Live in Tokyo/Brad Mehldau

別れと出会いの季節。。
3月が終わりますね。
一昨日から、春めいた景色に雪など舞いまして、、思わず見とれてしみました。
寒さに身をぎゅっと縮めたのはわたしだけでなく、庭の桜のつぼみも同じだったかな。
メルドーの新譜聴きから、凛とした空気が春の雪にぴったりだと聴き入っていたのが2004年リリースのLive in Tokyoです。。
Day is Doneにも、でてきたNick Drakeの曲が2曲、スタンダード、オリジナルで全8曲。(輸入盤なのです)
2003年2月15日のすみだトリフォニーホールの出来事です。。
オープナーは、Nick DrakeのThings Behind The Sun 。躍動感の中にも緊迫感のある演奏。明暗はっきりした劇場的な演奏で、ぐいぐいと引きずりこまれる。
Intro はオリジナル。透明感あり空間をたっぷり使った美しい演奏。。まるで薄墨の桜のような感じ。。そのままガーシュインの Soemone to Watch Over Me に繋がっていく。美しいナンバーをゆっくりと弾くメルドーは、美しさを保ちながら、その気持ちをしっかり力強く込めて弾く。音と音の間に無限の空間が広がる。
ポーターのFrom This Moment Onもユックリ静かに始まるのだが、次第に激しい感情の波にもまれていく。
穏やかな自分、普段の顔の下で抑えきれない強い感情がうねることもある。。
モンクの Monk's Dreamは、クリスマスソングでも始まるように陽気な出だし。その、、心は、、?メルドー流遊び心。
そして、メルドーが「彼らが表現している閉塞感や虚無感は、僕自身が抱えているものであるから」とシンパシーを感じてる英国のロックバンドRadioheadの曲Paranoid Android 。Day is Doneでも違う曲を弾いてました。
流れ出る気持ち、意識、無意識、そして、現在、過去の渦巻く何かをピアノにのせる。。。
再び、、ガーシュインの曲でHow Long Has This Been Going On? ゆったりと、何かと向かい合うように。
そして、終演はやはりNick DrakeのRiver Man 。メルドーらしい演奏で混沌とした自分の心模様。。
全ては自分から始まり、自分で終わる人生。
誰もがかかえる暗闇も、自分の一部として受けいることができるには勇気もいる。
力強さと繊細さが同居し、それがそのまま人間の心の強さと弱さに象徴されてしまうような孤高の演奏。
ジャズを歌心みたいなものだけでくくろうとしたら、決して浮かび上がって来ないアルバムなのだろうけど、
そのままの自分を、心の中を、、表現することの素晴らしさを教えてくる一枚です。
って、わたくしが言ってもねぇ。。(笑)
寒い春の日にぴったりです。
2003年2月15日のすみだトリフォニーホールの出来事でした。。
1. Things Behind The Sun
2. Intro
3. Soemone to Watch Over Me
4. From This Moment On
5. Monk's Dream
6. Paranoid Android
7. How Long Has This Been Going On?
8. River Man
Brad Mehldau (p)

こちらが本当はジャケットカバーの表。。
プラケースは、、中を開くと桜が満開なんですよ。
早く、桜が咲かないかな。
桜のラベルのワインかって庭の桜が満開になる日を待ってます。
さよなら三月。。また来て四月。。(バッシッ)
んじゃ、退散♪
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TITLE: Re:Live in Tokyo/Brad Mehldau
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Brad Mehldauは好きになれない!新譜も視聴してみましたが???
投稿: satoru | 2010年3月31日 (水) 20時30分
TITLE: TBさせて頂きます
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すずっくさん,こんばんは。中国より戻って参りました。
さて,このアルバム,ご承知のように国内盤は2枚組でリリースされましたが,そちらがやや冗長な感じを与えるのに対し,1枚モノの輸入盤の方が,Mehldauの意図がよくわかるのではないかと思います。Nick Drakeに始まり,Nick Drakeで締めるというのがポイントですね。
ということで,TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年3月31日 (水) 22時42分
TITLE: わたしも嫌いでしたよ
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satoruさま、、メルドーって、肌に合わない、って感じでした。
>Brad Mehldauは好きになれない!新譜も視聴してみましたが???
人の嗜好は基本的には変わらないと思うの。
でも、時々、大逆転することもあると思います。
今でも、メルドーって、全てを任せる気分にはなってないのですが、、でも、惹かれてしまうことも事実です。
投稿: Suzuck | 2010年3月31日 (水) 23時15分
TITLE: ☆4つでスカイなぁ
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音狂閣下、、わたしは今なら五つ出しますぜぇ。
もの凄く、人間くさい、感じで、、最初聴いたときに、、
☆3つくらいしか気持ちの中でつけなかった自分がかわいくみてます。
>すずっくさん,こんばんは。中国より戻って参りました。
おかえりなさい。
ご無事で何より。
しかも、そうそう、、辛口で元気!
>さて,このアルバム,ご承知のように国内盤は2枚組でリリースされましたが,そちらがやや冗長な感じを与えるのに対し,1枚モノの輸入盤の方が,Mehldauの意図がよくわかるのではないかと思います。Nick Drakeに始まり,Nick Drakeで締めるというのがポイントですね。
そうなんですよ。
ここもポイントです。
しかし、、どうしてこんなにぴったりなジャケット写真がとれるんでしょう。。
>ということで,TBさせて頂きます。
って、トラバしちゃいました。
真摯な論争中ですが、、脳天気なコメント入れに行きまっせ♪
投稿: Suzuck | 2010年3月31日 (水) 23時31分
TITLE: なんとなくご無沙汰しています
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Suzuckさん、、こんにちは。
Jasmineあたりから音数ミニマムなものを聴くモードになってます。ソロって途中で飽きてしまうことが多いのですが、これはあっという間に通して聴けます。それだけの刺激があります。Radioheadの世界をこんなにもリンクできている表現者はいないでしょう。
それではTBさせていただきます。
投稿: とっつぁん | 2010年6月 5日 (土) 11時38分
TITLE: こんばんは
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とっつぁんさま、、お返事おそくなりました。
新潟は今日もいいお天気でっす。
>Suzuckさん、、こんにちは。
はいはい。
>Jasmineあたりから音数ミニマムなものを聴くモードになってます。
わたしもしばらくデュオざんまいでした。
むかし、、デュオを収集してたときがありましたが、今回はヘイデン関係ですっとぷしました。
>ソロって途中で飽きてしまうことが多いのですが、これはあっという間に通して聴けます。それだけの刺激があります。
彼のソロは、甘さはないけど、、いいですよねぇ。。
と、ぼらーにのソロもすき。。。
>Radioheadの世界をこんなにもリンクできている表現者はいないでしょう。
深遠なるものへ直結する虚無感。。
彼の演奏にありますものねぇ。。
>それではTBさせていただきます。
ありがと。
投稿: Suzuck | 2010年6月 6日 (日) 17時26分