Me, Myself & I / Kenny Werner
Live at the Upstairs Jazz Bar & Grill as part of the Montreal International Jazz Festival
ブナの葉が大きく開き、重たそうに下を向いています。
こぶしと桜の花びらはまだ茶色の多い芝の上に舞い降りました。
四月、、卯花月が終わろうとしています。
わたしは2010年にだしたソロアルバム「New Yoek-Love Songs / Knny Werner」も素晴らしかったと思うのですが、ブログにエントリーはできなかったのですわ。こちらはオリジナルでニューヨークへの想いを描いた作品でした。いつまでも寒さが続いた今年の卯花月にはぴったりの作品。わたしにとってのケニーワーナーのピアノは洗練されていて気品があり、陰と陽、光と影、強と弱、冷と暖そういう真逆性を常に秘めてるピアニストです。
誰だって二面性、多面性はあるのですが、それが1つの曲、フレジーングの中に毅然と両立、存在してて喜びも悲しみも幾歳月って感じですゎ。
オープナーはモンクのRound Midnight。ソロのパフォーマンスでこの選曲は臭すぎるだろう、、と、思うところなのですが、夜の静寂に訪れる孤独な時間は強さと寂しさ、人生の明暗に想いを馳せさせる。ダークな空間に拡がる自己との対峙。硬質で近寄りがたい孤高の演奏。微かな拍手。
このアルバム唯一のオリジナル曲Balloons。この曲は彼の最近のお気に入りらしく、これをタイトルにしたアルバム「Balloons」もあります。リリカルなんだけど、時の流れが止まったような、、何ともとらえどころが無い感じのする(いい意味です)不思議な曲。いろんな顔が見え隠れする。
All the ThingsはAll the Things You Areね。ライブの長尺な演奏がならぶ中、比較的短い演奏。テンポ良く歯切れ良く明るい感じで饒舌にたたみかけます。
ジャケットにはBlue is GreenとありますがBlue in Greenです。好きな曲でもあるので、だいたい少しすると「あっ」と思うのですが、これはタイトルを知っていてもなかなか。。ワーナーはリリカルでビターなメロディで遠く見知らぬ場所に誘います。その風情に寂しさが募りはじめ人恋しくなる頃、、優しいメロディとともにあの美しいテーマに連れて帰ってくるのです。でも、夢に終わりがあるような無いようなBlue in Greenの旅路は先へ先へと果てしなく。。
ジョニミッチェルの I Had a Kingは高音が胸に刺さる。口笛?吹いてますよねぇ。
最後の最後まで、微かな音を使い、なんだか、遠い国の出来事のよう。
音を遊んでいるようなテーマを持つGiant Stepsは軽快に。一見普通に。でも、ポントで低音を不気味に効かせた左手がワーナーらしい。
大好きなA Child is Born。美しいメロディを大事な想い出を語るように丁寧に丁寧に。そして、静かに星が降るように大きく拡がって行きます。繊細なタッチで優しく。柔らかな演奏は心の襞にそっとしみ込む。途中で、少し、ダークで少し強い語りもありますが、大きな流れの中に身を任せている気持ちよさ。?やっぱり口笛?でも、一体化してて空気の振動のようですから。静かな幕引きははハッピーエンドのドラマの終わりのよう。
ケニーワーナーのピアノソロは、自分のかなり深い部分に到達するですねぇ。
ええとね、一年間、ひたすら雨を待ちわびていた砂漠植物が一滴の雨に花開く準備をするように、ある1音、あるフレーズが届いた瞬間、心の扉が音もなく開く。。って、感じ。
特に少し遠くから心象風景を語りながら、テーマに近づいていく語り口は難解すぎず、ストレートすぎず、わたしの波長にあってます。
自分を見透かされそうな気がするので、お勧めしたいような、、したくないような。(笑)
気になった方に。
1. Round Midnight
2. Balloons
3. All the Things
4. Blue in Green
5. I Had a King
6. Giant Steps
7. A Child is Born
Kenny Werner (p)
連休の前半がはじまりましたね。
月末のお仕事は終わりました?
都ではキース祭りだったかな。。どうだったかな。。
んじゃ、退散♪
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