New York Days/Enrico Rava

3月、弥生の声に、、思わず薄着しちゃったけど、風邪ひいちゃって、再び、一枚重ね着。。
灰色の雲を通した陽射しは、すぐそこに春が来ていることが信じられないほど薄暗い。。寒々しい。
何となく、、ぼんやりと窓から空を見あげる、、。
灰色の濃淡の中に、、浮き上がって見えるのは、沈めていた想い出。。
薄暗い空が沈みがちな自分の心の鏡のようになる。
車から観た大通りのショーウインドウはピンクの春。
固い地面を突き破って、にょきにょき出てくる花の芽は緑の春。
なごり雪に煙る街角で待つのは白の春。
桜の枝についてる小さな葉っぱの芽は黒の春。
いろんな色でみんな春を待ち望んでる。
わたくしも灰色に染まっているのはやめなくちゃ。
ECMの最近のジャケットは白黒濃淡のデザインが多い。
昔は、カラフルなジャケットもいっぱいあって、お部屋に飾れたのにナ。
イタリアはEnrico Ravaの新譜はそんな沈んだ感じの空が写る。
スタイリッシュでモダンな感じもするけど、ちょっと暗くて寂しいな。
イタリアはトラペント王国です。
ええとね、確か、トランペットって、楽器はイタリアで出来たんじゃ。。なかったかなァ。(違ってたら、、ごめん)
クラシックのことは知らないけど、ジャズではEnrico RavaとマイダーリンPaolo Fresuが双璧なんです。(勝手に決めた)
二人とも、スリリングな演奏はもちろんですが、あの雲の上を歩くようなマイルスの空間使いや身を沈めたくなるようなチェットの気怠さを持ち合わせた個性派です。演奏はの雰囲気は全然違うけど。哀愁は一緒なんだけど、ソロで出てくるフレーズの色合いが陰と陽って、感じです。
そして、最近はやっぱFabirizo Bossoさまでしょう。他にも沢山うまい人は居るのでしょうが、時代の寵児って言うのは神様がたった1人に矢を放つものなのです。当たったのこの人ネーー。
さて、そんなラヴァは、今年の夏には、70歳になるらしい。でも、この70歳はとっても元気♪
過去の遺産にしがみつくだけでなくて、常に若いミュージシャンで生き血を吸いながら、、モトイ、、エネルギーを補充しながら、妖怪ラヴァ(ワタクシが命名)として妖しく輝き続けています。
白状しまくってますが、ラヴァを買う動機は常に不純です。
かっこいいボラーニが聴きたいからなのです。
でも、ラヴァの作品はそんなワタクシの浅はかな趣味を大きく越えてなかなかかっこいいのです。はい。
メンバー連名の名義になっている2曲を除いて、9曲がラヴァのオリジナル。
2005年の「TATI」のトリオにニューヨークの俊英二人を加えニューヨークでの録音。
ニューヨークな温度は多少あるものの、基本はダーク&グレイな仄暗い静寂な半闇の世界。
オープナーLuluは、非常に内省的な響きを持つメロディ。ラヴァの鈍く光るトランペット、ダイアモンドダストのように煌めくボラーニのピアノ。う~~ん、買ってよかった。ソフトなトーンで技ありのターナー、、ターナーのリラックスした感じの音選びは、対照的な感じなんだけどラヴァとすごくあってる。相性バッチリ。もちろん、、モチアン先生、グレナディアはいうことありません。シンバルの震えの余韻までが、、このメンバーには、モチアン先生しか居ないでしょう、、って、感じ。
Improvisation 1(ローマ数字が打てマヘン。。)は、そのタイトルどおりなのですが、静寂&内省的な仄暗さを保ちつつ緊張感いっぱいの空間。
グレナディアの早弾キベースから始まるOutsider。暗いムードながらもアップテンポに熱をおびる場面もあってアクセントになってます。ボララヴァの阿吽のレスポンスは不滅でーす。
Certi Angoli Segretiは、いろいろなアルバムに入ってるからきっとラヴァのお気に入りなんだろうな。
エキゾチックで不思議なムードを持つメロディで好き。
ラヴァの演奏は、常に陰鬱なムードを保ちながら、時に、ガンと瞬発力宜しくハードに攻める。
ボラーニもお得意の大胆な強弱を抑えめに、思索的ナフレーズを重ねて熱くなりながらもECM許容範囲の燃え方。
Interiors非常にメランコリックなムード。この曲は聴いたことある気がしますが。。。
わたくし的アルバムの白眉です。抒情ある仄暗さ。
丁度真ん中に、プロットを打つように、Thank You, Come Again。
明るく可愛い4ビートの曲です。ちょっと一休みみたいな安堵感。(^_^);;
可愛いボラーニのピアノで始まっていきなり混沌となるCount Dracula、異国情緒たっぷりなLuna Urbana、やはり思索的な2曲目のImprovisationと続きます。
ゆったりと天使の羽根が空中を舞うようなLady Orlando。。ボラーニのソロが素敵です。
Blancasnowは、互いに音を確認し合うようなユニゾンを繰り繰り返します。
心の中の木霊のようであり、時間や空間を越えた静かな心の叫びのようであり。。
ラヴァの1975年のECMデビュー作品でもラストを飾った1曲でした。。終演。
普段は雲の上でも忍び足で歩くようなラヴァは、時々、フリーナ展開にもなり、時々、奇声も上げます。
その妖怪変化にスリリングな感覚もありますが、常に仄暗いムードは満天です。
ボラーニさまは、品よくインテリジェンスたっぷりに高好サポートしておりました。
いつものはじけたお茶目な感じはないけど、素敵素敵素敵ィィ♪
つう事で、人生で道に迷ってるあなたに。(きっぱり)
1.Lulu
2.Improvisation 1
3.Outsider
4.Certi Angoli Segreti
5.Interiors
6.Thank You, Come Again
7.Count Dracula
8.Luna Urbana
9.Improvisation 2
10.Lady Orlando
11.Blancasnow
Enrico Rava (tp)
Stefano Bollani (p)
Mark Turner (ts)
Larry Grenadier (b)
Paul Motian (ds)
昨日は、お雛祭りでしたね。
我が家は、定番で田舎風の散らし鮨、蛤のお吸い物、菜の花お浸し付きエビの酒蒸し、、茶碗蒸し。。
田舎風の散らし鮨は父親から教わりました。
豪華だったから、今日は、倹約メニューだな。(冷蔵庫、冷凍庫の掃除とも言う。。)
お雛さまは、、旧暦のお雛さままで飾っておいちゃう。。
誰かさんが、、行き遅れたって、、いいのだァ。。(笑)
んじゃ、退散♪
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TITLE: TBさせていただきます
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出来ればキース・ジャレット・トリオと一緒の日の発売ではなくて、ラヴァさん単独で聴きたかったです。あちらもかなりのインパクトだったので。でも、ラヴァさんの方が、サウンド的にはECMらしくて好きな部分も多いです。
そう言えば、♪私のラヴァさん酋長の娘♪というような曲があったような...。(関係ないか(笑))
投稿: 910 | 2009年3月 4日 (水) 20時17分
TITLE: ラヴァ?ランダバ?
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>人生で道に迷ってるあなたに。(きっぱり)
呼ばれたような・・・・
投稿: 迷えるがいこつ | 2009年3月 4日 (水) 21時26分
TITLE: 出たな,妖怪!
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すずっくさん,こんばんは。ついに出ましたねぇ,妖怪が。
このアルバムはやはりECMらしいトーンがよかったです。「抒情ある仄暗さ」っていうのが言い得て妙と思います。しかし,こういうアルバムを好きな私はやはり根が暗い???まぁいいんですけどね。
TBさせて頂きます。
投稿: 中年音楽狂 | 2009年3月 4日 (水) 21時48分
TITLE: いぃろはぁ。。くろいぃがぁ。。。
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910さま。。それ。。関係ないわ・・。
>出来ればキース・ジャレット・トリオと一緒の日の発売ではなくて、ラヴァさん単独で聴きたかったです。あちらもかなりのインパクトだったので。でも、ラヴァさんの方が、サウンド的にはECMらしくて好きな部分も多いです。
やっぱり、、キース。。買わなくてはねぇ。。
と、、おもいつつ、、ウィッシュリストに投げ込んだままです。。
聴いてみたい気はやまやまですし、、聴く価値は山盛りなんですが。。
>そう言えば、♪私のラヴァさん酋長の娘♪というような曲があったような...。(関係ないか(笑))
あったわねぇ。。。
でも、、関係ないわねぇ。。(きっぱり)
トラバ。。ありがとうございましたぁ。。
-----
投稿: Suzuck | 2009年3月 4日 (水) 23時02分
TITLE: こりゃまたぁ。。およびで。。ないぃっ。
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迷えるがいこつさま。。冗談冗談。。だからねぇ。
>>人生で道に迷ってるあなたに。(きっぱり)
>
>呼ばれたような・・・・
そか。。迷子の子羊ちゃんなのねぇ。(笑)♪
きっぱり、、いうと、
人生で道に迷ってるけど。。白黒つけたくない。。あなたに。(きっぱり)
でっす。はいはい。
投稿: Suzuck | 2009年3月 4日 (水) 23時10分
TITLE: よばれて、、おびでて。。じゃじゃじゃじゃ~ん。。
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中年音楽狂さま。。お互いクールなきゃらにもどりませう。。
>すずっくさん,こんばんは。ついに出ましたねぇ,妖怪が。
はい。。
ベム。。べら。。ラヴァ。。
>このアルバムはやはりECMらしいトーンがよかったです。「抒情ある仄暗さ」っていうのが言い得て妙と思います。
やっぱり、、ECMだなぁ。。って、おもいますよねぇ。。
ECMに詳しくはないんですけどぉ。
>しかし,こういうアルバムを好きな私はやはり根が暗い???まぁいいんですけどね。
う。。ん。。
根暗だよねぇ。。
ときどき。。自虐的なつっこみいれてるでしょう。。
自分のギャグにぃ。。。
その辺が、、同士だよねぇ。。
って。とらばありがとう。。ございます。
投稿: Suzuck | 2009年3月 4日 (水) 23時27分
TITLE: ラヴァ、ダ、ラ、ヴァンヴァ
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>白黒つけたくない・・・
カフェオレか!?
投稿: ガイコツ | 2009年3月 5日 (木) 08時20分
TITLE: 愛のカフェ・・オーーレ♪
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ガイコツくん。。。おはよ。
>>白黒つけたくない・・・
>
>カフェオレか!?
うん。(爆)
ここのところ、旧譜ブレッカー聴きにはまっていたのでありますが、今日は、、愛のカフェ・オーレこと、、Offrampからスタートしようかなァ。。
今日は、ナイスなお天気デッス。寒いけどネ。
投稿: Suzuck | 2009年3月 5日 (木) 09時06分
TITLE: TBさせていただきます
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昔(30年ぐらい前)はイタリアのジャズメンといえばECMのエンリコ・ラヴァぐらいしか知らなかったのですが、最近はずいぶんと若手が台頭してきましたね。
でもラヴァのような独自のカラーを出せている人はまだまだ少ないような気がします。
本作も味わいが合って実に素晴らしい仕上がりでした。
苦手なモチアンもそんなに気になりませんでしたし(笑)。
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/174b96f915e31ac5cf8cdc70361bca5a/83" target="_blank">http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/174b96f915e31ac5cf8cdc70361bca5a/83
投稿: nary | 2009年3月 5日 (木) 12時25分
TITLE: 30年前。。。
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ナリーさま。。なんつうか、反応しにくい年数です。(爆)
>昔(30年ぐらい前)はイタリアのジャズメンといえばECMのエンリコ・ラヴァぐらいしか知らなかったのですが、最近はずいぶんと若手が台頭してきましたね。
イタリアンハードバップは根強い人気ありますよね。
>でもラヴァのような独自のカラーを出せている人はまだまだ少ないような気がします。
今、、活躍中の方達は、、20代、30代、、ですからねぇ。。
ラヴァの半分ですぜぇ。
頑張ってもらいましょう。。
>本作も味わいが合って実に素晴らしい仕上がりでした。
やはり、、世界市場を相手にシテル方々は、すごいですよね。。
>苦手なモチアンもそんなに気になりませんでしたし(笑)。
モチアン先生、やっぱり、らしい、としか、、言いようがありません。。
つう事で、トラバ、、届きましたか?
毎度、、すみません。
投稿: Suzuck | 2009年3月 5日 (木) 16時51分