Moody'n / Francesco Cafiso
Francesco Cafisoはイタリアのアルトサックスで、かなり早熟なプレイヤーでした。
やっと、年齢と音楽のギャップで語られることがなくなってくるお年頃になりましたので、これからが勝負です。
で、これが大変いい感じにかっこいいアルトサックスをきかせてくれます。
先進的ではないけど、ジャズの王道路線の範疇ではありますが、なかなか挑戦的。
がんばってます。
去年4 Out / Francesco Cafisoでは、なかなか先鋭的なプレイでスリリング&シリアスな吹きっぷり。
ぼんやりしてたら、そのすぐあとにVerveから今度は朋友「」との2管でドラムレスでこのアルバムがリリースされてました。全然、話題にならなくて気がついたのはリンクしてたoza。さまのブログでです。あっちゃー、って、感じですよ。間抜けだ。
カフィーゾのオリジナル4曲、ミュージシャン曲6曲。
オープナーはホレスシルバーのStrollin'。ユニゾンでしっかりきかせたあとにカフィーゾが躍り出る。ロングトーン、はやいパッセージ織り交ぜ、まずは顔見せ。ディノ・ルビノの抒情的なソロをはじめ、ピアノ、ベースと素敵なチームワーク。パーカーのAl-leu-chaはディノは合いの手程度、まずはユニゾン、そして、力強いベースワークにのってカフィーゾの1人舞台。自信に満ちたソロはちょっと手強い。思わず、耳をすまして聴き入ってしまう。お見事です。
誰もが懐かしいベニーゴルソンのWhisper Not。1音1音がしっかりしたカフィーゾのソロとピアノとベースのバッキング絶妙な塩梅。受けたルビノも良い塩梅な不良加減も入って好演。
オリジナルMoody'nは、カフィーゾのカディンツァからはじまり、ボナソルコが高速ウォーキングベースで煽ル高速デュオの展開。強引な感じで疾走するカフィーゾは誰にも止められないって感じでどきどきもんですわ。続くオリジナルIn a Ghost Way of Loveは、ゆったりシタ感じですが、甘さというよりはシリアスでタンタンとした感じ。ドラムのない空間なので、勢い過度のバッキングをしがちな場面なのですが、ピアノの音数少なく的確な演奏でカフィーゾがめちゃかっこよく浮かび上がる。
これも、お馴染みみんなが好きなマイルスのMilestones。ユニゾン2管の楽しさ、息の合った2人は緊張感ある空間でもリラックスして感じます。再び、カフィーゾオリジナルでMr. Knom's Hats--Introspectaball。最初こそユニゾンではじまりますが、カフィーゾがグリグリ吹きます。もう、いろいろと自在。カフィーゾとルビノの併走がちょっとあるんですが、こう言うのをも少しききたいですよね。もう1曲、カフィーゾのオリジナル。リリシズム溢れるピアノの音が叙情を誘うバラード。カフィーゾの魅惑のサブトーン。夜の静寂に吸い込まれそうな空間。この息づかいは女性ファン必聴。(笑)ドッキドキのワンシーン。
パーカー曲が続きます。テンポよく、動き回るBarbados。ボナソルコがソロで歌ってますわ。ご機嫌♪趣味のいいオブリをつけるピアノで、、いいセンスだなぁ、って、思います。
ドラムレスの大きな空間をつぶすことなく、引き立て役をしっかりこなして、ソロも素敵。ルビノもカフィーゾも気持ち良さそう。終演は元気よく、Steeplechase。これは、挑戦的な光速で、狂気乱舞ですわ。いやいや、2人で凄い。基本的には、このアルバムではルビノは控えめなのですが、ここは2人で一気に爆発、って、感じ。どぉーだ、って、メンバー全員で飛ばして壮快感で終了。おぉ。。
ジャケットの色っぽさで買うと痛い目にあうなぁ。(笑)
ドラムがいなくても、かなり戦闘態勢バッチリなアルバムですわ。
基本、カフィーゾの独り舞台。それを支える屋台骨はボナソルコ。。
イタリアの伊達男のパッションは一筋縄では行かない。。
1.Strollin'
2.Al-leu-cha
3.Whisper Not
4.Moody'n
5.In a Ghost Way of Love
6.Milestones
7.Mr. Knom's Hats--Introspectaball
8.Secret Ways of Inviolable Beauties
9.Barbados
10.Steeplechase
Francesco Cafiso
Dino Rubino (tp,flh)
Giovanni Mazzorino (p)
Rosario Bonacorso (b)
昨日の雪で再び凄いことになってますが、、、
わたしは春がそこにきてると信じてます。
また、車でのお出かけはダーリンの付き添いがいることになってしまいました。
イタリアの次は北欧にいこうかな。。
皆さん、ゆっくりおやすみできるといいですね♪
んじゃ、退散♪
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» Francesco Cafiso Moodyn [JAZZとAUDIOが出会うと。。。]
Francesco Cafisoの新作です。
これが、リリースの情報は早くに知っていたのですが、おそらく欧州でしかリリースされていないからだと思いますが、入荷が遅い上に、値段もかなり高く..。
発注して待っているうちに違う盤が気になって一旦キャンセル。キャンセルすると入荷済みになって..(苦笑)
しばらくして、(値段が高いから)意を決してまた発注をすると、またまた待たされることになり..(苦笑^2)
なんてことをやっていたので、入手までかなりの時間がかかってしまいました。
本作は、..... [続きを読む]
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国内のサイトで買ったのでかなりのお値段ではあったのですが、充分元を取れる内容だったと思います。年間ベストに推しちゃうくらいに(笑)
>ドラムレスの大きな空間をつぶすことなく、引き立て役をしっかりこなして、ソロも素敵。
>ルビノもカフィーゾも気持ち良さそう。
というのが、まさにそんな感じ。ドラムがいない分フロント2管の自由度が増しているのが、この盤の勝因だと思っています。
TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。
投稿: oza。 | 2012年2月19日 (日) 08時23分
oza。さま、、
>国内のサイトで買ったのでかなりのお値段ではあったのですが、充分元を取れる内容だったと思います。年間ベストに推しちゃうくらいに(笑)
わたし出遅れてとばしたんですが、安かったしはやかったです。今は比較的普通の値段で国内サイトで売ってますね。年間ベストを考えて、一瞬あせりましたが、、、タイミングってありますから
>>ドラムレスの大きな空間をつぶすことなく、引き立て役をしっかりこなして、ソロも素敵。
>>ルビノもカフィーゾも気持ち良さそう。
>というのが、まさにそんな感じ。ドラムがいない分フロント2管の自由度が増しているのが、この盤の勝因だと思っています。
ですね。
ルビノにしても出番控えめ、カフィーゾの見せどころが満載です。
でも、それがいいというか、、
最後の曲とか聴くとルビノもすごいのだけど、アルバム単位では、、なまじっかの対等をめざしてないところが勝因だとおもいます。ずば抜けた才能なんだから、今回はこれでいいのだ、って、もんですわ。
とらば、ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2012年2月19日 (日) 09時23分