Line up/Mauro Negri

私はポール・デスモンドのファンなのですが、彼のアルトサックスの音色にはクラリネットが入ってると思いまあ~す。
そう、ドルフィーやカークも演奏してますが、やはり、クラリネットはスィングジャズが王道って、イメージがあったりしますよね。
ヨーロッパだと、クラシックの本場、って事もあって、マルチリード奏者、って言われるような人は結構アグレッシブにクラリネット吹いてます。ミッシェル・ポルタルの、かっこ良すぎるバスクラの演奏もドキドキするし、同じフランス人には、ルイ・スクラヴィスって、有名人もいるなぁ。。どちらも、郷愁なんて言葉はぶっ飛びますよねー。
イタリアだと、Egeaレーベルの申し子のような、ガブリエル・ミラバッシ(流行のピアノはジョバンニ・ミラバッシ!)もいますねぇ。。。
で、今日はイタリアMauro Negri、サックスも吹くマルチリード奏者でーーす。
以前に「Funy Men」って言うアルバムが好きだぁ、って騒いでましたが、めちゃくちゃ楽しい演奏を聴かせてくれて、ここではサックスが主体でしたが、、ジッベリーニのギターに乗って、ビッロのピアノはずんで、、3人ともいっぺんにファンになりました。
大好きなキャストリさまの「Wooden You」でも、マリンバとともに渋く落ち着いたクラリネットを楽しませてくれ、、
自作では、怒ファンクなアルバムを「あの」ベボフェラと吹き込んでいて、それもそれでぶったまげだったのですが、、
なんせ、他にも追っかけが多くて、、しばらく、彼の新譜パスしてたのですが。。。
出た。。。出た!!
買わずに居られないアルバム。
ピアノがPaolo Birro♪ふゅ~ふゅ~♪
ベース!!Furio Di Castri、きゃ~きゃ~♪
Fabrizio Sferra パチパチ。。(一番印象薄いけど、好きなアルバムにサイドで居ること多いのだ)
イタリアのサイトで見つけてから、待ちに待ちましたね~、って、わりには来てすぐ開封しない怠慢なヤツですが。。
で、アルバムはファンクテイストあり、しっとり叙情あり、インプロばっちりのフリーな演奏(大丈夫、ほんのちょっとだから)から、泣けるようなバラード演奏まで、緩急、明暗、静動ありでたのしかったぁ!
想像できます?クラリネットのハードブロウ、っての。
ある時はフリーキーでダーティ!!あるときは透明感あって、ビューティフル!
変幻自在!そんなマウロネグリ(これで良いか、、ちょっとわからんが)がたのしめます。良い男になったねぇ。頭の毛、、無くなったけど。。。私は嬉しいわ。
一曲目の4人揃った切れの良い音を聴いて、もう、嬉しくて万歳。
ドスの効いたメロディとリズムは、そのままそれぞれのソロでも続いて、最初からそれぞれインプロぜーションで凄みをきかせてくれます。
4人の音が合わさると、どんどんグルーヴ感が高まって、一曲目にして引き込まれます。(いつもながら、単純に相手の作為にひかかる私)
次曲もマイナーな音階遊びのような不思議なメロディもぐるぐる回るピアノ効果で不気味、不思議な異次元巡り。
クラリネットの練習ですか?って後ろで、うごめく「伏線多数」。。。
クラリネットの大波にのって、知らない間に遠くの見知らぬ世界へ。
「キャストリ節」満載なソロ。。。不思議の国の瞬間の出来事。。。
3曲目の物憂げな曲も好きだなぁ。。。アルバムの前半は、少しダークな雰囲気のネグリがながれ、彼を眺めながら対照的に動くキャストリのベースの演奏が見事な流れになっていて、4曲目のようなちょっとばかりフリー満載な演奏も、面白く聴ける。いやぁ~、クラリネットもいろんな音がでますわね♪いけ、行くんだぁ!
で、いきなり、5曲目にめちゃくちゃ綺麗なバラードを配する、、。憎い!
ビッロのリリカルな音が、、まぁ、、涙ものだし、かわいいメロディですねぇ。
いきなり、ネグリも抒情的なしっとりした演奏で、哀愁もさそいます。
ビッロとユニゾンしたりしますが、(この人、ユニゾるの好きかも。)
え~ん、ここのベースソロもいいよぉ。バックキングもかっこいいよぉ。
で、ちょっと、息抜き風の楽しいユニークな曲を挟んで、、、
このアルバム唯一のスタンダード。「In A Sentimental Mood」丁寧にテーマを吹くネグリ。
想いを込めて、気持ちを込めて。。。それをビッロにバトンタッチして静かにインタープレイで登り詰めていく二人。。。ビッロはデュオ上手いよねぇ。。。
最後に、ふっと、、息をぬくタイミングも実に素晴らしい。
そのまま、続く、オリジナルの優しいバラードも素敵。まるで、春の野に咲くすみれのような香りがする。。曲。((と、オリジナルだとおもっていたら、、アルバート・ゲイムス作曲の有名な曲だった。。m(__)m、、どおりで、めちゃくちゃ良い曲で、ネグりは天才だとおもったぜ。。おまけにアマポーレはスペイン語で「ひなげし」だそうだ(^_^);、、無知ですいませんm(__)m))
優しく、ほのかに甘く、、、そして、儚げで。。。まさに「In A Mellow Mood」
(ジョニースミスのこの二枚、、知ってますか?と、、いきなり関係ない話題)
と、、キャストリのベースソロがまた絶品。ネグリは少しエモーショナルになって、フリーキーな音をだしたりするけど、我に返って静かに、幕をとじます。
中途半端な音で終わって、あれれ、、って思ってると、、十秒以上?の間があって、本当に終演となります。
えぇ~と、、せっかちなそこのやから、、、早すぎる拍手は慎むよう~に!
「Funy Men」の演奏より、ずっと深みがでて、「Wooden You」の時より遠慮が薄くなって、全編キャストリが大活躍なんだけど、だけど、ネグリも対等にバンマスはってた。あぁ、面白かった。。ぁ。
キャストリ、渋くて、かっこいい。フレスとの演奏では、いつもパーフェクトにかっこいいベースだけど、これも本当によかったです。
ガンガン弾きまくっても、常に感情をコントロールしていて、かっこいいけど派手っていうのとちがって、「渋かっこいい!」くそっ~♪、、また、惚れ直した。
早いパッセージなんてモロともせず、表で裏で聴かせてくれます。
感情に溺れることはない演奏なんだけど、聴く側は、、ぐっと引き寄せられてしまう。
わヵぁぁぁぁ!かっこいい。
と、、叫びたい。クラリネットの音色とマッチして、不思議な空間が広がる。
いろんなタイプの曲に、明快な解答を示すパオロビッロも素敵だぁ。
ビッロはシシの新作でも活躍してるので、リーダー作も期待しちゃうなぁ。
あなたも、、髪の毛無くても、素敵だぁ。。。
ドラムも抑制きかせながらも、パッシッと、決めがはいって、4人でがっちり意志の疎通ができてるバンドだった。。
あぁ。。。ユーロジャズの魅力満載。春爛漫。(関係ないっすm(__)m)
50分って時間も大変よろしい。。ようで。。
01. Line Up
02. Fluttuando
03. Rowertu
04. La Raza
05. Il Mulino
06. Lunotta
07. In A Sentimental Mood
08. Amapola
Mauro Negri Clarinet
Paolo Birro Piano
Furio Di Castri Double Bass
Fabrizio Sferra Drums
ギターのパット・マルティーノって、音符を立て続けに出しまくっても絶対豪華絢爛、って感じの演奏にならなくて、哲学的で渋くてかっこいいですよね。私的にはキャストリは同じイメージ。
本当はフリオ様、、と、、呼びたい。。

追記
これを読んだひとから、Amapola の記述に間違いがあるよ、、って教えてもらいましたあ。
有名な曲だった!、、、お恥ずかしい間違いでございました。
ジャケットよく読んだらちゃんと作曲者がかいてありました。(^_^);;
« May Day /Emanuele Cisi & Paolo Birro | トップページ | To Be Ornette To Be / Aldo Romano »
「JAZZ(Grazie Italia )」カテゴリの記事
- エンリコ・ピエラヌンツィが、チェット・ベイカーのトリュビュート作をリリース♪(2023.05.31)
- マラネッロ市と坂祝町の友好10周年ライブが素晴らしい! 「Paolo Fresu & Flavio Manzoni Live」(2023.01.18)
- ロマンチシズムと哀愁が溢れたビター・スィートな一枚 『European Walkabout / Alessandro Galati Trio』(2022.03.26)
- ファブリッツィオ・ボッソとハヴィエル・ジロットが参加 『Blu / Igor Caiazza』(2022.03.06)
- クラウディオ・フィリッピーニ参加 『Happy End / Lorenzo Tucci』(2022.03.02)
コメント
« May Day /Emanuele Cisi & Paolo Birro | トップページ | To Be Ornette To Be / Aldo Romano »
TITLE: もう1っこ
SECRET: 0
PASS:
すごく前の記事に申し訳ありません。
ネグリのこのアルバムも紹介されていたのですね。
僕も大好きで、買った時はよく聞いてました。
キャストリが、すんごくかっこえーですよね。
これとほぼ同時期に、
Aldo Romano / cornersってアルバムを手に入れました。こちらは聞きましたか?
NegriとBenitaも参加してます。 Romanoの胸キュンな曲想とネグリのクラが良くあってます。
ピアノとギターも曲者で面白いです。 Ronnie Patterson とTim Millerて人です。
アルバム最後のBellevilleってワルツが、とても可愛くて、バンドでよく演奏してます。
では、また遊び来ます。
投稿: しぶちゃ | 2006年6月13日 (火) 01時35分
TITLE: おぉ、これ、いいっす。
SECRET: 0
PASS:
しぶちゃさん
これ、みんなもちょこっと、、聴いてみればいいのにね。
最近、リエンのアルバムでもアマポーレって演奏してたけど、最初に聴いたのでこっちが好きです。
あぁぁぁ、、聴きたくなったぁ!
>ネグリのこのアルバムも紹介されていたのですね。
これ、いいですよね。
キャストリ、絶好調!!めちゃくちゃかっこいいです。
私は、この人に、、もし遭遇したら、、
「あいラヴゆう~」って平気でいえます。
先週、スウェーデンのギターに言ったばかりですけど。。(^_^);;
> Aldo Romano / cornersってアルバムを手に入れました。こちらは聞きましたか?
うん、もってますよん。
このジャケットおもしろいよね。
コーナーズ、、かどっこ、で、東京とフランス?の町並みになってるのですよね。
そう、マイだ~りん、ベニータがいます。。。
きっと、その角であったら、ベニータにも
「あいラヴゆう~」っていいます。
>アルバム最後のBellevilleってワルツが、とても可愛くて、バンドでよく演奏してます。
おぉ、、なんて、趣味のよいバンドでしょう!
つうことは、、なんですか?しぶちゃさんは、ベニータ役ね!
投稿: すずっく | 2006年6月13日 (火) 18時01分