Domi / Antonio Farao
晩秋の最後の日、新潟は冷たい雨でした。明日から初冬。。
樹形があらわになったヤマボウシ、、残った枯れ葉がゆらゆらと冬を手招きしています。
少し前に騒いでたファラオさまのDomi。
ドミって、愛息ドミニク君のニックネームのようです。つうか,ついてびっくり、、これって、日本語ライナーですぞ。
ダイナミックで強面、だけど、気品があって、音に華がある。ドラマチックな展開が、かよわい乙女の胸をときめかせるのであります。テなわけで、、Takes On Pasolini、Encore、/Womans Perfume、と、結構出場回数が多いのです。
去年はOff the beaten tracks Vol.1で、久しぶりに硬派なアグレッシヴなピアノが聴けたのですが、やっと、お待ちかねのリーダー作です。。。
全作、ファラオさまのオリジナル。。
よっし!いってみよーっ!
オープナーのエレガントで哀愁あるメロディSomething、深く胸に入り込む1音1音。しっとりした演奏から饒舌で滑らかな演奏まで一気に聴かせ、ベースとドラムとの相性もばっちり。お見事。その勢いでドラムとベースが強靱なリズムをつくり出して始まるタイトでシリアスなFree Dialog。三者の混沌とした、でも、厚いサウンドに歌心などかけらもないけど、思わず惹きつけられてその阿吽にダテなピアノトリオでないこと実感。
一転、その空気を変える Izieu。ナチによる痛ましい事件に胸を痛めたファラオが鎮魂の歌として捧げたものだそうだが、暗い曲調ではなくむしろ平和に対する安らぎのような柔らかで優しい演奏。先ほど、強面なベースプレイをしていたホールも歌心たっぷりなベースソロを披露。。そこに続く Insideは、ピアノソロで暗くシリアス、真摯な感じで、レクイエムのように胸の奥深くに響きます。平和への願いという感じでしょうか。。
再び、トリオに戻って、Past。美メロが続くのですが、鍵盤を縦横無尽に動くその演奏がまた素晴らしい。熱が帯びてきてもはっきりした一つ一つの音が切れ味よい。音を抑えたAround Phrygianの冒頭は、各自の音の良さに聴きほれ、タンタンと弾き続けるファラオ。何かが始まる期待感に満ちてくる。その期待感がわかっているようにはじめからハードドライヴィングに駆け抜けるOne Solution。互いに反応しながら高揚する気持ちをストレートにさらけだす。
高ぶる気持ちを沈めるのは愛息への愛のこもったDomi。ゆったりと、暖かな時間の流れをかみしめるような素敵な演奏。子どもへの愛、家族への感謝、平和な世界を願う心。。そんな優しい時間です。うーん、余韻もそのままにゴウジャスなピアノソロの Spontaneo。こんこんと湧く泉をじっと見つめているような音が降り注いでくる一時。終演は三位一体となってゴールを目指すNo Chance。フルスロットルに切り変わってからの驀進はこのトリオの素晴らしさを象徴、ダイナミックで躍動感ある長尺な演奏も息も切らさずに。所々で仕掛ける決めごともなんのその。
美メロの宝庫でありながら、最後はまで硬質な演奏に手を抜かない強さも魅力。。おしまい。。
うーーん、またも、、やられたぁ、,って、感じで降参デーす。
そう、ファラオさまの気迫に押されて、ほとんど書き損なってますが、チェッカレリ翁もホール兄貴も素晴らしい演奏です。ほんまに、素晴らしいですから。はい。
ライナーの受け売りですが、彼のニックネームは、ローマの皇帝らしいのですが、まさにその気品と自信に満ちた演奏は皇帝かもしれません。。
欧州のピアニストなのですが、叙情という感じで捉えるとやけどするかも。
ケニーカークランドがかわいがった、という、スタイルと、イタリア人らしい哀愁ある美メロフレーズと、そのギャップ?に翻弄されるわたしです。はい。
1. Something
2. Free Dialog
3. Izieu
4. Inside
5. Past
6. Around Phrygian
7. One Solution
8. Domi
9. Spontaneo
10. No Chance
Antonio Farao (p)
Darryl Hall (b)
Andre Ceccarelli (ds)
あ、これって、でも、、フランス?録音だよねぇ。。?
フランスの皇帝、といえば、、ミッシェル・プラティニ。。
って、言うと、歳がばれる。。
明日から師走だよ。。ボーナスでましたか?つうか、でますか?
んじゃ、退散♪
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