Les Amants/Enrico Pieranunzi & String Quartet

個性的なジャズの奏者から徹底して「脂抜き(アメリカ抜き)」をして、すっきりしたところで、ジャズの枠を越えた音楽を演奏させる。
確かな技術をもったクラシックの奏者達と共演させたり、民族楽器を持ってきたり、デュエットやトリオでも、楽器の組み合わせが珍しかったり、曲がクラシック風であったり、、、平たく、誤解を恐れず書いちゃうと、、
いわゆるジャズとしてまかり通ってる常識でないところを、一生懸命さがしてきて?題材にしてる、って感じです。言葉は乱暴だけど、これによっていろいろと面白い効果がアルバムにあらわれてるのだから、ファンも多い。
内省的で、美しい音楽がおおいけど、ジャズよりのものもあれば、このアルバムのようにクラシックよりであろうものも多いです。
ヨーロッパ流、エレガントなジャズ、とでもいうと、敬遠されそうだが、美しいものへのこだわりは凄いのです。
ジャケットも黒を基調に縦長の窓から、何時も不思議な絵が覗く、きまった構図が多いです。私のように感性の鈍いヤツには、、同じようにみえたりもしちゃったりする。
ぐたぐたいってますが、ここのレーベル、私は好きな作品や興味がある作品がおおいのです。即興性も高いものあれば、低いものもあり、趣味にあったものを見つけることができれば、とても楽しめる。外すと、、痛い。(^_^);
まとめて聴くというより、日常生活でそのアルバムにあった場面で独り悦に入って聴く、って感じです。
今日は、薄曇り。庭の小さなブナの木を仰ぐと、黄色と茶色に変わった葉っぱが淋しそうに風にゆれてました。で、このアルバムが登場したわけです。
ここで、リーダーはイタリアの人気のピアニストエンリコピエラヌンツ。
もともと、きっちり、かっちり、クラシック的な要素も多い彼の采配で、弦楽四重奏と共演しています。曲はすべて彼のオリジナルで、もう一つもってるEGEAのRacconti mediterraneiのアルバムでも演奏してる4曲をはじめ、哀愁のある優美な曲がつづきます。ストリングスはきっちり計算され、構成されたアレンジの中で優雅に雰囲気を盛り上げ、ピエラヌンツのピアノがうっとりするようなメロディを奏でるなか、ジュリアーニが艶っぽい音で臨場感と変化を、そしてマークジョンソンがジャズとしての安定感と叙情を加えて、見事に華開く、、といった感じの流れです。
タイトル曲のようにアグレッシブな展開がある場面もあるのですが、ピエラヌンツ風クラシック物語、、と、いった感じなのでしょうか。
哀愁有るメロディばかりなので、ジュリアーニもマークジョンソンも泣けるような叙情豊かなソロを随所で展開してくれます。
秋にもの想う人に。
1 Canto nascosto
2 Canto del mare
3 The kingdom (where nobody dies)
4 Les Amants
5 Canzone di Nausicaa
6 Where I never was
7 The flower
Enrico Pieranunzi (P)
Marc Johnson (B)
Rosario Giuliani (Asax)
Gabriele Pieranunzi (vlin)
Alessandro Cervo (vlin)
Francesco Fiore (viola)
Daniela Petracchi (cello)
#2
Angelo Cicillini (viola)
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TITLE: Re:Les Amants/Enrico Pieranunzi & String Quartet(10/19)
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オイラも今コレ聴いてます。
秋の夜長にヨロシイ一枚だと・・・。
いつも覗くだけでスマンです。
こちらは今、結構大きな地震がありました。コワイ!
失礼しました。
投稿: ひげ | 2005年10月19日 (水) 20時47分
TITLE: ありがと。
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ひげさん
わわ~
書いておきながら、なんなのですが、これに反応あるとはおもいませんでした。
クラシックほとんど聴かない私には、もう、クラシックみたな気分でかけます。
>オイラも今コレ聴いてます。
>秋の夜長にヨロシイ一枚だと・・・。
後押しどうもありがとう。。。
似たものどうしなんだよね。
>いつも覗くだけでスマンです。
いいえ、いいえ、たまにお声をあげてくれるので、嬉しいですよ。
地味な、ブログだよね~。でも、これ以上どうにもできないんだもん。
一応、、これでも、精一杯なのです。
地震、茨城が震源だったみたいですね。
ええとね、もうすぐ震災があって、一年です。
いろんな特集があります。
まだまだ、いろいろあるといえ、、人間って頑張りますよね。。。
投稿: Suzuck | 2005年10月20日 (木) 19時00分