ContoS/Fresu,Castri,Taylor

93年にEgeaからでてるこのアルバムも、「個」がキチンと確立した3人の内省的で、緊張感、集中力の高い演奏が詰まっており、完成度の高い作品かな~、っておもいます。今聴いてもまったく古さを感じません。超愛聴盤。
Egeaのジャケットはどれも独特なのだけど、その中でもちょっと異彩を放つなデザイン。このシュールな物体?生物?が放つ異様な雰囲気です。
ジャズといっても、レーベルのコンセプトからクラシック寄りのアルバム作りが多いEgeaの中では、ドラムレスで、かなりインプロ度、ジャズ度が高いアルバムで、クールで、全体のイメージは、暗~い感じです。光があれば、影もある。。。昼間はさんさんと輝く太陽、そして、夜は青白い月夜も画になるようです。
基本的に全編、、暗い!激渋い。最初に聴いたときに自分の中で「欧州石畳ジャズ」って命名したくらいですから。。(^_^);
中世の雰囲気を残す石畳の街を 真冬の真夜中に、徒党を組んで「徘徊」する悪党のイメージですよ。三人一糸乱れぬ行動、、し~~んとした広場、、空には青白い月。。
湿度が全然感じられない、冷た~~~い空気、、ピリッとした乾いた空気、、、
9曲は、メンバーのオリジナルで、それぞれの特徴がでてる個性的な曲が並び、その曲自体もこのアルバムの魅力になってる。フレズ4曲、フリオ3曲、ジョンテイラー2曲。偶然かな?ジャケットのクレジットの順番です。
1曲目Suenos!以前、オラシオさんがアルバムの1曲目がかっこいいアルバム、って特集してたけど、そのときに頭にすぐ浮かんだのがこれ。かなり不思議な雰囲気を持つ大好きな曲なのです。Suenos、って言うのは「夢」だそうです。「夢」の中、、不思議な世界を漂い歩く感じ。曲の頭でテイラーが弦をかき鳴らして、異空間に誘うとゆっくりとした、でも印象的なベースパターンでキャストリが登場。フレズは正攻法で、ストレートにテーマを吹き上げるのですが、無駄無くかっこいい。この息づかい、緊張感!渋いけど、ものすごく生ナマしくて、セクシーでもあります。テイラーのソロもぐっと集中してる。
マイナーな曲で強い緊張感を持ち、単調に力強くはいるテイラーのピアノが凄みがあって効果的な彼自身の曲が入って、3曲目は、アップテンポなフレズのソロから入るその名もずばり、Walkabout!いやぁ~すいません、これも大好きです。
このビート感と3人のそれぞれの隙間の埋め方、聴く方も躰が動きますよね。所々で、3人で、2人で、ユニゾンを決め決めして、息のぴったりあったかっこよさ強調。最後もバッシと決めて、してやったり、って感じですね。聴いてる方も大変気持ちが良いです。はい。
続く曲もフレズの曲なのですが、今度はメロディの美しさに少しうっとりしてしまいます。どこか、不安な気分にさせる、、、そんなピアノの演奏で始まるのですが、フレズの曲は哀愁あるイタリアンメロディって感じ。。。叙情豊かなフレズ柔らかさと歌心も楽しめる一曲。キャストリのソロも少し柔らかにメロディアスになる。もちろん、テイラーも、フレズの演奏と曲の美しさをたたえた綺麗な演奏で応えます。
5曲目のEvening Songは、ショートストーリーを展開させていく感じです。
彼ららしい「間」、、音のない空間を上手く使った演奏でこれも好きです。
ここでのテイラーの絡み方はとっても、彼らしくてちょっぴりフリーな感じも混ざっていて、切れ味よくて好きです。
その後もリズム、テンポ、間を工夫したフレズの曲、独特の緊張感が曲を支配してるテイラーの曲、タイトルとはほど遠いイメージのフレズのくら~~い曲(キャストリのソロがかっこいい)、、と、個性的で、緊張感のある曲が続き、最後は楽器で効果音的な音を出して、片足フリーにつっこんだキャストリの曲で〆。曲はキャストリ、ってなってるけど、フレズが使いそうなフレーズつうかリフをつなげた感じのような曲であっさり終わってしまうのですよね。最初はこれって、、「ボーナストラック?」って思ったくらいです。
今では、この唐突な感じの終演も好きになってしまいましたぁ。
52分30秒、、決してリラックスムードでは無いのですが、人の心の裏側をのぞき込んだような感じがあって、癖になります。
独りで聴くのが最高だな。
1.Suenos
2.Evan Song
3.Walkabout
4.Satie
5.Evening Song
6.Ninna Nanna Per Vale
7.Blue Glass
8.Lovely Ballad
9.Mandarin
Paolo Fresu (Tp)
Furio Di Castri (B)
John Taylor (P)
フリオさまとフレズは朋友ってやつで、かなり昔からデュオの作品だしたり、同じ時期にロマーノのレギュラーバンドのメンバーだったり、互いのアルバムでも行ったり来たりで、「ツーdeカー」って間柄です。先日書いたP.A.F.なんてのも一緒にやっています。フリオ様は、常にクールで渋い、ちょっと、屈折した感じがまたなんともかっこいい。速いパッセージで、どんどん送り出してくるフリオ節は最近ますます磨きがかかってきてる感じがするし、、
そう!ネグリの新譜はファン必聴盤ですよ。。もの凄く、キャストリかっこいいですから。
ジョンテイラーは、二人とはお初なのでないでしょうか?どうかな?若き日にはかなり尖った先鋭的、前衛的なプレイヤーのイメージだったのですが、ここではもの凄く良い意味で「年輪を重ねた」と、いったプレイで、二人の「ツーdeカー」の中に新鮮な緊張感をもたらしていますよね。大先輩ですものね?
フレズはいつもかっこいいので、ノーコメントにしよう。。(^o^)
あ、、、私的、、疑問をひとつ、、
ContoSの「S」が大文字なのは、単にデザイン?

追記 わけあって、削除しましたが、少し書き直して再び登録しました。M(__)M
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