Oceans In The Sky / Steve Kuhn

ロマーノのDoの話をしていたら、とても懐かしく思い出も深いアルバムなので聴きたくなりました。
スティーヴ・キューンといえば、あの緊張感溢れる耽美的な世界の象徴のようなECMの作品を思い浮かぶ人が多いとおもいます。
でも、演奏歴の長い彼は、意外といろんなスタイルで演奏してますよね。
これは、80年代最後の作品で、かなりオーソドックスにフォービートのジャズを演奏してます。しかも、オリジナルは割と少なく、キューンの曲は2曲。あとは、メンバーのロマーノのオリジナルのバラード一曲のぞくと、スタンダードやブラジルの曲など、面白い選曲になっています。
冒頭、一曲目はイヴァンリンスの曲。実に味のある出だしなのですが、シンプルにテーマを弾きソロを展開するキューンのスタイルは、やはり美意識が溢れんばかりです。ヴィトウスも絡んで、知らないうちにこの3人のすばらしい世界に入り込んでしまいます。
2曲目は、アップテンポでぐぃぐぃとスィンギーな演奏がはじまり、こういう瞬間って趣味を越えて、ジャズ好きにはたまらない瞬間。
4曲目はロマーノ作のゆったりとした三拍子のバラード。
キューンの美しさもさることながら、名手ヴィトウスのソロは歌心に溢れていて実に素敵。まさに相互作用!作曲者もここまで表現してくれたら、ホント本望でしょう。。
次は、このアルバムでは、2曲しかないキューンのオリジナルの一曲。
ダイナミックで、一気に空間がひろがる演奏です。
初めてこの曲を聴いたとき、丁度、関越道を東京方面に向かってはしってました。
四月の初旬で、トンネルを抜ける手前でした
三国の山々にはまだ沢山の残雪がのこり、青い空にまっしろな山並みがひろがるその景色は誰がみても感動的だとおもいます。で、そこで、丁度この曲だったのです。
う~~ん、このまま、大パノラマに吸収されて昇天してしまいそうな程の感銘をうけちゃいましたぁ。(単純なのよ)
だから、今でもこの曲になるとあの風景がよみがえります。
で、アルバムはこの後も、涙がでるほど好きなTheme For Ernieとつづきます。そして、懐かしい、キューンのUllaも演奏され、最後は彼のピアノソロで、しっとりと静かに幕を閉じます。
演奏全体に、3人が実にぴったりと常に同じ方向をみつめています。
何度も何度もひっぱりだすアルバムになるのではないかとおもいます。
キューンに花束、ヴィトウスに敢闘賞、ロマーノにはキッスを送ります。
すんません、見た目ロマーノが一番好きなんで。。。(^_^);
1. The Island
2. Lotus Blossom
3. La Plus Que Lente-Passion Flower
4. Do
5. Oceans In The Sky
6. Theme For Ernie
7. Angela
8. In Your Own Sweet Way
9. Ulla
10. The Music That Makes Me Dance
Steve Kuhn(P)
Miroslav Vitous(B)
Aldo Romano(Ds)
最近のコメント