Number Five / Tom Harrell
暑い。
青い陰影のあるジャケットに描かれるハレルのトランペットを吹く影はまるで夢の中、幻影のようでこの熱さを忘れさせてくれる。。
ちょっとクールでダークなサウンド、この暑さを涼みましょう。
トムハレルもわたし的にはダーリン♪
発売とほぼ同時に仕入れて、大変気に入っておりましたが、タイミングがあわずに二ヵ月くらい遅れです。はい。
今回は、このレギュラーバンドで5枚目、五人組をかけて、タイトルがNumber Five?かな。毎年、コノメンバーで1枚づつだしていて、全部買ってるのですが、、去年は感想をあげるのがおやすみになってしましました。
今年は、リリース前から期待してたんですね。理由は、どっかに書いたけど、若いメンバーが何気に上昇気流にのってることと、ジャケットのブルー。(笑)
ハレル曲が8曲、ガレスピ−、ダメロン各1曲、スタンダードのStar Eyes、全11曲。
いけッ!
オープニングはハレルのトランペットとブレイクのドラムのデュオではじまるガレスピーのBlue 'N' Boogie。2人で軽快に疾走し、そのままドラムソロ。1曲目からヒートアップしてるのですが、スペイシーな展開なのでさくっと軽い。その空間をざっくりと生かすようにフリューゲルでロマンチックなバラードを効かせる。エスコフェリー、ハレル、ゆったりと情感のこもった演奏のRight as Rain。一転、タイトル曲No.5 はクインテットでハードバピッシュに決める。各自ソロもビター&ダーク。
再び、ゆったりと叙情豊かな曲でJourney to The Stars。フリューゲルとピアノのデュオに本人ハレルのトランペットをオーヴァーダヴ。スモーキーな雰囲気が胸にしみます。
クインテットで抽象的な演奏もしているGT。エスコフェリーのストロングでビターなソロが印象的。グリグリっと吹いてます。
またまた、グリセットと美しいメロディの曲でデュオ。今度は、ローズです。もう、うっとりしてしまう透明感のソロのPresent 。ハレルのゆったりした歌心と本当にぴったりきます。夢の国ですわ。その漂うような空間残したまま、、ハレルの独奏でStar Eyesですよ。素晴らしいのだ。やり過ぎも、足らないところもなく、、胸がいっぱいにはぁとがつまります。(笑)
たんたんと吹いているのですが、楽器ってテクニックだけでは、どうにもならないもんだよなぁ、と、しみじみ思う味のある演奏です。
Preludiumは、ベースフィーチャーのダークな曲。フロント2人とそれぞれデュオで演奏するのですが、倦怠感たっぷりで地を這うようなくらい雰囲気がスパイス的な感じ。
その雰囲気をそのまま、今度は、グリセットのローズとフロント2人のThe Question。2曲同じ曲みたいに暗く静かな雰囲気。
で、バンド的には終演に向かってスリリングに全員で駆け抜けていくMelody in B-Flat。
快調、快調!これで、おしまい?って思うと、再び、ハレルの独奏でダメロンのA Blue Time。これも、たんたんと良い雰囲気です。最後の最後まで聴かせてくれる。
終演。。
バンドのメンバーの特徴をうまくフィーチャーした感じの構成で、気に入りました。
そして、何よりハレルが良い感じなんですよ。好調です。
またかあぁ、って、いわずに、、是非、是非!
1. Blue 'N' Boogie
2. Right as Rain
3. No.5
4. Journey to The Stars
5. GT
6. Present
7. Star Eyes
8. Preludium
9. The Question
10. Melody in B-Flat
11. A Blue Time
Tom Harrell (tp, flh),
Wayne Escoffery (ts)
Danny Grissett (p, rhodes)
Ugonna Okegwo (b)
Johnathan Blake (ds)
月末ですね。
あっという間に、、7月が過ぎ去っていきます。
あれこれ、やらなくちゃ。でも、暑くて、、駄目。。
んじゃ、退散♪
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Tom Harrell(Tp, Flh)
Wayne Escoffery(Ts)
Danny Grissett(P, Rhodes)
Ugonna Okegwo(B)
Johnathan Blake(Ds)
Rec. December 30, 2011, NY
(High Note HCD7236)
「Tom Harrell/Light On(07年、... [続きを読む]
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Tom Harrell(tp,flh)
Wayne Escoffery(ts)
Danny Grissett(p,Fender Rhodes)
Ugonna Okegwo (b)
Johnathan Blake (ds)
Rel:2012 HighNote HCD7236
Recorded at System Two Recording Studio ,NY on December 30.2011
注目作が目白押しにリリースされる5,6月の作品の中でも楽しみにしていたTom ..... [続きを読む]
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すずっくさん,こんにちは。TBありがとうございました。
こう暑い日が続くとデブには厳しいですが,更に夏風邪も重なり,コンディション最悪です。
このアルバムですが,私は前作は試聴機で1曲目を聞いた時点で購入を諦めましたので,およそ2年ぶりのHarrellでした。今回はすずっくさん同様,ジャケを見てこれなら大丈夫だろうと判断し(?),試聴なしでの購入でしたが,演奏としてはなかなかよかったですよね。
まぁ,これだけのメンツを揃えたバンドというのはなかなかない(あとはJeremy Peltですかねぇ)わけですが,それでも多少の変化やらは必要ということで,今回のアプローチになったのかなぁなんて想像しています。アルバムとしてのまとまりという点に目をつぶれば,演奏は十分楽しめました。
ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2012年7月29日 (日) 13時36分
こんばんは〜
ほんと 暑くて 出掛けるのが億劫になります。
このアルバム、ピアノがダニー・グリセットなのですね。
グリセット買いっていうのもありでしょうか...
あっ それから夜行雲 読みました〜
スイスの一番初めに紹介されていたアルバムも良さそうですね♪
投稿: Marlin | 2012年7月29日 (日) 23時26分
こちらからもTBさせていただきます。
本作はいきなりトランペットとドラムスのデュオからスタートしているのが意表を突きました。
そんな流れでメンバー全員で演奏していない曲が多かったのが新鮮だったのですが、この手法で次回作もとなるとマンネリになってしまうわけなので、また何らかの手を打つ必要はありそうです。
ハレルがやりたいことを完璧に把握している有能なメンバー揃いではありますが、思い切って別の人に代えてしまうのが手っ取り早いのかもしれません。
投稿: nary | 2012年7月29日 (日) 23時47分
閣下、、
うむ。。
>すずっくさん,こんにちは。TBありがとうございました。
いえいえ。
気がついたら、すぐにトラバ、これが合い言葉です。はい。
>こう暑い日が続くとデブには厳しいですが,更に夏風邪も重なり,コンディション最悪です。
風邪ひいたのですか?
それはおだいじに。
おへそだして寝ちゃ駄目よ。
そう、デブ、って言葉に、ドキットするわたし。。。
>このアルバムですが,私は前作は試聴機で1曲目を聞いた時点で購入を諦めましたので,およそ2年ぶりのHarrellでした。今回はすずっくさん同様,ジャケを見てこれなら大丈夫だろうと判断し(?),試聴なしでの購入でしたが,演奏としてはなかなかよかったですよね。
そうなんですか。意外と賢明ですねぇ。(笑)
って、冗談ですが、、試聴も大事ですよねぇ。
でも、試聴すると、、ほとんど買わなくなったりして。(笑)
>まぁ,これだけのメンツを揃えたバンドというのはなかなかない(あとはJeremy Peltですかねぇ)わけですが,それでも多少の変化やらは必要ということで,今回のアプローチになったのかなぁなんて想像しています。
わたしはカツカツしてるより、こっちがいいや。
でも、それぞれにスポットあてて、それに応えてくれるだけのメンバーですよね。
>アルバムとしてのまとまりという点に目をつぶれば,演奏は十分楽しめました。
統一感、って、ことですか?
うむ。。比較的ダークな色合いで統一されてると思ったけどなぁ。
>ということで,こちらからもTBさせて頂きます。
ありがとございまあす。
投稿: Suzuck | 2012年7月30日 (月) 18時28分
Marlinさま、、
>こんばんは~
>ほんと 暑くて 出掛けるのが億劫になります。
うん。でも、お外にでかけないとならない用事ばかりです。
あちこちで、、待ち時間にiPhoneでリンク先を覗いたりするんだけど、なんだか落ち着かない毎日じゃ。
>このアルバム、ピアノがダニー・グリセットなのですね。
うん。そうなんですよ。
デュオをやっていますが、やはり素敵に仕上がってます。
繊細なんだなぁ。いつか、ハレルとデュオのアルバムださないかなぁ。。
>グリセット買いっていうのもありでしょうか...
ありなんですが、普通にトムハレルって、Marlinさま好きだと思いますよ。
>あっ それから夜行雲 読みました~
>スイスの一番初めに紹介されていたアルバムも良さそうですね♪
ありがと。Gregoire Maretさまね。
夏の夜はハーモニカ良いですよねぇ。
あそこはね、最初の3枚は新譜からしか書いてないの。
自分を、縛ってるんだ。じゃないと、だらけるから。(爆)
でも、トーツ&ケニーワーナーってデュオもあるのよ。
投稿: Suzuck | 2012年7月30日 (月) 18時32分
naryさま、、
>こちらからもTBさせていただきます。
はい。ありがとございます。
>本作はいきなりトランペットとドラムスのデュオからスタートしているのが意表を突きました。
かっこよかったですよね。
>そんな流れでメンバー全員で演奏していない曲が多かったのが新鮮だったのですが、この手法で次回作もとなるとマンネリになってしまうわけなので、また何らかの手を打つ必要はありそうです。
今回のパターンはないんじゃないかなぁ。。
わたしは、バンドサウンド的には極みにきたし、良いと思うんだけど、、
でも、次回はあるんだろうか。。って、思ってしまいました。
ただ、、ハレルの病気のことなど考えると、こうやって培ってきた関係も演奏に大事なので、この人間関係が続くのかな、とも、、思います。
>ハレルがやりたいことを完璧に把握している有能なメンバー揃いではありますが、思い切って別の人に代えてしまうのが手っ取り早いのかもしれません。
そうなのかもしれないけど、また、1からは大変でしょうねぇ。
ありがとございました。
投稿: Suzuck | 2012年7月30日 (月) 18時34分
ご返事おそくなってすみません。
前作とはうってかわって、しょっぱなのタイトな演奏でつかみはokでしたね。アルバム全体のメロディの粒としては、Roman Nightの方が・・と思ったりしてるんですが、レギュラーメンバーを集めながらもミニマムな編成でキレよく弾けてくる演奏が心地よいです。
それにしてもダニグリとのデュオは、宇宙的というかクールな感覚が今の猛暑に対抗するのにいい清涼剤になってます。
投稿: とっつぁん | 2012年8月 1日 (水) 23時41分
とっつぁんさま、、
実は、とっつぁんさまが最近ブログで書かれてる二つ(ジャズじゃないやつ)も我が家では時々まわります。
でも、最近は今宵自動エントリーになってる、、あれをよく聴いてます。
買った?絶対、気に入ると思うんだけど。
>ご返事おそくなってすみません。
いえいえ、お互い様です。
>前作とはうってかわって、しょっぱなのタイトな演奏でつかみはokでしたね。
はいはい。その通りです。
>アルバム全体のメロディの粒としては、Roman Nightの方が・・と思ったりしてるんですが、レギュラーメンバーを集めながらもミニマムな編成でキレよく弾けてくる演奏が心地よいです。
Roman Nightって、Roman Night曲が近年の作品では好きなんですねぇ。
アルバムも良いですね。
>それにしてもダニグリとのデュオは、宇宙的というかクールな感覚が今の猛暑に対抗するのにいい清涼剤になってます。
今回は、多少の熱さもありますが、全体的に清涼剤盤だと思ってます。
デュオのアルバムださないかなぁ。
ピアノとローズの両刀遣いで。どっちも、、良いなぁ。。なんちゃって。
ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2012年8月 2日 (木) 18時23分
Suzuckさん、おはようございます。
昨日は五輪の試合の時間に、非国民にも自分がサッカーしてました。昔取った何とやらをたま~にやってるので、身体が鍛えられるわけもなくいつも身体がガタガタです。
>でも、最近は今宵自動エントリーになってる、、あれをよく聴いてます。
>買った?絶対、気に入ると思うんだけど。
去年のアルバムのライブ盤がでたらなあとおもっていたんですが、でたんですね。夏にあう音楽かは別にして(僕は正統派のほうです、、)聴いてみます!
投稿: とっつぁん | 2012年8月 5日 (日) 09時42分
とっつぁんさま、、
>Suzuckさん、おはようございます。
はいはい。
>昨日は五輪の試合の時間に、非国民にも自分がサッカーしてました。昔取った何とやらをたま~にやってるので、身体が鍛えられるわけもなくいつも身体がガタガタです。
うーん。
気持ちは応援してると言うことで。
我が家のダーリンは大好きなのですが、自分はまったくしませんので、テレビで応援してます。
>>でも、最近は今宵自動エントリーになってる、、あれをよく聴いてます。
>>買った?絶対、気に入ると思うんだけど。
>去年のアルバムのライブ盤がでたらなあとおもっていたんですが、でたんですね。夏に>あう音楽かは別にして(僕は正統派のほうです、、)聴いてみます!
これは、内容は燃え上がってますが、暑苦しさはないない。(笑)
開放感があって、正当派だと思いますよ。
今は、グエンレでリトルウイング聴いてますけどね。
輸入盤は安かったと思います。是非、是非。
投稿: Suzuck | 2012年8月 6日 (月) 18時21分