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音楽で拡がる輪

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2011年6月 4日 (土)

Live at Birdland /  KONITZ,MEHLDAU,HADEN, MOTIAN


花が咲き、花は散り、花びらが舞う光景には無常を感じますが、花が散っても木が枯れるわけではありません。

コニッツでECMで思い出すのは、Angel Songって、ケニーホイーラーのアルバムです。ここには、ホランド閣下と我が愛すべきビルフリさまがいます。どういう頭で考えるとこういうメンツになるのかよくわかりませんが(爆)、それは渋くて抑制された美学が満載です。いわゆる睡眠導入型サウンドですです。
と、このメンバーみたときにも、正直心の中でコニッツかぁ、と、ちょっと思いながらもm(__)m、James Farm並みに聞いてみたいなぁ、と、思いました。メンバーの全員がすでにレジェンドの粋に達してるわけですが、この中では「若手」バリバリのメルドーさまが、これら百戦錬磨の妖怪みたいなおじさま達と、どーんなお仕事するんだろう、、って、興味津々からです。従って、曲がった解釈かもしれませんが、わたくし的にはメルドー買いです。(^_^);;;

さぁて、NYの老舗ライブハウス、バードランドの60周年記念ライブは如何にぃ♪

燻し銀的な輝きを感じるコニッツのアルト。ちょっと枯れた、ウォームな感じで始まるLover Manは、淡々と進んでいきますが、ちょっとだけインテリな感じで凄むけど、淡々と終わります。メルドーも背筋を伸ばした凜とした演奏で、コニッツ、ヘイデンのソロに対して、繊細に対応…。よく聴いているとメルドーらしい無機的な美しいフレーズ散りばめてるわ。コニッツのグズグズ感にあってるわ。えらいわ。
硬質なメルドーのピアノから始まるおなじみのLullaby of Birdland、、この編成は別段変わった編成ではなく、ジャズの中では普通な訳なのですが、モチアンのドラムはすべてに開放的といおうか、、ドラムがありながらドラムレスのような空間、自由度を生む。で、そこに何ともいえない感覚でコニッツ流に崩されたテーマとかがぬるぬると、、ずるずると、この辺を理解しながら自分流に音を敷き詰めていくメルドー、こんな状況だけど1音1音が重たい、でも、遊び回るベース、と、バラバラな感じなんだけど個性豊かなサウンドが拡がる。

不思議な空間で、なじむのにちょっと時間がかかるけど、一度入って来ちゃうと胸の奥の方できこえてくる感じです。はい。

抽象的な水彩画を描く感じのコニッツのアルトに、軽く絵の具をぶつけてくるメルドー。Solar なんだよねぇ。コニッツと併走して、ソロに持ち込んでいくメルドーの渾身の演奏を聴いてると、彼以外の誰がここでこういう風に演奏できるだろう、、って、彼の才能を思い知らされる感じですよねぇ。
メルドーから始まるI Fall In Love too Easily。メロディの甘さに流されず、美しくもビターな味わい、、ぼんやり、聴き入る。。それぞれのソロもテーマが分かりやすく織り込まれてる、比較的、リラックスした空気が流れル。こんな感じでは、ヘイデンの感情移入は素晴らしいですよねぇ。

You Stepped Out of a Dreamは、このアルバムの中では比較的タイムを感じられる演奏になっていて、即興的な演奏によくある感じの展開になっています。おしまいは、コニッツから始まるOleo。ほっとするのもつかの間、あれよあれよと、コニッツの不思議な世界に引きずり込まれていきます。頭の奥、あるいは心の奥にOleoを感じながら目の前に拡がる空間に音を響かせるメルドーのピアノは、相手に反応しつつも自己との対話的な感じ。Oleoのテーマのメロディより、コニッツの演奏にあるOleoが顔を出す感じ。と、これに対するドラム、ベースの反応が、、こわいくらいぴったり来る。百戦錬磨の方々の行いで、奇々怪々な状況でございます。最後はこの状況でコニッツが淡々とOleoのテーマを鳴らし続ける。ここが、このアルバムを雰囲気をすべてを物がったっているといってもいいくらい、、、要は、メルドーもすごかったんだけど、コニッツの個性はすべてを飲み込んでしまう、って、感じで終演。

ECMで、至って普通の編成のカルテット、しかも、スタンダードだらけ、って、いうのに、??って、思った人には、かなり納得の、、この二つを超えた異次元空間ができあがってますです。
4人での演奏ははじめて、セットリストなども用意されてない、、など、、まさにジャズの醍醐味が味わえるアルバムですが、淡々とした中に厳しさが潜んでおり、容易に手を出すと痛い目を見るかも。
こういうクールな演奏で、盛り上がるアメリカのライブハウスって、のも、、ちょっと、わたしの感覚からすると不思議だけど、これも、アメリカ。。

さて、、はて、、
メルドーはわたし的ECMの神様ロイドさまの昔のアルバムにもいるのですが、今回も重鎮相手に流石の存在感でした。こういうアルバムで白羽の矢が立つということは、、いよいよ、リーダー作がECM来ますかしら。。

1. Lover Man
2. Lullaby of Birdland
3. Solar   
4. I Fall In Love too Easily
5. You Stepped Out of a Dream
6. Oleo

Lee Konitz (as)
Brad Mehldau (p)
Charlie Haden (b)
Paul Motian (ds)


爽やかな土曜日の朝でした。
朝は、、庭が、、本当に綺麗なんですよ。で、朝一は、草取り。
四月から、朝の時間に余裕ができたわたくしは、午前中が長い人生を送るようになりました。自動的に夏時間にシフトした、とでも、、いいましょうか。。
今日は、明るいうちに夕飯にして、ダーリンと2人で庭のテラスでビールかワインを飲もうと思っています。プチリゾート気分です。はい。

んじゃ、退散♪

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JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事

コメント

すずっくさん,続けてこんにちは。TBありがとうございました。このアルバムのテンションの高さは相当なものがあると思いますねぇ。眼前でこんな演奏されたらたまったものではないでしょうね。

いずれにしても,ここでのKonitzの自由人ぶりはかなり笑えますね。

ということでこちらからもTBさせて頂きます。

このアルバム、今年の上半期に聴いた中ではけっこう良かったし、スゴかったでした。この緊張具合もいい感じです。ただ、Amazonのレビューとかを見ていると、やはり聴く人を選んでしまうのかなあ、なんてことを思ったりしました。

ECMでスタンダードばかりで、というのはキース・ジャレット以外は少ないのだけど、彼らも選ばれた人たちなのか、そんなことを思ったりしました。ただ、ヘイデンの4ビートウォーキングベースは2曲目で少し出ただけでしたね。このあたりアイヒャーが目を光らせているのかな、とも。

TBさせていただきます。

音狂閣下、、再び、、こんにちは。

>すずっくさん,続けてこんにちは。TBありがとうございました。

だって、トラバの為に、ブログを引っ越ししたんですぜ。
気合い入れなくちゃ。(爆)
きっぱりとトラバに意味を見いだせない、って、いってたブロガーみたことありますが、その一言で、おいとましました。
だったら、HP作ればいいのに。

>このアルバムのテンションの高さは相当なものがあると思いますねぇ。眼前でこんな演奏されたらたまったものではないでしょうね。

緊張感を感じさせない、コニッツ翁のグズグズ感。。だけど、凄み方が半端なイヨねぇ。

>いずれにしても,ここでのKonitzの自由人ぶりはかなり笑えますね。

自由人か。。
やっぱ、わたし的には、ジョイスなんだけど。(笑)

>ということでこちらからもTBさせて頂きます。

ありがとうございます。

910さま、、こんにちは。

>このアルバム、今年の上半期に聴いた中ではけっこう良かったし、スゴかったでした。この緊張具合もいい感じです。

一回、放棄しようと思いましたが、なんだか、突然、大丈夫になりました。

>ただ、Amazonのレビューとかを見ていると、やはり聴く人を選んでしまうのかなあ、なんてことを思ったりしました。

アマゾンのレビューもブログ界と同じで、個人のの趣味嗜好が現れてますから。
だから、どんな人かわからないと、やっぱ、本心はつかめない気がします。
でも、気になりますよね。

>ECMでスタンダードばかりで、というのはキース・ジャレット以外は少ないのだけど、彼らも選ばれた人たちなのか、そんなことを思ったりしました。

そうなんでしょうねぇ。

>ただ、ヘイデンの4ビートウォーキングベースは2曲目で少し出ただけでしたね。このあたりアイヒャーが目を光らせているのかな、とも。

そうかぁ。目が光っているのですね。って、おいくつになられたのでしょう。。
レインボースタジオって、見学できないのかしら。

すずっく様
こんばんは。Angel Songって私も聴きました。あれにリーコニッツって入ってたんですね。覚えてませんでした。
今回のこれはやっぱりMehldauが肝でした。Solorすごいっすよね。個人的にはこういうセッションのMehldau大好きです。トラバさせて頂きます。

ki-maさま、、トラバありがとうございます。
助かりますです。

>こんばんは。Angel Songって私も聴きました。あれにリーコニッツって入ってたんですね。覚えてませんでした。

ホイラー、コニッツ、ホランド、ビルフリ、って、メンバー、、すごいですよねぇ。
と、どなたかが、、コニッツが倒れた、って、呟いてましたよ。

>今回のこれはやっぱりMehldauが肝でした。Solorすごいっすよね。個人的にはこういうセッションのMehldau大好きです。トラバさせて頂きます。

コニッツに敬意を表しながらも、適所適所で仕掛ける感じ、しかも、結構シビアな感じがええなぁ、、と。

あのですね、後でそちらにお伺いいたしますが。。
お願いなんですが、次回から、、ここにトラバするときに、ここのコメントにそちらのトラバアドレスをコピペしていただけませんでしょうか。
恥ずかしながら、、手先がえらく、、不器用なもので。。(笑)
お手間おかけいたしますね。

すずっくさん、こんにちはmonakaです。
記事にTBしていなかったみたいですね。
こちらからもTBさせていただきます。
このような山ほどの場数を踏んだプレーヤーはよいのでしょうが、ついに今度の日曜日には人前でしなければいけないことがあり、緊張が始まりました。

monakaさま、、

>すずっくさん、こんにちはmonakaです。

こんばんは。

>記事にTBしていなかったみたいですね。

はいはい。
お待ちしておりましたよー。


>こちらからもTBさせていただきます。

ありがとうございます。

>このような山ほどの場数を踏んだプレーヤーはよいのでしょうが、ついに今度の日曜日には人前でしなければいけないことがあり、緊張が始まりました

あ、、今週でしたか。。
かわいい、お雛さまとこのぼりでしたねぇ。
素直な気持ちにまさるものはないとおもいますので、だいじょうぶですよ。

去年、友達の結婚式に上京したことをおもいだしました。。
本当に、おめでとうございます。

こちらからもTBさせていただきます。
本作はコニッツの強烈な個性が光ってましたが、それにも増してアドリブでは自分のスタイルを貫き通しているメルドーがなんといっても素晴らしかったです。
この2人の軟と硬の、ある意味ミスマッチな演奏が非常に聴き応えがありました。

ナリーさま、、

>こちらからもTBさせていただきます。

はいはい。

>本作はコニッツの強烈な個性が光ってましたが、それにも増してアドリブでは自分のスタイルを貫き通しているメルドーがなんといっても素晴らしかったです。

コニッツのジャズへの貢献はわかっているつもりでも、今のわたしの状況でコニッツ買いはしないと思うのですが。。
従って、メルドー買いでした。しかも、演奏もよかったです。
でも、終わってみれば、コニッツだったけど。(笑)


>この2人の軟と硬の、ある意味ミスマッチな演奏が非常に聴き応えがありました。

音の内部分のやりとりが濃いのだろうなぁ、と、思っちゃたりするのでありました。

こんばんは。

トラバありがとうございました。
私からもトラバさせていただきます。

実はこの手の静かなやつは買うか買うまいか少し悩みました。
でも、このメンバーだから買っておこうと思い、買った結果は正解。
もうとにかく個性派揃い、でもこの人達ならマッチするだろうと思いました。
それぞれが自分の仕事をやりつつ、きちんとグループサウンドも提示。
それもライブで予定調和せずにですから・・・凄い人達だと思います。
大御所にまぎれたメルドー、やっぱりこの人凄いですね。
この人がいつから場の空気が引き締まっていると思います。
コニッツはもう他人がどうこう言うレベルではない感じ、黙って聴くべし(笑)。
私はこのライブを見たらきっと盛り上がると思います(笑)。

いっきさま、、

>こんばんは。

はい。

>トラバありがとうございました。

いいえ。こちらこそ、いつもありがとうございます。

>実はこの手の静かなやつは買うか買うまいか少し悩みました。
で>も、このメンバーだから買っておこうと思い、買った結果は正解。

なんだか、わかります。
申し訳ないけど、メルドーいなかったら、買ってないと思います。
でも、終わってみれば、コニッツすげぇ、って、思ったので、許してもらおう、、っと。

>それもライブで予定調和せずにですから・・・凄い人達だと思います。

ですよねぇ。
ライブの直前まで、何も決まってなかった、って、それが当たり前の気もしますが、実はすごいんですよねぇ。

>大御所にまぎれたメルドー、やっぱりこの人凄いですね。

メルドー凄いですねぇ。
あんまり好きなピアノではなかったのですが、最近はメルドー買いするようになったもの。

>私はこのライブを見たらきっと盛り上がると思います(笑)。

そうですよね。
余分な音、予定調和の音を出したら負け、って、感じの持久戦ですわ。(爆)

>申し訳ないけど、メルドーいなかったら、買ってないと思います。
御意(笑)
ていうか、Brad Mehldauがいなかったら演奏が破綻していたんじゃないかとか考えちゃいました。

>余分な音、予定調和の音を出したら負け、って、感じの持久戦
言い得てますねぇ(笑) まさにこんな感じの演奏でした。

個人的には3大御所の演奏よりも、臆せず臨んだBrad Mehldauの演奏を買いたいところであります。

TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

oza。さま、、お返事遅くなってすみません。
毎日のように、皆さんのサイトを閲覧はするんですが、書き込む心の余裕がなくて。。

>御意(笑)
>ていうか、Brad Mehldauがいなかったら演奏が破綻していたんじゃないかとか考えちゃいました。

そっかな。
確かに、メルドーのたこ足配線のようなくっつき具合は凄いですよねぇ。
こっちの手で、コニッツ繋いで、あっちの手でモチアンと握手してみたいな。
まぁ、でも、彼くらいになるとまわりの音が全部きこえるんでしょう。。
天才の頭の中なんて、想像不可能ですよね。(ため息)

>言い得てますねぇ(笑) まさにこんな感じの演奏でした。

ですよねぇ。
余分な音をださないって、かなり、うまい人で難しいんだと思うんですよ。
つい、安易に空いたスペースに音をおきたくなるんでしょう。

>個人的には3大御所の演奏よりも、臆せず臨んだBrad Mehldauの演奏を買いたいところであります。

はいはい。
彼の天才ぶりが、普段の演奏と違う感じで発揮されてることは確かです。
でも、コニッツ翁は凄いと思うよ。

>TBありがとうございます。逆TBさせていただきます。

はい。
ありがとうございます。
oza。さまも、、トラバは面倒なのかな。だったら、ごめんね。

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