿: カノン | 2012年9月 8日 (土) 21時46分
カノンさま、、
おはよございます。
朝から肉体労働だったんですが、、
今日は珍しく早く終わった。。
今年、最後の町内のご奉公でした。
>はい、そのことでした。CD、会場でもうってましたよ。
前に呟いてましたよね。
てっきり、普通に来日なのかと思ってしまいました。
そう、会場でうってるんだろうな。
>わたくし的には今年の東京ジャズのメインですから、たのしみたのしみ。
アルトサックスお好きでしたよね。
このトリオで来るのは見逃せないよね。
やっぱり、このまま聴いてみたい。
フランス好きなお姉さまがいらっしゃるのですが。。
彼女も聴きたいだろうなぁ。
って、午後は病院だし。。
ではでは。
投稿: Suzuck | 2012年9月 9日 (日) 07時26分
こちらからもTBさせていただきます。
本作は大好きなモンク曲集に加えてアギュロンがバッキングで大活躍で、もうそれだけでもウハウハ状態で楽しめました。
もちろん他のメンバーもよかったですが、せっかくのピアノレスなのだから、ペドロンはもっとぶち切れるような部分なんかがあってもよかったのではと思います。
投稿: nary | 2012年9月28日 (金) 20時32分
naryさま、、
9/27分の記事からトラバ復帰なのですね。
では、次回はトラバいたします!
>こちらからもTBさせていただきます。
ありがとございます。
>本作は大好きなモンク曲集に加えてアギュロンがバッキングで大活躍で、もうそれだけでもウハウハ状態で楽しめました。
アギュロンかなりかっこいいです。
ライブでも、圧倒的なパフォーマンスだったようです。
>もちろん他のメンバーもよかったですが、せっかくのピアノレスなのだから、ペドロンはもっとぶち切れるような部分なんかがあってもよかったのではと思います。
そうですか。なるほど。。
わたしとしては、うまくまとまったアルバムだと思いました。
むしろAkinmusireがリーダー作より、ストレートにテンションあがっていて面白かったです。
どうも、ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2012年9月29日 (土) 08時09分