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音楽で拡がる輪

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2011年11月30日 (水)

Domi / Antonio Farao


晩秋の最後の日、新潟は冷たい雨でした。明日から初冬。。
樹形があらわになったヤマボウシ、、残った枯れ葉がゆらゆらと冬を手招きしています。

少し前に騒いでたファラオさまのDomi。
ドミって、愛息ドミニク君のニックネームのようです。つうか,ついてびっくり、、これって、日本語ライナーですぞ。
ダイナミックで強面、だけど、気品があって、音に華がある。ドラマチックな展開が、かよわい乙女の胸をときめかせるのであります。テなわけで、、Takes On PasoliniEncore/Womans Perfume、と、結構出場回数が多いのです。
去年はOff the beaten tracks Vol.1で、久しぶりに硬派なアグレッシヴなピアノが聴けたのですが、やっと、お待ちかねのリーダー作です。。。
全作、ファラオさまのオリジナル。。

よっし!いってみよーっ!

オープナーのエレガントで哀愁あるメロディSomething、深く胸に入り込む1音1音。しっとりした演奏から饒舌で滑らかな演奏まで一気に聴かせ、ベースとドラムとの相性もばっちり。お見事。その勢いでドラムとベースが強靱なリズムをつくり出して始まるタイトでシリアスなFree Dialog。三者の混沌とした、でも、厚いサウンドに歌心などかけらもないけど、思わず惹きつけられてその阿吽にダテなピアノトリオでないこと実感。

一転、その空気を変える Izieu。ナチによる痛ましい事件に胸を痛めたファラオが鎮魂の歌として捧げたものだそうだが、暗い曲調ではなくむしろ平和に対する安らぎのような柔らかで優しい演奏。先ほど、強面なベースプレイをしていたホールも歌心たっぷりなベースソロを披露。。そこに続く Insideは、ピアノソロで暗くシリアス、真摯な感じで、レクイエムのように胸の奥深くに響きます。平和への願いという感じでしょうか。。

再び、トリオに戻って、Past。美メロが続くのですが、鍵盤を縦横無尽に動くその演奏がまた素晴らしい。熱が帯びてきてもはっきりした一つ一つの音が切れ味よい。音を抑えたAround Phrygianの冒頭は、各自の音の良さに聴きほれ、タンタンと弾き続けるファラオ。何かが始まる期待感に満ちてくる。その期待感がわかっているようにはじめからハードドライヴィングに駆け抜けるOne Solution。互いに反応しながら高揚する気持ちをストレートにさらけだす。

高ぶる気持ちを沈めるのは愛息への愛のこもったDomi。ゆったりと、暖かな時間の流れをかみしめるような素敵な演奏。子どもへの愛、家族への感謝、平和な世界を願う心。。そんな優しい時間です。うーん、余韻もそのままにゴウジャスなピアノソロの Spontaneo。こんこんと湧く泉をじっと見つめているような音が降り注いでくる一時。終演は三位一体となってゴールを目指すNo Chance。フルスロットルに切り変わってからの驀進はこのトリオの素晴らしさを象徴、ダイナミックで躍動感ある長尺な演奏も息も切らさずに。所々で仕掛ける決めごともなんのその。
美メロの宝庫でありながら、最後はまで硬質な演奏に手を抜かない強さも魅力。。おしまい。。

うーーん、またも、、やられたぁ、,って、感じで降参デーす。
そう、ファラオさまの気迫に押されて、ほとんど書き損なってますが、チェッカレリ翁もホール兄貴も素晴らしい演奏です。ほんまに、素晴らしいですから。はい。

ライナーの受け売りですが、彼のニックネームは、ローマの皇帝らしいのですが、まさにその気品と自信に満ちた演奏は皇帝かもしれません。。
欧州のピアニストなのですが、叙情という感じで捉えるとやけどするかも。
ケニーカークランドがかわいがった、という、スタイルと、イタリア人らしい哀愁ある美メロフレーズと、そのギャップ?に翻弄されるわたしです。はい。

1. Something
2. Free Dialog
3. Izieu
4. Inside
5. Past
6. Around Phrygian
7. One Solution
8. Domi
9. Spontaneo
10. No Chance

Antonio Farao (p)
Darryl Hall (b)
Andre Ceccarelli (ds)

あ、これって、でも、、フランス?録音だよねぇ。。?
フランスの皇帝、といえば、、ミッシェル・プラティニ。。
って、言うと、歳がばれる。。

明日から師走だよ。。ボーナスでましたか?つうか、でますか?

んじゃ、退散♪

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JAZZ(Grazie Italia )」カテゴリの記事

コメント

suzuckさん、こんにちはmonakaです。
待っていたアルバムといったよいのでしょうか、そしてそのとおりのアルバムになっています。
ミュージックで彼の意思がきちんと伝わって、言葉必要ない。とても安定した状態を感じます。
ファラオの一枚を選ぶとすると、これ結構悩む一枚になりました。

ブラザー最中さま、、、

>suzuckさん、こんにちはmonakaです。

はいはい。

>待っていたアルバムといったよいのでしょうか、そしてそのとおりのアルバムになっています。

はい。
最初はあまり好きなピアニストでなかったのですが、、
叙情路線あたりで気が変わった。(爆)
今回は、なかなか、その辺のバランスもええ気がします。
やるときは、ヤル、みたいなぁ。

>ミュージックで彼の意思がきちんと伝わって、言葉必要ない。とても安定した状態を感じます。

最近、たまっていた、、いろんなピアノのアルバム聴いたんですけど。。。
みんなうまいし、いいのですけど、、ファラオは高速になってからも音が濁らなくて綺麗ですよねぇ。
音だけ出なくて、メロディも泣かせるな−。

>ファラオの一枚を選ぶとすると、これ結構悩む一枚になりました。

そうですねぇ。
あ!ピアノのあれですね。うーーん。。悩みがつきませんねぇ。

こちらからもTBさせていただきます。
ファラオに何を求めるかによって本作に対する評価は変ってくると思うのですが、穏やかな曲からハードな曲までバランスよく収録されているのでSuzuckさんのポイントが高いのはよく分かります。
私にはむしろ「Off the beaten tracks Vol.1 / Nicolas Folmer meets Bob Mintzer」の方が合うのでしょうが、購入するタイミングを逃したまま今までズルズルときてしまっています。
でも再度試聴したらやっぱりカッコいいので、いつかは絶対入手しますけどね。
今年に入ってからは国内盤もリリースされていることにたった今気づきました。

ナリーさま、、

>こちらからもTBさせていただきます。

ありがとございます。

>ファラオに何を求めるかによって本作に対する評価は変ってくると思うのですが、穏やかな曲からハードな曲までバランスよく収録されているのでSuzuckさんのポイントが高いのはよく分かります。

そうですね。
もっと、優しくてもええですよ。(笑)
あと、、やっぱり、彼にはオリジナル曲を求めます。
スタンダードもいいけど、オリジナル演奏してるファラオがいいなぁ。。

>私にはむしろ「Off the beaten tracks Vol.1 / Nicolas Folmer meets Bob Mintzer」の方が合うのでしょうが、購入するタイミングを逃したまま今までズルズルときてしまっています。

たぶん。。
最近、ちょっと、皆さんにい対する予測の自信がなくなってますが。。

>でも再度試聴したらやっぱりカッコいいので、いつかは絶対入手しますけどね。
今年に入ってからは国内盤もリリースされていることにたった今気づきました。

国内盤ですか?
そういえば、、最中さんか、誰かがいってたような気がします。。
Nicolas Folmerがクリスマスアルバムださないかなぁ。って、願ってるわたしです。はい。(笑)

すずっくさん,こんばんは。遅ればせながら聞きましたです。いいですねぇ。

Faraoってのはもう少し「いかつい」印象(思い込み?)もありますが,こういうバランスのとれた演奏ってのはいいですね。本作はどちらかというと柔が剛を上回る印象ですが,次は逆パターンでこのメンツでやってみるといいかもなぁなんて妄想してしまいました。

ということで,TBさせて頂きます。

音狂閣下、、

大変、、お返事が遅れて申しわけありませんでした。

>すずっくさん,こんばんは。遅ればせながら聞きましたです。いいですねぇ。

はい。
生、ファラオ聴きたいです。はい。

>Faraoってのはもう少し「いかつい」印象(思い込み?)もありますが,こういうバランスのとれた演奏ってのはいいですね。

つうか、昔のアルバムはいかついですよ。閣下みたいィ。

>本作はどちらかというと柔が剛を上回る印象ですが,次は逆パターンでこのメンツでやってみるといいかもなぁなんて妄想してしまいました。

そうねぇ、わたしはこのくらいでいいです。
あんまり、こわいファラオは得意ではないのです。
もっと、柔なアルバムもありますよ。
そっちも好きだけど、このくらいが皆さんにも評判よくて嬉しい気分になります。


>ということで,TBさせて頂きます。

あとで、トラバいたします。

kenさま、、

>こんばんは。

はいはい。

>キースの多面性って、好きな部分も、うんざりする部分もある。

この1行はすごくよくわかる。
天才の所以で仕方ないと思う。。のですが。
キースフリークといえるようなリスナーでないのでお返事もうまくできませんが。。

>螺旋状に旋回して上に巻き上げって行くような、バネのような形のように、旋回していくうちにイロイロな面を見せられるので、うんざりする部分も含めて眺めてみよう、という気にさせる。(ン、上手く書けないなあ)

ピアノの化身ですからねぇ。。

>この10年、うんざりする部分(意識が過剰で、音が空廻るような)が少なくなって、妙にナットクするような嬉しい音が増えているのは、本当にウレシイコトなのか首をひねっている天の邪鬼な状態です。

これ、わかるけど、、逆も多くなった気もするんですけど。
キースは、、一度神になってしまったので、人生の週末が近づくにしたがって少しねじれを解消しなくてはならないのかもしれません。
ねじれが戻るときには、裏表が交互にでます。
って、お返事が大変遅れて申しわけありませんでした。

>これのコメントを書くって難しいですよね。だから、随分遅れました。ゴメンなさい。

はいはい。
わたしも遅れてしまいました。
ごめんなさいね。

すずっくさん、私はこのアルバムは硬軟のバランスがなかなかいい、と思いました。
彼にしては比較的、柔らかい面がより出ているようですが、本質はアグレッシブ。
でもこのバランスで聴くのもいいです。
ところで昨日、すずっくさんの噂してました。「女性でジャズに詳しい人いない?」
「いますけど、ちょっと遠いんです~。。」チャンチャン!

マダムさま、、

>すずっくさん、私はこのアルバムは硬軟のバランスがなかなかいい、と思いました。

ですよねぇ。

やっぱり、女性の方がバランス感覚いいとみた。(笑)

>彼にしては比較的、柔らかい面がより出ているようですが、本質はアグレッシブ。

そうなんですよ。

それだけだと、わたし的にはいいピアノくらいなんですが、柔らかい優しい部分がメロディにあらわれて、、なんか好き。

今年になって、何度もききなおしたんですが、ますます、評価あがりました。来日してもいけそにないけど。。でも、皆に生できいてもらいたいなぁ。。


>でもこのバランスで聴くのもいいです。

はーい。

>ところで昨日、すずっくさんの噂してました。「女性でジャズに詳しい人いない?」
「いますけど、ちょっと遠いんです~。。」チャンチャン!

ん?わたしですか?

おぉ、、マダムさまに褒めらたなら折り紙つきですねぇ。わーい、わい。

なんだろうなぁ。。気になるなぁ。。
遠いってことで、イヴェントかなぁ。インタビューかななぁ。(笑)

すげぇ、美人だと言っておいてね。(笑)

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