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音楽で拡がる輪

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2006年6月26日 (月)

Arching/Olivier Antunes・Jesper Lundgaard

発売をしってず~~と楽しみにしていたアルバム。
北欧はデンマークのベースJesper Lundgaardとユージンパオのアルバムで一目惚れしたOlivier Antunesのデュオのアルバムです。
ところが、到着してすぐかけたものの、なんだか、自分を素通りしていくのです。
そう、、素通り。あれま、って感じ。で、しかたないから、放っておきましたぁ。
それでも、この二人のアルバムを放っておくのは、やはり気になるので、再びトレイに置いたら。。。

と、、、アルバムは実に繊細で透明感あふれており、二人の互いを尊重しあった落ち着いた演奏に、最近、アルバムに強烈な刺激を受けるものが多かったせいもあって自分のほうが何処か麻痺していたのかなぁ~、って感じで、内容はとても良かった。もう少し、聴いてから、って思ったのですが、旬でもあるので。。

丁々発止、とか、スリリング、とか、そういう言葉とは、ちょっと距離を置く感じのアルバム。しかし、互いに互いの音、フレージングをよく聴いて、丁寧に「音やフレージング」を返していきます。綺麗な言葉でしゃべる素敵な会話を聴く感じ。
ルンゴーの正確なピッチで、きっちりとテーマをとると、教科書どおりでございます!みたいなイメージもあるんだけど、ところがどっこい、実はインプロゼイションの積極性や多彩さは、本当にすごいです。
ピアノは、端正で上品な優しさと柔らかでしっとりしたタッチだけど、相手をしっかり聞く耳のすばらしさをもっていて、ルンゴーの意外とくせ者のベースの動きにたいしても、常に的確な返答をかえし、自らも問いかけていく。
もう、エヴァンスを、、ず~~と、繊細にした感じ、、ってのが私のオリビェくんの印象。

聴きようによっては、イージーリスニング、お部屋の芳香剤ともなりかねぬ端正さと気品と、、そして、リリカルな演奏は、なんと、15曲、67:36なのです。
デンマーク民謡、賛美歌、、等から、エリントン、ナットアダレイ、オスカーピータソンなどの曲や枯葉、エスタテ、スピリチュアルソングまで入っていて、散漫になりかねない雰囲気なのですが、アルバムにがっちり統一感を与えてるのはやはり二人の高度で気品ある「性格」とそこから来る会話なのですはないでしょうか。


まるで、ピアノのレッスンでもはじまるような優しく丁寧なデンマーク賛美歌?にはじまり、マイナーな哀愁あるメロディがここにしみるナットアダレイのThe Old Country、4ビートになってからの小気味よいスィング感は、ジャズ心もたっぷりです。
エリントンのCome Sundayでは、ルンゴー弓弾きが曲の優雅さと相まって、心が解放されていく素敵な演奏。一転ミルトジャクソンのReunion Bluesでは、バップ曲をアップテンポでグルーブ感たっぷりに走りきり、ボサノヴァリズムで、切なさにとどめを刺すEstate。。
その後も牧歌的な曲も多く交えて、北欧の叙情豊かに二人の架け橋は続いていきます。
実はJesper Lundgaardは「X-MAS BASS」って、クリスマスアルバムを出していて、そこでも北欧の各地のフォークソング、賛美歌などを、すべて自分でテーマをとっているアルバムを出してるのです。そこで演奏してるものも何曲かあり、親しんできたメロディをとても大切にしている事がよくわかります。
それらに対するOlivier Antunesの解釈も素晴らしく、原曲を損なわずに自分の詩を朗読してるような感じ。
9,10と二曲つづく、デンマークの作曲家 Carl Nielsenの曲も御愛顧のようである。そんな中で、ふと、聞き慣れたメロディが走る。Autumn Leaves。ブルージィでジャージィな仕上がりに、やはり二人の力の高さを感じます。
アルバムは静かな中にも自分たちの国デンマークを強く意識した、デンマーク賛歌てきな感じにもなっているのかもしれません。(オリビェくんはパリ生まれだそうですが。。)

それぞれの立場を交互に入れ替えたり、併走したり、ユニゾンしたり、互いの歌心や演奏にインスパイアされながも、過度にエモーショナルになることもなく、親子ほど歳のはなれた二人のまさに二人三脚な一枚です。親友、まさにインティメイトな関係です。

1.Giv mig Gud en Salmetunge
2.The Old Country
3.Jes ser de Bogelyse Oer
4.Come Sunday
5.Reunion Blues
6.Estate
7.Lad Det Klinge Sodt I Sky
8.It's Me,Oh Lord
9.Mit Hjerte Altid Vanker
10.Tit er Jeg Glad
11.Hjerte Loft Din Glaedes Vinger
12.Autumn Leaves
13.Kirken Den er Et Gammelt Hus
14.Hymn To Freedom
15.I Danmark er jeg fodt

Olivier Antunes (P)
Jesper Lundgaard (B)

なんかね、疲れちゃった人にはお勧め。
荒れてささくれた心を、リフレッシュしてくれる、、、、「かも」
保証はしないけどぉ。。



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JAZZ(Flight to Denmark)」カテゴリの記事

コメント

TITLE: Re:Arching/Olivier Antunes・Jesper Lundgaard(06/26)
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すずちゃん、こんばんは。



これって、私向きかも♪最近、騒がしいやつかけられるとイライラしちゃうのよね。。。



デュオって、双方がリズム楽器の仕事をしなきゃならないから、相手の音に耳を澄ませるような繊細さがあるよね~。



うちはいま、近所のライブでよく聴くデュオがそんな感じなんだぁ。2人なのに、まるでビッグバンドみたいな符丁合わせがたまらないの!

TITLE: うん、いいよぉ。
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しこちゃん

おはようさんです。

新潟は寝苦しい夜であった。。



>これって、私向きかも♪最近、騒がしいやつかけられるとイライラしちゃうのよね。。。

私、まぁ、、毎日いろんなアルバムかけるんだけど、確かに、気分によっていろいろあるよね。

基本的に、ここでは気に入ったアルバム、って感じで書いてるのですが。。。

問題は、選曲かなぁ。。あと、曲数多すぎるきもするですよねぇ。。



>デュオって、双方がリズム楽器の仕事をしなきゃならないから、相手の音に耳を澄ませるような繊細さがあるよね~。

そう、大体、ドラムレスになるから、その辺互いにどうに感じあうか、重要だよね。

でも、ピアノがいると、まぁ、普通はオッケイだよね。カヴァーできちゃうからね。

ベースも、この御方なら、なんでもできちゃいますからね。

でもさ、デュオって、そういう技術的なものだけじゃ、駄目な気がします。

その部分が、デュオのアルバムでそれぞれ違っていて(当たり前だけど)面白いです。



>うちはいま、近所のライブでよく聴くデュオがそんな感じなんだぁ。2人なのに、まるでビッグバンドみたいな符丁合わせがたまらないの!

すげぇ!

今日は朝から、すげぇ!!の連続なんで~す。



あ!黒故障頼むのわすれとった!!

TITLE: くたびれ親父の清涼剤
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お久しぶりです。

くたびれている黒門町です。



これ、私も買ってきて最初に聴いたとき、外したかぁ・・・と思ったけど、今は結構気に入ってます。

確かに曲数多いかな。一気に全部は聴かないけど。

同じ頃出たヤン・ラングレンのDuo盤も15曲55分くらいでした。



くたびれてはいるけれど、元気にやってますよ~~~。

TITLE: くたびれ親父の清涼剤!!
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黒門町さ~~ん



素晴らしい、表現。

くたびれてるのね!!!黒門町!!殿!

あなたには、お野菜一本お勧め!なんちゃって。



>お久しぶりです。

う~~ん、涙の再会かなぁ。。(笑)

大丈夫ですか?会社に搾取されてない?



>これ、私も買ってきて最初に聴いたとき、外したかぁ・・・と思ったけど、今は結構気に入ってます。

わかる、わかる!

なんか、端正すぎてしまうきがするんだよね。

ジャズファンって、綺麗すぎるものに、瞬間的に拒否反応でたりするんで。。(^_^);;

特に小さな音でかけてると、イージーリスニングにもきこえる。

まぁ、っそれはそれで、、いいけど。

選曲も、ジャズファンには退けるタイプのものが多いよね。

クリスマスファンは全然オッケイっすけど。。

でも、凄く真摯な演奏がつづき、こういう親密さ、ってのも凄いとおもうんだよねぇ。。

デュオって、感情の絡み合い、ってのも良いんだけど、こういうスタンスの演奏もいいよなぁ。。



>同じ頃出たヤン・ラングレンのDuo盤も15曲55分くらいでした。

ラングレンのデュオ、ベースどうでした?

巧いそうですが、なんか、自分的にはピントくるんだろうか?って、手がでてないのですけど。。

どんな、、感じなんでしょう?

スベンソンとかのベースだったら、手だしたのにな。




TITLE: すきですよ
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monakaです。TBありがとうございました。買おうと思いつつ買ってないアルバムです。かなり好きだと予想しています。放っておくのって正解ですよね。後から来るやつは長い付き合いになりませんか。ヤン・ラングレンのDuoも欲しくなっています。どちらかというとこっちを先にしたい感じです。

TITLE: あ、まだ頼んで無いなら
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黒故障!夫がすずちゃんにお土産って買ってきてあるから、郵便か何かで送るよ。住所教えて~。

TITLE: &自己レス
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そういえばさぁ~、うちもよく本でやってるよ。積読ってやつ。買ってすぐなんかだいたい読まないもんねぇ(笑)



音源だったら、並源かなぁ、平原かなぁ?(笑)

TITLE: 一目惚れ。
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monakaさん



恋するときも、一目惚れもあれば、、

じわじわ、、ってのもありますよね。

基本的に、一目惚れしたあと、、じわじわ、、そのまま、、って、人なんですけどねぇ。。



>放っておくのって正解ですよね。後から来るやつは長い付き合いになりませんか。



>ヤン・ラングレンのDuoも欲しくなっています。どちらかというとこっちを先にしたい感じです。

前に、このベースの事を書いてた文章読んで、ベースどうなんだろう?

自分的におもしろいのかなぁ、、って印象だったので、とりあえずパスしてるんです。

ラングレンも好きなんだけど、、、

こっちの方が、きっと、ジャズの臭いはぷんぷんするのでしょうね。。

聴いたら、感想おねがいしま~~す。

TITLE: すごく、楽しみです。
SECRET: 0
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しこちゃん&旦那様

どうもありがとう!

今ね、私、、蕎麦研究会に入って!!

燃えてるんだぜぇ。



>そういえばさぁ~、うちもよく本でやってるよ。積読ってやつ。買ってすぐなんかだいたい読まないもんねぇ(笑)

うん、、でも、我が家は、、

積んでおくと、、すげぇ、、怒るやつがいます。はい。

新潟あつくて、夜中に仕事できない。。

夜中に仕事するの、、好きなのに。。。

暑いのに、、身体がなれてなくて、、駄目だぁ。。

TITLE: 癒されます。
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このアルバムはおっしゃる通り、かなり疲れた時に聴くとほ~っとほぐれていくような感じです。

で、疲れてない時でも暖か~い毛布にくるまっているような気持ちにさせてくれて、何とも癒されます。

ちょっと他のアルバムとは別の働き、という感じで手放せない1枚です。

TBありがとうございます。こちらも逆TBします。

TITLE: これね。。
SECRET: 0
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madameさま、私はね、、流行の何とかピアノトリオより、、、

完成度も、癒され度も高いと思うんですよ。

でもね、、「何故か」発売当時は手に入りにくかったのです。

で、、、日本ではあまり市場に出なかったです。

すごく、、残念。



>このアルバムはおっしゃる通り、かなり疲れた時に聴くとほ~っとほぐれていくような感じです。



ですです。

結構、、静寂ながら、密度は高いのですけどね。



>で、疲れてない時でも暖か~い毛布にくるまっているような気持ちにさせてくれて、何とも癒されます。



ですです。

うまいこと、、仰りますです。



>ちょっと他のアルバムとは別の働き、という感じで手放せない1枚です。



と、、思うのですが。。

話題にならないんですよねぇ・・・



>TBありがとうございます。こちらも逆TBします。



これねぇ。。トラバも無くて、、」なんだか、かわいそうだったので。。

すごく、、うれしいです。はい。

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