Jazzitaliano Live2006/09 Stefano Bollani Trio

個性的な花が咲きそろうイタリアのミュージシャンの中でも、とりわけ大輪で不思議で人目を惹く花。
それは、ステファノボラーニ、あなたです。(きっぱり)
その魅力は母国の素晴らしい音楽風景を背景にしっかりもち、しかも生命力溢れる強烈な個性による大胆かつ繊細で、グルーヴ感もあふれる演奏。
20世紀がまるごとつまってるようなジャズピアニストです。
十代からポピュラーミュージックの演奏などで、鍛え上げて来たピアノスタイルは、かなり個性的。
温室育ちには思いもつかぬようなフレーズの連呼。
そりゃ、なんだ?って言う、スタンダードの料理法。
大物ミュージシャンを喰いまくったバッキング。
そのおそれを知らぬチャレンジャーな精神、音楽への情熱は、自ら歌うアルバムまでだしちゃう個性派。
既成の表現、殻から常にはみでそうな勢い。
つうか、、はみでちゃってるかも。
悪魔から、天使、、汚れ泣き少女から、罠を仕掛ける情婦まで。。。
本当に、多彩な表現で、「生き生き」とした、常に生身感覚の演奏を聴かせてくれる。
欧州叙情派「末端」ピアノにありがちな金太郎飴的な王道「耽美的」な表現というより、自分が感じる「美」というものをかなり具体的にゴージャすに表現している。
ジャズファンなら誰もが持ってる「壺」、先の読めないスリリングな展開がファンを惹きつけて病まない。しかも、常にメロディックなのである。
そう、ママンのお腹の中から「歌」とともに育った典型的なイタリアンなのだろう、、って、おもうのでーーす。
ローマに滞在すること、、早二ヶ月。。(^_^);;
「そろそろ、お家に帰りたいな~」、なんて、里心が見抜かれたか。。
今宵の「Casa del Jazz」はマイダーリンの一人、ステファノボラーニだって♪
おぉぉ、、やっぱ、いかなくちゃ。
ローマの中心部、Viale di Porta Ardentinaの公園の春を堪能しながら、通い慣れた「Casa del Jazz」に向かって、とぼとぼ、、歩くすずっくである。
イタリアの春は、素敵☆(だと。。思う。。誰か、、招待してくれぇ)
今日のメンバーはと、フライヤーをみれば、、
おぉ、メンバーは
あの日本盤のトリオと一緒ですね。
ボラーニさまにかぶりつける場所を選んで着席。
出てきました、わぁ、カエル顔、健在。黒いビロードジャケットをラフに着こなして、パンツの縦線がまた素敵。イタリア人らしくお洒落。うむ。。
ベースのアレス様のおひげも悩ましいわん。
石畳の街並みがイメージされるような哀愁あるボラーニオリジナルEravamo un Manipolo di Eroiから始まる。くっきりと一音一音が、踊り出す。
パーカッションのリズムも効果的、連携プレーもお手の物。
アレスの歌いながらのソロも飛び出る。イタリア人のベースは歌うの好きですよね。
(途中で、、満足げに笑いまっせ!)
イタリア民謡のような哀愁を振りまいて。。ノリの良い一曲目が終わると、
Elena e il suo violino。アルバム、タイタニックではハーモニカをフィーチャーしてえらく叙情豊かな琴線てきな演奏でしたが、今回はピアニストボラーニのハイテンションなインプロゼーションが存分に楽しめる演奏。
ピアノの鍵盤の上を縦横無尽に動き、トリオとしての一体感も登り詰め、アレスの濃くくっきりしたソロ(また、笑いまっせ)もはさみ、美しいメロディに戻ってくると、別人のようなタッチ。ベースと韻を踏んで見事に着地。
Donald FagenのMorpf the cat。24年ぶりのソロアルバムで、話題になったフェイゲンの曲を取り上げて、やっぱ、アンテナが常にぴんとはってる証拠。
結構脳天気に始まるのですが、途中から、メロディを保ちながらも、時々はいる爆弾投下などやはり一筋縄ではいかないボラーニ節満載。
このライブ、、かなり、面白い。5ユーロはは、安すぎるかも。
おもわず、ため息とともに思う。。し・あ・わ・・せっ!
ちょっと、熱の入った演奏がつづいたので、お口直しのシャーベット。
La puertaはピアノソロで。バラード風の美しいメロディなのですが、両手をフルにつかった長ーーーいフレーズは、次第に力がこもったタッチになり、情熱的な演奏で終わり、わき上がる拍手。。
Logorio della vita moderna、、再びオリジナル。シングルトーン中心のフレーズが続き、ハイセンスで知的でクールな一面を持った演奏。悲しそうなメロディが際だつ。
彼の静の部分が堪能できる。
全曲からの雰囲気をもった知的で少し無機質な感じのピアノソロが次第に熱を帯びてボラーニ節の間から現れたのは、All the Things you areのメロディ。
ベースとドラムがインしてからのグルーブ感は、もう、快感としか言いようのない気持ちよさ。その疾走感の中で、根底ではずっとこの有名な曲のメロディが流れ続け、しかし、演奏はその間中も縦横無尽にインプロゼーションを展開してるな豪快な演奏!
三人で、築いてきた絶妙な間合い、やりとりも楽しめ、私的には高得点なAll the Things you are。最後のモールス信号から発生するちょことっとフリーな感じまで、本当に面白い!
グレンミラー楽団の十八番。。Moonlight serenade。その優雅で美しいメロディを優しく、丁寧に、、でも、情熱も込めて弾くボラーニ。今宵、一番のロマンティック&らぶり~な演奏だろうか。。。さっき、、爆弾投下してた本人とは思えぬわ。
と、ライブも終わりに近づいたのか?いきなりハイテンションな演奏。
「おしゃれをする」という意味の当時のスラングをタイトルにしたという、アービン・バーリンの曲Puttin' on the Ritzをお得意のパーカッシブで躍動感あふれ、スリリングな展開で弾きまくる。メリハリのはっきりした、音使い。高速フレーズと打撃法。爆弾投下。
高揚して、のけぞる面々!!興奮する、観客。心、わしづかみだぜぇ。
もう、かなりボラーニの魔法にかかってる私たちにむかって、弾き語りをはじめた、、、ボラーニ。
「コパカバーナ?」
バリー・マニロウの大ヒットでしられてるあの曲とは、、似てもにつかぬもの。
あえて言うなら、年とったおじいさまのひとり芝居?を見るような。。笑いを誘う演奏で終演。
え!まじっすか?おしまいですか?うむ~、最後までボラーニだわん。
楽しかったぁ!!!!!
1.Eravamo un Manipolo di Eroi
2.Elena e il suo violino
3.Morpf the cat
4.La puerta
5.Logorio della vita moderna
6.All the Things you are
7.Moonlight serenade
8.Puttin' on the Ritz
9.Copacabana
Stefano Bollani piano
Ares Tavolazzi double bass
Walr Paoli drums
これはね、、ボラーニファンは必聴。(珍しく、きっぱり)
イタリア人で構成されてるこのトリオ、かなり、演奏も自由奔放で、感情表現もストレート。そして、メリハリしっかり聴いてる。
小難しいことしてないけど、オリジナル、スタンダード、どれも、高密度に面白さ満載。時間制限もないようで?一曲づつも長いけど、でも、どれも面白い。
64分と時間がでるけど、なんか、「一晩まるごとボラーニ」、って感じでした。
私的には、かなり高ランクなアルバムで、幅広く彼そのものを楽しめるアルバムです。
今、はまってるわん。
追記
最後のCopacabanaは、Paolo Conte という歌手(ピアノ弾きながら歌うみたい、弁護士で絵も得意ってかいてある記事もあった!)の、形態模写らしいです。
日本盤Volare で Bollani が演奏している Azzurro の作者の一人だそうです。
って、裸天馬さんに教えていただきました。m(__)m
でね、
音源さがしてみました。残念ながら、Copacabanaはうたってないけど、しわがれ声でシャンソン風もあり、ブルース調もあり?って感じですか?
なんでしょ、雰囲気の人ですよね。。。
多少オーバー気味ながら、特徴よくつかんで「笑い」に走ってる、ボラーニ。。。
やはり、、イタリアの関西系ですよねぇ。。
いかん、忘れた。
ボラーニのHPです。言語えらんで、ダウンロード、って、ところで、Copacabanaが聴けちゃいます。
普段は、、もっと、いい男っぷりでうたいますわよ。
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