The ACT Jubilee Concert(2)
あぁ、、暑い。
溶けて流れてしまいそう。。
昨日から続く。。
拍手とともに、モスクや祈りを連想させる中近東風のグエンレのギターソロではじまる。というより、宇宙だろうか。インプロのフレージングの中にLittle Wing色の煙が漂った気がした瞬間…Little Wingがはじまる。ゆったりとはじまるのですが、インプロに入ってはテクニックはもちろんですが、本家ジミヘンのように感情の盛り上げ方が素晴らしい。
ウォルニー作Lonely Danceは、陰鬱な曲調。ウォルニーと女性バリトンサックスのボナチナがゆったりとともに歩む。アグレッシブなバリサクを聴かせるボナチナもここでは、ちょっと女性的な感情の柔らかさを前にだした演奏。そして、その後ろのウォルニーのバッキングが影絵のように美しい。次曲はそのボナチナをフューチャーしたボナチナ曲Zigzag Blues。アップテンポで変拍子をガンガン飛ばす彼女にまわりの演奏もファンキーっ!
ドラムのハフナーの曲でSilent Way。これもしっとりと美しいバラード。ラングレンのトロンボーンがたんたんとメロディを奏でる。柔らかなロングトーンの中でピアノのシングルトーンが宝石のように光る。
コンサートも終盤。終演に向かってACT Family Bandが一丸となって突き進みます。
まずは、ダイビングの事故で不慮の死を遂げたスベンソンの曲Dodge the Dodo。彼の特有の単調なリズムで短いフレーズを繰り返す脳内循環しちゃう曲。ペットのポホヨラがダークな グエンレのソロも鬼神のようです。全員で演奏するテーマの切れ味の良さとサウンドの厚さは気分の高揚を抑えられない。
ノービーも加わって(前曲でもちょっと参加)スベンソンのLove Is Realが終演曲。スベンソンの「Believe Beleft Below」に歌詞がついたものです。先ほどとは一転、優しさがこぼれ溢れるような曲で、なくなったスベンソンも音の一つ一つに魂をこめるように弾いていたのですが、ラングレンとノービーのデュオもスベンソンの意志を受け継いだ丁寧な歌唱。全員でスベンソンの想い出をかみしめるよう。。
と、ここで簡単に終演になるわけもなく、アンコールではじまったのは、、ななんとジミヘンのPurple Hazeだぜぇ。イェーい。もともと太めの低い声のノービーにドスが入って、当然ながらグエンレが本家も驚くほどの大活躍のプレイで痺れます。と、グエンレを核に全員でとくにボナチナ、ハフナーとグンエンレ、ノービーが絶叫モードで混沌としたサウンドをぶつけてきます。カッコイイィィ!!
って、こりゃジャズのコンサートのアンコールとしては異色でしょう。
最後まで煽ってるぞぉ。でも、会場はヤンヤンです。わぉ。おしまいっ。
コンサートだけあって、緩急つけたバラエティにとんだ選曲。
過去に演奏してる曲でも、メンバーやアレンジを代えて楽しめる志向です。
この組み合わせ聴いたことあるじゃん、って、思わず、ACTファンは是非どうぞ。
楽しかった!ハイ、パチリっ♪
ディスク 1 (こっちをみてね)
1. Pasodoble
Leszek Mozdzer & Lars Danielsson
2. Sleep Safe and Warm
Leszek Mozdzer
3. Svantetic
Leszek Mozdzer & Michael Wollny
4. The Tears of Billie Blue
Caecilie Norby, Nguyn Le, Lars Danielsson & Wolfgang Haffner
5. Stars in Your Eyes
Nils Landgren, Michael Wollny, Lars Danielsson & Wolfgang Haffner
6. Hymn
ACT Family Band ,Caecilie Norby
7. This One Goes in Four
ACT Family Band
ディスク 2
1. Little Wing
Nguyen Le & Lars Danielsson
2. Lonely Dancer
Cline Bonacina, Michael Wollny & Lars Danielsson
3. Zigzag Blues
ACT Family Band ,Cline Bonacina
4. Silent Way
Wolfgang Haffner, Nils Landgren, Michael Wollny & Lars Danielsson
5. Dodge the Dodo
ACT Family Band
6. Love Is Real
ACT Family Band ,Caecilie Norby
7. Purple Haze
ACT Family Band ,Caecilie Norby
[ACT Family Band]
Nils Landgren (tb,vo)
Cline Bonacina (bs)
Verneri Pohjola (tp)
Michael Wollny (p)
(g)
Lars Danielsson (b)
Wolfgang Haffner (ds)
[Special Guests]
Caecilie Norby (vo)
Leszek Mozdzer (p)
このライブ盤は、待ちに待ってやっと8月のはじめにはいってきた。
で、最初にきいたのはディスク2のリトルウイング。ダニエルソンとデュオだしね。
リトルウィングは、知ってる人には、ギター曲ではちょうスタンダード。
だけど、一般的には無名曲らしいのですね。(ホンとか?)
ジャズ好きは、やはりギルエヴァンスで衝撃を受けた1曲ですはないでしょうか。
グエンレはジミヘンが好きなので、自分のアルバムでも取り上げてます。
いつも途中まで、「めちゃうまいんだけど、、なんかなぁ…」って思うのですが、気がつくとの息も絶え絶えにノックアウトされてます。今回も同じパターン。
YouTube探すと、、このコンサートのリトルウイングの演奏もあるんですが、それってどうよっ、って、ことで。。
歌のお姉ちゃんもかっこいいし、グエンレのギターもお約束のように大爆破でイケテルと思うので、、今日のおまけはこっち。
こういう演奏を目の前で聴いてみたい。
日本に呼んでけろ。
つうか、ACT二十周年ツアーってことで、みんなで来日ってどうでしょう。。
最後に、週末なので大きくおまけ。この2枚組が捧げられていたEsbjorn Svenssonご本人のBelieve, beleft, belowをどうぞ。
全身全霊で1音に命を送る姿…そして、左手薬指に光るリングに胸が痛みます。。
んじゃ、退散♪
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Nils Landgren(Tb, Vo)
Celine Bonacina(Bs)
Verneri Pohjola(Tp)
Michael Wollny(P)
Nguyen Le(G)
Lars Danielsson(B)
Wolfgang Haffner(Ds)
Guests: Caecilie Norby(Vo), Leszek Mozdzer(P)
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Nils Landgren(Tb, Vo)
Celine Bonacina(Bs)
Verneri Pohjola(Tp)
Michael Wollny(P)
Nguyen Le(G)
Lars Danielsson(B)
Wolfgang Haffner(Ds)
Guests: Caecilie Norby(Vo), Leszek Mozdzer(P)
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こんばんは♪
わぁ ダニエルソンさまだぁ。
ACTファミリー ダニエルソンさましかわからない...
YouTube探してみるね♪
2枚組のライブ盤とは 豪華!
投稿: Marlin | 2012年8月25日 (土) 23時40分
Marlinさま、、
TOKUさまって、新潟の三条の方なんですよ。
夏の万代ジャズフェスには必ず出演されます。
>こんばんは♪
>わぁ ダニエルソンさまだぁ。
はい。
(1)にのせたYouTubeには奥さまもいるのよねぇ。
>ACTファミリー ダニエルソンさましかわからない...
Nguyn Leは去年の夏わたしが大騒ぎしてたギター。
Nils Landgrenはトロンボーンなのですが、歌うんです。
で、この辺の方々を束ねるような役どころをよくしてますよ。
>YouTube探してみるね♪
>2枚組のライブ盤とは 豪華!
そうなんです。
わたしは集中力ないので2枚組と長編大作が苦手なんです。
でも、ナリーさんも書かれてますが、曲ごとに編成が違ったりしてますので、
とても楽しいですよ。
投稿: Suzuck | 2012年8月26日 (日) 23時58分
Nguyn Leはいいですね。1枚しか持っていないけど。あのヘンタイ的ウネウネをいつまでも聴いていたい。元祖ヘンタイ的なフリゼルが昇天したような感じなのでNguyn Leをもっと聴かないと、って改めて思いました。
投稿: ken | 2012年9月 4日 (火) 21時39分
kenさま、、
Nguyn Leって、ベトナム系のフランス人なのですが、日本語にするとグエンレ、ってのが近いのかなぁ。時々、ベトナムで演奏してるそうですよ。
日本には、全然、、来ないんだよねぇ。日本、嫌いなのかぁ。
>Nguyn Leはいいですね。1枚しか持っていないけど。あのヘンタイ的ウネウネをいつまでも聴いていたい。
今は、ここに張り付いたYouTube聴きながら書いてたんだけど、
ヴォーカルねぇちゃん、、聴き直すとちょっと微妙。。。
でも、グエンレの7分あたりからのソロでまぁ、何でもよくなってしまいますが。(爆)
>元祖ヘンタイ的なフリゼルが昇天したような感じなのでNguyn Leをもっと聴かないと、って改めて思いました。
昇天ですか。角が丸くなったってことかしら。
なんでしょうか、グエンレのギターって、駄目な人はホンと駄目だし、好きな人はぐちゃぐちゃにはまってしまいます。
去年の彼のアルバムは面白かったので、皆さんに受けてましたよ。
https://mysecretroom.cocolog-nifty.com/blog/2011/06/songs-of-freedo.html
よかったら、おためしください。
たぶん、kenさまは、もっともっと、エスニック風味が効いてる方が好きなのかもしれませんが、、
って、ことで、、ジョンスコの次はグエンレかけよ♪
投稿: Suzuck | 2012年9月 5日 (水) 09時12分