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音楽で拡がる輪

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2006年3月31日 (金)

ContoS/Fresu,Castri,Taylor

イタリアは明るく陽気で「お気楽な」イメージがありますが、楽器、音楽、美術に長い伝統があり、簡単にそのイメージからイタリアのジャズ、ってまとめることは難しいです。(ま、、何処の国でも同じか。。)
93年にEgeaからでてるこのアルバムも、「個」がキチンと確立した3人の内省的で、緊張感、集中力の高い演奏が詰まっており、完成度の高い作品かな~、っておもいます。今聴いてもまったく古さを感じません。超愛聴盤。

Egeaのジャケットはどれも独特なのだけど、その中でもちょっと異彩を放つなデザイン。このシュールな物体?生物?が放つ異様な雰囲気です。
ジャズといっても、レーベルのコンセプトからクラシック寄りのアルバム作りが多いEgeaの中では、ドラムレスで、かなりインプロ度、ジャズ度が高いアルバムで、クールで、全体のイメージは、暗~い感じです。光があれば、影もある。。。昼間はさんさんと輝く太陽、そして、夜は青白い月夜も画になるようです。
基本的に全編、、暗い!激渋い。最初に聴いたときに自分の中で「欧州石畳ジャズ」って命名したくらいですから。。(^_^);
中世の雰囲気を残す石畳の街を 真冬の真夜中に、徒党を組んで「徘徊」する悪党のイメージですよ。三人一糸乱れぬ行動、、し~~んとした広場、、空には青白い月。。
湿度が全然感じられない、冷た~~~い空気、、ピリッとした乾いた空気、、、

9曲は、メンバーのオリジナルで、それぞれの特徴がでてる個性的な曲が並び、その曲自体もこのアルバムの魅力になってる。フレズ4曲、フリオ3曲、ジョンテイラー2曲。偶然かな?ジャケットのクレジットの順番です。
1曲目Suenos!以前、オラシオさんがアルバムの1曲目がかっこいいアルバム、って特集してたけど、そのときに頭にすぐ浮かんだのがこれ。かなり不思議な雰囲気を持つ大好きな曲なのです。Suenos、って言うのは「夢」だそうです。「夢」の中、、不思議な世界を漂い歩く感じ。曲の頭でテイラーが弦をかき鳴らして、異空間に誘うとゆっくりとした、でも印象的なベースパターンでキャストリが登場。フレズは正攻法で、ストレートにテーマを吹き上げるのですが、無駄無くかっこいい。この息づかい、緊張感!渋いけど、ものすごく生ナマしくて、セクシーでもあります。テイラーのソロもぐっと集中してる。
マイナーな曲で強い緊張感を持ち、単調に力強くはいるテイラーのピアノが凄みがあって効果的な彼自身の曲が入って、3曲目は、アップテンポなフレズのソロから入るその名もずばり、Walkabout!いやぁ~すいません、これも大好きです。
このビート感と3人のそれぞれの隙間の埋め方、聴く方も躰が動きますよね。所々で、3人で、2人で、ユニゾンを決め決めして、息のぴったりあったかっこよさ強調。最後もバッシと決めて、してやったり、って感じですね。聴いてる方も大変気持ちが良いです。はい。
続く曲もフレズの曲なのですが、今度はメロディの美しさに少しうっとりしてしまいます。どこか、不安な気分にさせる、、、そんなピアノの演奏で始まるのですが、フレズの曲は哀愁あるイタリアンメロディって感じ。。。叙情豊かなフレズ柔らかさと歌心も楽しめる一曲。キャストリのソロも少し柔らかにメロディアスになる。もちろん、テイラーも、フレズの演奏と曲の美しさをたたえた綺麗な演奏で応えます。
5曲目のEvening Songは、ショートストーリーを展開させていく感じです。
彼ららしい「間」、、音のない空間を上手く使った演奏でこれも好きです。
ここでのテイラーの絡み方はとっても、彼らしくてちょっぴりフリーな感じも混ざっていて、切れ味よくて好きです。
その後もリズム、テンポ、間を工夫したフレズの曲、独特の緊張感が曲を支配してるテイラーの曲、タイトルとはほど遠いイメージのフレズのくら~~い曲(キャストリのソロがかっこいい)、、と、個性的で、緊張感のある曲が続き、最後は楽器で効果音的な音を出して、片足フリーにつっこんだキャストリの曲で〆。曲はキャストリ、ってなってるけど、フレズが使いそうなフレーズつうかリフをつなげた感じのような曲であっさり終わってしまうのですよね。最初はこれって、、「ボーナストラック?」って思ったくらいです。
今では、この唐突な感じの終演も好きになってしまいましたぁ。
52分30秒、、決してリラックスムードでは無いのですが、人の心の裏側をのぞき込んだような感じがあって、癖になります。
独りで聴くのが最高だな。

1.Suenos
2.Evan Song
3.Walkabout
4.Satie
5.Evening Song
6.Ninna Nanna Per Vale
7.Blue Glass
8.Lovely Ballad
9.Mandarin

Paolo Fresu (Tp)
Furio Di Castri (B)
John Taylor (P)

フリオさまとフレズは朋友ってやつで、かなり昔からデュオの作品だしたり、同じ時期にロマーノのレギュラーバンドのメンバーだったり、互いのアルバムでも行ったり来たりで、「ツーdeカー」って間柄です。先日書いたP.A.F.なんてのも一緒にやっています。フリオ様は、常にクールで渋い、ちょっと、屈折した感じがまたなんともかっこいい。速いパッセージで、どんどん送り出してくるフリオ節は最近ますます磨きがかかってきてる感じがするし、、
そう!ネグリの新譜はファン必聴盤ですよ。。もの凄く、キャストリかっこいいですから。
ジョンテイラーは、二人とはお初なのでないでしょうか?どうかな?若き日にはかなり尖った先鋭的、前衛的なプレイヤーのイメージだったのですが、ここではもの凄く良い意味で「年輪を重ねた」と、いったプレイで、二人の「ツーdeカー」の中に新鮮な緊張感をもたらしていますよね。大先輩ですものね?
フレズはいつもかっこいいので、ノーコメントにしよう。。(^o^)

あ、、、私的、、疑問をひとつ、、
ContoSの「S」が大文字なのは、単にデザイン?



追記 わけあって、削除しましたが、少し書き直して再び登録しました。M(__)M



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JAZZ(Grazie Italia )」カテゴリの記事

コメント

TITLE: はじめまして
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Suzuckさん、はじめまして。アーティチョークと申します。

気がつかなかったとはいえ、naryさんのところでは大変失礼をいたしました。

ここへはしぶちゃさん経由で度々お邪魔していたものの、いつ、どこへコメントしようかなと思いながら(Suzuckさんと好みが重なる部分がけっこうあるのです)、ちょっと勇気がなかったこともあって、今頃になってしまいました。オラシオさんとこできっかけが掴めましたので、今日、ようやく初めてコメントいたします。



Suzuckさんの詩を思わせる文章がステキ。でも、それだけじゃないのですね。ちゃんと肝心なところを押さえていらっしゃる。いつも感心して拝読しておりました。



ContoSは、しぶちゃさんに教えてもらって大好きになりました。EGEAのジャケットデザインですが、このContoSなどはダリの絵画に似ていると思いました。FRESUめっちゃかっこええですよね。私、ただいまこのFRESUさんを追跡中です。

そういえば上記PAFのMORPHも出てすぐに買ったのですが、初めて聴いたときは「なんや、これ?」ってゲラゲラ笑っていました。小学生が下敷き振って音出してるみたいなところとか、うがいの音とか。反省してもう一回ちゃんと聴いてみます。

これからも度々遊びにきますね。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

TITLE: おぉぉ!
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アーティチョークさん



かき込みありがと~~♪

後でゆっくりお返事しますね。

ちょっと、、、稼いできます。(^_^);;

TITLE: すごく、不思議なんですよね。
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アーティチョークさん



趣味が違いそうな二人なのですが、、

好きなミュージシャン、二人でど真ん中が一緒なんですよね。

しかし、並み居るヨーロッパの個性派、テクニシャンを抑えて、フレズのおっかけになったって、嬉しいで~す。

あと、人気沸騰中のボラーニも好きなんですよね。

あと、グエンリー、ことnguyen leも好きなんですよね。

そちらで話題になってるミュージシャン、、私、かぶる人多いので~す。

でも、知らない人もいっぱい居て、楽しいブログです。



>気がつかなかったとはいえ、naryさんのところでは大変失礼をいたしました。

いえ、、よそ様のブログで、お客様に話しかけるのは、どうなんだろう?っておもったのですが、ナリーさんとは親しいので、許してもらっちゃいました。

ナリーさんがリンクしてから、ナリーさんところから見学にいきます。



>Suzuckさんの詩を思わせる文章がステキ。でも、それだけじゃないのですね。ちゃんと肝心なところを押さえていらっしゃる。いつも感心して拝読しておりました。



ほめすぎでっせ。

アーティチョークさんのように、きっぱり、すっぱりした文章に憧れます。「男装の麗人」、って感じでございます。憧れちゃうけど、私、知識もないし、、なんせ、人生ふにゃふにゃ生きてるのが好きなもんで。。ジャズ道にも「筋」も「金」も入ってないで~す。



つづく。。。


TITLE: つづきでござる。。
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アーティチョークさん



このイタリアシリーズえらく孤独な闘いだったので、(^_^);;読んでくださってる方がいただけでも、非常に嬉しいです。

たまに思わぬ人が反応してくれると、涙がちょちょぎれまーーす。



>このContoSなどはダリの絵画に似ていると思いました。FRESUめっちゃかっこええですよね。私、ただいまこのFRESUさんを追跡中です。

コントス、すでに十年以上前のアルバムなんですよね。

でも、かなり得点高いのです。クラクラするぅ。

3人ともめちゃくちゃかっこいい。凄い集中力です。

って、話してると頭の中にアルバムの冒頭が流れ出しまーーす。かっこええよね。

イタリアンハードバップも大好きですが、こういうのもいいよねぇ~。



>そういえば上記PAFのMORPHも出てすぐに買ったのですが、

わぁ~、これさ、結構、スルメ的にいいですよ。(親馬鹿状態)

私、このアルバム人にすすめないけど、フレズファン、キャストリファンは、楽しめちゃうと思う。。

最初、私もちょっと、遊びすぎじゃん、っておもったのですが、、、(^_^)



でも、、間違っても、、フレズでオススメありますか?って聞かれてもこのアルバムは名前はださないなぁ。

フレズ、、意外といろんなところに顔出してます。。

で、、なかなか、、懐的に厳しいものが、、ありますよ。。



あと、、オラシオさんが言ってた、、スパム系のかき込みレスつけたの、、

たぶん、、私、、何とかランキングの佐々木さまに、、つい、、お断りのレスいたしました。。(^_^);

TITLE: 来てくださってありがとうございました
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すずっくさん、こんばんは。



> 「男装の麗人」

きゃー!そんなんとちゃいますよ。私、いちびりでアホ丸出しです。それにのんきでぼーっとしてるし←これは本当ですよ、のんきでぼーっとしてるのは。悪いヤツに騙されず、車にも轢かれることなく、今日までよくぞ無事に世の中渡れてきたもんだというぐらいに(笑)



> フレズ、、意外といろんなところに顔出してます。。で、、なかなか、、懐的に厳しいものが、、ありますよ。。

私、ジャズに関する本ってちっとも買わないのです(CD買って聴くほうがいい)。でも杉田宏樹著『ヨーロッパのジャズレーベル』だけは役に立ちそうなので買いました。で、この本には、FRESUが自己のクインテットを結成したのは1982年て書いてあります。FRESUって若そうにみえますが、活動暦は長いんですね。すずっくさんの仰るように、この人を追いかけると大変そうです。が、これから出るFRESUの作品にはぜひ注目しようと思っています。



そうそう、今日、PAFのMORPHを久しぶりに聴いておったのですが面白かったです。よーく聴いてみるとなかなかかっこいい演奏ですね。今までちゃんと聴いていなかったので反省です。



他にもいろいろと積もる話(30センチぐらいね)があるのですが、きりがないので今日はこのぐらいにして、また来ます!

TITLE: いろいろな音楽楽しんでいきましょうね。
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アーティチョークさん



>きゃー!そんなんとちゃいますよ。私、いちびりでアホ丸出しです。それにのんきでぼーっとしてるし←これは本当ですよ、のんきでぼーっとしてるのは。悪いヤツに騙されず、車にも轢かれることなく、今日までよくぞ無事に世の中渡れてきたもんだというぐらいに(笑)



う~~ん、やっぱ、「宝塚」のイメージですなぁ。

私は、高校が女子校だったので、凛とした女性に憧れる、、習性がついちゃってます。





>私、ジャズに関する本ってちっとも買わないのです(CD買って聴くほうがいい)。でも杉田宏樹著『ヨーロッパのジャズレーベル』だけは役に立ちそうなので買いました。



それ、クリスさんもいいっていうんで欲しいのですが、、できたら、、新しく改訂してほしいなぁ。

ウン、フレズ、古いのは中古で拾ってきます。

天使も中古だったのよ。

新しいのは、メンバーみながら、「決断」いたします。

この人には、、甘くなてしまう傾向はあるのですが、、



>そうそう、今日、PAFのMORPHを久しぶりに聴いておったのですが面白かったです。よーく聴いてみるとなかなかかっこいい演奏ですね。今までちゃんと聴いていなかったので反省です。



コントスもそうなんですが、1人1人が、キチンとした技術はもちろん、考え方も息が合ってると聞いていて面白いですよね。



30センチの15センチは、そちらのブログにいけるように、、どうにか、、ノーパソ(笑)頑張りたいとおもってまーーす。

どづも、ありがとうございました。

TITLE: トラバ返し!
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すみませんね~。

御記事があるのを失礼ながら忘れておりました。

しかしやっぱりこのアルバム、「夜」ですよね。

そして、「スエニョス」もまたベストオープニングナンバーの一つでしょう。

久しぶりに聴くことが出来て、すでに十回以上聴いてます。

ほんとに、ジャズ本はこういう作品をこそ紹介して行けよ!と思います。

ポルタルのエニ・ウェイとかね。

失礼します。

TITLE: いいですよね。
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オラシオさん



すぐに頭のなかに一曲目がリプレイできるのですが、瞬間、たまらず身体が緊張してしまいます。



>御記事があるのを失礼ながら忘れておりました。

いいもん。ひねくれものになってやる。



>しかしやっぱりこのアルバム、「夜」ですよね。

夜。そして、独りはキーワードっす。



>そして、「スエニョス」もまたベストオープニングナンバーの一つでしょう。

でしょ?

一発で、このアルバム全部の雰囲気つかめちゃいますから。



>ほんとに、ジャズ本はこういう作品をこそ紹介して行けよ!と思います。

>ポルタルのエニ・ウェイとかね。

う~ん、、と、、すると、、

私のブログは、清く正しいジャズを紹介してるのですねぇ~。なんちゃって。

結構、、みなさんの笑いをとったかも。。(^_^);

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