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音楽で拡がる輪

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2006年4月17日 (月)

Jumping The Creek/Charles Lloyd

ライブにはたまにしかいけないので、行くとしばらくその余韻に浸ってしまいます。グルーヴ感や疾走感あふれるかっこいいライブだったな~、などとおもいつつ、ぼけっと、CDを眺めてましたが、ここは、まったくタイプの違うアルバムでも聴こう、と、、取り出してきたのが、Charles Lloydさまです。
これは、去年でた新譜なのですが、すぐに買わなかったくせに、聴いたらノックアウトでございましたね。。と、、すでに購入してから随分たってしまった。
のんびり構えてましたら、ナリーさん経由ですでに新譜?が出ちゃってることが判明。嬉しいような、、困ったような。。。まだ、このアルバムも未消化なきがしますが。。

コルトレーン分子いうと、闘病中のマイケルブレッカーが筆頭にあがることが多いけど、やっぱり、コルトレーンを考えるときその演奏そのものと精神的なものの二つを考えちゃうもので、自己の内面ととまっつぐ向き合って、葛藤してきた精神的な意味でのコルトレーンの一番の継承者はロイドだとおもってる。(勝手にきめた)てな、事で、私的ECMの神様の1人はロイドだったりするのでした。

チャールス・ロイドは有名なフォレストフラワーという、キースやディジョネットを配した、そりゃ、圧倒的、怒濤の勢いのライブ盤を出しているのですが、商業主義的な音楽の世界に、自分が摩耗されてると感じたのか、田舎に隠居してしまい、、ペトルチアーニに恋われて復帰した、、てのは有名なお話です、、よね?(オタク話か?)
が、、復帰後は、内省的で、幽玄な自己の世界を表現していくアルバムが多く、以前のファンを「がっかり」させてようで~す。はい。
別にロイドに心の迷いがあったわけでなくて、自分の内側をみつめたらそうなったわけなので、仕方ないと思うのですけどね。。確かに、濃い霧の中に迷い込んだようなアルバムも無いことも無い。。。
でも、内容もがっかりするようなものでもなくて、常に敏感に「旬」な演奏家と共演して、なれあった世界に満足しない精神的な高さを感じます。
特に彼のバンドのピアニストは、キース、ペトルチアーニ、メルドウ、ボボステンソン、、など、皆、個性的で、一筋縄ではいかない、怖さと美しさを兼ね備えた人なのですが、今回も凄いぞ。ジュリ・アレンです。
ジュリアレさまのフリー魂は、たまに私のような軟弱で真空ものには、一撃で退散したくなってしまうような時もあるのですが、今回はもう、メロメロ。素晴らしい。かっこいい。美しい。。(密かにマダム・ペレと命名。ペレはキラウエア火山の女神でーす)

1曲目はシャンソンの名曲だそうで、「行かないで」。感傷的なメロディを、切ない感情をふり絞るようにせつせつと吹き上げるロイド。ジュアレは雰囲気を保ちながらも、ダイナミックな不思議な魅力にあふれるソロを展開させ、再び、戻ってきたロイドが「行かないで」と連呼するバックでも見事にその暗く切ない気分を盛り上げています。「行かないで」が顔をだすエモーショナルなオリジナルバラードなどをはさんで、5曲目はメンバー間のディオを中心に曲が進み、淡々とした会話がカルテットとして熱く語りはじめるタイトル曲Jumping The Creek、続いて、ハンガリーの民族楽器を使いアルコでエキゾチックな効果をあげロイドらしい曲。

そして、昔の彼のオリジナルSweet Georgia Brightを核にした二部構成の7曲目、Georgia Bright Suite!!前半、ロイドとジュリアレのフリーな演奏から入って、次第にテンポアップし、アグレッシブな展開に進んでいき、メンバー全員で怒濤の演奏でぶっちぎる演奏は、凄い。
と、、ロイドお好きなエリントンナンバーは、今回はCome Sunday。
ロイドがアルトサックスで、ゆったりと幽玄な雰囲気もこめてふく前半と、美しくメロディを奏でる後ろの、リズム陣二人のユニークなリズムはとても印象的。変なのぉ。(^_^)
最後の曲も、ばらばらに各自がアピールしあう、フリーな演奏から次第にテンポアップしながら、一つに収束し、ヒートアップした演奏になる曲。ロイドとメンバーの集中力の高さは本当に凄いのですが、熱くなりながらも、自在な感覚をそのまま残していて、最後まで安易な演奏にに終わることないモチヴェーションの高さをメンバー全員が持ち続けてることに拍手!唖然としておわるのでした。
ホント、ロイド、ジュリアレはもちろん、ベースもドラムもかっこいい!!

と、いっても全体には静寂で内省的なECMの空気がながれており、常に自分の心に忠実に、そして、その心の中で鳴り響く音楽を届けてくるチャールスロイドの世界なのでした。やっぱ、独りで。(眉間にしわよせながら。。冗談)

1. Ne Me Quitte Pas (If You Go Away)
2. Ken Katta Ma Om (Bright Sun Upon You)
3. Angel Oak Revisited
4. Canon Perdido
5. Jumping The Creek
6. The Sufi's Tears
7. Georgia Bright Suite
  a.Pythagoras at Jeckyll Island
b.Sweet Georgia Bright
8. Come Sunday
9. Both Veils Must Go
10. Song Of The Inuit

Charles Lloyd (Ts, As, Targato)
Geri Allen (P)
Robert Hurst (B)
Eric Harland (Per,Ds)

また、、長くなりました。m(__)m


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JAZZ(Born In The U.S.A. )」カテゴリの記事

コメント

TITLE: いつもながら
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すばらしい文章です。

書かれていることはほとんど同じなのですが、この内容の濃さはいったいなんなのでしょうね(苦笑)

ロイドの新譜もだいぶ期待できると思いますよ。

もうわたし的には今のところ今年の最優秀盤です。



こちらからもTBさせてもらいました~。

TITLE: これ、よかったですね。
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naryさん

なんかね、メジャーな人がだしてるアルバム、ついつい、あとまわしになってしまいいます。

波止場で海に向かってたってる写真も象徴的なものがあって素敵でした。

去年、来日したとき、聴けなかったのはかなり、残念だなあ。。

秋田も新潟も東京は遠いよね。。。

朝は、フィッシュアウトオブウオーターを聴きました。

これも、好きです。

ロイドはまりそうだったけど、、、「振り切って」違うアルバムかけました。(^_^);

TITLE: Re:Jumping The Creek/Charles Lloyd(04/17)
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Lloydが現役だったとは知りませんでした。フィルモアでのライヴ、確かLove In というタイトルのLPを以前持っていましたが、出来が悪い作品なので嫁にだしました(笑)。

TITLE: お嫁にだしちゃったのですか?
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ケルンコンサートさん

>Lloydが現役だったとは知りませんでした。フィルモアでのライヴ、確かLove In というタイトルのLPを以前持っていましたが、出来が悪い作品なので嫁にだしました(笑)。



お嫁に言った先で、2度目の人生幸せだといいですよね

と、残念ながらそれは未超なのですが、「Charles Lloyd in the Soviet Union」は持ってます。

もちろん、お嫁にだしてません。(笑)



現役なのです。はい。

去年来日してました。行きたかったな。


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