Solo / Vijay Iyer
心の奥に何が棲む?
時々、のぞいてみたくなる。
天使?悪魔?
自分の心に棲むもの、、それは隠しようもない自分自身。。
時々、目の前の人の心の奥ものぞいてみたくなる。
でも、それは、、我々のような凡人にとっては、永遠の御法度でございます。。
Vijay Iyerは、インド系のアメリカ人だそうです。ご両親がインドから移住してきたそうな。
日本盤のタイトルがデビューとあって、混乱しやすいのですが、既に10枚以上の作品をだしてきたその手の方々には知られてるピアニストのようです。
ヴィジェイ・アイヤーと読むらしいのですが、恥ずかしながらわたしは初体験です。
随分前から、御用達レーベルACTで、そのお名前は拝見しておったのですが、、、。
この度、わたしのフェヴァリットなドラマーのお一人であられる西尾さまが呟いてたので「あれれ、、何処かでみたことある名前だぞ。。」って、ことで興味を持って、お取り寄せになった次第です。はい。
オリジナル曲が6曲、カヴァー曲、スタンダード、ミュージシャン曲等6曲で、全12曲。(トラックは11)
まずは、何処かで聴いたことがあるなぁ。。と、マイケルジャクソンでお馴染みのHuman Nature。たぶん、誰もが最初に感じることは力強さ、そして、ピアノが思いっきり鳴っていること。耳障りのいいメロディなのに抒情というより硬派で信念のようなものを感じ潔い。
彼が尊敬するピアニストの1人、モンクのEpistrophy。二次元の楽譜に記された三次元の音符の羅列は、捻れて四次元的なモンクの世界へ。かなりドラマチックなDarn That Dream。最後の余韻がとても心に響く。
やはり、尊敬してるピアニスト、エリントンの作品でBlack & Tan Fantasy。ストライドの伝統的な響きを全面に押し出して。ここまでは、かなり個性的といえど、まぁ、導入部分といっても良いかも。
オリジナルが5曲続く。一転、フリーなスタイルで不安をかき立てるPreludeと突然の調和Heartpieceは、短いけれどかなり印象的。続く、Autoscopyも左手の低音部分が漆黒の闇を掻き分けるように進む。次第に自己の奥深く進む感じの展開で気がつくと芯の世界に身を置く感じ。静かにはじまるPatterns深海にわきでる地下水みたいだなぁ、、って、思っていると、モールス信号みたいなデジタルな響きが続く。とても不思議なメロディを持つDesiring。太古の海で揺れる水中植物みたい。。
5,6,7,8と続く一連の流れは、決して聴きやすいものではないけど、まさに彼そのものの匂いがして惹きつけられる強さがあります。叙情的なものは希薄で、クラシック的な確実さ、理系的な追求心の果てと、自己のルーツ混沌と混じり合い無機質な音の中に生きてる強かさのようなものと、ぽきんと折れてしまう弱さも感じるかなぁ。。
スティーブコールマンのGamesを淡々と熱演し、敬愛するであろうエリントンのFleurette Africaineは先ほどの栗と茶の幻想とはうって変わって真っ向から見据えた感じのきりっとした演奏に。
終演はアイヤーのオリジナルでOne For Blount。最後までたたみ掛けるように何かを問いただす感じ。
決して、難解でもこわくもないのですが、日常生活とは融合しない音楽です。
抒情とか、耽美的世界とか、、そういうものではないので、お買い上げしたいと思う方は、安い輸入盤にするか、完璧なる試聴をおすすめ。短い試聴だと、クリックする気分が失せる気がするので、中途半端な試聴はおすすめいたしませんゎ。
他人の真摯な自己との対峙を目の前で突きつけられたとき、人は思わず自分のぬくぬくとした日常をちょっと外れて自己の内側に目を向けたくなるものです。
冬に向かって、ちょっと、真摯に音楽と向き合う感じ。
1.Human Nature
2.Epistrophy
3.Darn That Dream
4.Black & Tan Fantasy
5.Prelude: Heartpiece
6.Autoscopy
7.Patterns
8.Desiring
9.Games
10.Fleurette Africaine
11.One For Blount
Vijay Iyer (p)
ACTのHPには、レーベルからの情報やビデオ等が満載です。
このレーベルの押しの1人なのでしょうねぇ。
そう、、彼の音楽は子どもの頃遊んだ、スピログラフが浮かんでくるのはわたしだけではないと思うな。
今週は、、両親に親孝行の週で、、いろいろ、、ごめんさい。
両親に、、あと何度、、会えるんでしょう。。
って、考えると、、気が重くなります。
んじゃ、退散♪
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コメント
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TITLE: ども~
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これ、まだこないんだよ~(泣)。
去年の作、Historicityも大オススメ盤でっせー。Downbeat の Album of the year だかんね。
投稿: にしょー | 2010年10月31日 (日) 00時40分
TITLE: にしょーさま、、
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にしょーさま、、
きっぱりいうと、わたしの普段の路線とは180度くらいちがうのです。
でも、大西さまのバロックの時もおもったのですが、人は時々ドンと何かをつきつけられるって、良いことだとおもってます。
日常生活にはとけ込まないおんがくですが、大荒れの高速道路とばすのにはぴったりでした。
なんせ、後ろのふたりは車にのるとすぐ、、ねちゃうんだもん。(笑)
>これ、まだこないんだよ~(泣)。
かわいそうに。
>去年の作、Historicityも大オススメ盤でっせー。Downbeat の Album of the year だかんね。
こっちは、すでにやすいのとばしました。
時間かかるけど、来年のおたのしみでもいいや。
しかし、、オリジナルの部分の暗さは結構なもんです。
投稿: Suzuck | 2010年10月31日 (日) 08時51分
TITLE: Re:にしょーさま、、(10/30)
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ですよねえ。ワタシの知り合いにこいつのCD聞かせても、みんな???です。身をよじって面白がったヤツは、今度新潟にお披露目するH多(tp)くらいのもんです。ワタシも???だったけど15年間ほど我慢して聞いてたら(笑)だんだん面白くなってきました。時間かかりますな。
投稿: にしょー | 2010年11月 1日 (月) 23時08分
TITLE: うーん。。
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にしょーさま、、
しかし、アメリカって、不思議な国だよねぇ。。
>ですよねえ。ワタシの知り合いにこいつのCD聞かせても、みんな???です。
そうかなぁ。。。ジャズって、観念だけからみると確かに疑問符が浮かぶ人多いかも。でも、深いよねぇ。
でも、ソロのサウンドを聞く限りでは、ものすごい吸引力ありますけど。
ピアノもうまいけど、ピアノは独学なのだそうですねぇ。
めちゃトリッキーな訳でもないけど、この存在感は最近聞いた中では圧倒的なものがあるんだけど。
左手?が打楽器的にな感じで常に寄り添うから、ソロだけど躍動感にあふれてます。
他人の曲は、聴きやすいのよ。オリジナルは他人の曲のときにも出てくる暗い感じが全編あふれてル。
でも、何度も聴いてるとここがいいんだよねぇ。
>身をよじって面白がったヤツは、今度新潟にお披露目するH多(tp)くらいのもんです。
って、巨匠でしょ?
これ、すげぇ、遅い時間だよねぇ。
>ワタシも???だったけど15年間ほど我慢して聞いてたら(笑)だんだん面白くなってきました。時間かかりますな。
いや。
たぶん、初めて聴いてだめな人は、、永遠にだめな気がします。
この力強さにと暗さの支配する重たいサウンドはだめな気がします。
でも、何だろう、、心の深いところで惹かれるメロディだったりします。
そうだ、この記事からリンクしてるACTのHPにいくでしょ?ビデオってのがあるんです。
わたし、音が聞けないけど、映像は見れるんだよ。
おもしろいよ。
投稿: Suzuck | 2010年11月 2日 (火) 08時55分
TITLE: Re:うーん。。(10/30)
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おーいえい。
この記事りじちょうと貸しきり状態だね!
ちなみにまだ届きません(笑)。発送済みらしいんだけどね。
待ちきれずにサンプル音源聞いてみた。確かに。これは、彼のいままでの作品の中で、最もとっつきやすいうえに、それでいて彼のアジはまったく損なわれていないという、優れた作品と思います。ヤツはまた1歩進化してしまいました。1曲目とか、出だししか聴けてませんが、作りかた天才的だわい。いやー感心感心。
>ピアノは独学なのだそうですねぇ
そうそう。子供のときからバイオリンを習ったんだそうだ。だけどピアノの鍵盤をひじでデタラメに押すと、いまどの音が鳴ったと全部言い当てられる耳の持ち主であります。ネフェルティティを聴いた瞬間まねして弾いたし。ついでに、数学の学士で物理学の修士であります。ド理系です。彼のレッスンをとると、数学の講釈をされるそうです(笑)。
>たぶん、初めて聴いてだめな人は、、永遠にだめな気がします。
なるほど。自分もね、たぶんだめな人だったと思うんですよ。古い知人だから我慢して聞いてみようと思ったの。まあきっかけはなんでもいいですよね。面白いものひとつ見つけてトクしたよね。
では~
投稿: にしょー | 2010年11月 3日 (水) 01時12分
TITLE: いえいえ
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にしょーさま、、新潟は今日も寒いでっす。
>おーいえい。
>この記事りじちょうと貸しきり状態だね!
もともと、このレーベルって、ハードバップとかほとんどなくて、現代音楽とかクラシックとか、その辺との壁がひくいのですよ。だから、、一般的には人気無い。
でも、すごく丁寧なおしごとするレーベルなんだけどなぁ。
>ちなみにまだ届きません(笑)。発送済みらしいんだけどね。
わたしの前作も発送されてずいぶんたつんですよ。すごく、たのしみ。
>待ちきれずにサンプル音源聞いてみた。確かに。これは、彼のいままでの作品の中で、最もとっつきやすいうえに、それでいて彼のアジはまったく損なわれていないという、優れた作品と思います。
濃いのです。
ものすごく、濃い。
エヴァンス、キース系って、いうと閣下におこられるけど、そういう耽美的なかんじとは違うんだけど、でも、ちゃんと美しさももってるんですねぇ。
>ヤツはまた1歩進化してしまいました。1曲目とか、出だししか聴けてませんが、作りかた天才的だわい。いやー感心感心。
って、あそこはほんと美しく、、ま、罠のようなきもする。
でも、スタンダードのDarn That Dreamなんかも、あたまにくるくるするくらいつぼにはまったです。
>そうそう。子供のときからバイオリンを習ったんだそうだ。だけどピアノの鍵盤をひじでデタラメに押すと、いまどの音が鳴ったと全部言い当てられる耳の持ち主であります。ネフェルティティを聴いた瞬間まねして弾いたし。
それね、ぴあのの演奏にあらわれてるよ。自分の演奏にも耳が良いっていうか。。ハーモニーとかと違った世界だよ。
投稿: Suzuck | 2010年11月 3日 (水) 09時49分
TITLE: つづき
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>ついでに、数学の学士で物理学の修士であります。ド理系です。彼のレッスンをとると、数学の講釈をされるそうです(笑)。
そうなんだ。
って、そっちから繋がったんだっけ?
>なるほど。自分もね、たぶんだめな人だったと思うんですよ。古い知人だから我慢して聞いてみようと思ったの。まあきっかけはなんでもいいですよね。面白いものひとつ見つけてトクしたよね。
そっかな。だめではなかったんだとおもうんだけど。。。要素がはあったんでしょ。。。
トリオでの演奏もたのしみだす。はい。
そっか、すまん、どっかで聞いたことのあるっていうか、みたことある名前って、西尾さんが言ってたからだったんだね。
物覚え悪くてすまんが、これって、すごいけど、まわりのともだちには、、なかなか理解されにくそうだねぇ。(爆)
んじゃ、またぁ。
投稿: Suzuck | 2010年11月 3日 (水) 09時57分
TITLE: Re:つづき(10/30)
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会社から帰ったら、CDついに届いていました。
今かけてますがいい音だー。
こいつアタマどうなってるんだー。
たいしたもんだー。
投稿: にしょ | 2010年11月 8日 (月) 20時41分
TITLE: おぉ。。やっと。。。
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にしょさま、、一日大風ふいてた。
用事で出かけると、、車のドアあけると、持って行かれそうになるので大変であった。
そして、大嫌いな注射もした。
>会社から帰ったら、CDついに届いていました。
おめでとう!
>今かけてますがいい音だー。
そうだよ。
>こいつアタマどうなってるんだー。
本当に、そうに思うでしょ?
>たいしたもんだー。
おぉ。。簡潔なご意見でした!
お見事。。。
投稿: Suzuck | 2010年11月 9日 (火) 18時24分