Dark Eyes/Tomasz Stanko Quintet

寒くて暗い、時折冷たい雨も降る。
暖かな部屋で、明るく軽やかな音楽を聴くのもいいけど、
疲れた時には、仄暗い陰鬱な世界をさまよってしまうのもいいかな。。
こんな時に活躍するのはECMのアルバムですよねぇ。
最近は、思わず人肌暖かな空気を持ったアルバムもあって、ビックリすることもあったりしますが、
基本的には、オーナーの好きな静寂で、耽美的な世界。透明感、ひんやりした空気、幽玄深淵な世界観。
トーマススタンコはポーランドのトランペッター。祖国ポーランドを非常に愛してるお方です。
その独特な世界は好き嫌い別れるところだとも思いますが、わたくしは好き☆
一貫した真摯な態度が好きなのだ。同じような理由でチャールズロイドとかも好き☆
さて、、この人のダークな世界はどのアルバムでも貫かれてて永遠と続いてるのだが、個人的には日本でも某レーベルからピアノトリオだして有名になったマルチンボシレフスキトリオを起用したあたりから、ちょっとカラーが変わった気がしてました。
このメロディアスな透明感あるピアノの効果か?暗い中にも色彩が増えた気がしてたのです。
簡単に言うと、高品質のまま、聴きやすくなった。
で、この蜜月はちょっと続き、ECMからアルバム3枚だしてるかな?「Soul of Things」、次の一枚はブログでもあげてる「Suspended Night/Tomasz Stanko」。そして、「Lontano」。(追記しました)
その間にマルチントリオは天下のECMから、日本版とはかなり嗜好の違う二枚のアルバム「Trio/Wasilewski/Kurkiewicz/Miskiewicz」、「January/Marcin Wasilewski Trio」をだし、世界に羽ばたきましたね。
今回は、編成をがらりと変えて、スタンコのトランペット中心に、ピアノ、ギター、エレベ、ドラムの編成です。
ギターとベースがデンマーク、ドラムとピアノがフィンランド!ポーランド人はスタンコだけね。
ベースがウッドベースからエレベになりましたが、サウンドはエレクトリックな感じは全くなく、アコースティックなサウンドにいい感じにとけ込んじゃってます。
ギターのヤコブブロも良いけど、今回もピアノの美しさが際だっていて1音1音が透明感あり綺麗。
何処かでみた名前なんだけど、たぶん、自分が持ってるアルバムにはいない。
ネットで話題になったのかもしれないな、って、思いました。
祖国の偉大な作曲家コメダの曲が2曲、残り8曲がスタンコのオリジナルです。
オープニングは、透明感溢れるピアノの美しい音から。。鬱々としたスタンコのトランペットとクリスタルのようなピアノの組み合わせは、このあたりの好きな人には1聴でくせになるかも。
2曲目Terminal 7は、比較的動きのある演奏。と、言っても静かなのだが、繊細だけど的確なドラムのサポートがなかなかいいです。
The Dark Eyes Of Martha Hirschと言うタイトルから、アルバムタイトルをとったのでしょうか。
暗くもの悲しいメロディを何かに書き留めるようにたんたんと進めていきます。
ベースのランニングが始まって風景が一転するのですが、全体い鈍くダークな感じはそのまま。
何とも、繊細で暗黒系のドラムがかっこいい。スタンコがエキサイティングな雄叫びあげるとも、ブロ空間系のギターが響こうと、ピアノが走り出そうと、、ドラムが全てのバックで的確な感じ。
それは、続くGrand Central でも。派手ではないんだけど、ドラムかっこいいです。
スタンコの音楽って、一歩間違うとみんな同じようにきこえちゃいそうなのですが、ドラムはかなり健闘してると思うんだけど。
ピアノとトランペットのデュオで始まるAmsterdam Avenue。まるで、影のように寄り添うピアノ。
他の楽器が入ってきてからも、捩れた影のようにスタンコのまわりに絡む。いいピアノだと思います。
陰鬱に始まるSamba Nova。暗黒の宇宙を抜けると、なんだか、サンバ。対比的にまばゆい。(笑)
自分アルバムでは、ずっと取り組んでるコメダの曲からDirge For Europe。
力強いスタンコ節。浮遊感のあるギターソロ、、時間がとまってるような不思議な世界。
May Sun は、主役のいない、比較的明るい光を感じる曲、演奏。自然光。。
再びくらいムードで、Last Song 。スタンコとメンバーのやり取りは常に緊張感にあふれる。
最後は、やはりコメダ曲でEtiuda Baletowa No.3。優雅。。
ピアノホント美しいです。
仄暗く陰鬱。。ちょっと神秘的。
音が研ぎすまされて、より耽美な世界へ誘います。
1.So Nice
2.Terminal 7
3.The Dark Eyes Of Martha Hirsch
4.Grand Central
5.Amsterdam Avenue
6.Samba Nova
7.Dirge For Europe
8.May Sun
9.Last Song
10.Etiuda Baletowa No.3
Tomasz Stanko (tp)
Alexi Tuomarila (p)
Jakob Bro(g)
Andres Christensen (b)
Olavi Louhivuori (ds)
こういう世界を歩き回っていると、戻れなくなります。
それはやばいなぁ。。
んじゃ、退散♪
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TITLE: TBさせていただきます
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今回のアルバムは曲ごとにいろいろなサウンドを楽しめました。ECMではめったに出ないといわれる4ビートの部分なんかもあったりして、あと、サンバとか。
でもやっぱりスタンコおじさんの哀愁漂うスタンコ節も、それはそれでいつもの通りかな、という感じで、安心して聴けました。すずっくさんは音から出てくる情景描写的な表現がうまいですね。
投稿: 910 | 2009年11月16日 (月) 21時37分
TITLE: ありがとうございまぁす。
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910さま、、いろいろ、、どーも。(笑)
>今回のアルバムは曲ごとにいろいろなサウンドを楽しめました。
わたくしも、たのしめました。
これって、もっと話題になってもいいきがしましたが、「偉大なるマンネリズム」って、工藤さまのおことばにも納得。
好きなひとだけで、楽しめばいいですね。(笑)
>ECMではめったに出ないといわれる4ビートの部分なんかもあったりして、あと、サンバとか。
サンバだけど、暗いよねぇ。。(笑)
4ビートって、禁じ手なんですか。。
>でもやっぱりスタンコおじさんの哀愁漂うスタンコ節も、それはそれでいつもの通りかな、という感じで、安心して聴けました。
はい。
今日は、偶然にもお二人のかたがスタンコの名前をだしてました。不思議。。
>すずっくさんは音から出てくる情景描写的な表現がうまいですね。
ほめられたかな?
うれしいな。
ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2009年11月16日 (月) 22時56分
TITLE: こんばんは。
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寒いですね。これじゃ冬です。トーマススタンコは聴いたことがないのですが、チャールズロイドは昔のアルバムを持っています。最近はまったく聴いていませんが。
投稿: あかしや | 2009年11月17日 (火) 18時18分
TITLE: from London
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すずっく姉さま、ご無沙汰でございます。
日本でこのCDを持っている方は何名かいらっしゃることと
思いますが、Tomaszのサイン入りCDは今現在わたくしだけでは
ないでしょうか。うふふ。
投稿: カノン | 2009年11月17日 (火) 19時10分
TITLE: Re:Dark Eyes/Tomasz Stanko Quintet
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今晩は。僕は長年Tomasz Stankoの世界を追いかけてきました。サインは一つもありませんけどね。
前回、Tomasz Stankoが来日してポーランド大使館でライブを聞きましたが、ライブ中に時折見せる鋭い眼差しが忘れられません。
真のファンの為にも、また来日して欲しいものです。
投稿: セプテン | 2009年11月17日 (火) 21時20分
TITLE: 真っ暗ですねぇ。。
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あかしやさま、、こんばんは。
>寒いですね。これじゃ冬です。
今日も寒かったです。
はやくお風呂に入りたい。(笑)
>トーマススタンコは聴いたことがないのですが、チャールズロイドは昔のアルバムを持っています。最近はまったく聴いていませんが。
よく話題になるフォレストフラワーかなぁ。。。キースいるヤツ。
もう、その辺からワープして最近のアルバム聴くとぶったマゲますよぉ。
ロイドは幽玄な感じにどんどん進化していきましたからねぇ。
時は流れました。。
投稿: Suzuck | 2009年11月18日 (水) 17時50分
TITLE: きゃぁぁぁ。。。♪
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カノンさま、遠くロンドンからありがとうございァます。
>すずっく姉さま、ご無沙汰でございます。
はいはい。つうか、こちらこそ、ご無沙汰です。
名古屋から、、ブーンとひとっ飛びしてロンドンのジャズフェス聴きに行ってるんですよね♪すごい、すごい!!
>日本でこのCDを持っている方は何名かいらっしゃることと
思いますが、Tomaszのサイン入りCDは今現在わたくしだけでは
ないでしょうか。うふふ。
すげぇ。
スタンコさまのファンってのは、結構いるんだよね。
でも、頻繁に来日するような人ではないから、この新譜にサインがあるのは、日本ではカノンさまくらいだと思います。
スタンコさまは、ミーハーなわたくしの中でも別格なのです。
いいなぁ。わたくしもサイン欲しいな。
さて、今度は、もう一人のお目当てのボラーニさまのライブですね。
こっちも、かなり羨ましい限りです。ハイ。
絶対、サインと握手とハグハグしてきてね!
で、、お気をつけておかえりくださいね。
ありがとうございました♪(はぁとぉ)
投稿: Suzuck | 2009年11月18日 (水) 17時55分
TITLE: 初コメント?ありがとうございます。
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セプテンさま、、はじめまして、、ですよね?
>今晩は。僕は長年Tomasz Stankoの世界を追いかけてきました。サインは一つもありませんけどね。
彼の場合そう言う人が多いです。
最近は、前回まで一緒にアルバムだしてた、ピアノのマルチンファン経由でスタンコを知る人も多いようです。
で、わたくし、間違ってしまった。Soul of Thingsも同じメンバーでしたね。この日記もなおさなくちゃいけませんねぇ。。
>前回、Tomasz Stankoが来日してポーランド大使館でライブを聞きましたが、ライブ中に時折見せる鋭い眼差しが忘れられません。
これはねぇ、、わたくしのブログでリンクしてる「晴れ時々ジャズ」のアーティさまが聴いてます。
アーティさまはセプテンさまとは違った印象を持たれたようです。
優しそう、って、思ったみたいです。
この時スタンコと握手して、サインもらってますよ。
その場に、、ご一緒だったんですねぇ。。
http://ameblo.jp/irregular-time/theme-10000568519.html" target="_blank">http://ameblo.jp/irregular-time/theme-10000568519.html
>真のファンの為にも、また来日して欲しいものです。
真のファンと言えるようなわたくしではありませんが、、
もしも来日したら、目の前で聴いてみたいなぁ。。って、思ってます。
サインもらいたいな。。
ありがとうございました。
投稿: Suzuck | 2009年11月18日 (水) 18時00分
TITLE: いいですよねぇ,この暗さ。
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すずっくさん,こんばんは。
Stankoの持つ仄暗さって,ポーランドの厳しい冬と関係がありそうに思えますよねぇ。じっと耐える男みたいな...(笑)。
Marcin君がいないのは残念ですが,Anders君で許しちゃいましょう。
こちらからもTBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2010年1月 6日 (水) 21時53分
TITLE: 暗くてなんぼ
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よっぱらいです。
明日はご用時あるからはやくねなくちゃ。
音狂閣下、こんばんはぁ。
>すずっくさん,こんばんは。
はい。
鼻水とまってお酒のんでまっす。
>Stankoの持つ仄暗さって,ポーランドの厳しい冬と関係がありそうに思えますよねぇ。じっと耐える男みたいな...(笑)。
スタンコって、鉄の意志みたいなのかんじますぜぇ。
ポーランドの冬もきびしそうですよねぇ。。
>Marcin君がいないのは残念ですが,Anders君で許しちゃいましょう。
つうか、蜜月すぎてたびだったんだから、、それでいいじゃん。。
立派になったんだよねぇ。
>こちらからもTBさせて頂きます。
はい。
どうも、ありがと。。
んじゃ、またぁ。。。。
投稿: Suzuck | 2010年1月 7日 (木) 00時14分